「じようだんじゃないー あの家族か、たまたま、そうだったというだけさ。ね えさんは、つえを、とられるような目にあっても、まだ、こりないのかい」 あおひか デデブの目は、うっすらと、青く光っていた。 「デデブ。おまえは、どうして : 「ど、フしても、こ、フしてもないさ。ここにいる、もとペットたちに、きいてみ +Q 力しし 人間が、どれだけ、あぶない動か「てことを、いちばんよく、 しってるはず・さ。」 にんげん 「デデブ、それは、おまえが、人間たちのすばらしいところを、みようとしな ) ごナ・ト ) や ネネプの目は、赤くりはじめていた。デデブは、せせらわら「た。 「それをいうなら、魔法のつえを、とりかえしてやった、あたしのすばらしさ まほ、つ かぞく 109
かった。目をまるくしたまま、ロまで、ばっかり、あけていた。 「あたしに、なんかよ、フでもあるの」 のりこ いきおいこんで、テントから、とびだした紀子は、ギョッとして、たちすく きりなか ひと んでしまった。霧の中に、マントをひるがえした、魔法つかいらしい人かげが、 うかんでいたからだ。 士 6 ほ、つ 「ま、魔法つかいは、ひとりだけじゃなかったの」 まほう 「そのとおり。あたしは、魔法つかいのデデブ。おまえが、石にした魔法つか いの、いもうとだ。ねえさんのつえを、かえしてもらおうか」 あおひか デデブの目は、青く光っていた。 のりこ まほ、つ 紀子は、魔法のつえを、しつかりと、にぎりしめた。 かえすつもりはなかった。 せった ) に、 くち まほ、つ まほう
「ふこうな動たちのこころを、すこしでも、やわらげてあげたいとかい「て て、このありさまかね。あきれて、ものもいえないよ ! 」 デデブは、石にこしかけて、ぐるりと、あたりを、みまわした。 「しんせつのおしうりをして、動を、にしちま 0 てから、は、ない もんさ、ほんとに。」 デデブは、そういいながら、目はネネプのすがたを、さがしていた。 それにしても、へんだった。 (-nO(-n のしんごうを、おくってきたネネプが、 どこにも、いない。滝のまわりには、動のかたちをしている、石ばかりだ「た。 「べつのばしょを、さがしてみるか : デデブが、石からこしを上げたときだ。ふと、足もとに目をやって、おどろ いた。いままで、すわっていた石を、よくみると、子どものすがたのネネプ いし エスオーエス あし こ
のりこ みぎやま 「紀子 ! ほら、右の山を、みてみて ! 」 こえ とっぜん、ママがまた、うわすった声をだした。紀子は、めんどうくさそう め に、目ごナ・、、フごかー ) た。 たかやまうえ みち 「すごいわねえ。あんな高い山の上まで、道ができてるわよ。」 ま、、フんざりだった。 ママのくだらない話ー 「ママ、すこし、しずかにしてよ。」 のりこ め 紀子は、だるそ、フに、目をつぶった。 りよこう き のりこ はじめから、紀子は、この旅行に、のり気ではなかった。 き おととい 、 ) ) ごしたこと いつものように、気まぐれなパパが、とっぜん かいしやひと だ。たぶん、 テントだとか、ね ハの会社の人の、えいきようにちかいない。 どうぐ ぶくろだとか、キャンプようの道具を、いつべんに、かいこんできた。 はなし のりこ
紀子は、目をうたぐった。オウムのなみだをみたのは、はじめてだった。そ れだけではない。ネネプは、オウムのなみだを、手のひらで、うけとめると、 みぎて 右手にもっていた、ながいっえを、月にむかって、つきたてたのだ。 ネネフ、ネネフ、ネミシガン。オウムのなっかしい、ふるさとを、ネミシガン。」 おお つき ネネプは、じゅもんをとなえて、つえを、大きくふりおろした。すると、月 たきみず から、あのほそい光のすじか、まっすぐにおりてきて、滝の水に、ぶつかった。 たき 滝はい「しゅん、ばんやりと 0 て、すぐに、ジャングルのけしきか、うつ しだされた。ふとい木か、かさなりあうように、はえている。木のねもとには、 かはな まっ赤な花が、かぞえきれないほど、さいている。 まわりの動たちから、「ほうー「。」と、ためいきかもれた。 目のまえにいる、ネネプとい、フ女の子は、まちかいなく、 のりこ ひかり おんなこ つき ほんものの魔法っ まほ、つ
なんども、目を = す「て《た、 ノノオ」りこ、 足音をしのばせて、森のほ、 あるきだしたのだ「こ。 そここ、 のりこ カまっすぐこ、 気づかれ
ふと、気づくと、あたりには、だれもいなかった。デデブとネネプも、あれ ほどたくさんいた動たちも、まるで、なっかしい風景とい「しょに、きえた ト小、フこ 、いなくなっていた。 「そうだったのよね : : : 。」 ママが、ばつりと、 「ほんとだな : ノノか、つられるようにいった。 ふたりは、また、だまりこんだ。 「わたしたち、たいせつなこと、わすれてたのかもしれないわ。」 しばらくして、ママかハノ。しオ 「つまんないの ! 」 いった。ママの目は、なみだで、すこしぬれていた。 め 104
てんちけいこく 池山一家四人が、ひとけのない、天地渓谷のおくについたのは、あさの九時 ぐらいだった。 のりこ 紀子は、ねむい目をこすりながら、ばーっとしたまま、自動車をおりた。 からだ 、フー・つ、体かいオし」 おも うでをのばして、思いきりのびをした。へんなかっこうで、ねてきたせいか、 首までいたかった。 いけやま ヾヾ ・カ にん ノノとママ大きらい め じどうしゃ
「いじを、はってないで、たべなさい。」 のりこ ママが、そばにきても、紀子は、きこえないふりをして、だまっていた。 のりこ 「どうして、紀子は、いつもバハやママを、こまらせてばかりいるの。こまっ た子ねえ。」 いった。そして、 ママは、ためいきまじりに、 して、テントのほ、フに、もどっていった。 紀子は、おなかが、すいていた。でも、むすっとしたまま、川をみつづけて その日、よるおそくのことだ。 紀子は、テントの中で、ふと、目をさました。 のりこ のりこ こ なか ーベキューを、石の上にお いしうえ
き けた気もちになった。まるで、このキャンプでだけ、親らしくしているよ、フに おも さえ思える。 としゆきかわ 「敏行。川であそば、フせ。」 のりこ としゆき 紀子は、ママにべったり、く つついている敏行を、さそった。 のりこ こめ 「紀子。ついでに、お米を、あらってきてちょうだい。」 ママは、これさいわいと、はんごうを、わたした。 「せんざいは ? のりこ 紀子がいったら、ママはこおりついたよ、フに、目をまるくした。 「せ・ん・ざ・ 「そう。お米を、あら、フんだろ ? 」 「ほんきで、いってるの ? 」 こめ め おや