さいしょであ おな 最初に出会ったときも、ファリーンは同じように顔をなめた。けれどバンビ は、あのときとはちがう気持ちをいだいた。おさないころは、ファリ 1 ンの親 かん むね しげなふるまいがわずらわしかった。でも、いまはすごく ) しい感じだ。胸のと きめきさえおばえる。 のうり ふと、バンビの脳裏をフクロウのことばがよぎった。 かる ぜんしんちから はね ひざがかくがくするやら、全身の力がぬけて羽のように軽くなるやら おとこ じようたい ほね で、男はすっかり骨ぬき状態になっちまう。気づいてみると、ばうっとして宙 をふわふわとただよっているというわけだ。 しまのバンヒが、まさにそれだ。ついに、ヾ ノンビまでが″いかれほんち〃に もんだい なってしまった。でも、そんなことは問題ではなかった。バンビは、ファリ 1 かお した ちゅう 142
まえあし ハンビの前足とうしろ足を見ながら、とんすけはいった。そしてまず、バン ほんあし ビのからまったうしろ足をほどいて立たせた。バンビが四本の足をしつかりと か气たつよ ふんばると、また、体を強くおす。 こおりうえ やったぞ ! ついにバンビは、氷の上をすんなりとすべりだした。でも、ど んどんスピ 1 ドがあがっていくので、ちょっぴりこわくなった。すかさず、と まえ おうえん んすけがバンビの前まですべってきて応援する。やがて、バンビとならんです べりだした。 「ヤッホ 1 ! 」 こえ むちゅう とんすけはスケートに夢中になり、いせいよく声をあげた。 かた でも、バンビには、とまり方がわからなかった。ついに、とんすけをまきぞ あし あしみ 103