しげみ - みる会図書館


検索対象: バンビ
22件見つかりました。

1. バンビ

ていった。 おも ンビはふしぎに思った。 どうして、木の葉は落ちるんだろう ? あおそら うえ まえ 顔をあげると、前はこんもりとしげつていた木の上のほうから、青い空がの きえだ ひにち ぞいている。日一日とすぎるごとに、葉っぱが落ちて木の枝がさみしくなって ていぼく 氏木の小さな葉が落ち バンビが暮らす低木のしげみも、すっかり変わった。イ こえだ かあ ねどこ て、バンビとお母さんの寝床のまわりを、むきだしになった小枝がかこんでい もり る。木の葉が落ちると、小鳥たちも巣をはなれてとんでいき、ほかの森をさが しはじめるのだ。 ていぼくそとがわ 氏木の外側が、いつもより明るくなっ ある朝、バンビは早く目をさました。イ かお こ あさ こ はやめ ていぼくちい あか

2. バンビ

おな たちは、こんもりとしげつた木の枝にとまって雨やどりしながら、バンビと同 もりきようみ あめ じように、雨にぬれる森を興味しんしんの目つきでながめた。 あめなか おやこ アヒルの親子だけは、雨の中でうれしそうにはしゃいでいる。水かさのまし みず いけおよ た池で泳いだり、水あびしたりするのにびったりのときだ , もり かみなりおと しぜん ほとんどの動物は、すさまじい雷の音におびえていた。森や自然にくわしい ちょうろう かみなりおと 長老のフクロウでさえも、つばさで耳をふさいで雷の音をしめだそうとした。 くろくも もりじようくう かみなり とお やがて、黒い雲がゆっくりと森の上空からはなれ、雷もどこかへ遠ざかって そら たの きんいろ いった。空がピンクと金色に変わり、小鳥たちが楽しげにさえずりはじめた。 ゅめなか しず ていぼく 静かな低木のしげみでは、ようやくバンビがねむりはじめた。夢の中には、 ぼうけん あたら なかま 新しい仲間たちとの冒険のシ 1 ンがあらわれては消え、消えてはあらわれた。 どうぶつ きえだ みみ ツ」 A 」り・ あま みず

3. バンビ

しゅんかん しゅんかん 「その瞬間だと ? どの瞬間だ ? 」 ね まだ寝ばけているフクロウは、けげんそうな口ぶりをした。 ていぼく 「低木のしげみでね。」 こえ むすこ フラワ 1 はうしろをふりかえると、くつついてきた息子に声をかけた。 「早くおいで、バンビ ! 」 お すぐに追いつくよ。」 な と、つ ハンビと名づけられたスカンクの子どもは、お父さんのフラワ 1 とともに、 もり ある よちょち歩きで森をめざした。 もりどうぶつ れつ 森の動物たちは、ぞろぞろと列をつくって低木のしげみにむかった。キジは ちじようはし たかきえだ ていぼく 地上を走り、リスたちは高い木の枝をつたいながら、低木のしげみにいそいだ。 はや こ ていぼく くち 173

4. バンビ

はるう とんすけもスカンクのフラワ 1 も、この春生まれた子どもたちだが、二匹は すこ ハンビよりも少しだけお兄さんだった。 もり もり とんすけとバンビはかけだして、森の中でなかよくあそんだ。そのうち、森 そら くろ いなびかり かみなりおと に雷の音がとどろきはじめた。稲光がひらめき、白いすじが黒ずんだ空をジグ ザグに走った。どうやら、あらしになりそうだ。 いえかえ 「も一つ、家に帰ろ一つ。」 とんすけは、すばやくいって走りだした。 かあ ていぼく ハンビはお母さんを見つけると、低木のしげみにむかっていっしょにすすみ あめかぜ はじめた。しげみにもどれば、雨や風をさけることができる。 そら あんぜんばしょひ 安全な場所に引きかえすと、バンビはおさんによりそって横になり、空で ーをし しろ よこ ひき

5. バンビ

「ほら、いそいでー・ばくたちも行こ一つよー げんき こえ とんすけは、フクロウに元気よく声をかけた。 たんじよう プリンスの誕生とわかれば、ぐずぐずしてはいられない。年とったフクロウ えだ もりなか も枝からはなれると、森の中をとびはねたり走ったりしている動物たちについ ほ、つこ、つ て、めざす方向へすすんでいった。 こうきしん どうぶつ ていぼく まえあし 好奇心いつばいの動物たちは、低木のしげみの前で足をとめると、そっと中 と、つ あんぜんばしょ をのぞきこんだ。しげみにかこまれた安全な場所には、二頭のシカのすがたが あか あった。母ジカと、生まれたばかりのシカの赤ちゃんだ。 あか せなか シカの赤ちゃんは、うすい斑点におおわれた背中をまるめてねむっている。 あい 小さくて、愛らしくて、とてもかよわそうだ。 はんてん とし どうぶつ なか

6. バンビ

「いそいで ! しげみにもどるのよ ! 」 ゆき こおり ハンビはすなおにしたがった。雪におおわれた野原を走り、氷がとけはじめ おがわ 川をとびこえた。お母さんも、バンビのあとから走りだした。 はや 「速く ! もっと速く、バンビ ! 」 かあ まえはし お母さんは、前を走るバンビに呼びかけた。 こえきようふ かん その声に恐布の色がこもっているのを、バンビははっきり感じとり、うしろ をふりかえって、おさんのすかたを目でとらえようとした。 「ふりかえらないで ! 」 かあ お母さんはびしやりといった。 「走りつづけるのよ ! 」 はや いろ あ かあ のはらはし 114

7. バンビ

ハンビのおさんは、たまりかねて口をはさんだ。 「あいさつをなさい こわくないでしょ ? 」 ハンビは、こわがってなんかいない。ちょっぴりはずかしいだけだ。 「さあ、早く。ファリーンに おさんは、バンビをファリ 1 ンのほうへおしだした。 「こんにちは。」 こえ ちい ハンビは、小さな声でいった。 ファリーンはくすくす笑うと、ふざけてバンビを追いかけようとした。反射 的一」、ヾ ノンビは逃げだした。ところが、あわててしげみの中へつつこんだひょ みず うしに、水たまりでしりもちをついてしまった。 てき はや あ わら 、『こんにちは』ってい一つのよー・」 くち なか はんしゃ

8. バンビ

かえ 初めて足をとめると、息を切らしてハアハアあえぎながら、お母さんが帰っ あしおと てくるのを待った。ところがなせか、いつまでたっても、おさんの足音はき こえてこない。 かあ 「お母さん。」 ハンビはお母さんを呼び、しげみの外にかけだした。 ゆき ゆきなか いつのまにか、雪がふりだした。バンビは雪の中にほっんとたたずみ、お さんがかけよってくるのを待ちつづけた。 どれくらい′ただろ一つか ? ・と一つと一つ、 かあ 「お母さん。」 ゆきなか ゆき ふりしきる雪の中で、バンビはお母さんをさがしまわった。雪に視界をさえ はじ あし かあ かあ そと ハンビは泣きだした。 あ かあ しかい あ 116

9. バンビ

ひかり なんど めあか ているせいだ。まぶしい光に、ヾ ノンビは何度もまばたきした。目が明るさにな もりみ れると、そっと低木のしげみからでて森を見わたした。そのとたん、ぎよっと して目をまるくした。バンビをとりまく世界が、また、すっかり変わっている ではないかー じめん むきだしの木は、どこへ行ったの ? それに、落ち葉におおわれた地面は ? あき もりぜんたい ゅうべまで秋の色にそまっていたのに、ゝ しまでは、森全体が白いふしぎなも ひかり ぎんいろ のをかぶっている。しかも、光をはねかえして銀色がかって見える。まさに、 はくぎんせかい 白銀の世界がひろがっているのだ , かあ 「お母さん、起きて ! 」 こうふん ハンビは興奮してさけんだ。 ていぼく せかい しろ

10. バンビ

の花が咲きみだれている。とてもきれいな場所だ。 のはら 「わあっ、野原だ ! 」 かんせい ハンビは歓声をあげ、お母さんより先にとびだした。 ぜんしん こだち ふか そら 前進をはばむ木立もなければ、深いしげみもない。ひろい空をとぶ鳥のよう じゅうはし 。ハンビは自由に走りまわることができるのだ。 「バンビ、待って ! 」 かあ まえ お母さんは、さっとバンビの前にとびだすと、行く手をさえぎった。 のはら 「野原では、あわてちゃだめ。」 むすこ 自 5 子にきつばりとゝ しいきかせる かあ こえ きゅう きようふ いろかん ハンビは、お母さんの声から恐怖の色を感じとり、急にこわくなった。 かあ さき とり