自分たち - みる会図書館


検索対象: バンビ
22件見つかりました。

1. バンビ

まるたなか こえくうどうなかはんきよう 声が空洞の中で反響し、しゃべったとんすけ自身がびつくりした。丸太の中 おも じぶん さっとうしろをふりかえってみた。 に自分のほかにだれかかいるのかと思い でも、だれもいなかった。 「とんすけ ! 」 まるたなか 丸太の中で、自分の名前を呼んでみる。 「とんすけ ! 」 こだまが声をかえす。 わらごえ ハンビとウサギのきようだいは笑い声をあげた。きようは、びつくりするこ まいにちもり かおみ とがたくさんあった。毎日、森はいろいろな顔を見せて、バンビやウサギたち たの をおどろかせたり、楽しませたりする。 こえ じ ん な じしん

2. バンビ

ウサギたちとあそんでいるうちに、ヾ ノンビは自分がだんだん強く、たくまし かん くなっていくのを感じた。速く走れるようにもなった。 きみき みき 木の幹がたおれている場所に来ると、ウサギたちは幹をひょいとすばやくと ひこえた。でも、バンビは、どうやってとびこえていいかわからなかった。 「さあ、こえて。きっととべるよ。」 じっえん とんすけはバンビをはげまし、実演してみせた。 「大きくジャンプするんだ こうやってね。」 おも ハンビは、とんすけの動きをじっと見つめた。そして、自分にもできると思っ すこ まるた た。少しうしろへさがると、はずみをつけて丸太をとびこえようとした。 けれど、シカとウサギは体のつくりがちがうので、うまくいかなかった。バ おお はやはし み じぶん じぶん つよ

3. バンビ

ふゅ ふこう しぜん 初めての冬は、バンビに不幸をもたらし、自然のきびしさを教えた。おさ かな んをうしなった悲しみをわすれることはできないけれど、いつまでもめそめそ してばかりはいられなかった。これから先もずっと、バンビは生きていかなけ じぶん あいじよう ればならないのだから。命がけで自分をまもってくれたお母さんの愛情に、む くいるためにも , かあ おそ ふゆえいえん お母さんから教わったように、冬が永遠につづくわけではなかった。まもな はじ きせつ さき 120

4. バンビ

ある それからまた歩きだした。 こころ じんき ハンビの心は舞いあかった。王さまのようにりつばな雄ジカが自分に気づい おも てくれるなんて、思ってもみなかった。 「いちばん大きくてりつばなシカか、立ちどまって、ばくのことを見つめてく れたんだ ! 」 かあ ちか うちょうてん お母さんが近づいてきたとき、バンビは有頂天になって告げた。 「ええ、知っているわ。」 かあ お母さんは、ほこらしげにほほえんだ。 「あの大きなシカがやってきたとき、どうしてほかのシカたちは、じっとして たの ? 」 おお おお おう お っ

5. バンビ

ンビは、ほこらしさでいつばいになった。うきうきしながら、とんす けといっしょに走りだす。 まうえ ところが、またしても足がもつれてバランスをくずし、とんすけの真上にた おれこんだ。 「ひえーっ , ひめい とんすけはおどろいて悲鳴をあげると、 「こんどはなんだ ? 」 じしん ハンビ自身にも、なぜ足がもつれたのかわからなかった。まだ、自分の足を うまく使いこなせていないようだ。 あそびつかれたバンビととんすけたちは、大きな木の下でひと休みすること つか あし あし おお した やす じぶんあし

6. バンビ

くち おも たりあてはまる。思ったことをそのまま口にするのが、くせなのだ。このくせ のせいで、しよっちゅう、お母さんにしかられる。 「きみ、足がふらふらしてるね。」 あか シカの赤ちゃんがよろけているのを見ると、とんすけにならって、ほかの子 ウサギがいった。 あか じぶんながあし シカの赤ちゃんは、自分の長い足をもてあましているようすだ。 あか 「赤ちゃんはねむそうだ。まだ、生まれてまもないからな。おい、みんな、そ かえ ろそろ帰るとしよう。」 フクロウかいった。 もりどうぶつ ちょうろう 森の動物たちは、ずっと子ジカのそばにいたかったが、長老のフクロウには こ かあ み こ

7. バンビ

こえ とんすけは大きく首をふり、大きな声でゆっくりと、 「一」お 1 ・し J お 1 ・り , ー・」 」レ」り・ 小鳥たちもバンビの顔のまわりにとんでくると、 」 A 」り・ 「『小鳥』といって。」 こえ ちょうし 声をそろえ、うたうような調子でいった。 こえ ふか おも ハンビは深く息をすうと、思いきり声をはりあげた。 「こおーとおーり一ー・」 おおごえ あまりの大声に、小鳥たちはふきとばされてしまった。 じぶん おお ウサギのきようだいは大はしゃぎしながら、自分たちのおさんとバンビの おさんのところまでかけていった。 おお ツ」 A 」 . り・ かお おお

8. バンビ

「バンビー・」 きけん ファリ 1 ンはさけんだ。危険がせまっているとすれば、バンビが自分をひと じしんみ りにしてどこかへ行くはずがなかった。ひょっとしたら、バンビ自身の身にな きゅう しんばい にかあったのかもしれない。急にバンビのことが心配になった。ファリーンは そと すばやく外にでてみた。 いえ ハンビが家にもどったとき、ファリ 1 ンのすがたはなかった。 「ファリーン , ハンビは、ファリ 1 ンをさがしまわった。動揺するあまり、ファリ 1 ンがた もり みちじゅん か こみち 1 、 どった道順をおちついて考えることができなかった。ただやみくもに森の小道 ′ : つよ、つ じぶん

9. バンビ

「花だけ食べて葉っぱをのこしたら、どうなるって教わったかしら ? 」 ど かあ しつもん もう一度、ウサギのお母さんは質問した。 「あっ、そうか ! 」 おも こえ とんすけは思わず声をあげると、 みどりは か - 是 「『緑の葉っぱは体のためになるから、のこさずにちゃんと食べなさい』って、 ながみみ おお あし パパに教わったよ。ウサギの長い耳と、大きな足をつくってくれるんだって。」 じぶんながみみ 自分の長い耳をたたき、大きな足をあげてみせたあと、バンビにそっと耳う ちした。 「でもね、葉っぱってまずいんだ ! 花のほうがずっとおいしいよ。」 おそ おお あし おそ みみ

10. バンビ

あおぞらしろくもみ 青空と白い雲を見わたすことができる。 おがわ こおよ ハンビが見つけた小月 ーでは、アヒルの子が泳ぐけいこをしているところだ。 じぶんな是 みず ハンビは浅瀬にとびこみ、自分の体にもアヒルの子たちにも水をはねちらした。 もり どうぶつ かお その日は、森のほかの動物たちも野原にくりだしてきた。ウサギの家族も顔 を見せ、朝ごはんを食べはじめた。 「おはよう、プリンス・ ハンビ ! 」 ウサギ一家はあいさっした。 「こんにちは。」 ハンビはあいさつをかえすと、ウサギ一家をめずらしそうにながめながら、 たずねてみた。 あさせ あさ のはら こ かぞく