雪 - みる会図書館


検索対象: バンビ
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1. バンビ

しろゆき まずバンビは、おずおずと白い雪のにおいをかいでみた。それから、ためし ゆき ゆきなか あしひ にやわらかい雪をふみしめると、ひつめが雪の中にうもれた。足を引きぬくと、 ゆきうえ かたち あな 雪の上にひづめの形をした小さな穴ができた。わあ、おもしろい ハンビは ゆき 雪がすっかり気にいった。 ゆきうえある こんどは雪の上を歩いてみて、うしろをふりかえった。小さな足あとが点々 ゆきうえある とつづいているのが見える。バンビは、はしゃいで雪の上を歩きまわり、 あし つもの足あとをつけた。 むちゅう 夢中になってあそんでいるうちに、ヾ ノンビは、どこをどうすすんでいるのか ゆき わからなくなった。と、 いきなり、ズボッ , ハンビは、雪にかくされていた あな つめ ゆき 大きな穴にはまりこんだ。しめった冷たい雪で、体がちくちくするし、ひやり おお ちい あし てんてん

2. バンビ

ゆき まるで、雪がバンビをからかって楽しんでいるようだ。バンビは、落ちてく ゆき おも る雪のかたまりをかわそうとした。でも、じようずにかわすのは、思いのほか むずかしかった。 ヒュ 1 ッ , ピチャッ , ゆき また、やわらかい雪のかたまりが、まっすぐバンビの頭に落ちてきた。ぶる ゆき ハンビは体をゆすって、雪をはらった。 はくぎんせか ) したの おな 白銀の世界で楽しんでいるのは、バンビだけではなかった。バンビと同じく ゆきはじ 雪を初めて見るとんすけも、新しいあそびを発見して、はしゃいでいた 「ほら、バンビ。見ててごらん。」 こえ もう ゆきふ とんすけは声をかけるなり、池のほとりにできた雪の吹きだまりを猛スピ 1 あたら たの はつけん あたまお

3. バンビ

とする。 ゆき おも ぶるるつー ハンビは思わず身ぶるいした。つかみどころのない雪には、お どろかされてばかりだ。 こ、つきしん ゆき それでも、好奇心いつばいのバンビは、雪をちっともこわがらなかった。立 ゆき はくぎんもりたんけん ちあがると、体をゆすって雪をはらい、 また、白銀の森を探検しはじめた。 もり ゆきうえお 森のそこここで、枝にぶらさがるつららが雪の上に落ち、ピチャ、ピチャと おと ゆき 小さなかわいい音をたてている。バンビは雪におおわれた枝を見あげた。 ゆき いちぶかぜき こんどは、枝につもった雪の一部が風を切り、すぐ近くに落ちてきた。バン ビは、あわててとびのいた。 えだ えだ ちか えだみ

4. バンビ

「あの白いものは、なに ? 」 か・是お かあ お母さんは、体を起こしてあたりを見まわすと、 ゆき 「あれは雪よ。」 むすこ おも ゆきみ 初めて雪を見た日のことを思いだしながら、息子にやさしく教えた。 ゆき 「雪 ? 」 ハンビはつぶやいた。 「そ一つよ。」 かあ せつめい お母さんはうなずいて、説明をはじめた。 そら ふゅ もりふゅ あき 「秋がおわって、森に冬がやってきたの。冬になるとね、空からふってくる雨 しろゆき が白い雪に変わるのよ。さわってごらんなさい。冷たいわよ。」 はじ しろ おし あめ

5. バンビ

かえ 初めて足をとめると、息を切らしてハアハアあえぎながら、お母さんが帰っ あしおと てくるのを待った。ところがなせか、いつまでたっても、おさんの足音はき こえてこない。 かあ 「お母さん。」 ハンビはお母さんを呼び、しげみの外にかけだした。 ゆき ゆきなか いつのまにか、雪がふりだした。バンビは雪の中にほっんとたたずみ、お さんがかけよってくるのを待ちつづけた。 どれくらい′ただろ一つか ? ・と一つと一つ、 かあ 「お母さん。」 ゆきなか ゆき ふりしきる雪の中で、バンビはお母さんをさがしまわった。雪に視界をさえ はじ あし かあ かあ そと ハンビは泣きだした。 あ かあ しかい あ 116

6. バンビ

ゆきふ ゆき えにして、スピードをあげたまま雪の吹きだまりにつつこんだ。雪がやわらか か詹 いので、バンビもとんすけも、けが一つしなかった。体がびしょぬれになった ゆき とんすけはすばやく立ちあがり、長い耳をふって雪をはらった。と、そのと おと こうきしんつよ き、なにかの音がした。バンビにおとらず好奇心の強いとんすけは、小さなほ あなちか おと あななか ら穴に近づいた。きこえてくるのは、 ~ しひきの音だ。ほら穴の中で、だれかが ねむっているらしい あな とんすけは、、 さなほら穴をのぞいてみた。フラワーだった。スカンクのフ ラワーがねむっているのだ。 いたずら好きなとんすけは、にやりと笑うと、 ながみみ わら ちい 104

7. バンビ

ぎんせかい もり 冬になり、森は銀世界に変わった。初めて雪を見るバ むちゅうゆき ンビは大はしやぎ。夢中で雪の上を歩きまわった。 とんすけは凍った池をすいすいす こおり べる。でも、バンビは氷に長い足 を乗せるたびに、すってんころり こお し、 ながあし

8. バンビ

「いそいで ! しげみにもどるのよ ! 」 ゆき こおり ハンビはすなおにしたがった。雪におおわれた野原を走り、氷がとけはじめ おがわ 川をとびこえた。お母さんも、バンビのあとから走りだした。 はや 「速く ! もっと速く、バンビ ! 」 かあ まえはし お母さんは、前を走るバンビに呼びかけた。 こえきようふ かん その声に恐布の色がこもっているのを、バンビははっきり感じとり、うしろ をふりかえって、おさんのすかたを目でとらえようとした。 「ふりかえらないで ! 」 かあ お母さんはびしやりといった。 「走りつづけるのよ ! 」 はや いろ あ かあ のはらはし 114

9. バンビ

がのぞいている。 かん ハンビは、若い新鮮な草をがつがっ食べはじめた。草がこんなにおいしく感 た じられたことはなかった。おなかがい とバンビは つばいになるまで食べたい、 おも 思った。 くび かお ふいに、おさんが食べるのをやめて顔をあげた。首をぐいとのばし、あた くうき ゆき み りをきよろきよろ見まわした。空気のにおいをかぎ、雪をザクザクとふみしめ おとみみ るような小さな音に耳をすます。 かあ ハンビのお母さんは、はっとした。だれかが近くにいるわー 「バンビ , ・」 かあ お母さんは、ぞっとしてさけんだ。 わかしんせんくさ あ た た ちか くさ 113

10. バンビ

とんすけが、両親から教わったことばを口にした。 「うん、まあね。」 フラワ 1 は、とろんとした目をこすり、毛におおわれた足をかいた 「どうして寝てるの ? 」 ゆき もり ハンビは、ふしぎそうにたずねた。雪におおわれた森には、新しい発見や新 たの くらあな そうぞう しい楽しみがたくさんあるのに、暗い穴の中でねむってすごすなんて、想像も できなかった。 スカンクのフラワ 1 は、てれくさそうに笑いながらいった。 ふゅ 「ふふつ、ばくたちスカンクは、冬になるとねむるんだ。ふふつ。」 友だちとしゃべっていても、フラワ 1 はねむくてしかたなかった。だんだん、 と。も りようしん おそ くち なか わら あし あたら はつけんあたら 106