しゅじん - みる会図書館


検索対象: 七不思議レストラン
8件見つかりました。

1. 七不思議レストラン

「やめなさい。朝までまちなさい せわ 「はなせつ。よけいな世話をやくなっ やどしゅじん そのさわぎに、宿の主人がかけつけた。たまたま、となりの部屋にい たび た旅のさむらいもぬっとあらわれた。 なんとしてもでていこうとする男を、主人とさむらいか、力すくでお べや さえこんで、ふとん部屋におしこんだ。 「おまえさんのためです。かんべんしてくだされ」 やどしゅじん 宿の主人は、男のかたをやさしくたたいた。 「やたらにさわぐな。めいわくだ , さむらいか、すごみをきかせた あさ しゅじん へや 6 7

2. 七不思議レストラン

っ子はあわてて境内をみまわしたが、どこにもいない。 どう どう お堂にはいりこんだかもと、えんま堂をのぞいて、守りつ子はおどろ しようめん 正面のえんまのかっとひらいたロから、赤んばうのつけひもがさか っているではないか。 ご主人さまにもうしわけがない。守りつ子は境内の井戸に身をなげた そうだ。 それからこのえんまには「つけひもえんま」というあだ名かついて、 いまでもこわがられている。 しゅじん

3. 七不思議レストラン

「まさか、そんな : みんな、どきりとして顔をみあわせた。 ぶきみこえ 外で、犬が、不気味な声ではえはじめた。 こえ 「いやな声だな。なにごとだ」 きど やどしゅじん 宿の主人が、ごとりと木戸をひきあけた。 さくらたいぼく 犬は、ほえるのをやめない。おれた桜の大木の下で、のけぞってほえ たてている。 おれのこった枝にぬめっとした、ふといひものようなものが、たれさ かぜ がり、まだふいているつよい風をうけて、ゆらんゆらんとゆれていたの そと えだ かお 8 7

4. 七不思議レストラン

ついている。ぞっとして、息をのんだ。 「どうして、バラの絵が : ばん あさ ニーナは、ひと晩じゅう、ねむれなかった。朝おきて、ぐったりして でんわ いすにもたれていると、ドロレスから、電話があった。 「ニーナ、ニーナ、テレビみた ? あのギターをひいていた、わかい男 ひとごろ の人がうつっていたわ。人殺しの犯人らしいわよ . こえ ニーナは、声もでない。 やかたおんなしゅじん 「ふるい館の女主人をころしたんですって。ぬすまれていたものがあ ぎん るわ。銀のロウソク立ても、あなたがかった青いバ 一フの絵も : い はんにん

5. 七不思議レストラン

僴金とりの男は、あきらめたか、むっとした顔つきのまま、ふとん の山にもたれて目をとした。 よ ところが、夜があけてみると、男はきえていた。 AJ やどしゅじん もしや、とおもって、宿の主人は、すべての戸にじようをおろしてお いたというのに、男のすがたはなかった。 「おかしい。でられるはすがないのだ . やど たびびと 旅人たちも手わけして、宿じゅうつぶさにさがしてまわった。 きど すん やどしようめん すると、なんと、宿の正面げんかんのぶあつい木戸に、一寸 ( 三セ ち ンチ ) はどのふしあながあり、そのまわりが、べっとりと血でぬれてい どま ち るのがみつかった。血はながれて土間までぬらしていた。 しやっきん かお 7 7

6. 七不思議レストラン

さくらたいぼく んの桜の大木が、めりめりとおれた。 やど たびびと その宿では、旅人たちが、朝から足どめをくわされていた。 やくにん 「このような日は、せったいに外にでてはならないと、お役人からそう かぜ いのち いわれております。風で、なにがとんでくるかわかりませぬ。命にかか わりますで、おいそぎでしようか、ごしんばうを」 やどしゅじん たびびと 宿の主人は、い らいらする旅人たちを、なんとかおしとどめて、夜に なった。 やど かぜ かいぶつ 風はますますはげしく、巨大な怪物が、宿をまるごとかかえて、ゆさ ぶって、ひきぬこうとしているかのようだった。 たびびと 旅人たちはあきらめて、ねどこにもぐりこんだ。いや、ひとりだけ、 きょだい あさ そと よる

7. 七不思議レストラン

フィルムにうつらなかった タンポポ りよこう これは、わたしが友人とふたりして、ロシア旅行をしたときの話だ。 こっきよう サンクト・ペテルプルグから二日かけて、フィンランドの国境ちか くのムルマンスクにでかけた。 しよか 力し 、レンツ海にちかいところだけあって、すこし、 初夏だというのに、 ざむ はだ寒さをかんした。 えき 駅からすこしはすれたところに、 ゅうじん 小さなレストランかあった。 もちづきしんざぶろう 望月新三郎 はなし 1 1 〇

8. 七不思議レストラン

じかんじよせい のくつの音のようだったので、こんな時間に女性がひとりであるいてい るのはあぶないなあ、とおもってふりかえりました。 きんばっ ちかついてきたのはわかい女性でした。金髪のショートヘアで、なか びじん なかの美人です。白っぱいワンピースの上に、コートをはおっていまし 「おまわりさん、きてください。むこうに、ようすのおかしい女の人が いるんです」 と、橋のはうをゆびさしています。 わたしははしりだしました。女生もうしろからついてきたようで、コ あしおと ッコッと、足音かきこえていました。 じよせい じよせい 1 〇 1