こっかい ある夏、ニーナは、友だちのドロレスと黒海のそばの、ホテルにとま まど うみ うみ っていた。窓の下は海。のぞきこむと、すいこまれそうな海の青さだっ なみ こぶね た。波が白いしぶきをあげて、小舟をゆらしている。 びじゅっがっこう カ′、せい ふたりとも美術学校の学生で、このあたりの遺跡を写生しようと、 ソフィアからやってきていた。 ひと足さきにドロレスか、イスタンプールにたっというので、その日、 青いパラの なっ とも せきしやせい やおいたようこ 八百板洋子 4 6
ニュー ジェおすすめ王里 リんかんがっこう ・林間学校のトイレ / 岡野久美子・ きえたとおもうとあらわれる、ふしぎな料理。きえないうちにめしあがれ。 ・たらいでふせた火の玉 / 松谷みよ子・・ 34 お子さまやお年寄りにおすすめ、ふわふわ火の玉オムレツ。はやくたべないときえちゃうよ / ばなし ・江戸ふしぎ話 / 岩崎京子・ ・イ 8 江戸前のすしにうなぎに天ぶらは、舌がぬけそうなおいしさ / ・青いノヾラの絵 / 八百板洋子・ ・ 64 血で煮こんだ魚のスープ。バラのかおりのワインがびったり / ・ふしあなの血 / 水谷章三 血のしたたる生肉は、あらしの夜の鬼がつくったといわれています。 ・かくされた宝 / 斎藤君子・ 7 月 7 日限定、金色のキャビアのオードプル / みなそこ つま ・水底にうつる妻 / 吉沢和夫 なっかしい郷土料理。声をたてすにたべてください。 さもないと・・ じさつ ・自殺をとめて / 岩倉千春・ ・ 100 たましいのくら出しスコッチウイスキー、さむい夜にどうぞ。 ・フィルムにうつらなかったタンホホ / 望月新三郎・ ・料 0 ロシアのムルマンスク名物、 6 本足の子牛と 3 本足のにわとり入りシチュー カ { つこう ・デザート学校わらし / 小沢清子 ・ 720 ぎよっ / として、たべるとえんぎのいいデサート。 0 ち たから
執筆者紹介 ( 50 音順 ) 千春 日英の民話を研究。共著に『世界の愚か村話』 岩倉 『夢で田中にふりむくな』など。 京子 著書に『シラサギ物語』『鯉のいる村』『花咲か』 岩崎 『あかまんまとうげ』『花に暮れて』など多数。 東京・小平を中心に民話を採集。共著に『小平 岡野久美子 ちょっと昔』『ちょっと昔』など。 おざわ きよ 群馬を中心とした民話を採集。著書に『あの世か 小沢 冫月子 らのおくりもの』『高崎のむかしばなし』など。 君子 日ロの民話を研究。著書に『かもとりごんべえ』 斎藤 『シベリア民話集』『ロシアの妖怪たち』など。 徹 民俗・ロ承文芸を研究。著書に『学校の怪談』 常光 『妖怪図鑑』など。 著書に『現代民話考』『龍の子太郎』『やまんば 松谷みよ子 のにしき』「あかちゃんの本」シリーズ等多数。 みずたにしようぞう 著書に『たぬきからの手紙事件』『きようも星 水谷章三 パン』など。紙芝居も多数手がける。 著書に『よみがえった水仙』『ねすみにわとり 望月新三郎 ねこいたち』『とんちばなし』など。 プルガリア・マケドニア民話・児童文学を研究。 八百板洋子 訳書に『吸血鬼の花よめ』など。 著書に『民話の再発見』『民話の心と現打』、共 吉沢和夫 著に『佐渡の伝説』など民話論多数。 いわくら ちはる きようこ いわさき おかのくみ さいとう きみ とおる つねみつ まったに もちづきしんざぶろう う た お や よしぎわかずお
っ子はあわてて境内をみまわしたが、どこにもいない。 どう どう お堂にはいりこんだかもと、えんま堂をのぞいて、守りつ子はおどろ しようめん 正面のえんまのかっとひらいたロから、赤んばうのつけひもがさか っているではないか。 ご主人さまにもうしわけがない。守りつ子は境内の井戸に身をなげた そうだ。 それからこのえんまには「つけひもえんま」というあだ名かついて、 いまでもこわがられている。 しゅじん
戸ふしぎ話 おいてけ堀 きんしぼり こ、つと、つくいち きんしちょう 錦糸町といえば江東区一のさかり場、でもむかしは錦糸堀という堀が りようぎし あり、両岸にうっそうと木かしげり、そのうえアシがのびほうだい。 えど 江戸は、さかり場をちょっとはすれると、どこでもこんなふうだった。 さかな ま、そんなところでめったに人もこないから、魚がおおく、つりすき あなば には、ちょっとした穴場であったって。 えど ばり ばなし 4 いわさききようこ 岩崎京子 8 4