コーンコーンコーン コーンコーンコーン あか すぎこだち うちつつけるうちに、あたりはすうっと明るくなり、杉木立もきえ、 わたしはひとりでたっていました。 「いらっしゃいませ、よめこレストランによ、つこそ わかい、かわいいむすめさんが、手をさしのべました。 あんない 「お席へご案内いたします、こちらへ」 せき 6 2
コーンコーン なにかをうちつけるような音かひびき、あたりはすうっと、うすぐら く、つき くなりました。空気もつめたくなりました。いつのまにかロビーは、ふ かい森の中にかわっていました。 すぎこだち そそりたっ杉木立。 コーンコーンコーン すぎ にんぎよう 白い手が、杉の木に、わら人形をうちつけています。人のすがたは にんぎよう みえません。ただ白い左手だけが、わら人形にうちこまれる、くぎを みぎて しつかりとおさえ、白い右手が、ふりかざされて、コーン、コーン、コ ン、と、くぎをうちつつけているのです。 ひだりて