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検索対象: 幽霊城の秘宝
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1. 幽霊城の秘宝

: じつは、王国の将来にかかわる一大事がおきてのう。 「ああ、わしじゃよ いろいろ手をつくしたのだが、これが、なかなかむずかしいすると、モ 1 ガ ていあん ンが、『ジャックとアニ 1 にたのんでみてはどうでしよう』と提案してくれた。 それで、そなたたちに来てもらったわけじゃ。 : 手つだってくれるかの ? 」 「ええ、よろこんで ! なんでもお手つだいするわ ! 」と、アニ 1 しかし、ジャックは、手をふって一一一口った。 お、つこくしようら、 「ちょ、ちょっと待って。王国の将来にかかわる一大事で、しかも、あなたた やく ちが解決できなかったことに、ばくらのような子どもが、役に立つんですか ? 」 すると、マ 1 リンが、ジャックを見つめて言った。 「よいか、ジャック。世のなかには、子どもでなければ、できないこともある 子どもであることは、それだけですばらしい力なのじゃよ。それに 1 リンは、につこり笑ってから、その先をつつけた。 「そなたたちは、モーガンのテストを、ぜんぶパスした、りつばなマスタ 1 かいけっ わら お、つこく しようらい さ、さ ちから いちだいじ いちたいじ ・幽霊城の秘宝

2. 幽霊城の秘宝

せつめい アニーが、くわしく説明した〇 にんげん 「お兄ちゃんが、くちばしにはさんで、ここまで持ってきたんだけど、人間に もどったときに、落としたらしいの」 テディが、カつよく言った。 「ここまで運んできたのなら、かならずここにある ! みんなでさがそう ! 」 うえ ゆか ジャックは、床の上をさがしまわった。 かべ アニ 1 は、壁のタベストリ 1 や、カ 1 テンのうしろをさかした。 かべ ばこなか テディは、壁ぎわのべッドや、おもちゃ箱の中をさぐった。 ゅび とっぜん、テデイか、部屋のすみを指さしてさけんだ。 「ジャック ! アニ 1 あそこだリ」 い --\ 」ぐるま うんめい なんと、糸車の横の、毛糸のかごから、〈運命のダイヤモンド〉が飛びだし、 ちゅう ちか 宙をただよいながら、こちらに近づいてくるではないか。 まえと ダイヤモンドは、ジャックの前で止まった。。 シャックか手をさし出すと、ダ ちから へや て 134

3. 幽霊城の秘宝

アニ 1 のことばに、テディとジャックは、息を止めて、耳をすました。 おと くらやみ 暗闇のなかから、かすかな音が聞こえる キイー、カラカラカラ : キイー、カラカラカラ : し , 日・ノ、、亠っ テディが、ランタンの火で、部屋の入口にあったろうそくに火をつけた。部 あか ゃなか 屋の中が、ほのかに明るくなった。 みつ かべ 目をこらして見ると、壁ぎわに、 小さなべッドが三つ並んでいた しろ 床には、木のおもちやかころかり、窓にかかった白いカーテンか、ふわふわ と風になびいている 「どうやら、ここは、子ども部屋みたいだ」と、テディ。 おと へやおく キイー、カラカラという音は、部屋の奥から、聞こえてくる 「あのへんよ」 おと アニ 1 が、音のするほうへ、近づいていった。 そのあとを、ランタンを持ったテディと、ジャックが、ついていった。 ゆか かせ べや ちか へや なら みみ

4. 幽霊城の秘宝

「大王がダイヤモンドを持ち去ったとたん、わたしたちの姿が消えはじめたの し ちちはは とびらあ すかた 姿が消えたら、扉も開けられす、父や母に知らせに行くこともできなかったわ いとつむ それで、わたしたちは、この部屋の中で、糸紡ぎをしたり、チェスをしたりし て、すごすしかなかったのよ」 お ちち、 ? んはは、つ、んあ あね、つえ 姉上、いますぐ起こしに行こ、つ ! 」 「そうだ、父上と母上に会いたいよー お 「 : : : 起こしに行こ、つ ! 」 こえあ ふたご 双子の弟たちが、声を合わせて言った。 「ええ、そ、つね。そ、つしましよ、つ ! 」 レ」 とびらま、ん でぐち て グエンドリンが、弟たちの手を取って、部屋の出口に行きかけたが、扉の前 で、ふたたびふりかえって言った。 「わたしたちを助けてくださって、ほんとうに、どうもありかとう」 「どういたしまして」と、アニ 1 がこたえた。 お へや ハ 1 か追いかけていった。 子どもたちが部屋を出ていくと、そのあとを、オリ だいおう おとうと たす おとうと で さ へやなか へや すかた 0 0 ・幽霊城の秘宝 141

5. 幽霊城の秘宝

「お兄ちゃん、まだなの ? カラスたちが、どんどん近づいてくるわ ! 」 こ、んき 巣の外から、アニ 1 のあわてふためく声が聞こえる ほうせきやま ジャックは、ふるえるくちばしで、宝石の山をさぐった。 ほうせきひとひと 上のほうから、宝石を一つ一つ動かしていくと、中から、ひときわ美しくき あおじろこ、つきひかり おお らめく石があらわれた。大つぶのその石は、青白く高貴な光をはなっている ちょっかん うんめい それが〈運命のダイヤモンド〉だと、ジャックは直感した。 はや 「お兄ちゃん、カア ! 早く、早く、カアー ジャックは、ダイヤモンドをくちばしにはさんだ。そのとたん、ふるえが止 ゅ・、つルさ まり、からだじゅうに、勇気と力がみなぎった。 ハタバタバタバタッ , はおと ぜんば ンヤックか、ダイヤ そのとき、外で、なん千羽というカラスの羽音がした。 ) くち いりぐちで モンドを口にくわえて、巣の入口へ出ていくと、大王を出むかえるために、あ たりにいたカラスか、いっせいに飛びあがったのだとわかった。 、つ、ん すそと そと はや ちから だいおうで なか ちか うつく ・幽霊城の秘宝

6. 幽霊城の秘宝

アニーか、しばらく考えてから言った。 「もしかしたら、運命のダイヤモンド〉は、もとあった場所にもどさなけれ ( いけないのかも・ だとしたら、ダイヤモンドかかくしてあった場所を、 見つけなければいけないわ」 べやなか 、つんめし アニ 1 は、子ども部屋の中を飛びまわって、〈運命のダイヤモンド〉のかく し場所を、さがしはじめた ジャックは、そのようすを、だまって見つめていた。 じつを一一一口、つと、ジャックは、も、つしばらく、ダイヤモンドを持っていたかっ ほ、っせ ~ さ しん ゅ、つを」 た。この宝石をくわえていると、なぜか、信じられないほどの勇気と力がわい てくるのだ。 へやなか ざんねん しばらく部屋の中を飛びまわっていたアニ 1 が、窓べにもどってきて、残念 そうにつぶやいた 「だめだわ。テディがもどってきて、わたしたちを人間にもどしてくれないと、 うんめい かんか にんげん ちから 幽霊城の秘宝 1 1 5

7. 幽霊城の秘宝

おお ) 」え すると、ツリ 1 ハウスがのっているカシの木を見つめていたアニーが、大声 で呼びとめた。 「お兄ちゃん ! これ見て ! 」 ゅび もどって、アニーが指さしたところを見ると、ごっごっした木肌し みぞがある ゅび わ ひろ 指でなぞると、みぞが割れ目となって広がり、中から光が漏れだした。 「ひっ ! 」 おも ジャックは、思わす手をひっこめ、うしろに飛びのいた。 ひみつ 「お兄ちゃん ! これ、もしかしたら、秘密の扉じゃない ? 」と、アニー 「ま、まさか : : : 」 わ ジャックは、おそるおそる、割れ目のところを押してみた。 ギギイ みき いちぶ む ひら あか 幹の一部か、内がわに向かって開き、中から明るい光がこばれ出てきた。 、っち て み め め なか み とびら なか お み ひかり ひかり 」、ほみ、い ・幽霊城の秘宝

8. 幽霊城の秘宝

、力い 4 」ん すす 武器庫を出て、またすこし進むと、アニーが、せまいらせん階段を見つけた。 いちだんいちだんかいだん 三人は、一段一段、階段をのばっていった。 かいたん 階段は、ぐるぐると幾重にもまわっているどのくらいのばっただろ、つか ひろ 目かまわりそうになったところで、ようやく、広いおどり場にたどり着いた。 とびらひら がたおお 正面に、アーチ形の大きな入口があった。扉は開いている へや 入口に立って中をのぞくと、そこは大きな部屋らしいことかわかった。 しす へやなか 部屋の中は、シ 1 ンと静まりかえっている たかてんじよう かべ ランタンのうす明かりで、高い天井や、壁にかかっているタベストリ 1 ばんやりと見えた。 おおひろま 「ここは、大広間だな」と、テディ。 「でも、暗くて、ようすかわからないわ。中にはいってみない ? 」と、アニー テディとアニーは、部屋の中にはいっていった。 よかん ジャックは、またも、いやな予感がした。 しようめん さんにん し , り ). 、十っ ふきこ へやなか しくえ い、・ / 、十っ おお なか ・幽霊城の秘宝

9. 幽霊城の秘宝

「知らんだと ? 」 「ああ、なにも知らない。城をまちがえたんじゃないの ? 」 「ほう。おれさまが、城をまちがえたか : : : 」 「きっと、そ、つだよ」 ざんねん 「そうか、それは残念だ。 : それなら、このカラスにも、見おばえはなかろ うな ? そいつは、これによく似たカラスだったんだが : : : 」 わら ・こ、 4 、つ 大王はあざ笑うように言って、マントをひるがえすと、その下から、鳥かご を取りだした。 がっしりとした鳥かごの中に、一羽のカラスか、つずくまっている あたま 頭に、茶色の巻き毛がまざっている、そのカラスを見て、ジャックは、ぎよ っとした。 「テ、テディ凵」 「カジャーック、カアニ 1 ちゃいろ しろ しろ なか : 」鳥かごのカラスか、カなく鳴いた。 とり いちわ ちから み み した とり 122

10. 幽霊城の秘宝

しす だいおうすかた やがて、静かになると、カラス大王の姿はあとかたもなく消え、大王がはお はね ゆかお っていたカラスの羽根のマントだけが、 床に落ちていた ぶじすかた アニーが、マントを引きあげてみると、その下から、ロックか、無事な姿を あらわした。 いちわ そのうしろには、カラスの赤ちゃんが一羽、ちょこんと立っていた。 「まあ、かわいい ! 」と、アニ 1 「カアア、カアア」 こ、ん 赤ちゃんカラスが、首をのばして、かわいい声をあげた。 あたま アニーは、ほほ笑みながら、赤ちゃんカラスの頭を、やさしくなでてやった。 ・こ、圦 2 、つ あか 「ーーーそれにしても、お兄ちゃん。大王がなりたかったものが、カラスの赤ち ゃんだったって、どうしてわかったの ? 」 おも 「いや、わかってたわけじゃないよ : ロックを助けなきや、と思ったとき、 と、つじ だいおうたす おも かれみ 同時に、カラス大王も助けてやりたい、 と思ったんだ。テデイから、彼の身の くび した たす 、・こ、 4 、つ ・幽霊城の秘宝 129