わたしたち - みる会図書館


検索対象: 幽霊城の秘宝
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1. 幽霊城の秘宝

たす 「助けてあげる : : : ? まえ 「ええ、そうよ。おじようさまも、坊やたちも、この大も、前は、おばあさん せわ が世話をしてたんでしよう ? そのころは、ちゃんと姿があったはずよ。わた したち、この子たちのからだを、取りもどしてあげなくちゃ ! 」 ゅうれい ( ゅ、幽霊のからだを、取りもどす、だって : ジャックは、アニーの考えていることが、さつばりわからなかった〇 い A 」くるま ある アニーは、糸車のそばへ歩いていき、語りかけた。 いとぐるま 「糸車をまわしている、おじようさん。わたしたち、あなたをこわがってない あんしん から、安心して。 わたしたち、あなたたちを助けたいの〇わかる ? 」 いとぐるま すると、糸車の動きが、ピタリと止まった。 アニーか、ジャックとテディをふりかえり、こ、つふんして言った。 こ、ん 「見て ! わたしの声が、聞こえたんだわ。わたしたち、話ができるのよ ! 」 すかたみ アニ 1 は、姿の見えない女の子のほうに向きなおり、話をつづけた〇 かんが おんな たす すかた はなし

2. 幽霊城の秘宝

力アー ご、ん ふたりのうしろで、カラスの鳴き声がした。 ジャックがふりかえると、いつの間にか、マントも鳥かごも消え、カラスの みあ テデイだけが、、いばそげに、ジャックを見上げていた 「ああ、テディー ごめん、ごめん。すっかりわすれてたよ ! 」 こえだむ ジャックか、テディに小枝を向けると、アニーかその手にとびついて言った。 「お兄ちゃん、わたしにやらせて ! 」 「いいよただし、ばくがはなれるまで、待っててくれよ巻きぞえは、もう ごめんだからね」 へやおく ジャックは、アニーに枝をわたすと、いそいで部屋の奥にかくれた。 じゅーもん アニーは、テディに向きなおると、小枝をふって、呪文をとなえた。 新しい一日のはしまり あたら こころ いちにち えだ こえだ 132

3. 幽霊城の秘宝

てした こえだ まどうえと 手下のカラスは、小枝を口にくわえ、窓の上に飛びあがった。もう飛べない と ) ンヤックには、取りか、んしよ、つかない。 そのとき、アニーがさけんだ〇 「お兄ちゃん ! あのカラスはロックよー 村で助けたロックよ ! 」 おばね いっぽんお よく見ると、そのカラスは、尾羽が一本、折れまがっている 「ロック ! ロック ! わたしょ ! おばえてるでしよう ? あ られて、けがをしたときに会った女の子よ ! 」 小枝をくわえたカラスが、窓のふちから、アニ 1 を見おろした。 こえ だいおう そのとき、大王の声が、雷のようにとどろいた 「その枝を、おれさまによこせ ! 」 すかさす、アニーがさけんだ。 「だめよ ! 大王には、わたさないで ! 」 ロックは、その場を動かず、アニ 1 をじっと見つめている こえだ み えだ だいおう くち おんな むらたす み み 0 0 むら 村で石をぶつけ と 126

4. 幽霊城の秘宝

「大王がダイヤモンドを持ち去ったとたん、わたしたちの姿が消えはじめたの し ちちはは とびらあ すかた 姿が消えたら、扉も開けられす、父や母に知らせに行くこともできなかったわ いとつむ それで、わたしたちは、この部屋の中で、糸紡ぎをしたり、チェスをしたりし て、すごすしかなかったのよ」 お ちち、 ? んはは、つ、んあ あね、つえ 姉上、いますぐ起こしに行こ、つ ! 」 「そうだ、父上と母上に会いたいよー お 「 : : : 起こしに行こ、つ ! 」 こえあ ふたご 双子の弟たちが、声を合わせて言った。 「ええ、そ、つね。そ、つしましよ、つ ! 」 レ」 とびらま、ん でぐち て グエンドリンが、弟たちの手を取って、部屋の出口に行きかけたが、扉の前 で、ふたたびふりかえって言った。 「わたしたちを助けてくださって、ほんとうに、どうもありかとう」 「どういたしまして」と、アニ 1 がこたえた。 お へや ハ 1 か追いかけていった。 子どもたちが部屋を出ていくと、そのあとを、オリ だいおう おとうと たす おとうと で さ へやなか へや すかた 0 0 ・幽霊城の秘宝 141

5. 幽霊城の秘宝

あたま から、ゆっくり頭をふって、まずは、ジャックの頭から足の先へと枝を走らせ、 じぶん つぎに自分のからだに走らせて、カラス語でさけんだ〇 「カア 1 コ 1 ナ 1 力ア 1 ワ 1 力ア ! 」 こ、んだ こ、んだ 「小枝よ、ハシバミの小枝よーねかわくは、お兄ちゃんをお兄ちゃんに、 わたしをわたしに変身させよ ! 」 こ、つねつぶ、つ ばくはつおん 耳をつんざくような爆発音がして、せん光と熱風がかけ抜けた。 おも ジャックは、思わず、「うわあっ ! ーとさけんで、目をつぶった。 あ じぶん かん ふと気がつくと、からだの感じかちかう。ジャックは目を開け、自分のから だを見まわした。 くろはね 、つで 、羽におおわれていた腕は、人間の腕にもどり、木の枝のようだった足も、 にんげんくちはな じぶんあし かお 自分の足にもどっている。顔をさわると、人間のロや鼻がついていた。 にんげんこえ 士に、つ 「やったわ ! わたし、魔法が使えたわ ! 」アニ 1 が、人間の声でさけんだ。 みみ み へんしん つか にんげんうで あたま め あしさき め えだ ぬ えだ あし ・幽霊城の秘宝 1 17

6. 幽霊城の秘宝

あし カシの木の中で ジャックは、そっと目を開けた。 、かって、つ 「お兄ちゃん、見て ! わたしたち、もう仮装してるわ ! 」 アニーは、すその長いスカートをはいて、エプロンをつけている しよう きゅうけ・つを」 「 : : : だけど、この衣装は、吸血鬼でもないし、王女さまでもないわね」 むす しつほう、ジャックは、ひざまである上着を着て、腰にひもを結んでいた 足には、びったりしたタイツに、革をぬい合わせたくつをはいている ふくそう これは、キャメロットの子どもの服装だ」 「わかったー わたしたち、キャメロットへ来たんだものね」 「あっ、そ、つか : ふたりは、窓のところへ行き、外の景色をながめた。 ーもり・ ふか ハウスが着いたところは、深い森の、大きなカシの木の上だった。 を」耳」 たいようしす 木々のむこうに、太陽が沈みかけている なか かわ そと おお お、つじよ 、つえ

7. 幽霊城の秘宝

「ちがうの ! わたし、わかったのよ ! 」 へや アニ 1 かこうふんして、部屋じゅうを、きよろきよろ見まわしはじめた あたま ゅうれい 「だいじようぶかい、アニ 1 ? まさか、幽霊を見て、頭がおかしくなったん じゃ : : : 」 しんばい すかたおも ジャックは、マギーおばあさんの姿を思いだして、、い配になった。 「ちがうってば ! わたし、マギ 1 おばあさんの言ってたなぞが、解けたのよ ! 」 せつめい アニ 1 か、ふたりに説明をはじめた。 「おばあさんのことばは、こうよ ます最初に、 『糸車がまわる。おじようさまは、いすこ』だったわ」 いと 0 るまゆび それからアニーは、糸車を指さした。 いレ」ぐるま へや 「そのおじようさまは、ここよ。ここで、この部屋で、ずっと、糸車をまわし ていたんだわ ! 」 しし」ぐるま 幽霊城の秘宝

8. 幽霊城の秘宝

ばん 「あなたたちのおかげよ。ほんとうに、なんとお礼を言ったらいいカ : たしの名は、グエンドリン。そこにいるのは、弟のトムと、ヘンリーよ あゆ ドレ、」しようかし アニ 1 が歩みでて、あらためて自己紹介した。 「わたしの名はアニー兄のジャックと、こちらは、友だちのテディよ しろ ところで、グエンドリン。このお城の、ほかの人たちは、どうしたの ? 」 グエンドリンかこたえた。 ねしす 「まだ寝ているわ。ダイヤモンドがぬすまれたときは、みんな寝静まっていた よなかお から わたしたちはときどき、夜中に起きだして、あそんでいたの。あの とだな 晩は、かくれんばをしていて、タベストリーのうしろに、戸棚があるのを見つ けたの。中のダイヤモンドかあまりに美しいので、窓のところで、月の光にあ だいおうみ ててながめていたら、カラス大王に見つかってしまったのよ」 ひろま 「オリ バ 1 は、そのとき、広間へ、えさをさかしに行ってたんだよね」 と、双子のひとりが言った。 ふたご なか あに おとうと ひと A 」、も つきひかり 140

9. 幽霊城の秘宝

事な宝だ。王国のために、なんとしても取りかえさなければ : : : 」 しろひと 「このお城の人たちのためにも、よ」 へやなかみ アニ 1 は、部屋の中を見まわすと、どこにいるかわからない、 もたちに向かって話しかけた〇 「心配しないで。わたしたち、きっと、ダイヤモンドを取りかえしてみせるわ」 くち ジャックは、あわてて、ロをはさんだ〇 「ちょ、ちょっと待って ! そんなにかんたんに言わないでくれよ。だいたい、 かいぶつ そのカラスの怪物がどこにいるのか、どうすればわかるんだ ? 」 すると、ふたたび、つめたい空気が、ジャックのからだをすり抜けた。 かかみ 見ると、ほこりでくもった鏡に、また、文字があらわれた。 窓から見える岩山の上 テデイか、窓のところへ行き、カーテンを開けた。 しんばい お、つこ / 、 この城の子ど しろ

10. 幽霊城の秘宝

、あの岩山へ飛んでいく 二、ダイヤモンドを取りかえす 三、もどってくる しよう しつもん 以上。なにか質問は ? 」 「はい、はいっ ! 」アニーか手をあげて言った。 「わたしたちは、なにをするの ? 」 かえ いわやま なあに、岩山まではひとっ飛びだ。すぐ 「ここで、ばくが帰るのを待っ かえ に、帰ってくるよ」 そう一言うと、テディは、窓のふちにのばり、ふたたひ小枝をかまえた。 ふまん せいえんおく アニ 1 は、不満そうだったか、 気をとりなおして、テディに声援を送った。 「がんばって ! 」 「ありがと、つ ! じゃあ、行ってきま 1 す ! 」と、テディ さくせんね 「待ってってばー もうすこし、作戦を練ったほうかいいよ ! 」 いわやま こえだ 4