傷ついたカラス くら たいようしす いつの間にか太陽が沈み、あたりは暗くなりはじめていた。 ひんやりした空気が、首すじに張りついてくるような気がして、ジャックは おも 思わす身ぶるいした。 「お兄ちゃん、こわいの ? 」と、アニ 1 ンごむ きゅうそとで 「ちつ、ちがうよ。急に外に出て、寒くなったんだ」と、ジャック。 ず・しよう こ、ん テディが、ランタンを頭上にふりあげ、大きな声でさけんだ。 ・こ、ま、つ↓ー・ん 「それじゃあ、大冒険にしゆっぱーっ ! 」 「しゆっぱーっ ! 」アニーもさけぶ。 ある テデイか、足どりもかろやかに歩きはじめた。アニーが、そのあとにつづく ある ふあん ジャックも、ふたりについて歩きだしたが、不安はますます大きくなる しめい 「ねえ、テディ、アニ 1 。きみたちは、使命がなにか、わかってるのかい ? 」 きす あし くび おお おお ・幽霊城の秘宝
しようろ、つ かねな 鐘楼の鐘か鳴りだした。どこかで、にわとりか鳴き、馬かいなないた。 りようーり・ ま しよくにん めしつか おお 召使いたちが、大きなかまどで、料理をはじめていた。かじ職人が、真っ赤 ねっ おけ とお おんなひと に熱せられた鉄を打ち、女の人が、ミルクのはいった桶を両手に、通りすぎた 新しい一日が、はじまったのだー じようもんで ジャックたち三人は、城門を出て、はね橋をわたり、城の外に出た。 、つ、ん みは しようへき ふりかえると、城壁の上に、見張りの衛兵が立っていた。 み テディが、ジャックとアニ 1 を見て言った。 「どうやら、すっかり、かたづいたね」 さんにんこ、ん そこで、三人は声をそろえて言った。 しめいかんりよう 「使命完了 ! 」 さんにん わら もりぬ みちはし 三人は、笑いあいながら、森を抜け、村へとつづく道を走った。 むらびと とお で 村にはいると、村人たちが通りに出て、城の方角をながめていた。 わら あ マギ 1 おばあさんが、歯のない口を大きく開けて、笑っている あたら むら いちにち て さんにん 、つ くちおお むら しろほ、つカく 、つ亠ま しろそとで りようて 0 144
「よし、つぎへ行こう ! 」 ご、つれい さんにん たてものむ テディの号令で、三人は、となりの建物に向かった。 たてもの なか つぎの建物でも、テディがランタンをかかげて、中のようすを照らしだした。 その部屋には、大きな石のかまどがあった。 へや かまどのまわりに、大小さまざまな鉄製のなべが吊りさげられている。部屋 の中ほどには、大きなテ 1 プルがあり、じゃがいもを入れたかごがおいてある かべ 壁には、ひもでしばったたまねぎの東が、かかっている だいどころ 「ここは、台所だな」と、ジャック。 ひと 「でも、お料理する人が、だれもいないわ」と、アニー いけん もんだい 「だとしても、ここもかたづいているから、問題なし。なにか、意見は ? 」 「なし ! 」こんどは、ジャックも、アニーといっしょにこたえた。 「よし、つぎへ行こう ! 」 なかにわで 三人は、ふたたび中庭に出た。 さんにん なか おお おお こ、 てっせい ・・幽霊城の秘宝
、力い 4 」ん すす 武器庫を出て、またすこし進むと、アニーが、せまいらせん階段を見つけた。 いちだんいちだんかいだん 三人は、一段一段、階段をのばっていった。 かいたん 階段は、ぐるぐると幾重にもまわっているどのくらいのばっただろ、つか ひろ 目かまわりそうになったところで、ようやく、広いおどり場にたどり着いた。 とびらひら がたおお 正面に、アーチ形の大きな入口があった。扉は開いている へや 入口に立って中をのぞくと、そこは大きな部屋らしいことかわかった。 しす へやなか 部屋の中は、シ 1 ンと静まりかえっている たかてんじよう かべ ランタンのうす明かりで、高い天井や、壁にかかっているタベストリ 1 ばんやりと見えた。 おおひろま 「ここは、大広間だな」と、テディ。 「でも、暗くて、ようすかわからないわ。中にはいってみない ? 」と、アニー テディとアニーは、部屋の中にはいっていった。 よかん ジャックは、またも、いやな予感がした。 しようめん さんにん し , り ). 、十っ ふきこ へやなか しくえ い、・ / 、十っ おお なか ・幽霊城の秘宝
幽霊だあ " 「ぎゃああああ こ、ん テデイか、これ以上はないというほどの大きな声でさけんだ。 ひめい ! 」ジャックも、悲鳴をあげた。 「ぎゃああああ ひめい ! 」アニーも、悲鳴をあげた。 「きゃああああ でぐちはし テデイか、ランタンをつかんで、ころがるように出口へ走った。 ジャックとアニ 1 も、さけびなから、テディのあとにつづく かいだん さんにん 三人は、せまくて暗いらせん階段に逃げこんだ。 お ふりかえると、白骨は、なおも追ってくる 「ぎゃああああ 「きゃああああ ひめい さんにん 三人は、また、悲鳴をあげた。 ゅうれい はっこっ じよう おお 0 ・幽霊城の秘宝
あし カシの木の中で ジャックは、そっと目を開けた。 、かって、つ 「お兄ちゃん、見て ! わたしたち、もう仮装してるわ ! 」 アニーは、すその長いスカートをはいて、エプロンをつけている しよう きゅうけ・つを」 「 : : : だけど、この衣装は、吸血鬼でもないし、王女さまでもないわね」 むす しつほう、ジャックは、ひざまである上着を着て、腰にひもを結んでいた 足には、びったりしたタイツに、革をぬい合わせたくつをはいている ふくそう これは、キャメロットの子どもの服装だ」 「わかったー わたしたち、キャメロットへ来たんだものね」 「あっ、そ、つか : ふたりは、窓のところへ行き、外の景色をながめた。 ーもり・ ふか ハウスが着いたところは、深い森の、大きなカシの木の上だった。 を」耳」 たいようしす 木々のむこうに、太陽が沈みかけている なか かわ そと おお お、つじよ 、つえ
ルさ 城を出る」という項目は、気に入った。 そこで、ジャックは、まとめることにした。 いちどかくにん 「よし。じゃあ、も、つ一度確認しよ、つ 、調べる場所は、主塔 二「べかたは、階から順番に見てまわる 三、もしも、間題のある階があったら、かたづける しめいかんりようしろ 四、使命完了。城を出る いけん ふたりとも、これでいいかな ? なにか、意見は ? 」 「なし ! 」テディとアニーか、いっしょにこたえた。 ゅうれい ふあん ジャックは、ほんとうは幽霊のことが不安でたまらなかったが、いま しめい 、かんりよう ゅうれい で まっていることにした。使命が完了するまで、幽霊が出なければいいのだ。 「どうぞ、最後まで出てきませんように」と、心のなかで祈った。 ふあん こ、ん おお ごうれい そして、不安をかき消すように、大きな声で号令をかけた。 しろ で もんだい で しーカし しゆと、つ で 、刀し じゅんばんみ 0 こころ
「よく、来られたのう」 こ、ん 背後から、低くしわがれた声が聞こえた。 おお かべ ふりかえると、壁ぎわの大きないすに、真っ白なひげを長くたらした老人が、 あか 赤いマントを着てすわっていた。 : そ、ついえば、まだ、きちんとあいさ 「ごきげんよ、つ、ジャック、アニー つをしていなかった。わしが、マ ーリンじゃ」 「ごきげんよう、マー リン ! アニ 1 です。お会いしたかったわ」 「こ、 こ、こんにちは。ジャックです」 マーリンは、いすから立ちあがり、ふたりを見つめて言った。 ききすく 「去年のクリスマスには、キャメロットの危機を救ってくれて、ありがとう」 「どういたしまして。あのときの冒険は、すごく楽しかったわ」と、アニー ジャックが、落ちつかないようすで、おすおずと話しかけた。 ル」よ、つ しようたいしよう 「あのう、今日、ばくたちに、木の葉の招待状をくださったのは : : : 」 きよねん ひく ほ、つはロん しろ なが ろうじん
けいび 「ふむ、警備はゆるいと見た。これなら、仕事がしやすいぞ」と、テディ。 どう 「それもそうね」アニ 1 も同意する おも だか、ジャックにはそうは思えなかった〇衛兵がいてくれたほうが、どんな しろ きみわる あんしん に安心かだれもいない城なんて、気味が悪すぎる げんき テデイか、こぶしをつきあげて、元気にさけんだ。 ぜんしん 「それでは、前進 ! 」 「ぜんしーん ! 」 げんき アニ 1 も元気に手をあげる〇 じようもんま、ん 三人は、はね橋をわたり、城門の前まで来て、そこでまた足を止めた。 A 」 じよう , もんとびら 城門の扉は、かたく閉じられている テデイか、ランタンを ~ 咼くか力した ひかり あわいろうそくの光に、扉にかか 0 たクモの巣が、キラリと療 0 た。大きな み クモか、こちらを見おろしている さんにん て み とびら 0 0 ルさ しごと す 0 あし か おお ・幽霊城の秘宝
テディは、はすかしそうに、 たか、きつばりと一一一口った。 にんげん 「ばくは、ふたりのおかげで、人間にもどれました。ふたりは恩人です ! 」 ゅ、つじよう 「そうかそれほど仲がよいとは、なによりじゃ。そなたたちの友情は、こん やく どの冒険でも、きっと役に立つじやろう」 そこで、アニーかたずねた。 「ところで、マ ーリン。わたしたちは、ここでなにをすればいい ゅび まがお マーリンは真顔にもどり、人さし指を立てて言った。 「おお、そうじゃった。三人とも、よく聞くのじゃ〇 ここは、ア 1 サー王 こ、つしやく りよう十っ こ、つしやくすしろ がおさめる王国のはずれの、ある公爵の領地じゃ。その公爵の住む城が、いま、 こまったことになっておる。行って、かたづけてきてもらいたいのじゃよ」 「『こまったこと』って、どんなこと ? 」 「それは、行けばわかる」 こえ せ テディが、背すじをピンとのばし、大きな声で言った。 ほ、つ・けん お、つこく なか さんにん ひと おお おんじん おう