テディは、はすかしそうに、 たか、きつばりと一一一口った。 にんげん 「ばくは、ふたりのおかげで、人間にもどれました。ふたりは恩人です ! 」 ゅ、つじよう 「そうかそれほど仲がよいとは、なによりじゃ。そなたたちの友情は、こん やく どの冒険でも、きっと役に立つじやろう」 そこで、アニーかたずねた。 「ところで、マ ーリン。わたしたちは、ここでなにをすればいい ゅび まがお マーリンは真顔にもどり、人さし指を立てて言った。 「おお、そうじゃった。三人とも、よく聞くのじゃ〇 ここは、ア 1 サー王 こ、つしやく りよう十っ こ、つしやくすしろ がおさめる王国のはずれの、ある公爵の領地じゃ。その公爵の住む城が、いま、 こまったことになっておる。行って、かたづけてきてもらいたいのじゃよ」 「『こまったこと』って、どんなこと ? 」 「それは、行けばわかる」 こえ せ テディが、背すじをピンとのばし、大きな声で言った。 ほ、つ・けん お、つこく なか さんにん ひと おお おんじん おう
おも ジャックは、見ていられなくなって、思わずさけんだ。 「カーニー ! カーオー ! 」「アニー、落ちたらどうするんだー 「カーワー ! カーカ 1 ! 」「落ちないわ。カラスだもの ! 」 まどむ せんかい いっちよくせん 急上昇したアニーが、くるりと旋回した。それから、窓に向かって直線に おも 飛んできたかと思うと、ジャックのとなりにピタッと着地した。まるで、生ま おも れつき鳥だったのかと思うほど、じようずに飛べるようになっている 「空を飛ぶって、楽しいわーお兄ちゃんも、いらっしゃいよ ! 」 そこへ、テディが飛んできた。 「ぼくは、ダイヤモンドを取りかえしに行ってくる。きみたちも、いっしょに 行くなら、ほくについてきて ! 」 いわやまむ そうさけぶと、テディは、岩山に向かって、飛んでいった。 「お兄ちゃん、行きましょ ! 」 アニーも、飛びたっていった。 きゅうじようしよう そら たの ちゃくち 100
アニ 1 が、木の葉をのぞきこんで言った。 しようたいじよう 「お兄ちゃん、 " 。のサインよー クリスマスの招待状にも、〃 ~ のサイ ンがあったわ」 かしらもじ まほ、つつか 「それで、そのは、モ 1 ガンの頭文字じゃなくて、じつは魔法使いマー丿 かしらは 2 じ の頭文字だった : : : 」 しようたいじよう 「とい、つことは、こんどの招待状も、マ ーリンからね」 しようたい 「うん。そして、こんどは、ばくたちをハロウィ 1 ンに招待してくれたんだ」 ・かッて、つ 「すてき ! ああ、キャメロットの子どもは、どんな仮装をするのかしら。ど んなお菓子をもらえるのかしら : 。お兄ちゃん、いますぐ行きましょ ! 」 ま 「ちょっと待った」 ジャックが、あたりを見まわしながら言った。 まえ 「冒険に行く前に、ペンシルべニア州のガイドブックを見つけておかないと、 かえ ばくたち、ここへ帰れなくなっちゃうよ」 ば、つロん エム エム み しゅう エム
あし カシの木の中で ジャックは、そっと目を開けた。 、かって、つ 「お兄ちゃん、見て ! わたしたち、もう仮装してるわ ! 」 アニーは、すその長いスカートをはいて、エプロンをつけている しよう きゅうけ・つを」 「 : : : だけど、この衣装は、吸血鬼でもないし、王女さまでもないわね」 むす しつほう、ジャックは、ひざまである上着を着て、腰にひもを結んでいた 足には、びったりしたタイツに、革をぬい合わせたくつをはいている ふくそう これは、キャメロットの子どもの服装だ」 「わかったー わたしたち、キャメロットへ来たんだものね」 「あっ、そ、つか : ふたりは、窓のところへ行き、外の景色をながめた。 ーもり・ ふか ハウスが着いたところは、深い森の、大きなカシの木の上だった。 を」耳」 たいようしす 木々のむこうに、太陽が沈みかけている なか かわ そと おお お、つじよ 、つえ
ほん ひび ライプラリアンじゃ。〈日々の魔法〉も身につけておる。そうじやろう ? 」 「よい、 そ、つですけど : : : 」と、ジャック。 おも まほうでんせっせかい 「それでじゅうぶんとも思うたのだが、なにぶん、ここは魔法と伝説の世界 そなたたちが、とまどうこともあろう。そこで、この世界の者をひとり、案内 やくえら 役に選んでおいた〇い っしょに一丁けば、なにかと心強いじやろ、つ」 「えつ、それじゃあ、マー リンはいっしょに来てくれないの ? 」と、アニ 1 あんないやく 「わしは、行かぬ。その案内役は、そなたたちとおなじ子どもじゃ。子どもだ おも けのほ、つか、よいこともあるじやろ、つと思、ってな」 ある とびら へやよこ マーリンは、部屋を横ぎって歩いていき、奥の扉に手をかけた。 おく レ」しよしつま もんだい 「その子はいま、奥の図書室で待っている : まあなにしろ、こんどの問題 さんこ、つ では、わからないことかたくさんあってのう。モ 1 ガンに、参考になりそうな 本をたのんであったのじゃ。それを、その子が運んできてくれたのじゃよ」 とびらあ ーリンが扉を開けると、なんと、奥に、もう一つの部屋かあらわれた。 おく おく こころづよ ひレ」 せかい へや もの あんない
まどそとみ ジャックは、目を開けて、窓の外を見た。 そこは、なっかしいフロッグクリ 1 クの森だった。 ふく ふたりの服そうも、すっかりもとにもどっている かえ ( よかった。無事に帰れたんだ : : : ) しかし、ジャックもアニ 1 も、すぐに立ちあがる気になれなかった。ふたり ゆか あきそら は、床にすわったまま、しばらく、暮れゆく秋の空をながめていた じよう′ ( 、、つ いちわとり 上空を、一羽の鳥が、ゆうぜんと飛んでいる そら 「ついさっきまで、ばくたちも、あの鳥みたいに、空を飛んでいたんだ : しん 信じられないことだけど」 たの だいおう 「楽しかったわね : でも、カラス大王は、ほんとうにこわかったわ」 じけん マーリンも、モーガンも、こんどの事件にカラス大王がからんでいることを、 よそく 予測してたんだね」 やく 「わたしたちが、役に立っということも、よ」 し」ーり・ だいおう 152
力アー ごえ そのとき、つめたい空気を切りさくように、するどい鳴き声がひびいた。っ にわおお はおと づいてバサバサッと羽音がして、庭に大きなカラスがおり立った。 ちか カラスは、落ち葉を踏んで、ふたりのほうへゆっくりと近づいてくる。真っ ひか ゅうひ くろはね 黒な羽が、夕日を受けてギラリと光った。 きみわる 「 : : : 気味の悪いカラスだなあ」と、ジャックがつぶやいた くろひかひとみ かお すると、カラスがキッと顔をあげ、黒く光る瞳で、ジャックを見すえた。 おも ジャックは、こわくなって、思わず身ぶるいした。 つばさひろ それからカラスは、ゆうゆうと翼を広げ、数回はばたいて飛びあがると、タ もりむ 日のなかを、フロッグクリ 1 クの森に向かって、まっすぐに飛んでいった。 それを見たアニ 1 が、立ちあがってさけんだ。 「お兄ちゃん ! あのカラスは、ただのカラスじゃないわ。きっと、モーガン はも、り・ ハウスが、森にもどってきたんだわ ! 」 のお使いよ。マジック・ツリー つか 亠 9 、つ・かし ゅう
、力い 4 」ん すす 武器庫を出て、またすこし進むと、アニーが、せまいらせん階段を見つけた。 いちだんいちだんかいだん 三人は、一段一段、階段をのばっていった。 かいたん 階段は、ぐるぐると幾重にもまわっているどのくらいのばっただろ、つか ひろ 目かまわりそうになったところで、ようやく、広いおどり場にたどり着いた。 とびらひら がたおお 正面に、アーチ形の大きな入口があった。扉は開いている へや 入口に立って中をのぞくと、そこは大きな部屋らしいことかわかった。 しす へやなか 部屋の中は、シ 1 ンと静まりかえっている たかてんじよう かべ ランタンのうす明かりで、高い天井や、壁にかかっているタベストリ 1 ばんやりと見えた。 おおひろま 「ここは、大広間だな」と、テディ。 「でも、暗くて、ようすかわからないわ。中にはいってみない ? 」と、アニー テディとアニーは、部屋の中にはいっていった。 よかん ジャックは、またも、いやな予感がした。 しようめん さんにん し , り ). 、十っ ふきこ へやなか しくえ い、・ / 、十っ おお なか ・幽霊城の秘宝
「え 1 と : ばくたち、どこへ行けばいいんだっけ」と、ジャック。 しようたいじようみ アニ 1 が、木の葉の招待状を見ながら言った。 なか 「これには、『カシの木の中で待っています』って書いてあるわ」 「カシ 0 木 0 " 中。 ? 木 0 一下。 0 まちが〔じ ~ な〔 0 か ? 」 「ううん、たしかに、『カシの木の中』って、書いてあるわよ」 「そ、つか : まあとにかく、下におりて、なにか手かかりをさかそう」 しようたいじようゆか 木の葉の招待状を床におき、ふたりはなわばしごをおりていった。 おも きみき ハウスか着いたカシの木の幹は、田 5 いのほか太かった。 / 、、つレ」、つ ひと 「うーん。この木の中に、人がはいれるような空洞でもあるのかなあ : : : 」 みき ふたりは、幹をなでたり、たたいたりしながら、木のまわりを一周してみた。 たか、どこもかわったところはない。 「おかしいな。この木じゃないのかなあ : : : 」 しら ある ジャックは、ほかの木を調べてみようと、歩きだした。 なか なか ふと っしゅう
「えつ、これから、公爵さまのお城へ行くの ? 」 もりゆび さんにんある はんたい 少年は、三人が歩いてきたのとは反対がわにある、べつの森を指さした。 「お、お城は、あの森のむこう。この道を、ずーっと行けば着くけど : : : 」 くち すると、 小さな女の子が、あわてて口をはさんだ〇 「でも、行かないほうがいいわ ! 」 「え、ど、つして ? 」と、アニ 1 しろ 「あのお城は、のろわれてるの ! 」 「のろわれてる ? 」 そら 「カラスののろいよ ! 空が真っ黒になるくらい、たくさんのカラスが、お城の 、つ、ん A 」 の上を飛びまわって : : : 」 ジャックが、おそるおそる聞いた。 「の、のろわれてるって、どうしてわかるんだい ? 「お城ではたらいていたマギ 1 おばあさんが、そう言ったの」 しよう、ねん しろ しろ おんな 一」、つしやく しろ みち しろ