としよかんた 図書館を建てても図書館をたいせつにする気持ちがなくては、なんにもなり ません。 カーネギーはヘんじを書きました。 じぶん としよかん おも 「わたしは、自分から図書館をおしつけようとは思いません。もしほんとう としよかん としよかんまも に図書館がほしいのなら、これからどうやって図書館を守っていくか、その ひょう カ としよかんはたら くわしい考え方を教えてください。あたらしく本を買う費用や図書館で働く ぎゅうりよう としよかん 人たちの給料を、町の人たちが力をあわせてだすのなら、よろこんで図書館 をつくりましよう。なにもかも、人にやってもらおうとするのはまちがいで すー てがみよ としよかん この手紙を読んで、それならもう図書館はいらないと、ことわってくる町 としよかん の人もいました。それでもほんとうに図書館をつくりたいという町では、み そうだん としよかん としよかんた んなと相談してりつばな図書館にしていくから、ぜひ、図書館を建ててほし かんが かたおし まち としよかん まち まち
ました。 それをきいたカーネギーは、さっそくたくさんのお金をだして、はじめの としよかん 計画よりももっとひろくて、りつばな図書館を建ててあげました。こうした まち としよかん 図書館はいまでも、あちこちの町にたくさんのこっていて、どこの町でも自 ぶん としよかん 分たちの図書館としてたいせつにしているそうです。 まち かね
いといってきました。 としよかんた 「よろしい。それならば図書館を建てましよう としよかん かね そんな町にはさっそくお金をだして、りつばな図書館をつくってあげまし としよかん かね いちぶふん た。ほんとうは町の人たちにお金の一部分をだしてもらわなくても、図書館 まも ひょう おおがねも を守っていく費用なんか、大金持ちのカ】ネギ】にとってはなんでもありま せん。でもカーネギーは、 としよかん じぶん かね 「すこしでも自分でお金をださないと、ほんとうに自分たちの図書館として たいせつにしなくなってしまう」 と、考えたからでした。 し てがみ あるときカーネギ】は、知りあいの市長さんに手紙をだしました。 としよかん かね 「もし、あなたの町にも図書館がほしいのなら、お金をだしましよう。その まいとしとしよかん かわり毎年図書館であたらしく本を買ったり、そこで働く人たちのお金は町 かんが まち まち まち しちょう じふん はたら ね ま ち
でだしてください しちょう そうだん 市長さんは、さっそく町の人たちと相談してみました。すると町の人たち としよかん しぶん 「よけいな約束をつけるなら、図書館なんかいらない。カーネギーは、自分 かねも がお金持ちだということをみんなに知らせたいから、そんなことをいうのだ」 かね じぶんきねん としよかん 「そうとも、町のお金までださせて、自分の記念になる図書館をつくろうと しているのだ。そんな申しこみなんかことわってしまえ」 しいました。 しちょう そこで市長さんは、このことをくわしく書いて、カーネギーの申しいれを ことわりました。 てがみ その手紙を読んでも、カーネギーはちっとも腹を立てません。それどころ やくそく まち 1 も、つ まち はら まち 、も、つ
あったら、子どもたちはどんなによろこぶだろう。いや子どもたちばかりで じゅう 本を読みたくても買えない人たちが、自由に本を読むことができた じぶん ら、自分ひとりでだって、いろんなことを勉強できるはすだ ) としよかん おも そう思って、町の人たちのためにせっせと図書館をつくったのです。 まち じぶん このカーネギーの考えをきいて、あちこちの町から「自分のところへも図 てがみ しよかん 書館をつくってほしいという手紙がたくさんおくられてきました。その手 がみせいり 紙を整理するのに、わざわざ人をやとわなくてはならないほどでした。 カーネギーは、その手紙をひとつひとっていねいに読みました。なかには、 まち としよかん 図書館をつくる場所も決まっていないのに、お金をくれという町の人もいま リ」りよく じぶん した。自分たちは、なんにも努力しないで、とにかくお金だけもらおうとい うのです。 カーネギ ] は、そんな町の人たちがきらいでした。ただでお金をもらい まち ばしょ かんが てがみ まち べんきよう かね かね かね
こうえん の公園をつくったり、世界中の人たちがなかよく しごと するための仕事にお金をだしたり、かそえきれな よ いほどのお金を、世の中のために使いました。 としよかん きふ カーネギーの寄付した図書館は、アメリカだけ で二千五百九もあり、イギリスでも三百ほどもあ るといわれています。どうして、こんなにたくさ としよかん んの図書館をつくったのでしようか。 カーネギーは、子どものときから本を読むのが ーし 大好きでした。先生に本を貸してもらったり、お 、も 父さんが持っていたわずかな本を読んだときのう れしさが、わすれられなかったからです。 ( そんなすてきな本が、もっともっとたくさん かね かね せかいじゅう カ よ よ アンドリュー・カーネギー ( 1835 年 ~ 1919 年 ) アメ リカの実業家。スコットランドに生まれるが、一家 こうじようでんぼうき わた でアメリカへ渡る。工場、電報局での仕事ののち、 でんしんぎしゅ なんぼくせんそう 電信技手として働く。南北戦争後に鉄橋をつくる会 かくだい そうせつ 社を創設し、それをきっかけに事業を拡大していっ てっこうせいさん た。 1899 年までにはアメリカの鉄鋼生産の 25 % を支 配するほどのく鉄鋼王〉となったが、引退後は慈善 きそう 事業家として多くの財を寄贈した。 じつぎようか と し てつきよう はたら じぜん じぎようか
えがまちがっていたことを反省しました。そこで、市長さんがカーネギーの ところへやってきて、 「ほんとうにすみませんでした。あなたの気持ちも知らないで、ひどいこと をいってしまいました。どうか、かんべんしてください」 すると、カーネギーは、にこにこしていいました。 「そんなことは、ちっとも気にしていません。わたしのいうとおりにして図 しよかんた かね 書館を建ててくれるなら、まえよりもたくさんのお金をだしてもよいですよ かえ そうだん 「ありがとうございます。帰ってみんなと相談してきます」 しちょう じぶんまち 市長さんは、大よろこびで自分の町へもどると、町の人たちがいちばん利 ばしょ としよかんた 用しやすい場所を選んで、そこに図書館を建てることを決めました。 としよかん カーネギーのいったように、図書館ができたあとも町中の人たちが力をあ り・よ、つ じゅう べんり わせて、だれもが自由に、便利に利用できるよう、町でお金をだすことにし よ、つ えら はんせい まち まち しちょう まちじゅう かね