焼き物 - みる会図書館


検索対象: 心を育てる偉人のお話 1(野口英世、ナイチンゲール、ファーブル他)
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1. 心を育てる偉人のお話 1(野口英世、ナイチンゲール、ファーブル他)

柿の実の色のおさら さか かき 酒井田柿右衛門 さがけんありたちょう やものまち やもの 佐賀県の有田町というところは、焼き物の町です。焼き物といっても、お さらやつぼや茶わんを土でつくり、それを火で焼いてしあげたものです。こ きんいろ あかえ の町でできるおさらやつぼの上に、赤や金色の絵を焼きつけたものを赤絵と あかえ やもの かきえもん しいます。そのすばらしい赤絵の焼き物をつくりだしたのが、柿右衛門とい う人です。 かぎえん なまえきざえもん 柿右衛門は、もとの名前を喜三右衛門といいました。お父さんも焼き物を きざえもん しごと つくる人だったので、喜三右衛門も子どものときから、この仕事を手伝って まち かき もん やもの てつだ

2. 心を育てる偉人のお話 1(野口英世、ナイチンゲール、ファーブル他)

きざえもん それでも喜三右衛門は、まんそくができません。 ( いくらじようずにつくっても、よその国のまねじゃしかたがない。 日本で しかっくれないようなものをつくらなくちゃだめだ ) おも ぎんいろ と、思うようになりました。それには青や白ばかりでなく、赤や金色で、美 や しい日本の鳥や花を焼きつけたものをつくらなくてはなりません。 あかえ やもの ( ようし、おれは赤い色を使った赤絵の焼き物をつくってみせるそ ) やもの でも、そんな焼き物を、いままで日本でつくった人はありません。赤絵の や 焼き物をつくるには、ます赤い絵の具をつくらなくてはならないのです。焼 き物は、おさらの上に絵の具とうわぐすりをいっしょにぬり、火で焼いてか いろや ためます。焼くまえの色と焼きあがってからの色は、まるでちがいます。た きざえもん や いせつなのは、焼きあがったときの色です。喜三右衛門はいろんな絵の具を やもの や つくって、カナ 、こつばしから焼き物にぬり、かまどのなかで焼いてみました。 やもの の A 」り・ いろっか ~ 、に うつく

3. 心を育てる偉人のお話 1(野口英世、ナイチンゲール、ファーブル他)

おも どれも思ったような色がでません。 きざえもん しごとむちゅう この仕事に夢中になった喜三右衛門は、もうほかの焼き物はいっさいつく せいこう らなくなりました。成功するかどうかもわからないのに、これまでの白や青 でし やもの の焼き物をやめてしまったのです。そのため、いままでおおぜいいたお弟子 さんたちもつぎつぎとやめていき、年をとった伊作という人ひとりになりま した。これまでためてあったお金も、すっかりなくなってしまいました。 「そんなできもしないものに、 いつまでもとりくんでいてもしかたがない。 やもの まえのように、白や青の焼き物をつくったらどうですか あかえけんきゅう かねも お金持ちのお客さんがいってくれても、赤絵の研究をやめようとしません。 しごとば とうとう家や畑まで売ってしまいました。のこっているのは仕事場だけです。 ぎざえもん そんな日が、なんと二十年もつづいたのです。わかかった喜三右衛門も、 すっかり年をとりました。 はたけ かね さく やもの

4. 心を育てる偉人のお話 1(野口英世、ナイチンゲール、ファーブル他)

そっくりどころか、まるで生きているような色です。 「よかった。よくがんばりました」 「ありがとう」 ふたりは、しつかりとだきあいました。ふた なみだ りの目から、涙がぼろぼろとこ、ほれ落ちました。 との このおさらを殿さまに見てもらったら、すっか かんしん り感心して、 きざえもん 「なんとみごとな色よ。きようから喜三右衛門でなく、柿右衛門と名のるが かきえもんなまえか きざえもん しいました。こうして、柿右衛門と名前を変えた喜三右衛門は、赤のほ ちゃくろきんぎん やものせいこう かに、さらに茶や黒や金、銀の色を焼きつける焼き物に成功して、日本一す あかえ やもの ばらしい赤絵の焼き物をつくる人になりました。 いろや かきえもん

5. 心を育てる偉人のお話 1(野口英世、ナイチンゲール、ファーブル他)

ある秋のことです。庭には、まっ赤にじゅくした柿の実が風にゆれていま きざえもん やものや した。喜三右衛門はゆうべから、焼き物を焼くかま場にこもりつきりです。 さく きざえもん 伊作じいさんがその庭をはいていると、かま場から喜三右衛門がよろよろ とでてきました。その手には、一まいのおさらがありました。 「できたそ、できたそ」 ぎざえもん にわかきみゆび 喜三右衛門はさけびながら、庭の柿の実を指さしました。まっ赤な柿の実 あさひかり は朝の光を受けて、きらきらと光っていました。 かき やもの 「伊作、見てくれ。あの柿とそっくりな焼き物ができたそ、 きざえもん 喜三右衛門のさしだすおさらを見て、伊作じいさんは、目を見はりました。 かぎみ なんと木の枝の柿とそっくりの赤い柿の実が、みごとに、おさらの上にうか んでいます。 「どうだ。いい色だろう。あの柿の色とそっくりだ」 さく あぎ えだかぎ にわ にわ かき ひか さく かきみ かぜ かぎみ

6. 心を育てる偉人のお話 1(野口英世、ナイチンゲール、ファーブル他)

ファーブルは、またひとったのしみがふえたというように、 につこりわら もの いました。どんな小さな生き物だって、人とおなじように愛せる心を持つの は、すばらしいことです。 いマ 188