ひなた - みる会図書館


検索対象: 神かくしレストラン
42件見つかりました。

1. 神かくしレストラン

空にむかって、 「おねがいしまーす . かぜ ってさけんだ。するとどうだ。どうっと風がふいて、おれは、だれかに からだをかかえられて、空たかく、とびあがったんだ。 「さようなら、またきてくださいよ」 はな お花ちゃんが手をふっている。 いったいこれは、どういうことなんだよ 「おっとっと、 かぜ いうまもなく、ひゅうひゅう、耳もとに風かふいて、あ、とか、おし と力いっているまもなく、なにがなんだか、わからなくなって : : : と ひなたわだえき ん、と、おろされたのは、日向和田の駅の、プラットホームだった : 1 51

2. 神かくしレストラン

たまげたね。たしかにおれか、まだ、ト / さいとき、神かくしにあった 女の子が、山からよちょち、おりてきたんだ。えーん、えーん、って、 泣きながらさ。 あのお花ちゃんが、たすねてくるって ? おれは車にとびのると、 ひなたわだえき 日向和田の駅にかけつけた。手紙には、いつくるとか、なにもかいてな ひなたわだ いってみたい。 どうしても、日向和田へ、 いってみたいのです。 死ぬまえに、 ちかい、っちに、 いきます。 まっていて、ください てがみ かみ

3. 神かくしレストラン

0 、よ りてきた。 ひなたわだえき それがちょうど、日向和田駅のまえの山でね、おれのとうちゃんがび つくりして、そばへいってきいたけど、ことはがわからない。ううん、 にほんご ほうげ・ん 日本語だけどさ、このへんのことはしゃないんだ。つまり方言さ。

4. 神かくしレストラン

って、かいてある。 ひなたわだえき 「なんだこりや、たしかに、おれのとうちゃんは、日向和田駅の、むか むすこ えきちょう どこからきたんだ , し / し しの駅長で、おれはその息子だけどさ、 いいなから、うらをひっくりかえすと、かいてあったね。 ぶつぶつ ロ ~ 甲点都主月日向霾田駻 、む芍こ ロむしの訳一長さんの住ご孑さま 8

5. 神かくしレストラン

ようじ もりおか 「ああ、あしたは用事があるからな。なにしろ盛岡だって、いましや日 がえ 帰りできるもんな。おっと、神かくしなら、むかしも、あっというまだ ったつけ」 はな お花ちゃんは、くすくすわらった。 「それでね、わたし、国男さんに、てんぐタクシーをたのんでおいたの と , つきょ , つおうめ 「タクシーだって ? よせやし : いくらちかいったって、東京の青梅 しんかんせん までタクシーにのってはいけないよ。新幹線でかえるよ」 するとまた、お花ちゃん、くすくすわらって、おれをひつばって外へ でた。 かみ そと 1 50

6. 神かくしレストラン

そうかいた札だよ。 ひなたわだえきちょう でんしゃうんてんしゅ うらに、日向和田駅長、って、かいてね、電車の運転手によくよく もりおか うえの たのんでさ、上野へいって、上野から盛岡まで、あのころ、一日しゃい かないんだ。 てつだ おれも、いろいろ手伝った。 にぎりめしも、一こもらって食った。 いわてもりおか この子は、岩手の盛岡までいきます。 えき 駅についたらおろしてやってください ふだ うえの 8

7. 神かくしレストラン

かったけど、じっとしていられなかったんだよ。 でんしゃ フラットホームにはいって、ぶらぶらしていると、電車がやってきた。 でんしゃ : とは、おもわなかったけ まさかお花ちゃんがこの電車にのってくる : ど、それでもじーっと、おりてくる人をみていたら、ひとりのばあさま が、おれのはうへやってきた。 むすこ ひなたわだ 「あのう、もしかして、むかしの日向和田の駅長さんの息子さんしや、 ないですか , 「はあ、そうです。あ、しゃあ、あなたは 「そんです。神かくしにあったお花です」 ばあさま、顔をくしやくしやにして、いまにも泣きだしそ、つに、おれ かお かみ えきちょう

8. 神かくしレストラン

よなかさけ 「ときどき夜中に酒をぬすみにくるやつがいるのは、わかっていたんだ。 おまえが犯人だな」 べんかい ひつじか 弁解するひまもなく、羊飼いは酒どろばうとしてつかまってしまった。 くび すぐに裁判になって、しばり首にきまった。 ひつじか さて、いよいよローフか首にかけられよ、つとい、つときに、羊飼いは、 やくにん ひっしに役人にたのんだ。 さい′」 くろ 「最後にひとつだけおねがいかあります。おれの黒いばうしをかえして ど ください。あれはかあさんがくれたものなんです。もう一度、あのばう しをかぶりたいんです」 「よし、 いいたろう」 さいばん はんにん 1 〇 2

9. 神かくしレストラン

「なにいってんだよ。おれ、ここにいるよ。ここにいるよ」 けんた と、つと、つ数罸 ひっしで健太はうったえたが、ふたりにはつうじない。 けんた もユ力もまちくたびれて、さくをのりこえかえってしまった。健太もあ とをおお、つとしたが、ど、フしたことかさくかこ、んられない。くるときは、 あんなにかるがるととべたのに。 けんた あせる健太のうでをぐいっとひつばるものがいた。ふりかえると、そ あたま あおじろ こには小さな男の子がたっていた。ばうす頭で、はだか、青白いはだが、 うすやみにばーっと、にしむようにうかんでみえる。 「あんちゃんもひとりばっち。おらもひとりばっち。いっしょにあそ かずま 3 9

10. 神かくしレストラン

ぞいてみた。 ところが木の中はからつばだ。うすぐらい木の底には、枯れ葉がつも っているだけだった。 そと ちょうきち 木の外には、三人がすっといたのだから、長吉がでてくれば、わか らないはすはない。 ちょうきち 長吉はけむりのように、きえたとしかおもえなかった。 だいじろう 青くなってもどってきた、大二郎たちの話をきいたおとなたちは、 ちょう しんぼくあな 「なに、長ばうかご神木の穴にへえってきえた ? ハチあたりめ : : : そ いでも、よくしってる山だ。ひょっこりもどってくるかしんねえぞ」 ちょうきち と、ようすをみていたが、くらくなっても長吉はもどってこない はなし そこ 、カ 4 4