国男 - みる会図書館


検索対象: 神かくしレストラン
5件見つかりました。

1. 神かくしレストラン

「おりや、国男いったいどうしたんだいー かお なかま 釣り仲間の五郎のやつが、へんな顔をしてよってきた。 「いきなり目のまえにすとんと、国男、いったいどこからあらわれたん だ。まるで、てんぐにおっことされたみたいだったぞー 「うーん」 おれは、あきれて、ものもいえない てんぐタクシーって、おれはてんぐにここまでつれてきてもらったら かみ しい。つまり神かくしみたいなものかなあ。 おれは、いつまでも、ばんやりとフラットホームにたっていた。 っ ごろう 1 53

2. 神かくしレストラン

あのころの東北はますしかった。白いごはんなんて、一年に一ペんぐ らいしか、たべられなかった、って、お花ちゃんはいう。 はら だから、おいしいおいしい米のめしを、腹いつばい、 食わせる、〈神 かくしレストラン〉をひらいたんだと。 ′、。に 49 「ぜったい、国男さんを、わたしのレストランにつれていくからね」 お花ちゃんはいった。 いまなら、新幹線がとおってら。「よし、いくか」、ってことになった のさ。 しんかんせん A 」、つほ / 、 こめ かみ

3. 神かくしレストラン

ようじ もりおか 「ああ、あしたは用事があるからな。なにしろ盛岡だって、いましや日 がえ 帰りできるもんな。おっと、神かくしなら、むかしも、あっというまだ ったつけ」 はな お花ちゃんは、くすくすわらった。 「それでね、わたし、国男さんに、てんぐタクシーをたのんでおいたの と , つきょ , つおうめ 「タクシーだって ? よせやし : いくらちかいったって、東京の青梅 しんかんせん までタクシーにのってはいけないよ。新幹線でかえるよ」 するとまた、お花ちゃん、くすくすわらって、おれをひつばって外へ でた。 かみ そと 1 50

4. 神かくしレストラン

の手をしつかりにぎって、かんげきしている。 「いやあ、あなたがあの、お花ちゃん ? せわ 「はい、お花です。あのときはお世話になりました。えーと、あなたの なまえ お名前は」 「国男っていいます。お花ちゃんが泣きながら山からおりてきたとき、 手ぬぐいで顔をふいたり、手をふいたり、はなをかんだりしたんだよ」 「あれ、ま、はすかしいよう」 お花ちゃんは小さい子みたいに、手で顔をかくした。 「それで、いったいどうして ? 何十年ぶりにここへきたわけは ? 」 「それはねえ、わたしんとこの〈神かくしレストラン〉に、ぜひぜひ、 かお なん かみ かお 2

5. 神かくしレストラン

国男さんにきてもらいたくてよ . かみ 「その〈神かくしレストラン〉っていうのは、どこにあるんです。まあ、 たばなし ここで立ち話していてもしかたがない。お花さん、ぜひおれのうちへき てください。そこでゆっくり、その、レストランの話、きかせてくだ というわけで、おれ、お花ちゃんから、くわしく、レストランの話を きいた。それにおれの話もまぜて、はなすね。 おうめてつどう おうめせん いまから何十年もまえのことだ。この青梅線がまだ青梅鉄道っていっ た 6 あさ く、小さな女の子が泣きながら、山からお ていたころ、ある日、朝はや なん はなし はなし はなし 4