しらもち そうで いえ なえることになっておった。その家でも、家のもんが総出で、白餅をこ しらえるのにいそがしく、子どものめんどうなんかみておられんのだっ どま 夕方になったころ、ふと気がつくと、すっと土間であそんでいた子ど ものすがたがみえん。 ーい、だれか一太郎のことしらんか , どま 「そういえば、さっきまで土間におったのに、どこへ な」 それから、そうひろくもない家のすみからすみまで、ちょっとでも子 どものはいれそうな、すきまというすきまのすべてをさがしまわったが、 ゅうがた いちたろう いったかみえん 7 7
てらにわぼち 「かくれんぽ」では、かくされるのはお寺の庭、墓地のちかくです。かくれんばの鬼 かかくれている友だちをさかしているうちに、反対にかくされてしまうという、あ そびのなかのこわさが、ひんやりたちあがってきます。 かぜ ひろば 「つむじ風の国にいった子ども」イタリアの話です。いなくなるのは、広場の木の下。 かぜたつまき かぜ つれさったのは、つむじ風。竜巻の子ども、といっていいのでしようか。つむし風の ふえふ 国には、たくさん子どもかいると ) しいます。ドイツには「ハーメルンの笛吹き男ーと でんせつ ゅうめい いう、町の子どもたちをつれさる、ねずみとり男の伝説があって有名です。 しゅじんこう しようねん 「きえた少年」の主人公は、家の中からいなくなります。おおぜいの人と杉の木の こすえをわたりあるいたというから、相手はてんぐでしようか。これは、九十年もむ かみ はなし ) い話です。 かしの話ですが、「神かくしの森」は、ついこのあいだの話といってもし ばしょ じゅうたくち じんじゃ はなし とくちょ、つ かみ 場所は、住宅地の中の神社のうしろの小さな森。この話の大きな特徴は、神かくし しゅじんこ、フ ア」、フはん にあった主人公のはうからのみた目で、後半がえがかれているところでしよう。最後 一よ、つ の二行が、このメニューをたべる ( 読む ) 人をぞっとさせます。 はなし とも よ あいて はなし はんたい はなし おに 1 56
しょ ちょうじよう ぶん あか 十一時三十分、とっぜん明るい項上にでた。ガイドブックには、所 ふん じかんはん 要時間四十五分となっているが、子どもの足で一時間半かかっていた。 けいしゃ すこし傾斜しているが、ひろびろとした草「である。ながめはすば ながさき ひがし 力し らしい。長崎の町をとりまく山やま、とおく東シナ海にてんてんと五島 てんかぜっけい の島もみえ、むかしから天下の絶景といわれている。 ここでおべんとう。それがすむと、子どもたちはクラス対抗のバレー じしゅうごう ポール、おにごっこ、草スキーなどやりだした。二時集合、そして下 じえん ざん よてい たの 山という予定だったが、子どもたちがあまり楽しそうなので、三時に延 長。あるいはそれがまちかいだったのだろうか。秋の山は三時をさかい に、きゅ、つにかわることかあるからだ。 ちょう ようじかん しま あき たいこ、つ 」と、つ 1 1 〇
つむじ風の国に いった子ども ち - ほ、つ イタリアのトスカーナ地方の村でのこと。 ゅうがた さいむすこ ある日、夕方になっても、五歳の息子のトニーノがかえってこないの で、心配になったマリーアは外にでて、あたりをさがしてみた。 いえ さっきまで、子どもたちのにぎやかな声がしていたのに、みんな家に かえったとみえて、だれもいない もしかして、いっしょについていったのかもしれないとおもって、な しんばい かぜ そと こえ けんもちひろこ
せなか か、わすかにまえの人の背中をばんやりてらすぐらいであった。 ふあん 子どもはみつからない。一歩ごとに不安かつのってくる。 じはん たいちょう 八時半ごろ、とっぜん、隊長のトランシー 、ハーかなった。 げざん そうさくたい せんせいきゅうえん 「まい、 こちら捜索隊。えつ、先生が救援をもとめて下山してきたっ あぶらぎ あぶらぎ て ? え、どこ ? 油木、なんだって、油木 ? なめし いわやさんとうなん あぶらぎ 油木とは岩屋山東南のふもとである。滑石とは、十キロメートルはは なれている。 くみぜんいん 「六年一組は全員、やぶにかたまっているそうです。むだにうごいて体 りよくしよ、つも、つ いわやさんどうひょう 力を消耗させないようにね。えっ ? 岩屋山の道標のあたりですね。 なめし せんせい ああそうか、わかった。そこに子どもをやすませといて、先生は滑石に たい 1 1 4
「いきましよう」 たいいん げんき 隊員たちは、きゅうに元気 がでた。 かぜ はたして子どもたちは、風 のこないくばみに、しつかり かたまっていた。外側の子が さむくなると、中の子とこう どうひょう おりるつもりで、道標を左 あぶらぎ におれたんで、油木にでたら そとがわ 1 1 5
もっといわレし やおっ : うモん ネくしヲ マ十、 , 乙やくしみ 、んソて一つ ! ミ 0 ク ン ン、ドっト 子どもなどか行方不明 になると、村じ 0 う総出で、 た」 = 000 をうちならし、「〇 を 00 、もど」と = 0 な… らしあ 0 」《。一升 , す茶 = す 0 底を」、、、《 0 音を たてる地方もある
てんぐの 釜たきをした男 たなか ちばけんくじゅうくたにやまざと すこしまえ、千葉県の九十九谷の山里にすむ、田中さんちのおよめさ はなし んからきいた話。 ちちおとうと わたしの子どものころ、父の弟、まさおじがいっしょにすんでいたん です。 よるせいねんがっこう のうぎよう まさおじは、農業がひまになる、夏のはじめごろ、夜の青年学校に かま なっ ら・かおる 7 2
となり、となり」 大声でおこすと、ふにやふにやと、ねばけた声がする。 いなくなっていないか。しらべてみい 「子どもがひとり、 こえ すこしすると、たまげた声がした。 さだぼう 「あれ、貞坊がいない、あれ、どうしよう」 おや さだぼう とびだしてきた親に、貞坊をわたして、 「しつかりせい。わが子がいなくなったのも、気がっかんのか」 さくたろう って、作太郎さん、しかりつけた。 さだぼう さだぼうたにがわ つぎの日、貞坊に谷川をわたらせようとしたが、貞坊、こわがって、 さいはん わたれない。まだ二歳半だもの。なあ。 おおごえ こえ 1 42
みどりしま こだか 小高い森が家の上にうかぶ緑の島のようにみえる。 きもの 「子どもがひとりいなくなって、着物だけが、木のてつべんにかかって おりました。 だいろくてん あそこには、第六天という神さまかまつられておりましてな。いなく かみ なった子は、その神さまにわるさをしたらしいんです。 けん 健太が手をあげた。 「へえー、それってどんな神さまですか ? かんじ しかく ) まは土にうもれて場 「四角い大きな石に漢字がはってあるんですが、し しょ 所もわからないんです」 おもしろそうだと健太はおもった。 けんた かみ かみ