白いマフラー - みる会図書館


検索対象: 殺人レストラン
76件見つかりました。

1. 殺人レストラン

ねむっていたおかみさんが、目をさましていった。 「うるさいわねえ、『おれの足、おれの足』って、あんただれなのよ。 この部屋のどこに、あんたの足があるっていうのよ」 「おまえが、くったー」 男はそういうなり、おかみさんの首をわしづかみにすると、そのまま、 するするひきすって、どこへともなくいってしまった。 へや くび 1 〇 3

2. 殺人レストラン

「ところが、わかるのよ 「からかわないでよ 「うそしゃないわ」 ゅうこ 裕子がむきになってこたえました。 「ほんとに ? 「もちろんよ , 「しゃあ、おしえて。どうすればいいの」 うしみどき 「それはね、丑三つ時に、ロに刃物を せんめんき くわえて、水をはった洗面器をのぞく みらしあいてかお と、未来の相手の顔がうつるんだって」 0 り 0 ー ~.

3. 殺人レストラン

はしらどけい ド広言か二時をしらせると、あい子さんは、べッドからそっとぬけだ かいだん し、だれにも気つかれないように階段をおりました。 せんめんき おふろ場にはいったあい子さんは、洗面器に水をいれると、たなから カミソリをとりだしました。それから、カミソリを口にくわえると、こ せんめんき わごわ洗面器をのぞきこみました。

4. 殺人レストラン

ばくはひとりごとをいったよ。 うみ つぎのページをひらくと、えつ、とおもった。海だ。ひろびろとした うみ せいねん いま、とびこもうとしている青年かうつっている。よーし、 海の上に、 かっこいいとこ、とってやるぜ、なんていいなから、だれかがとったん だろう。 でも、ま、やつばりふるい写真だけど、この写真はどうってことない。 あたりまえの写真だ。 つぎのページをめくった。 「や、みごと、とびこんだぞ」 手をまっすぐにのばし、みごとなすがたでとびこんでいる。サプーン、 しやしん しやしん しやしん 8

5. 殺人レストラン

男は、もう、あせってしまった。そこで、トンネルをぬけたところで、 ちちおやまど 父親を窓からほうりなげ、すまして本をよんでいた。 きようだい 兄弟がもどってきて、男にたすねた。 まどがわ 「窓側に年よりがすわっていたはすですが : : : 」 えき 「ああ、あの方は、ひとつまえの駅でおりられましたよ」 かお そこに車しようかドアから顔をつきだして、いった。 「そ、そうですね。おりてしまったんですよ」 しゃ かた 1 1 8

6. 殺人レストラン

「きのどくに : そうおもいながらとおりすぎようとしたが、とっせん、おかみさんの ことをおもいだした。 いえ 「手ぶらしや、家にかえれねえ」 木こりはしばらくかんかえていたが、 「すまない、ゆるしてくれ . じゅうじ こうしゆだい と、十字をきって手をあわせると、絞首台にぶらさがった男のももの肉 をきりとり、もちかえった。 いえ その晩、木こりの家はひさびさのごちそうで、おかみさんはごきげん 、、こっこ 0 ばん 9 9

7. 殺人レストラン

のふちの じっか しなかの山すそにあった。 その男がうまれそだった実家は、 ) と力い けっこん じっか 男はわかいうちに実家をはなれ、結婚して都会ぐらしになれてからは、 じっか なおのことめったに実家へはかえらなかった。 むすこ しようがくせい 小学生になった息子をつれ それが夏のある日、男はひさしぶりに、 みち いえ じっか て実家にもどってきた。家までの道は、むかしにくらべて、すっかりよ くなっていた。 なっ みち さくらいのぶお 桜井信夫 1 〇 5

8. 殺人レストラン

力 ひとみちゃんでした。さえ子はおっとり型なので、なにかとひとみちゃ んのいうままになっているようでした。 そのうち、気がつくと、ひとみちゃんがひとりあそびをしています。 いつのまにか、さえ子は、ころんとよこになってねむっていました。 それはど、あたたかで気持ちのいい午後だったのです。 とも 「おやまあ、お友だちをほっといて」 はなみ わたしは、それからしばらく、お花見のさわぎにまきこまれていまし にんぎよう たか、またみたとき、さえ子は、人形をだいてたちあがっていました。 「どうしたの」 こえ 声をかけようとした、そのときでした。さえ子か、いきなり沢のはう さわ 8 8

9. 殺人レストラン

まど なんだか目がっかれて、ふと窓のほうに目をやって、ぎよっとした。 まど にんげん 窓のすぐむこうのスギの木の下に、人間の足が一本、によっきとたって いるんだ。それが、片足一本だけで、ほかにはなんにもない。もう片方 どうたい あたま ) 。はだしのでつかい足 の足もなければ、胴体も手も、もちろん頭もなし が一本、月あかりの中にうかんでいるのさ。 かたあし かたほ , っ 60

10. 殺人レストラン

春の日のふしぎ いえ わたしの家のうら山には、大きなサクラの木が何本かあります。その かぞく まんかい はなみ サクラが満開になって、仲のいい家族どうしあつまって、お花見をして いたときのことでした。 おとなたちは、うかれて歌などうたっていました。 にんぎよう すこしはなれた草の上では、女の子がふたり、おとなしく人形であ と。も そんでいました。三歳になる、むすめのさえ子と、一歳下のお友だちの なか 、 0 なんぼん みずたにしようぞう 水谷章三