ねー 「赤ら顔で、鼻がたかくて、目がぎよろっとでかかっただ . かお 「ほ、つかよ、。 。うカそいつはこんな顔じゃなかったかね ちょうちんを顔のところにもっていって、五助のほうにちかつけた。 かお なんとその顔は、てんぐだったんだと。 はあはあ、あえぎあえぎ、ちょうちんめがけて、またかけだした。 「ど、どうしなすった . 「いやあ、いまそこで、て、てんぐにであってなあ。おそがい ( こわ い ) のなんの : 「ほう、てんぐにあいなすったんかい。てんぐたあ、どんな顔してたか がお かお ごすけ かお 6
すみ すると、ちょっとひらけたところに、かまをきすいて、炭をやいてる しゅう 衆がおった。 五助ははっとして、ちかついていった。 「やれやれ。てんぐさかいつでつかと、生きたここちがしなかったが、 いつぶく しゅう はたらいてる衆がおったとはありがたや。あのう、すまんが、一服させ てくだされー すみ 炭やきの男は、たきロの火のあんはいをみていて、ふりかえらすにい 「なに、てんぐだあ ? てんぐたあどんなやっかね 「おら、まんだみたことはねえけんど、なんでも赤え顔をして、鼻がた つ、」 0 ごすけ かお
らありやしねえ。 じつはそのころってえのが、おっ じこく かねえ。てんぐのでる魔の時刻とい われていただ。 しゅうなんにん 村の衆は何人もてんぐにあって、 こわい目にあってるだ。中にはかえ ってこんものもあったんだと。 「てんぐに八つざきにされただぞん , 五助はおもいだして、ぞうっとな し / しみ、 ) ヾ」 0 ごすけ い ヾい、い、 56
炭をやくはのおをうけて、かみはもえたつよう。鼻もつんとたかい。 五助はびつくりぎようてん。 「うわあっ、てんぐだ ! 」 なんど さかみち くらい坂道を、何度もころびそうになって、はしって、はしって、は しりぬいたと。 は、つすっと、むこ、つにばっとあかりかみえた。 じ′」く 「おつ、ありゃあちょうちんの灯だ。ありがたや、ありがたや。地獄に ほ A 」け・ 仏たあ、このことだ」 ごすけ すみ
まじよ ちょうのうりよく ミカのおはあちゃんか、魔女のような超能力をもっているというう とも わさは、すっとまえに友だちからきいたことかありましたが、まさか、 まゆみ それがはんとうだったなんて。とてもしんしられません。真弓はおもわ すほほをつねりました。 はなし しこく じゅっ ミカの話によると、おばあちゃんのふしぎな術は、わかいころ四国の 山おくをあるいたときに、 ぐうせんであったてんぐからおしえてもらっ じゅっ たらしいということです。ただし、どんな術でもできるわけではなくて、 じゅっ さっきのように、わすかなすきまにかくれる「五センチがくれの術」と、 じゅっ レ」′、い だれよりもはやく走る「ダッシュヾヾ ノノの術」が得意なのだそうです。 「まだ心ぞうがドキドキしてるわ。それで、足がはやいって、どのくら しん
房幸 ) 尹を宅豸 ・空をとぶ魔女 / 杉本栄子・ ドイツの伝統的な魔女料理。ストープでこんがりやきました。 ・せんたくものにひそむ魔女 / 剣持弘子・ 魔女を丸ごと煮こんだイタリア料理。トマト味です。 ・井戸の底のばあさま 吉沢和夫・ 心やさしい人にはすてきな料理。そうでない人には こんな顔 ? / 岩崎京子 気せっするほどおいし一い一品 / ・走るおばあちゃん / 常光徹・ てんぐからおそわった、とてもめすらしい料理です。 ・ふしぎなばば / 桜井信夫・ あらしの日にごちそうをたべると、あっというまにおはあさん / ・ルサーノレカ / 斎藤君子 悪い夢からさめない人に、星の水でつくったロシアのスープ。 ・さとりのおばあさん / 望月新三郎・ キャンプでのバーベキューは、心をよまれないよう気をつけて / ・鬼ばばのへそそば / 水谷章三 鬼ばばの愛情たつぶりのそば、どうぞめしあがれ。 ・デザート十二人の魔女 / 岩倉千春・ ぶるっ / としてあまーい特製デザート。 はし ・ 36 ・ 46 ・ 64 ・ 108
ぐうはつじこ いますが、なんでもおみとおしで「さとり」と名づけられたはどのものが、偶発事故 むかしばなし にたいして、人間とは、おもわないことまでするものだとおどろくところに、昔話 のおもしろさがそのまま生かされています。 かお むかしばなし てんぐ まじよ 「こんな顔 ? 」も昔話をもとにしたこわい話です。天狗は魔女ではありませんが、 はなし どめ せいか / 、 話の中での生格にはにたところがあります。一度目のおどかしがすんで、はっとした けっていてき どめ しか むかしばなし むかし ところに決定的な二度目のおどかしがくるという仕掛けは昔話そのままです。昔 ばなし かお 話では、ふりむいた顔がのつべらばうだったという話がよくしられています。 ゆくえふめい いわてけんとおのじっ・ 4 むかしは行方不明になると神かくしにあったといったものでした。岩手県遠野で実 かみ はなし 際にあった神かくしの話としてったえられている「サムトの婆」の話がもとになって いるのが「ふしぎなばば」です。ふつうの女の子が、子どものときにさらわれて、山 よめ のものの嫁になり、ふしぎな力をもつようになったとかんがえられていたようです。 はなし けっこんはんたい にゆうすい 「ルサールカ」はロシアの話ですが、結婚を反対された女が入水して死んだために、 よ、つ力い すいちゅう そんざい 水の妖屋となって、人を水中にひきこむこわい存在となっています。人びとにおそ かみ はなし はなし はなし し
おかみさんが、いそいで村の人たちにしらせました。 まじよ 魔女とわかったからには、もう村の人たちがほうっておきません。と なりのばあさんは、すぐに火あぶりになりました。 ドイツの 一忙勺、 / 44 ボノ日ャ 戚女粹珪 てんと 5 5 3
女のレストラン 怪談レストラン あ庭女のレストラン ( に 7 THRILLER RESTAURANT かいだん 怪談レストランへようこそ ISBN4-494—00480-4 C 8 2 9 5 \ 6 0 0 E 定価本体 600 円 ( 税別 ) 背すじがゾーツとするような ぞんぶん たのしいお話を、どうぞ存分 しようみ にご賞味くださいませ とうてんじまん なお、誠に勝手ながら、当店自慢のオリジナルス しんぞう よわ パイスを利かせてございますので、心臟のお弱い かた えんりよ 方はご遠慮いただいたほうがよろしいかと : まことかって 9 7 8 4 4 9 4 0 0 4 8 0 5 はなし 1928295006006 背すじが ゾクゾクリ 怪談レストラン騙集委員会・責任騙集松谷みよ子 絵かとうくみこ 怪談レストラン編集委員会 責任編集松谷みよ子 産心社