「おまえは、ほんとにいい子じゃ。この家にすっといたらよかろう」 それで、しばらくはあさまといっしょにくらすことにしたんだと。だ が、やかて心配になってきた。家にかえったら、ままおっかさんにどん にしかられるか 「もう、家にかえらなくては。だけど皿をもってかえらないと、家にい れてもらえない」 あさ 「ああ、そうかい。皿はわしがもってるよ。あすの朝わたしてあげるか ら、それまでゆっくりするかいい」 花子は、それをきくと、ほっとむねをなでおろした。 あさ きものおび、 つぎの日の朝、ばあさまは、皿といっしょに、きれいな着物や帯やか しんばい さら さら さら 5
れるかい」 あぶら 「それとも油であげてやろうカ 「ふん、わたしたちをあまくみたばっさ、 こえ 男はそのたびにふるえる声でこたえまし 「いえいえ、けっしてだれにもいいませんー こえ さいごあくま 最後に悪魔がひくい声でいいました。 「もし、この約束をやぶると死ぬことにな るからな」 男はおそろしくてしっとしていました。 やくそく 3