力 - みる会図書館


検索対象: 魔女のレストラン
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1. 魔女のレストラン

でしよ、つか げんだいでんせつ 「走るおばあちゃん」は現代伝説ともいわれるうわさ話としてひろまった、ゆかいな おはあさんの話ですが、ほんとうにこんなおばあさんに車をおいこされたら、ぞっと するでしようね。 さて、ねこにも、うさぎにもならす、馬にもならすに、無事〈魔女のレストラン〉 まじよ をでられたでしようか ? ところが、となりに「魔女のプティック」があります。そ じけん しちゃくしつ こではふとったおばさんが試着室にはいったきり、でてこないという事件にであい げんだいでんせつ 力いこく ひ力い にほんじよせい ます。これもかなりよくしられた現代伝説で、とくに日本の女性が外国で被害にあっ しちゃくしつゆかお あな かがみ たという話がおおいようです。試着室の床が落とし穴になっていたり、鏡がひっく しか ゅうかいじけん りかえったりという仕掛けがあって、麻薬がらみの誘拐事件だというのです。このよ えんだか カ にほんじよせい うなうわさの背景には、円高の力をかりた日本女性の買い物ツアーか目にあまるよう げんじっ になったという現実があるのかもしれません。 はなし はなし まやく 、つま ばなし もの まじよ 1 42

2. 魔女のレストラン

力し やがて十二時になるとえん会もおわり、魔女たちはそれぞれきた方向 にとんでかえります。きたときとおなじ魔女かまた男にのり、あっとい うまに村はすれまでもどってきました。 まじよ 魔女は男をはうりだすと、 「これで魔女の力をおもいしったことだろう。これからは魔女をバカに おしでないよ , と、どなり、さっさといってしまいました。 よあ なごえ 男は夜明けをつげるニワトリの鳴き声で、村はすれにいることに気が つきました。 いえ 家にもどると、おかみさんかいし まじよ ) 土した。 まじよ まじよ まじよ ほ、フこ、つ 2 3

3. 魔女のレストラン

まじよ かな れられる魔女も、いやしがたい悲しみをせおっていることがおおいようです。 まじよ げんじっ せかい むかしばなしせかい ところで、ヨーロッパには昔話の世界だけでなく、現実の世界にも魔女とよはれ みこてき やくそう ものし る人たちがいました。むかしから、人よりも物知りで、薬草につうし、巫女的な力を あくよう まじよ ゞ ) こ ) つほうで、その力を悪用して人をのろうことにつかう もつ、たのもしい魔女力しオし きよ、フ まじよあくま まじよ わるい魔女もいたようです。キリスト教にとって、魔女は悪魔にぞくすることでした むじっ まっき から、あってはならないことでした。しかし、中世の末期、おおくの無実の女まで まじよさいばん まほう が魔法をつかったというかどで魔女裁判にかけられ、火あぶりになったことは、わす れきし じじっ れてはならない歴史の事実です。 った まじよ まじよ 魔女にたいする偏見がなくなってからも、魔女がいたという言い伝えは、話として まじよ まじよ のこっています。「空をとぶ魔女」「せんたくものにひそむ魔女」「十ニ人の魔女」が ぞくしん はなし みんかん それです。これらの話には民間にったえられたさまざまな俗信がみられます。このよ った うな言い伝えをのこすことで、「せんたくものはくらくならないうちにとりこめ」と そと せいかっちえ か、「足あらい水は外にすてろ」といった生活の知恵のようなものもったえてきたの へんけん ちゅうせい はなし まじよ 1 41

4. 魔女のレストラン

かく、目かぎよろっとしてるそうだん」 「ほ、つかま、。 。う力するってえと、こんな顔かね , その男はふりむいた。 かお

5. 魔女のレストラン

ぐうはつじこ いますが、なんでもおみとおしで「さとり」と名づけられたはどのものが、偶発事故 むかしばなし にたいして、人間とは、おもわないことまでするものだとおどろくところに、昔話 のおもしろさがそのまま生かされています。 かお むかしばなし てんぐ まじよ 「こんな顔 ? 」も昔話をもとにしたこわい話です。天狗は魔女ではありませんが、 はなし どめ せいか / 、 話の中での生格にはにたところがあります。一度目のおどかしがすんで、はっとした けっていてき どめ しか むかしばなし むかし ところに決定的な二度目のおどかしがくるという仕掛けは昔話そのままです。昔 ばなし かお 話では、ふりむいた顔がのつべらばうだったという話がよくしられています。 ゆくえふめい いわてけんとおのじっ・ 4 むかしは行方不明になると神かくしにあったといったものでした。岩手県遠野で実 かみ はなし 際にあった神かくしの話としてったえられている「サムトの婆」の話がもとになって いるのが「ふしぎなばば」です。ふつうの女の子が、子どものときにさらわれて、山 よめ のものの嫁になり、ふしぎな力をもつようになったとかんがえられていたようです。 はなし けっこんはんたい にゆうすい 「ルサールカ」はロシアの話ですが、結婚を反対された女が入水して死んだために、 よ、つ力い すいちゅう そんざい 水の妖屋となって、人を水中にひきこむこわい存在となっています。人びとにおそ かみ はなし はなし はなし し

6. 魔女のレストラン

井、尸の底のばあさま 花子は、ト / さいときにおかあさんをなくした。 しはらくすると、あたらしいおかあさんが、ひとりの女の子をつれて なまえたけこ やってきた。女の子の名前は竹子といった。 は 子 / 子 / 力し 「花子、せんたくはすませたかい は 「花子、水をくんできておくれ . そこ よしざわかずお ー吉沢和夫 6 4

7. 魔女のレストラン

一魔女たちはごちそうをほおはり、うた「 たり、おどったり、プロッケン山はゆれる 、力し ようなさわぎです。えん会もおわりにちか あくま つくと、悪魔もいっしょになり、大きなお わなんどなん 一どりの輪ができました。その輪が何度も何 度も、ぐったりところがっている男のそば をとおりすぎました。 まじよ おどっている魔女たちは、ときどき男を みおろして、ねこなで声でいいます。 こんや 「今夜のことをだれにもしゃべらすにいら ごえ

8. 魔女のレストラン

いわれたとおりにしてみると、水がくめた。 いえきた 「それをもっておかえり。でもすぐに家にはいっちゃだめだよ。家の北 、力し まじよ のかどで、『スリブナモン山が火事だ』って三回さけぶんだ。魔女たち かでていったら、これからおしえるとおりにするんだよ。そうすれは、 まじよ あとで魔女がもどってきても、だいじようぶだからね , くんでいた。でも、 いくらくんでも、ふるいには水はたまらない。おか みさんはこまりはてて、井戸ばたにしやがみこんだ。 すると、ちかくで声がした。 「ねんどとこけをとっておいで。よくまぜて、ふるいにぬりつけてごら ん」 こえ じ 1 26

9. 魔女のレストラン

まじよ そんなとき、魔女ははうきや火かきばうだけではなく、牛や馬、そば にんげん のもの にいるものはなんでも、人間だって乗り物にしてしまうのです。 まじよ だから、村の人たちは魔女につかまらないように、大きな火を赤あか ともやし、てつばうやムチでおもいきり大きな音をたてています。 「さあ、さ、もっとでつかい音をたてろ」 まじよ 「魔女をちかづけるな」 まじよ 「火をもやせ、魔女にとつつかまってなるものか . ところか、魔女のことをまったくしんじていない人もいます。 たき火のそばにいた男が、わらっていいました。 「へつ、ばかばかしい、空をとぶだって、ばあさんたちにそんな力なん まじよ う 7 2

10. 魔女のレストラン

ツは湯気をたてたまま、くたっとなった。女はよろよろとかえっていった。 まじよ そのあと、女がねこんだときいて、かあさんのむねはいたんだ。魔女 だとはきいていても、しらない仲じゃないんだもの。 きんじよ 女が死にかけているといううわさをきいて、近所の人たちがあつまっ てきた。みんなはべッドをかこむようにたって、女をみつめていた。だ こえ れも声をかけるものはいなかった。 女はうっすらと目をあけてみんなをみまわした。やがてふとんの中か こえ さい」 らほそいうでをだすと、最後の力をふりしばるように、あわれな声をだ 「だれか手をにぎっておくれ . なか 4