ゅうれい - みる会図書館


検索対象: 墓場レストラン
6件見つかりました。

1. 墓場レストラン

こえ ゅうれい 幽霊はおこった声でいった。 ゅうれい ここで幽霊とけんかをしていてもしかたない。女はそうおもって、幽 せつめい 霊にわけを説明した。 「だから、おじいさんのどくろをかしてちょうだい。用がすんだらかな らすかえすから , 「よかろう。だが、いちばんどりがなくまえに、かならすもとにもどせ さもないと、おそろしいことになるからな」 女はどくろをもって墓地の入り口にでてきた。ところが、となりのお じめん すがた よくさがすと、おかみさんは地面にはったり かみさんの姿がみえない。 きぜっ こえ ゅうれい たおれていた。幽霊の声をきいて、こわくて気絶してしまったらしい ぐち よ、つ ゅう

2. 墓場レストラン

ゅうれい なになに ? 「幽霊なんてしんじない」って ? はかばじゅうにん それならおしえてやろう。わしもいましや、墓場の住人なんだ。っ ゅうれい まり、幽霊ってことさ、フォッ、フォッ、フォッ、フォッ。 となりにいる 目かさめて、でようとしたが、ふたはびくともしない はっこっか わかものこえ はすの若者に声をかけたが、よこにいるのは白骨化した死体だった。 そしておれは気づいた ころ ′つと , っ なんねん わかもの あの若者は、おれが何年かまえ、この村で強盜にはいって殺した男だ とい、つことを・ そしてここはその男の墓の中だということを : : : 」 0 したい 5

3. 墓場レストラン

よ ほね ぶきみ はそういう背景はなくなったのですが、夜な夜な骨をかじるという不気味さが、この きようみ 話への興味をその後すっとかきたててきたのでしよう。 げんざい いっしょ そせんかぞく ほね 祖先や家族の骨をあちこちから一か所にあつめるというしきたりは、現在ではもう り・カい はなしきょ , っ 理解できないでしよう。「墓よせ」とはそういうことなのですが、しかしこの話で興 ゅ み そぼれい あによめ 味ぶかいのは、山の上にとりのこされた祖母の霊が兄嫁にのりうつって、ごはんの湯 り・ゅ、つ じぶんぶつぜん 気をすうところですね。わたしなど子どもの時分、仏前にあげたごはんを理由もなく さけたものでした。 カくせいせいかっ きもだめしというのをわかいときにわたしもやらされました。学生生活の中の年 ちゅうぎようじ まもの 中行事みたいなものでした。しかし、もしそこで「墓地にでた魔物」のようなこと ゅうれい がおこったらおそろしいですね。幽霊がでてくるよりもっとおそろしいことです。し はなし じっさい かもこれは実際におこりえる話ですから、ほんと、つにぞーっとします。 さいきん 丿におちて死んだ女の子の もうひとつ「きもだめし」の話があります。つい最近、日 ゅう ゅうれい ほんにん 幽霊とっきあう話ですか、きもだめしをしている本人はそのことをしらないから、幽 はなし はなし よ し ね ん 1 4 〇

4. 墓場レストラン

あたま 「おやじの頭だ。もっていくな」 しかたなく、女はそれを土の中にもどして、べつのどくろをはりだし た。すると、 あたま 「じいさんの頭だ。もっていくな」 女はもういらいらしていた。 よう 「じいさんのだろうとばあさんのだろうと、用がすむまではかえさない 「なんだとお」 ゅうれい こえ 声といっしょに、墓の中からばうっと幽霊がたちあがった。 あたま 「なんだとお。じいさんの頭をかえせ」 6 3

5. 墓場レストラン

吉沢和夫 解説 よ ゅうれい うらみをこの世にのこして死んでいった人びとの霊魂が、幽霊となってこの世にか じじよう はんせいき えってくるといわれます。うらみをのこす事情はいろいろあるでしようが、半世紀む まっき たいへいようせんそう ぐんくうしゅう ころ じゅうみん かしの太平洋戦争の末期、アメリカ軍の空襲でおおくの住民たちが殺されました。 し力い じじっ だれともわからない死骸があなをはってうめられ、やがてそんな事実をしらない人び とち たてもの き力い とによって、その土地の上に建物がたてられようとすると、なんともふしぎで奇怪な じけん 事件がおこります。「墓場レストランのできたわけ」をおよみください よ 「ロビーでふしぎなあな」には、あの世につうじるあながあって、カメラで写真をと よふうけい ふうけい さい」 ると、あの世の風景がうつると ) しいます。どんな風景なのか、最後の「一枚の写真」 までおあすけです。 へや にんげん レストランのおくまったひと部屋のかべにかざられた人間の手、これはつくりもの にんげん ではありません。はんものの人間の手です。なにかいわくがありそうですね。「かべ し れいこん しやしん しやしん よ 1 38

6. 墓場レストラン

だんじよ 霊とはしらす、生きている女の子とばかりおもってもとのところへかえってきて、友 力いた、ん だちの話をきいてあらためてびつくりぎようてんするという、怪談によくあるタイフ の話です。 あいじよう ははおやゅうれい この世にのこしてきた子どもへの愛情が、母親を幽霊としてこの世につれかえし はなし てくるという、なんとも心あたたまる話が「ショキンショキンと音かして」です。 かいだん にんげんせい 屋談には、こうしたあたたかい人間性をかたる話もあるのです。 はなよめいしよう こ、つつ、つじこ はなよめいしよ、つ みこん 「花嫁衣装」は、ロシアの話です。交通事故で死んだ未婚のむすめの花嫁衣装をつく せんそうせんし ってやって、いわれたとおりになげこんだトラックには、アフガン戦争で戦死した男 いじよ、つし カた みこん 性の死骸がのっていたという、なんともせつない話です。異常な死に方をした未婚の よ しん、」、つ に・はん ぜんやまがた 男女が、あの世でむすばれるという信仰は、日本にもあります。わたしは以前、山形 けんりつしやくじ せんそうはなよめえ せんそうざんこく 県の立石寺で、そうした戦争花嫁の絵をいくつもみて、戦争の残酷さにやりきれない おも 思いがいたしました。 ぼち 「霊のとおり道」は、ドイツ人墓地とリトアニア人墓地のあいだを霊かかようという はなし し力い はなし よ みち こころ はなし し はなし よ とも 1 41