たい にんぎよう にんぎよう だいほん 台本をかく人、人形をつくる人、その人形をつかう人、舞台をてら いとぐるま かぜ す人、風の音や糸車がまわる音をだす人など、みんなの役をきめるこ とからはじめた。 だいほん 台本をかくのは作文がとくいなニーナにきまった。 はなし 「ニーナ、おもいっきりこわい話にしてね。みんながトイレにいけなく なるくらい こわいのかいいな」 ひとり・か「て、つい、つと ) 、 ほんばん 「おまえ、そんなこといっていいのか。本番でびびって、おもらしする なよ」 と、ミーシャがふざけたので、みんながどっとわらった。 さくぶん 9 3
あな ふうせん で穴があいた風船みたいにしばんでいる。目からかってになみだがあふ れて、ボタボタおちる。とうとうラリーサは声をあげて泣きだした。 「ラリーサ、いったいどうしたの となりのニーナがおどろいて、ラリーサの顔をのぞきこんだが、ラ じぶん ーサは自分でもどうして泣いているのか、わからなかった。 「ラリーサ、おれがからかったから、泣いているのか。あれはじようだ んだよ、しようだん . ミーシャはこまってしまった。みんながラリーサをとりかこんで、わ っているあいだも、ラリーサはひとりしくしく泣いていた。 ふあん そんなラリーサをみているうちに、みんなは不安になってきた。 こえ かお 7 4
このキキーモラ、なんだかいまにもあるきだしそう。そんなことをお にんぎよう もっていると、ミーシャが人形をのぞきこんで、こういっこ。 にんぎよう 「おつ、こいつはおっかねえ ! 人形はつくった人ににるっていうけ ど、ほんと、つだ、ラリーサにそっくりだ 「ほめてくれて、ありがとう」 ラリーサもふざけて、そうこたえた。するとニーナがよこからロをは さんだ。 にんぎよう にんぎよう 「つくった人形にたましいをいれないと、本番のとき、人形がうごい にんぎよう てくれないのよ。ラリーサ、その人形にたましいをふきこみなさいよ」 「たましいをふきこむって、どうするの。 ほんばん 3 4
ラリーサがたすねると、ニーナはまじめな顔でこたえた。 にんぎよう 「人形のロにフーて、息をふきこむの , にんぎよ、つしにがみ 「だって、この人形、死神のキキーモラなのよ。そんなのに息をふき こんだら、たましいをとられそう。わたし、いやだわ」 ラリーサがしりごみをすると、ミーシャかすかさす、ちやかした。 にんぎよう じぶん 「ラリーサは自分でつくった人形がこわいんだってさー にんぎよう 「じようだんしゃないわ。こんな人形、こわいわけないでしよう。針 がねぬの 金と布だけで、中はからつばなのよ。息をふきこめはい ) しんでしよう」 にんぎようかお ラリーサはむきになった。大きく息をすいこんで人形に顔をちかっ けると、フーと息をふきかけた。 かお 4 4