こえ レーナは ( ええっ ? ) とおもい、手にもっていた紙を、声にだしてよ んだ。 ばんちごうしつ ちょうりしどお 「調理師通りⅡ番地号室、スミルノフさん」 するとおばあさんはきびしい顔でレーナをみつめて、こういった。 くのはおやめ。こわい人たちが 「スミルノフさんならとなりだけど、 ごえ まいばん 出入りしていて、毎晩のように、さわぎがおきるんだよ。女のさけび声 ひめい : 。きけんな場所に や悲鳴がきこえたり、ガラスがわれる音がしたり : しいね」 はちかっかないこと。 おはあさんのおもいがけないことはにレーナはおどろいた。ちょっと ためらったが、このおはあさんかうそをついているとは、おもえない で かお 5
「わたし、スミルノフさんにことわってきます」 レーナはそうこたえた。 てんし いくんしゃない このままおかえり。天使さまがおまえの上 「ダメー につはさをひろげて、おまえをまもってくださったんだよ」 おはあさんのことはには、うむをいわせないところかあった。レーナ かいだん あたま はびよこんと頭をさげるなり、階段をかけおり、家にかえってしまった。 あさ つぎの朝、レーナはテレビのスイッチをいれて、おどろいた。 さつじんじけん ばんち ちょうりしどお 「調理師通りⅡ番地のマンションで、殺人事件がありました。犯人は はんこうじかんゅうがた このマンションにすむスミルノフ、犯行時間は夕方の七時ごろです」 アナウンサーがよみあげるニュースをきいて、レーナはぎよっとした。 はんにん
9 へや 部屋とは、め医らかにちか、つ。」「ア かよごれているし、げんかんにか かっているカーテンの色だって、 ちか、つ じけん へや 事件があったスミルノフの部屋 かここだとすると、あのおばあさ へや んの部屋はいったいどこなのか。 レーナはわけがわからなかった。 力し 三階のろうかを、ゆっくりつき あたりまであるいてみたが、どこ 3 5