地下のドア ちかどう あのときはばく、気がついたら、たったひとりで地下道をあるいてい ちかどう た。地下道でひとりになるってこわいよ。ぞぞーっとして、まわりをみ まわしたら、かべにドアかあるのに気づいたんだ。 いままでにもみていたはすだけど、なにげなくとおりすぎてたんだと 4 わ、も、つ じようむいんしよくどう 〃乗務員食堂みってかいてある。 ちかど一つ 0 もりしたまり 千森下真理 セ日ト 4 8
ちかどう ちかどう 地下道へでてひろってくる。地下道には、ごろごろ、ころがっているだ ろう」 ちか おじさんは、いオし いつのことをはなしているんだろうか。地下 どう いろ ほね せんそうちゅう 道に、骨がごろごろだなんて。戦争中のこと ? カーキ色でよごれて じだい ふく るおじさんの服もみなれないし、いまと、ちがう時代の人みたい。 しや、ここはどこ ? ・ おも ばくは、血の気がひく思いがした。おじさんは、はなしつつける。 」、つりゆ、つ じめん いのちだいち 「焼いたレンガはね、地面にしく。命が大地と交流するようにね。そ いのち して、生きている人びとにふまれることで、ふむ人の命がったわって、 だいち いったいか なくなった人たちが、大地と一体化していくんだよ。それがせめても、
かぎを妻にわたし、そのうちの一 本をゆびさしていった。 「どのかぎをつかって、どこをみ ても ) しし力、このかぎたけは、つ かってはいナよ ) 。 さもないとた いへんなめにあうぞ」 青ひげはそういいなから、妻の ちかしつ 目のまえで、地下室のとびらにか ぎをかけた。 つまおっとるす わかい妻は夫の留守のまに、ひ つま つま 0 1 1 0
おどろいたとたん、手の中のかぎがすべって、ゆかにたまっていた血 うみ の海におちた。あわててひろいあげると、血のしみがついている。 しみはこすってもこすっても、おちなかった。 たび つぎの日、青ひげが旅からもどった。 「さあ、かぎをぜんぶもっておいで」 一本たりなかった。 「のこらすだしなさい」 わかい妻がのこりの一本をいやいやさしだすと、血のしみをみた青ひ げは、たたこ、ついっこ。 はなよめいしよう ちかしつ 「花嫁衣装にきがえて、地下室のまえまでおいで」 つま 1 1 3
へや ちかしつ かいだん かりながらきがえをして、部屋からでた妻は、地下室への階段に足をか こまづか け、小間使いにむかってさけんだ。 てんき 「外はどんなお天気 ? 「雨がふってあらしのようです、おくさま , じかんご 一時間後に、つぎの段へおりながらまた、 てんき 「外はどんなお天気 ? とさけぶと、 「雨がふってあらしのようです、おくさま . こまづか と、小間使いがこたえた。 AJ さい」 だんめ こ、つして一段おりるごとに間いをくりかえし、と、フと、つ最後の七段目 そと そと つま 1 1 5
やしき ろい屋敷のあちこちの部屋をみてまわった。、、 とこもすばらしい家具がな へや らんでいて、うつくしい部屋だった。ぜんぶみてまわって、とうとう、 ちかしつ みてはいけないといわれた地下室だけとなった。 へや これまでにみた部屋が、あんなにすばらしいのだから、だれにもみせ へや たからもの ない部屋には、どんな宝物がかくされているのか、かんがえただけで もあけてみたくてたまらなくなった。 おもいきって、がんしようなとびらのまえにたった。はやくみたくて あせり、手がふるえて、なかなか、かぎがまわらない。 やっとのことでとびらをあけてみると、ばんやりしたうすあかりの中 くび に、首をつるされた六人の女がぶらさがっていた。 へや 1 1 1
こえ だんめ になった。七段目に足をかけながら、妻はまた絶望した声できいた。 てんき そと 「外はどんなお天気なの ? 」 「はれわたっております、おくさま。馬にのったおにいさまがたが、中 にわ 庭におはいりになりました」 つまあに 青ひげは、妻の兄たちが救いにやってきたのに気づくと、あわてて七 だんかいだん 段の階段をかけのばり、にげようとした。 ちかしつ ちょうどまにあった兄たちは、青ひげを地下室のまえまでおしもどし ころ つま てきり殺し、六人の妻たちのとなりへつるした。 やしき 青ひげの手から妺をすくった兄たちは、屋敷にたくわえられていた たからものうま 宝物を馬につみ、妹をつれてひきあげていった。 いも、つと いも、つと あに あに 、つま つま ぜっぽう なか 1 1 7
しヾこと ちかてつ 地下鉄にのり、あるマンションへとむかった。この日の仕事は、そうじ はなうた だった。そうしはきらいしゃなかったから、鼻歌ましりだった。 ちかてつ ふん レーナは地下鉄をおりて五分はどあるき、ふるばけたマンションのま かみき えにたった。。、 ホケットから紙切れをとりだして、たしかめた。 ばんちごうしつ ちょうりしどお 、力し 「調理師通りⅡ番地号室、ここだわ。このマンションの三階だ」 たてもの 建物の中にはいると、かべがあちこちはげおちていて、しみかうかび、 なんだかかびくさかった。これじゃあ、雨ふりにはかさかいる。ちょっ きみ と、気味がわるい し」と し」と 「さあ、仕事、仕事 ! 」 じぶん こえ レーナは自分をはげますように、わざと声にだして ) しし、つ亠 9 み ) ら 7 4
4 ( ) よら 0 QOD ・ふしぎな肖像画 / 望月新三郎 カラフルな野菜のムースは、筆をつかってめしあがれ / ? ・となり部屋 / 岡野久美子・ しようぞうが 幽霊の特製おさしみ盛り合わせ。海の底のつめたさがあじわえます。 ロシア風つば焼き。かくし味は天使のささやきです。 ・ 31 号室 / 斎藤君子・ ・ 36 ・ 46 ・かべのむこうは地獄 / 岩崎京子・・・・・・ 56 66 ・地下道のドア / 森下真理 幽霊といっしょのプレックファーストはべッドの上で。 ・かぎをかけた部屋 / 岩倉千春・ 女の子に大人気。大きな大きなメロンパン。うしろからしかたべられない。 ・開かずの教室 / 吉沢和夫 あ 60 年まえのすいとんを再現しました。夢にまでみるおいしさです。 骨の粉をこねて焼きあげたパン。たべるとタイムスリップできる ? 0 ・生きながら地獄に / 桜井信夫・ 地獄の湯でゆでた温泉たまご。ひとロたべると、やめられない / はなし ・青ひげの話 / 新倉朗子 仔羊肉のグリルは 6 種類の血のソースをかけて。 や ギョッ / として、ハッとする摩訶不思議なデザート。 うさぎ小屋の怪 / 水谷章三 かい ・デザート ・川 9
す ~ 0 目はあけ右やダメー うらしまたろ、フりゅうぐうじよう 浦島太郎が竜宮城のおとひめさまから たまてばこちじよう もらった玉手箱。地上にかえってあける たろう と、白いけむりかでて、太郎はみるまに おじいさんになってしまった。箱に入っ じかん ていたのは、時間だったのだ ツ ( ツ