年川北亮司 大石真 ふたごの魔法つかいガラスの城ドラキュラなんかこわくない 男の子にいしめられた帰り、魔法つかいに会った真由美は。サュリのお兄ちゃんは、ドラキュラのまねをして : 年 学川北亮司 山下明生 能ふたごの魔法つかいの花ことばへんてこ島がありました 、彩子とユリカは遊園地から、ネネプの魔法で雪の世界へ : コイヌとコネコとプタの三人ぐみが、海のたびへ出発ー 川北亮司 村山桂子 ふたごの魔法つかい海のゆびわメリークリスマスでこんにちは / 美波はスイミングクラブの男の子にあこがれていました : ゴンはいたずらで、ちょっといじわるなきつね。でも : 月北亮司 川北亮司 ふたごの魔法つかい五つの月ふたごの魔法つかい星のひみつ に友だちにきらわれた亜希は、パソコンで魔法学校を知って。裕子と幸恵が地下道に入ると、魔法つかいがいて : 月北亮司 川北亮司 ろ くふたごの魔法つかい人魚のうたふたごの魔法つかい空のウサギ も 麻里は一人で買い物にでたとき、魔法つかいに会った : 桃子はダンススクールの帰りに魔法つかいにあった / 文松野正子 以下続刊 冖こきつねコンとこだぬきボン フ女の子のコンと男の子のポンは友達になりたいのに両親達が :
あおひかり っていなかった。てんしようからの青い光は、ばらばらになっていた。 ももこ やかた おとこ 桃子は、デデブをさがして、となりの館をのぞくと、デデブは、男の子につ ゅび きそうように、すわっていた。デデブは、ふりむくと、くちびるに、指をあて て、「しすかに」という、あいずをした。そして、桃子を、手まねきでよんだ。 くうちゅう おとこ ぽんあおひかり おとこ 男の子は、空中によこになって、うかんでいた。 十本の青い光が、男の子 のひたいに、あつまっている。 ももこ こえ め おとこ 桃子は、男の子の顔を、のぞきこんで、声をだしそうになった。男の子の目 お から、ひとすしのなみだが、しすかに、ながれ落ちていたからだ。 おとこ め あおじろ そのとき、男の子が、ばんやりと、目をあけた。顔色は、まだ青白いままだ った。でもどこか、ほっとしたかんじの顔つきだった。 いい夢だったろ ? 」 ゅめ おとこ こ こ かお かお ももこ かおいろ て こ こ こ
おとこ ももこ おとこ 桃子は、男の子と、すこしはなれたところに、こしをおろした。男の子は、 だまったまま、ばんやりとすわっている。 おとこ ももこ 桃子は、なにをいっていいのか、わからなかった。男の子からも、はなしか いわうえ けてはこない。ふたりは、岩の上で、だまりこんでいた。ときどき、下のほう からふきあが 0 てくる飃の音か、ふたりをつつんでいた。 ももこ しばらくして、桃子は、だまっているのに、たえられなくなった。 あおじろかおおとこ 4 青白い顔の男の子 こ こ こ した こ
ごえ な、ひそひそ声だった。 おとこ 「ねえねえ。その男の子は、そのあと、どうしたの ? 」 はつみ 初美が、きいた。 おも 「わからないよ。でも、きっと、だいしよ、フぶだと、思、フよ。心か生きかえっ ていたから」 おとこ おも 桃子は、男の子の顔を、思いだしていた。夢をみながら、なみだをながして いる顔。うれしそうに、わらった顔 : ももこ おとこ 「その男の子は、桃子ちゃんと、わかれてから、家にもどったかな ? 」 はつみ テープルに、ほおっえをついて、初美か、いった 「そ、フだと、 おとこ おも 桃子にも、ほんとうのところは、わからなかった。男の子のことを、思いた ももこ ももこ かお こ こ かお こ かお ゅめ いえ こころ 104
「アキラメタホウガ、ラクダョ。ニンゲンノセカイニ、モドッテモ、ツライコ トガ、マッティルダケダモノ」 おとこ こえ かな おとこ 男の子の、かんしようのない声か、悲しくひびいた。男の子のことばが、桃 かな 子のむねのおくに、はりのようにつきささった。桃 子は、悲しくて、つらくて、 き おも みじめだった気もちを 、いつべんに、思いだしてしまった。 な 羽子は、かえすことばが、みつからなかった。泣いても、どうにもならない め のは、わかっていた。でも、桃子の目から、いつのまにか、なみだがあふれて くるのだった。 ももこ おとこ 男の子は、そんな桃子を、なにもいわずに、だまってみていた。 こえ おとこ ちい 桃子が、しやくりあげていると、男の子が、小さな声でいった。 こ ももこ ももこ ももこ こ ももこ こ もも
いっしょに、魔法をかけてくれない ? 」 ももこ あか 羽子は、すわっていた赤い石から、こしをあげた。 「カケテ、ドウスル ? 」 おとこ 男の子は、ひょうしようのない顔で、いった。 げんき そら 「空をとびまわるウサギたちを、みてみたいのよ。そうすれば、すこし元気に にんげんせかい ってたじゃない」 なって、人間の世界にもどれるって、ネネプか、い ももこ おとこ 男の子は、ふしぎそうに、しっと、桃子をみつめた。 : ムリダョ」 おとこ 男の子は、岩によりかかって、足をなげだした。 「ど、フして ? 」 「ココ マダ、イシノモリノナカ」 ノ こ 士一は、つ いし あし かお
「ねえ、ねえ ! ・こ ) ト ) よ、フふ四ご 「ウ、ウウ : : : 」 おとこ 男の子は、苦しそうに、うめくと、また、気をうしなってしまった。 「おきてよ ! ねえ ! おきてよ ! 」 ももこ おとこ 桃子が、ひっしで、男の子をゆすっていたときだ。石のウサギをつつむよう に、つむじが、立ちあが「た。その中から、ネネプがあらわれた。 あんしん おとこ 「男の子をみつけてくれて、ありがとうじゃ。ますは、ひと安心しやが、ど いしもり うしたんじゃ ? がんばれなかったのか ? かんばって、石の森から、でられ なかったのか ? 」 ちから 桃子は、カなく、首をたてにふった。 「なんとい、フことじゃ・ ももヤ」 こ こ くる こ
あたま おとこ で、両足をかかえて、うごかなかった。男の子のことで、頭が、い ( きっと、あの子だ : ももこ おも 丿子は、ドキドキしなから、そ、フ田 5 った。 こえ あおじろかお おとこ 耳のおくに、青白い顔で、はなしていた、男の子の、かんじようのない声が、 よみがえってきた。 『ミンナ、ミンナ、ボクノコト、スキジャナイミタイタ・・・・ : 』 『イキテルノッテ、ツライヨ : こえ め おとこ 羽子は、目をつむった。男の子の声か、こだまのように、ひびいていた。 じぶんじん ひとから、きらわれるのは、さびしい。でも、自分で自分が、きらいになる のは、もっと、さびしいことなのかもしれない。 ( 生きてるのって、つらいけど : : : ) ももこ みみ りよ、つあし こ こ こ つよ ) ごっこ。 しナ / ネ / 114
「大じけん ? 」 いしもり ゆくえふめい おとこ 「そうなんじゃよ。ひとりの男の子が、この石の森で、行方不明になってしま ま 6 ほ、つ ったんじゃ。げんいんは、わからん。もしかしたら、まちがえて魔法をかけて しまったかのも、しれないんしやが : ネネプは、石のウサギのまわりを、うろうろとあるきまわった。 「なにをしてほしいのか、わからないけど、あたしには : ももこ おも にんげんじぶん 桃子は、だめ人間の自分に、できることがあるとは、思えなかった。 じぶんじしん 「いや。おまえが、自分に自信をもてなくなっているのは、しっている。だか おと」 ら、ここにきてもらったんじゃ。おまえなら、その男の子をさがせるはすなん もり おと、」 じゃ。男の子をさがして、いっしょにこの森をでてほしいんじゃよ。そして、 そら 空をとびまわる美しいウサギたちのすがたを、ぜひぜひ、みてほしいんじゃ」 こ 、つつく
あか る気がした。いそいで、かべに手をあてると、赤い石がバラバラとくすれて、 あっさりと、あながあいたのだった。 すな あたりか、きゅうに、あかるくなった。砂ばこりを手ではらいなから、子 そら は、あなをぬけて、おどろいた。気もちのいし ひろびろとした空が、ひろが あか っていた。 赤い石のかべか、はるかとおくにみえる。桃子は、これでようやく、 いしもり おも 石の森をでられたと思った。 いわうえ そのときだ。すこしはなれた岩の上に、人かげがみえた。ネネフがいってい おとこ おとこ た男の子に、まちかいなさそうだった。男の子は、ばんやりと、とおくをなか めているようだ。 いわ おとこ ちか 子は、よごれた顔をシャツでふくと、男の子のいる岩に、近づいていった。 「あの : : : 」 ももこ こ かお ひと こ こ ももこ ももこ