に目をさまさないのだ。 しよくどう まど だいどころ 女は台所へもどって、のぞき窓から食堂をみてみた。男はどこから かねめ おきもの とりだしたのか、大きなふくろに、ろうそく立てやら置物やら、金目の ものをつかんでは、つぎつぎにつめこんでいた ゅび こゅび ゅび ひと テープルの上の手をよくみると、人さし指から小指まで、四本の指か おやゅび らほのおがあがっているのに、親指だけは火がついていない。家の中に ひとりだけ、おきている人がいるしるしだ。でも、男はねうちがありそ うなものをさがすのにいそかしくて、そんなことには気づいていないよ うだった。そのうち、めばしいものかなくなったらしく、男はとなりの へや 部屋へはいっていった。
ロロ 0 釧 3 けしき だね。おふたりさん、景色のいし わらし 〃童子の間みにしときましたで」 わらし 「えつ、〃童子の間み ふみ子が、ききかえした。 わらし 「そうだよ。ときどき、童子があ そびにくるからな、そんときは、 なかよくしてくれさ」 わたしたち、おばさんにいわれ わらし るままに、いちばんおくの〃童子 あんない の間みに案内された。 5
女をとんだみ ぐんまけん ちゅうがく わたしたち、中学の夏休みに、群馬県のある村の《むかしゃ》とい みんしゆく う民宿にとまった。 なまえ 「ひろみちゃん、《むかしゃ》だって、へんてこな名前ね」 ) っしょにいったふみ子が、ケラケラとわらった。 みんしゆく すると、むかえにでてきた民宿のおばさんが、 「そんなにおかしいかね。そんでも、むかしから《むかしゃ》っていう なつやす もちづきしんざぶろう 望月新三郎 5
かめ かうな ・金しばソにかかった セ日ド手 ーまじつ り 71 ストは・ 耳はきこえマいる ′て・ていけ ! 」て嶇・な力、 目はけ 5 れるんと て " じなりつけ そうて・ないん力、 " いる
: し - ンビー 金一し、、は一一 ( リ ( 一に一あ ) ) つには ーを弋 ・金しばりにいやすいひと は " し , い弋ん ・金しばりにう 里よ、蚤旌 かかリやすいこ いわれていも ん いさ、し 中とる ~ よ目な うこうと私を しているこき 夜更かしをして つかれているん びもね
えの写真のように。 「しゃあ、あの女の人、ひつぎからでて : : : 」 と、ママをみると、ママは青い顔してうなすいた。 ゅめ 「そう、あれは夢じゃあなかったのよ。おなし日に亡くなった三人は、 まよなか いっしょに、あの世へいくわけでしよ。だから、真夜中にあって、あい さつをかわしていたんだわ」 しやしん かお 7 4
もちろんママも、いままであったことのない、人たちだったという。 「しゃあ、もうひとりの男の人は : : : 」 こえ ママの声がふるえている。わたしはママと、いちはんはじの、ひつぎ の写真をみにいった。 ゅめ やつばり、夢にでてきた、男の人だった。 よ、つふく しやしんきもの 写真は着物ではなく、洋服だったけれど。 こ、つつうじこ びようき ママがきいたところによると、女の人は交通事故で、男の人は、病気 た玉 で亡くなったということだった。 りようしん せいじんしき 女の人の両親は、むすめさんをひつぎにいれるとき、成人式できた、 せいじんしき ふりそでの着物を、きせてやったという。成人式にとった、ひつぎのま しやしん きもの 6 4
ゅめ 「みて、となりの写真 ! ゅうべ、わたしの夢に、でてきた人なの。あ ったことないのに」 しやしん するとママは、写真をみて、なんともいえないへんな顔して、わたし にきいた。 ゅめ 「どんな夢だった ? ゅめ 「おしいちゃんが、生きかえった夢」 ゅめ わたしは夢のことを、くわしくはなした。 ママは、しんじられないというようすで、 ゅめ 「おなしだわ。なにもかも。ママもゆうべ、まったくおなじ夢をみたの。 でも、そんな : : : 」 しやしん かお 5 4
( やだあ、おじいちゃんたら、死んでなんかいないんじゃない。もう、 おどかしてえ ) わたしはほっとするやら、うれしいやらで、おもわす、ふふふっと、 わらってしまった。 ごえ そのわらい声で、目がさめた。 ゅめ 「なあんだ、夢か : : : 」 ねむれないとおもっていたのに、 いつのまにか、ねむっていたらしい もおじさんも、ね さっきまで、となりの部屋でしゃべっていた、パパ かお たのだろう。しんとしてる。ママがっかれた顔で、かべにもたれてねむ っていた。 2 4
0 こんなにおそく、しかもはでな、ふ すがた りそで姿でくるのもへんだ。 すると、そばのひつぎから、いき なりおじいちゃんが、すっと、おき あがった。 「いやいやこれは : : : です。なにし たびみち まんおくどたび ろ十万億土の旅 : : : 旅は道づれ : ど、つか : : : ます。はつはつはつ」 きやく ふたりのお客さんと、たのしそう にはなしはしめた。 4