こえ のどのおくからしばりだすようにして、なんとか声がでた。そのしゅ んかん、金しばりがとけ、舞はとびおきた。もう朝になっている。いそ やこいどころ いで台所にいくとおかあさんがいない ! 「おかあさん、おかあさんはどこ ? 「舞、きようはすいぶんはやいな。おかあさんはいま、コンビニに牛 にゆ、フ 孚をかいにいったところだ」 かお ねお おとうさんが寝起きの顔でこたえた。舞はパジャマのまま外にとびだ した。おかあさんがいた。すっと先をあるいている。 「おかあさん ! 」 こえ 舞はむちゅうでおいかけた。舞の声はおかあさんにはとどかない かな あさ そと ぎゅう 1 3 〇
( おいっかなきや、ムーマがおかあさんをねらってる ) じゅうじろ がわ おかあさんが十字路でちょっととまり、むこう側にわたろうとした。 「おかあさん ! 」 むがむちゅう 舞はやっとおいつくと、無我夢中でだきついた。 「あら、舞。そんなにあわてて、どうしたの ? おかあさんがびつくりして、そういったとたん、目のまえを大きなト みとお ラックかすごいいきおいでよこぎっていった。そこは見通しがわるく、 こ、つつ、つじこ ばしょ よく交通事故がおきる場所だった。舞がとめなかったら、おかあさんは トラックにひかれていただろう。 ( よかった ) 1 32
0 わき目もふらす、いつもより早足で あるきました。でも、なんだかうし はなやまこうえん ろが気にかかります。花山公園まで きたところで、たちどまって、うし ゆみこ ろをふりかえった由美子さんは、 「うそでしょ でんわ とさけんで、そばの電話ポックスに とびこみました。 「もしもし、おかあさんー 「どうしたの。あわてて」 はやあし 1 1 7
ろしい声にかわった。 「やっとわかったぞ。おれは友だちになりたくてきたんじゃない、おま えのいちばんたいせつなものをうばいにきたのさー 「えつ、なにをいってるのムーマ」 舞はムーマのいっていることがしんじられなかった。 ( いちはんたいせつなものをうばいにきたって : んがあぶない ! ) 舞はさけばうとしたが、金しばりでからだはひくりともうごかないし、 こえ 声もだせない。 「 : : : お : ・か : ・あ・ : さん ! おかあさん ! 」 こえ かな とも そうだ、おかあさ 1 29
「ねえ、すぐ車でむかえにきて」 「車で ? ぐあいでもわるいの」 「なんだか、へんな男の人にあとをつけられているみたいなの」 「いまどこ ? ・ はなやまこうえん でんわ 「花山公園まえの電話ポックス , きやく 「いいわよ。たったいま、お客さんがかえったところだから。そこでま ってなさい」 うんてん ぶん 十分ほどして、おかあさんの運転する車がきました。 「おかあさーんー こえ ゆみこ でんわ と声をかけて、由美子さんが電話ポックスをでると、ものかけからスス 1 1 8
ばしょ になくしたシールがある場所や、ほしくてもなかなか手にはいらないケ みせ しいことをいろいろおしえてくれた。でもな ームをうっている店など、 さい′」 ぜか最後にかならすきいた。 「ところで、舞ちゃんのいちはんたいせつなものはなに ? 舞はそのたびに、すきな食べものや気にいってるおもちゃの名前をあ げたが、ムーマは、いつもいった。 「ちかうよ、舞ちゃん。もっとよくかんがえてごらん、 ばんまい そんなことが何回もつついたある晩、舞はこたえた。 「いちはんたいせつなものは、おかあさん」 こえ するとどうだろう、それまでやさしかったムーマの声はひ なんかい くく、おそ 1 28
はなやまこうえん をわきにかかえると、いっきにかけました。花山公園まできて、 「ここまでくれは、もうだいしようぶ , 息をはすませなから、うしろをみたとたんプルッとふるえました。十 くろふく メートルはどはなれたところに、黒服の男がたって、しっとこちらをみ ていたのです。 「やつばり、ねらわれてる」 いえでんわ こうしゅうでんわ ゆみこ 由美子さんは、ちかくの公衆電話にとびこむと、いそいで家に電話 をかけました。 「もしもし、おかあさんー 「どうしたの。あわてて」 1 1 3
おおごえ 「どうしたのよ、きゅうに大声なんかだして . かお へや おかあさんが、心配そうな顔をして部屋にはいってきました。 ゅめ かっこ、つ とてもこわい夢をみたせいなのか、学校でもなんとなくからだがだる じゅぎようちゅうせんせいはなしあたま ほ、つか′」 ぶれん くて、授業中の先生の話も頭にはいりません。放課後はテニス部の練 しゅう 習をやすんで、はやくかえることにしました。友だちに、さよならとい こ、つもん みち くろ って、校門をでたところて : 、ツと息をのみました。道のわきに、黒 ふく 服をきてサングラスをかけた男がたっているのです。 「まさか , よかん いえ いっしゅん、いやな予感がしましたが、そのまま家にむかいました。 しんばい とも 1 1 6
とさけぶと、おもいきってねがえりをうってみました。 すると、さっきまで、こおりついたようになっていたからだがうごい て、そのしゅんかん、そのおばあさんがシュルシュルシュルと小さくな く、つ りながら、空をとんで、どこか ( し こ ) くのがみえたんです。 そうしきにいって、なにか霊でもしよってかえってきてしまったんで すかね。 へや もう、あせだくでした。それからも、その部屋にはなんどもとまりま したが、二度とそんなことはおこりませんね。 9 8
シェフのおすすめ料理 ・ねこ夢 / 水谷章三 ねこのうらみをふきとばし、元気になれる健康食。 つや きやく ・通夜の客 / / 」清 あの世へのたびだち ( か、せない一品で ・空をとんプ龕月 、空をと - べる・かもッ 夜のうちに 指 千春・ ミルクた 悪魔に会いたい たましいの黒 きよ ・清めのを おばあさんの料理 ( ゆめ ・夢の中の ふわふわした ・夢でみた場所 / 望 雪のつめたーいソースをかけた、人間の姿やき ! ? ゆめ ・デザート夢とちがうじゃないか / 常光徹 ぞくっ / としてあまーい特製デサート。 ゆめ ・ 27 は。 ・ 50 。津美保子・・ 83 吉、和