ムーマ - みる会図書館


検索対象: 金しばりレストラン
8件見つかりました。

1. 金しばりレストラン

と友だちになりたくてきたんだ . ゅめ 舞はびつくりした。夢の中にすんでいるなんて ! ムーマによると、 いままでいろんな子どものところに、友だちになりたくていったが、み んな気ついてくれないということだった。舞はムーマをみたくて、いっ しようけんめい目をあけようとしたが、金しはりであけられない。でも、 こえ 声はとってもやさしそう。舞は友だちになることにした。 「わあ、舞ちゃんありかとう。うれしいな。だけど、ばくのことはみん しいことおしえてあげるねー なにはひみつだよ。そのかわり、 こた ムーマは舞にあしたのテストの答えをおしえてくれた。おかげで舞は まいばん ひやくてん 百点をとった。それからムーマは毎晩やってきては、舞がすっとまえ とも とも とも かな 1 26

2. 金しばりレストラン

ろしい声にかわった。 「やっとわかったぞ。おれは友だちになりたくてきたんじゃない、おま えのいちばんたいせつなものをうばいにきたのさー 「えつ、なにをいってるのムーマ」 舞はムーマのいっていることがしんじられなかった。 ( いちはんたいせつなものをうばいにきたって : んがあぶない ! ) 舞はさけばうとしたが、金しばりでからだはひくりともうごかないし、 こえ 声もだせない。 「 : : : お : ・か : ・あ・ : さん ! おかあさん ! 」 こえ かな とも そうだ、おかあさ 1 29

3. 金しばりレストラン

ばしょ になくしたシールがある場所や、ほしくてもなかなか手にはいらないケ みせ しいことをいろいろおしえてくれた。でもな ームをうっている店など、 さい′」 ぜか最後にかならすきいた。 「ところで、舞ちゃんのいちはんたいせつなものはなに ? 舞はそのたびに、すきな食べものや気にいってるおもちゃの名前をあ げたが、ムーマは、いつもいった。 「ちかうよ、舞ちゃん。もっとよくかんがえてごらん、 ばんまい そんなことが何回もつついたある晩、舞はこたえた。 「いちはんたいせつなものは、おかあさん」 こえ するとどうだろう、それまでやさしかったムーマの声はひ なんかい くく、おそ 1 28

4. 金しばりレストラン

なまえ きみも金しばりにあったら、だれかがきみの名前をよんでいないか、 気をつけてごらん。 もしかしたら、ムーマかきみのところにきてるかもしれない・ かな 1 35

5. 金しばりレストラン

舞はほっとすると、そのままないてしまった。 その晩、舞はまた金しばりにあった。ムーマがきて、ひくくおそろし こえ い声でいった。 にんげん 「舞、よくもおれさまのじゃまをしてくれたな。人間のいちばんたいせ いちにんまえあくま しけん つなものをうばうことが、おれさまが一人前の悪魔になる試験だったの もう、おまえのところになんか、一一度ときてやるもんか」 くろ かな そのとき金しばりのとけた舞には、黒いけむりのようなものが天しょ うのすみにきえていくのがみえた。 かな 1 34

6. 金しばりレストラン

( おいっかなきや、ムーマがおかあさんをねらってる ) じゅうじろ がわ おかあさんが十字路でちょっととまり、むこう側にわたろうとした。 「おかあさん ! 」 むがむちゅう 舞はやっとおいつくと、無我夢中でだきついた。 「あら、舞。そんなにあわてて、どうしたの ? おかあさんがびつくりして、そういったとたん、目のまえを大きなト みとお ラックかすごいいきおいでよこぎっていった。そこは見通しがわるく、 こ、つつ、つじこ ばしょ よく交通事故がおきる場所だった。舞がとめなかったら、おかあさんは トラックにひかれていただろう。 ( よかった ) 1 32

7. 金しばりレストラン

声だけの友だち かぞく このごろ、舞はねるとよく金しはりにあう。このあいだ家族で〈金し いったからだろうか ? はりレストラン〉なんて、へんなレストランへ じぶんなまえ そしてかわからないか、金しばりにあうと、だれかが自分の名前をよ あたま んでいる気がする。ある晩、おもいきって、頭の中できいてみた。 なまえ 「だれかわたしの名前をよんでいるの ? にんげんゅめ 「そうさ、ばくはムーマ。人間の夢の中にすんでいるんだよ。舞ちゃん こ、ん とも ばん かな か おかのくみこ 岡野久美子 か 1 24

8. 金しばりレストラン

やおはあちゃんかのっていました。ちかっこうとすると、うしろのはうでだれかが しき こえ 「もどれーもどれー」とよんでいます。声のするはうにふりかえると、ふっと意識が びよういん もどり、気がつくと病院のべッドにねていたというのです。 みぢか ゅめ かな ほんしょ 本書のテーマである、金しばりや夢は、わたしたちにとって、もっとも身近な異界 しき 体験といってよいでしよう。金しばりは「意識ははっきりしているのに、からだがう たい げんいん たいけん がっこうかいだんだいじてん ごかせないとかんしるような体験」 ( 『学校の怪談大事典』 ) のことです。その原因は、大 9 けんきゅう のうせいりがく 脳生理学という研究によってあきらかにされているそうですが、しかし、体験者の 中には、なにか目にみえないふしぎな力によってひきおこされているとかんかえてい る人もすくなくありません。 ひさんげんじっ 「金しばりレストランかいまここにあるわけ」は、戦争という悲惨な現実が、ふたり の金しはり体験をとおしてたちあらわれてきます。このちょっとかわったレストラン おも どせんそう ししやこえ なまえ 一一度と戦争をくりかえさないという思いかこめ の名前には、死者の声をわすれない、 りようりあじ きやく られているのです。レストランがいつもお客さんでいつばいなのは、料理の味のよさ たいけん かな たいけん かな せんそう たいけんしゃ し力し