ポールは、ただ、くりかえすだけです。 「そりゃあ、あたしたちだって、おかあさんに会いたいわよ。」と、ケアリイはみとめ ました。「でも、おかあさん、おどろくんしゃないかしら。」 「ばく ばくのおかあさんに会いたし ポールのくちびるはふるえはしめ、目はなみだでいつばいになりました。ケアリイ は、こまった顔をしました。 せつめい 「ポール。」ケアリイは説明しようとしました。「こんな魔法が自由になるときには、 はくぶつかん あなたのおかあさんに会うとか、博物館にいくとかいったねがいごとではなくて、なに かまったくとっぴょうしもないねかいごとをするものよ。わからない ? ポール。も ういちど、考えてごらんなさいよ。 ポールの顔はまっかになり、なみだが目からこばれおちて、ほおをすべっていきま した。 かんが かお かお まはう じゅう
「ええ。ーと、ケアリイはいい ときだったんです。」 「べッドは、、丁ム、に、フごいた ? 「ええ、さっと。ポールがねがいごとをいったとたんにヘ 。、、ツ」「に乗るのに、よ、フや く間にあったくらい 「そう。 , プライスさんは、考えながらいいました。「けいさつが、おかあさんに電 しないといいわね。 「畆したって、おかあさんは、それはばくたちのはすがない 0 ていいますよ。」と、 チャールズがいいました。「ばくたちがロンドンにいるわけはないと、おかあさんは おも 思います・よ。 「そのとおりだわ、チャールズ。と、ケアリイがさんせいしました。「べアトリスお ばさんが患を、フけても、あたしたちはここにいる、 0 て、すぐにいったでしよう なか ました。「おまわりさんが、お茶をのみに中にはいった
しました。 ちゅうこく 「これがばかげたねがいごとだってことはいったでしよ。あたし、あなたに忠告しょ ちゅうせい うとしたのよ。中世かなんかにもどったほうが、これよりもよかったでしようよ。こ んなわるいことになってしまったのは、はしめてよ。あたしたちはべッドをなくして しま 0 た。おまわりさんは、おかあさんに電をかけるでしよう。おかあさんは、も しんばい ほ、つり、つ のすごく心配するわ。法律は、おかあさんもまきこんしゃうかもしれないのよ。べア せつめい トリスおばさんにも知れるでしよう。みんなは、あたしたちに、なにもかも説明させ ようとするでしよう。プライスさんにもめいわくかかかるわ。やくそくをやぶること しんよう になるのよ。で、魔法は、おしまい。そして、もうだれも二どと、あたしたちを信用 しなくなるでしよう。」 ポールは、しんこくな顔をしました。 こえ 「わかる ? ポール。」ケアリイの声は、まるで、またなきだしそうにきこえました。 まほう かお 114
おも かん まったように、ケアリイは感じました。ケアリイは、それが「法律だと思いました。 ほうりつ 「からかってはいけない法律。 じゅんさぶちょう 巡査部長は、かべのはりだしだなにかけてある電話にむかって、しゃべっていると ころでした。 かえ いや、帰ってしまった。ひどくつかれてな いや、こんばんだけ : 「そう、三人 : ・ : お茶 ? 用意をしたのなら、わっしは : : : わかった。」 巡査部長は手帳をとりだすと、子どもたちのおかあさんの住所を書きとめました。 じゅんさぶちょう かおかんが 「なるほど。」しばらくだまって、おもおもしい顔で考えてから、巡査部長はいい じぶん した。「きみたちは、自分の家のすぐそばにいたわけだ。」 「おかあさんは、るすです。 おも でんわ 電話をかけるのはやめてほしいと思いながら、ケアリイがすばやく 「べッドは、ペドフォードシャーからもってきたといったな ? 」 でんわ ほうりつ いまー ) た。 107
だれもいません。 「もういちど、ならして。」 チャールズは、ねっしんにさけびました。 ポールは、また、ならしました。 ちかしつ おと 子どもたちは、地下室でベルの音がこだましているのをききました。れいぎ正しく、 くら おと ざんねんですね、といっている、からつばな音でした。暗いまどは、ばかんとしてこ ちらを見かえしています。 いえなか 「家の中には、だれもいないんだわ。 一、二ってから、ケアリイがいい ました。 しょノ、じ 「おかあさんは、食事にでかけたのにちがいないわ。」ケアリイは、立ちあがりながら、 せんげん 宣言しました。「ねえ、あたしたち、待たなくちゃ。べッドをかたつけましよ、フよ。 ました。ケアリイは、まげていた足をのばし あし たた
わ。さあ、ポール、玉かざりをつかんでーーそっとね。ほら、鼻をかんであげましよう。 さあ、用意はいい ? あたま ポールは、べ トの頭のところ、かべのほうにむかって、ひざますきはした。 「なんていったらいいの ? 」 じゅうしょ ひろば 「おかあさんの住所をおっしゃい。『ばくは、マーカム広場、三十八番地にいきたい です。』って。そして、まわすの。」 「ばくはーー、」 こえ ポールの声は、ききとりにくいものでした。ポールは、えへんとせきばらいをしま した。 ひろば 「マーカム広場の、」 と、ケアリイが、フなかしました。 ひろば 「マーカム広場の、」 よう、 たま ばんち
と お か ーー 1 ら あ と は、ら ば チ ば は、 ば で くね く ャ も ポ く く オし ろ さ は て の ロ に ロ ノレ ロ ノレ し し ン た た カゝ ン カゞ ン あ ド ド は ド よ だ て の ン ね に の で ン 模もす に い っ ま ん に く 幵リけ た き な、 の つ ノレ が は た ん て て 気き ろ は は、 が だ い か わ く の あ 場ば の く な た な 所 お よ い で 力、 よ あ 0 こ 、が さ え ん あ ら ん て ば よ た 0 こ つ て し ムあ て や け い て た い ま と ノレ ク ) の し る お わ た ろ か あ れ で は さ ろ ん な で も あ の 力、 る ん て ド で す ばくのおかあさんに会いたし 75
「ばく、おかあさんに会しオし ) こ : じゃなきや、大のみ。」 こえ ポールは、声にだしてすすりなくまいと努力していました。くちびるをとし、むね は大きく上下しています。 「あら、あら。 ケアリイは、どうしていいかわからなくなって、 しいました。目をおとして、くっ を見つめました。 こえ 「ポールの番、ということにしようよ。チャールズは、しんばうづよい声で、ていあ こ ) ナるよ。 んしました。「そのあとで、ほかのどこか。しー 「だって、そんな 。」ケアリイはいいはしめ、「まあ、 つけました。「さ、いそいでべッドにお乗りなさいよ、チャールズ。 ケアリイは、また、こうふんしはしめました。 「みんな、手すりにしつかりつかまりましよう。毛布はたぐりこんどいたほうかいい レレし、つげ ばん どりよく おお、 もうふ いわ。」と、ことばをつ
「毛布をなめてごらんになればいいのです、べアトリスおばさん。」 ただ まー ) た。 ケアリイは、れいぎ正しくいし べアトリスおばさんのピンクのふちの目は、めのうのようになりました。 しました 9 「あなたたちは、わたしの子ではありません。 . おばさんは、つめたく 「そして、わたしはもう、むかしほどわかくはありません。わたしがこうしたことを りゅう かまんしなければならない理由は、なにもないのです ! あなたたちのおかあさんは、 仕事かあろうとなかろうと、あなたたちをどうにかするぎむがあります。話はおわ りました。でていってよろしい 子どもたちは、しずかにドアのほうへむかいました。しきいのところで、立ちどま りました。。 ヘアトリスおばさんが、またしゃべっていたからです。 「タクシーはありませんから「と、おばさんはいっていました。「ごしんせつにも、 牛乳屋のビッセルスウ = イトさんが、あなたたちを、の小道のはしのところで、 し ) 一と 212
をおろしました。べッドがきしみましたが、おまわりさんかすわったのは、ケアリイ あし の足からはなれたところでした。 じゅうしょ 「住所は ? チャールズが、ねむそうにおきあがりました。 「なあに ? しました。 と、チャールズはい ) かおおも ケアリイは、とっぜん、べアトリスおばさんの顔を思いうかべました。きつばりむ どうてん しんばい すんだくちびるや、ピンクのふちの目を。おかあさんが心配し、気が動転しているす こくそ ばっきんけいむしょ てがみ がたを考えました。手紙、おまわりさん、告訴、罰金、刑務所。 ました。「むこうすねをきすつけて、とっても申しわ 「あのう、」と、ケアリイはいい おも けないと思っています。あなたがちょっとべッドからはなれてくださったら、あたし たちはべッドをかたつけ、もう、ごめいわくをかけません。すぐかたつけます。ほん かんが もう