エリザベス - みる会図書館


検索対象: 魔法のベッド 〈1〉 南の島でのぼうけん
10件見つかりました。

1. 魔法のベッド 〈1〉 南の島でのぼうけん

においてあ くち エリザベスは、しゃべるのをやめました。口がばかんとあきました。エリザベスは、 ゆかを見つめていました。下をむいたケアリイは、 きな黒い水たまりが、べッドか あし らエリザベスの足にむかって、ゆっくりとひろがっていくのを見ました。エリサベス の目は、流れてくる水を追 0 て、そのみなもとをつきとめました。口がいっそうたき くあき、その目は、べッドから子どもたちへと、ゆっくりうつっていきました。エリ さき あたま かお ザベスは、子どもたちを、頭のてつべんからつま先まで、よく見ました。よごれた顔、 てあし かみかわ ぬれた髪、皮のむけた鼻、日に焼けた手足にぐにやぐにやとからみついている、やぶ けたパジャマ。 しいました。「あきれた ! 」 「まあ , - ーー。」エリザベスは、ゆっくりと ) くち あお エリザベスは、ロをばくっととしました。目がぎらぎらしています。青ざめたほお に、ゆっくりと赤みがのばっていきます。 ~ こ はなひ 205

2. 魔法のベッド 〈1〉 南の島でのぼうけん

と、ケアリイ。エリザベスが、タごはんをおばんにのせて、やってきたのです。 「さ、シーツのわにこばしちゃだめですよ。」エリザベスは、息をきらせながらいいま した。「おばんは下にさげといてくださいな、ケアリイさん。きようはわたしの夜の外 しゆっぴ 出日ですから。 よるがいしゆっぴ 「夜の外出日 ? 」 ケアリイは、エリサベスのことばをくりかえしました。ケアリイはにこにこしはじ めました。 「なにも、おかしいことじゃありませんよ。ーと、エリザベスは、つんとしていいまし た。「そうい、つおやくそくになっているんですからね。さ、あなたがたのおばさまは、 くあいがわるくていらっしやるんだから、おいたをしてはいけませんよ。おばさまは した ゅう よるがい

3. 魔法のベッド 〈1〉 南の島でのぼうけん

に乗って、日ぐれがたに二階のまどのところにきて、子どもたちに中にいれてもら、つⅧ ことに医」士りました。 チャールズは、ポールのシャベルをなおしてやりました。えびをしやくうのにも むし なんにでもっかえそうな、虫とりあみも見つかりました。 子どもたちは、服をぬいつものようにおふろにはいりました。その夜、エリザ ベスは、自のねえさんの小さいむすこの手術について、しゃべりたが 0 ていました。 しんしつ エリザベスは、おふろばから寝室へと、子どもたちにくつついて歩き、もうみんなが よく知っているこまかなことを、話してきかせました。子どもたちはあとになって ゅうしよくきゅうじ 知ったのですが、そのあとで、エリサベスは、べアトリスおばさんの夕食の給仕をしな がら、ためいきをつき、「あの子たちをベッドにいれるので、くたくたになりました わ。」といったそうです。 かいだん けれど、そのエリザベスも、階段をどしんどしんとおりていってしまいました。 ひ ふく 力し み あ なか

4. 魔法のベッド 〈1〉 南の島でのぼうけん

しんしつ 自分たちがポールの寝室にもどっているとわかると、子どもたちは、ほんとうに ふく ほっとしました。ケアリイとチャールズは顔をあらい、ポールに服をきせてやり、エ あさ リザベスが朝ごはんを知らせるどらをならすのに、あやうく間にあったのでした。 朝ごはんのとき、ポールは、おかゆをまえにして、ねむってしまいそうでした ) はんのあと、ケアリイとチャールズは、ゆうべねむらなかったべッドのことで、べ、 ドをととのえておいてくれてありがとうと、エリザベスにお礼をいわれ、わるいよう な気持ちがしました。 あさ じぶん 7 二どめのばうけんへ かお 128

5. 魔法のベッド 〈1〉 南の島でのぼうけん

「これで、おしまいだわ。」 しました。 と、エリザベスはい ) しんちょうに、エリザベスは、もういちどあたりを見まわしました。はねぶとんの くろ あか しまでは黒すんだ赤い はしをつまみあげました。うすいピンクだったはねぶとんは、 ) 色になっています。はねぶとんは、エリザベスの親ゅびと人さしゅびのあいだに、すっ しりとたれていて、みかいたゆかのおには、ふとんからのすいてきか、とけいのように しん ただ きそく正しく、ゆっくりとおちています。エリザベスは、ふとんをはなしました。信し かお られない、 といった顔で、ちょっとふとんを見つめてから、もういちどポールとケア リイを見ました。エリザベスはほほえみましたが、すごみのある、まるで、あいてを おどすような、かすかなほほえみで、目はわらっていませんでした。 「わかりました。 エリザベスは留にそういうと、子どもたちに背をむけて、 ~ やをでていきました。 おや ひと 207

6. 魔法のベッド 〈1〉 南の島でのぼうけん

べッドにはいっておいでです。 「べッドにはいっておいで ? 」 ケアリイは、また、おうむかえしにい ) あやういところで、ひっこめました。 「おいたは、なしですよ。」エリザベスはくりかえしました。「あなたがたには、どこ かおかしいところがありますね。きっと、ねこをかぶっているんですね。 かいだん 子どもたちは、エリザベスが階段のおどり場で、ためいきをつくのをききました。 にん エリザベスが、角をまがるのをききました。それから三人はスリッパをぬぎすてて、 おと おどりました。音をたてずに、きんちょうして、息をころして、ぐるぐるまわり、と うえ びはね、それから、ハアハアあえぎながら、ポールのべッド の上にどさっとたおれま した。 「どこにいきましよ、つ。 かど しました。そして、のこりの「にこにこ , を、

7. 魔法のベッド 〈1〉 南の島でのぼうけん

か読 い感しがしました。 げんかん ひろかいだん 子どもたちは、家をいやがりました。大きな玄関ホールや、はばの広い階段をね。 くち エリザベスのこともいやがりました ( エリザベスというのは、ロやかましい、年とっ た政です ) 。おばさんのこともいやがりました。だ 0 て、おばさんは、ふちがピ あおめ ンクつばい色の、うす青い目をしており、ほほえむことなど、めったにないのですか ら。でも、甦や、甦をれる小川や、そのむこうの野原にある、おいしげつた生けが ば′、そう きや、 しいかおりのする牧草は気にいっていました。 にち そと 三人は、一日じゅう外にいました。納屋の中であそびました。 た。甦の小道であそび、おかのわであそびました。 じかん かえ 食事の時間には、きちんと帰りました。子どもたちはお客さんでしたし、それに、 しし子たちだったからです。 つぎからつぎへと日はすぎていき、どの日もおなじようでしたーー、ープライスさんが しょ′、じ なや おお なか きやく かわ 川べりであそびまし とし

8. 魔法のベッド 〈1〉 南の島でのぼうけん

とりあげて、つくえにもどりました。うっすらうかべたほほえみは、およそ、とりつ くしまもないものでした。 しました。「あなたたちのお 「も、フ、なにをいってもだめですよ。 , と、おばさんはい ) でんぼう かあさんに、電報をうちました。エリザベスは、荷物をつくっていますーーエリザベ スがわたしにしてくれる、さいごのサービスです。ここ何年も、やめたい、 やめたい といっていたのですから。」 「でも、ほんとうなんです、べアトリスおばさん。ーケアリイが、きゅうにいいだしま しようめい した。「海なんです。証明してごらんになれます。」 べアトリスおばさんは、半ふりむきました。小鳥のような手から、ペンがそっと ぶらさがっていました。 「どうやってでしようねえ。 おばさんは、ひにくをこめて、ききました。 うみ にもっ なんねん 211

9. 魔法のベッド 〈1〉 南の島でのぼうけん

ケアリイは、気がすすまないでいるプライスさんの手に、ほうきをおしこみました。 みんなは、プライスさんがまどじきいをこえるのをてつだいました。 「ああ、プライスさんは、とてもしんちょうに、ほうきのはしにしがみつきながら、 しいました。「こんなふうにやるんじゃないのに。 「わかってますプライスさんをちょっとおしながら、ケアリイはささやきました。 「でも、しかたがないでしよ。 三人は、プライスさんがゆっくりとただよいおりていくのを見ていました。それか ら、プライスさんがスカートをつまみあげ、ほうきをもって、しげみの中にかくれる にんあんしん のを見ました。プライスさんのすがたが見えなくなってしまうと、三人は安心して、 ほうっと息をつき、うしろをむいてー - ーーエリザベスの目に面とむかうことになりまし うえ ぶん しました。「三十分もテープルの上 あさ 「朝ごはんが、ー戸口に立っているエリザベスはい ) とぐちた めん なか 204

10. 魔法のベッド 〈1〉 南の島でのぼうけん

ゅう ) ? ポール。ケアリイは、まだいっていました。「もしもよ、エリザベスがタ そうしたら、どうな ごはんをもってあがってきたときに、べッドがなかったら : ようじん る ? あたしたちは、とても用心ぶかくやらなきゃいけないの。なんだかするいみた びるま いだけど、とにかくプライスさんにやくそくしたんだから。まっ昼間に、 ある 乗って、そのへんをやたらにとんで歩くようなことはできないのよ。」 くち みず ポールはロをすすぐと、いつものくせで、その水をのんでしまいました。 「わかってるの ? ポール。あたしたちは、おとながみんなべッドにはいるまで、待 たなきゃいけないのよ。いらっしゃい。髪がぬれているうちに、とかしてあげるわ。」 しんしつ ケアリイとチャールズは、ポールにくつついて、ポールの寝室にはいりました。三 ドの玉か 人はべッドにこしをおろし、ポールがねればちょうど右耳の五にくる、べ ざりを見つめました。それは、ほかの三つとそっくりに見えました。 ) ました。「ば 「魔法はきかないと思うな。」と、チャールズがいし く、なにをかけたっ の まほう かみ たま