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検索対象: 週間エコノミスト 2017年2月28日号
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1. 週間エコノミスト 2017年2月28日号

委員会の目的がステ 1 クホルダ 1 の 信頼回復にある以上、調査結果の公 表は当然のことである。 しかし、最近、残念なことに形だ け「第三者」を装い、事実関係や原 因究明が盃底でかえって状況を悪 化させる事例が目立つようになっ た。いわゆる「不良第三者委員会」 の横行である。 ーがある。その上で重要なのは、④た山一証券の社内調査委員会 ( 19 ◆ープル崩壊とその後の「失われ 「不良委員会」の原因 ′た跚年」を経て、日本企業は この①、③のプロセスをステ 1 クホ 98 年 4 月 ) が原型となり、その後、 多くの不祥事を経験してきた。そう ルダ 1 に説明することだ。 日興コ 1 ディアル証券の不正会計事歪第一一一者委員会を生み出す原因 したなか、第三者委員会は、不祥事 件の特別調査委員会 ( 2007 年 1 は、経営者と委員会の双方に存在す の通、対応のデファクトスタンダ 1 ドとし 月 ) などを経て形作られてきた。 日本独自の危機管理モデル る。経営者側には形の上の「第三者」 ておおむね定着した。 第一一一者委員会には、次の三つの要に、経営陣の責任を否定する報告書 不祥事を起こした企業が、株主・ しかし、大規模な不祥事を起こし素が不可欠である。一つ目は、「事実を書いてもらい、批判を免れようと カ 6 従業員・地域社会などさまざまなスた企業が自分自身で調査をすれば、調査委員会である」ことだ。調査のする「自己保身」の問題がある。委 る 5 テ 1 クホルダ 1 の信頼を回復するた どうしてもお手盛りにな 0 てしま、つ対象とすべき事実は、民事・刑事責員会側は、伝統的な弁護士業務の概 ~ 工 めには、四つのプロセスを経る必要恐れがある。その結果、ステ 1 クホ任を追及するための法儘成要件事念にとらわれていることが原因であ がある。まず、①不祥事の事実関係ルダ 1 に信用されず、危機的な状況実とは異なる。委員会の目的は、不ることが多い。つまり、従来の業務 を明らかにし、②原因を究明し、③から脱することができない。そこで、祥事をもたらした企業風土や組織上では、企業を依頼者とする場合、依 不祥事をもたらした原因を除去する企業から独立した立場で公正かっ客の問題まで明らかにして再発防止を頼者は社長をはじめとする経営陣を ための再発防止策を実行することー観的に調査を行い、原因を究明する図ることにある。 意味する。委員である弁護士が事実 第三者委員会の出番となる。 一一つ目は、「経営陣から独立した主調査をした結果、経営陣に不利な事 第三者委員会は、法律上の制度で体による調査である」こと。不祥事実を公表することは、忠実義務に反 はない。日本企業の不祥事対応の多の際は、経営陣が自ら関与した場合するという発想である。 くの成功例と失敗例の積み重ねの中はもちろん、そうでない場合も、事しかし、ここで考えなければいけ で、実務上の知恵から生まれた日本態をできるだけ小さく見せようとすないのは、第三者委員会の「真の依 独自の危機管理モデルだ。法令に基る心理が働く。このような経営陣の頼者」は誰か、という点だ。この問 づいた事実認定が必要なため、通常意向をそんたくしていては、不祥事いは、「企業は誰のものか」とい、ス叩 は弁護士などの法曹資格を持つもの の実像に迫ることはできない。 題と不可分である。企業は多種多様 が委員に就任する。私自身も関与し 三つ目は、「調査結果の公表」だ。のステ 1 クホルダ 1 のための公的な 第定着した第三者委員会 「不良委員会」根絶が課題 不祥事対応のー「デファクトスタンダート》だがツ「不良委員会」も増えている 企業は厳しい調査結果を受け入れることが、 ~ 再生への道となる くにひろ / ただし 国広ー正 ( 弁護士、一国広総合法律事務所代表 )

2. 週間エコノミスト 2017年2月28日号

. 0 ■ 商 学理論 大・ス文行 橋 , 武 認課任 れ七別 梨 年学笋員年 授大本究 四同日研て い′イ 年。員経 准 9 士客を 学ル博学師 業学大講 日本の銀行は、同じ大学出身者が多く所属し、結束する傾向が強い それゆえ人材の多様性が失われ、経営が非効率になっている可能性がある。 学受験の時期が来た。どこの正当化されることがある。同じ大学て穏便に取り計らうのではないか。 複数の年で分析した結果、大規模ト 大 大学が就職や出世に有利かを出身なら気心が知れ、意思疎通がし 学閥の影響に関して、大阪大学のな公的資金を受けた銀行は、受けなス 考え、進路を選択する受験生は多い やすくなると考えられるからだ。 恩地一樹准教授、カリフォルニア州 かった銀行や小規模な資本注入で済 だろう。官公庁に強いネットワ 1 ク しかし、最近の国際的なファイナ立大学フレズノ校のデ 1 ビット・ヴんだ銀行に比べ、同じ学閥や同じ出コ を持つ「赤門会 ( 来只大学 ) 」のみな ンス研究は、学閥などの個人的なネ エラ准教授と筆者は、共同研究を行身のグル 1 プが減るとともに、収益工 らず、財界における「三田会 ( 慶応ットワ 1 クが持っ非効率性を指摘し った。全邦銀のデ 1 タを使い、学閥性が高まった。 義塾大学 ) 」「如枩ム ( 一橋大学 ) 」とている。例えば、取締役会のメンバ などの個人的ネットワ 1 クと経宀劾さらに、分析対象の銀行では、取 いった「学閥」が存在し、出身大学 1 が、一部の個人が持つ人間関係を率性の相関関係を分析している。 締役会における同じ大学出身者の状 ( 特に学部卒 ) が就職や出世に影響を基に構成されている場合、企業価値研究では、公的資金が注入された況を視覚的に表した。図は、 199 与えることはよく知られている。 を下げたり、非効率な買収を実行し銀行を分析の対象とした。日本では、 8 年 3 月と的年 9 月の 2 回にわたり たり、不正行為に手を染めたりしや新卒一括採用に始まり、終身雇用で公的資金を受けた北陸銀行の例であ すいという実証結果がある。 出世のプロセスを経るため、取締役る。左図一一つが公的資金注入前 ( 公的資金注入行の例 学閥で経営の問題が生じる理由は会の学閥は壊れにくい。また、株式年、年 ) 、右図が注入後 ( 2003 学閥が日本社会に幅広く根付く中単純だ。同窓の先輩役員には逆らい持ち合いなど、株主が経営効率化を年 ) である。〇は取締役会のメンバ で、銀行は典型的な業界の一つであにくいなどの理由で生じるガバナン強く求めない習慣が続いてきた。こ 1 を示し、中の数字は取締役会での ろう。筆者は、学閥が組織内の人材ス ( 企業統治 ) の低下である。この うした銀行業にとって、経宀劾率化序列を示す。①は会長 ( あるいは頭 を硬直化し、銀行経営の非効率化に傾向は一般社員にも当てはまるだろを求められる公的資金というショッ取 ) に該当する。〇同士が線でつな つながると考える。 う。社外のネットワ 1 クが密な相手クは、この硬直的なネットワ 1 クをがっている場合、同じ大学出身者で 確かに、学閥は効率性の観点から ほど、社外の生活への影響を考慮し壊すのに効果があったと考えた。 あることを一小す。 2017.2.28

3. 週間エコノミスト 2017年2月28日号

企業統治 現在も企業に帰属していること く「社長さんに成仏してもらう」と書を会社に用意してもらう、といつく、 一言う。適時開示ル 1 ルに反しないか た退任役員側の事情もあろう。しかを示す肩書がなければ企業は組織、 ぎり、上場企業の「お家騒動」はでし、一番の理由は企業を取り巻く組団体にお金を出せないという現実が きるだけ社外には隠したいものであ織、団体が企業からの補助金、寄付ある。つまり顧問・相談役制度は、 る。 企杏身にも、また企業を取り巻く 金等の金銭的支援を求めたい、言い また、最近は「取締役会改革こそ換えれば、企業としても業界におけ組織、団体の側にも大きなメリット 攻めのガバナンスの要諦」と言われる地位を確保するために金銭的支援がある。もし、国を挙げて制度の見 ているが、そこでは独立社外取締役をしたい、という点にある。そこで直しを進めるのであれば、まず政府 を申心とした指名委員会が経営トッ は、単に「元〇〇会社社長」ではなや経済団体が率先して、その委員や 経験に乏しいサラリ 1 マン社長が多プの人事に関与することが期待され 役員の肩書を「元〇〇会社社長」に いと言われ、これを補完するものとている。もし本当に指名委員会の実 改めるべきであろう。 8 剳 、 2 回 して経営者の助一言・指導は有益効性を高めたいのであれば、異例の 8 であることは否めない。とりわけト 社長交代時のソフトランディングへ 退任役員の情報開示を ッブマネジメントの経験を持っ相談の受け皿は用意する必要がある。間 導 0 導施大施言言言言言 役の意見は貴重である。文字通り「相違っても社長の解任手続きの正当性鮨 顧問・相談役制度といっても纛ト 指実拡実助助助助助 lk ののののののの 談されるのなら拒まない」といったを巡って裁判ざたになるようなこと 一律ではない。専用車、専属秘書、ス 旨動維動 へ 活の 6 6 っっ 受動的な姿勢を相談役が貫くのであだけは避けたい。もし温存していた 済個室が付与されているかどうか、さ 営引公計計理案剰 れば、現経営陣にとってはありがた顧問、相談役の権力によって指名委営 所 らには見経営陣と同じフロアに在職コ 経こ取 出 い存在である。 員会が弱体化しかねない事態、つま するかどうか、といったことまで企工 のの ら事客員営 し かと顧委経位員員答 業が退任役員に気を配るのが通常で の活上年本会 あり、どこまでの処遇がなされてい 解任劇で「成仏」促す ことになれば、その時こそ当該会社が 者のや以 曜 関 や 経界舌 の指名委員会、報酬委員会が顧問・ るかは企業によっても異なる。また、 員 員財期 役や社長 社内での派閥争いや大株主と経営相談役制度の廃止を決定すべきであ相 従不正会計事案を起こした東芝でも 団 問 界 陣との紛争が生じた場ム県寸には、顧ろう。 業 冖「相談役制度は廃止するが名誉顧問 顧 きそん ・相談役制度には企業価値の毀損たとえば経団連や経済同友会の役で 制度を新設する」といったことが問 を防ぐための受け皿としてのメリッ員、各委員会の委員長の名簿をホ 1 8 剳題とされたように、呼称だけではど 企 ~ 2 回を のような実態なのかはわかりづら トがある。弁護士として、これまでムペ 1 ジで閲覧すると、現役の社長、上 8 何度か社長解任劇に遭遇してきた会長、相談役、顧問の方々が名を連 業 里ロ 企 が、社長解任劇にあたっては「業績ね、「元〇〇会社社長」なる肩書は見 6 まずは制度の現状を我々が理解す 0 場 を伸ばしたい」との思い半ばで退任当たらない。また政府各省庁、外郭 のることが最優先の課題であり、その を余儀なくされた社長になんらかの団体の会合における有識者委員名簿 ためにもが退任役員の処遇状況 部 証 花道を用意してソフトランディングを見てもである。会社を代表し を報告圭星によって開示することが 東 を図ることが望ましい。実務ではよて蕣的な活動に張り切るための肩 駐見直しの第一歩であろう。 顧問・相談役が果たしている役割 ( 複数回答 ) 顧問・相談役の就任状況 0 人、または制度がない 1 人 2 人 3 人 4 人 5 ~ 6 人 7 ~ 9 人 10 人以上 2017.2.28 3

4. 週間エコノミスト 2017年2月28日号

邸 で官 議相 投日 未月 本独特の企業の「顧問 光・経済同友会代表幹事が「社長 0 相談役」制度について「見が相談役や顧問として経営陣に指 直すべきでは」との声が示・指導しているような第打の見直 政府や財界から出ている。日本の比しを検討すべきだ」と指摘した。そ 較的規模の大きな会社では、退任しのうんで、「他の会社の独立社外取締 た役員について、「顧問」や「相談役としてその高い知見が生かされる 役」といった地位を提供し、一定期べき」との考えを示した。 間、役員経験者にふさわしい待遇を 昨年Ⅱ月に公表された経済産 保証することが慣行とされている。 の調査では、回答企業の約 6 割の上」 しかし、東芝の不正会計事件でも話場企業において顧問・相談役が存在 題に上ったように、役員退任後も社し、現経営陣への指小・指導を行っ 役を 内で権勢を振る、つ顧問・相談役によている実態が浮き彫りとなった って会社経営がゆがめられ、後継者 ( 表 ) 。一部の議決権行使助言会社で 談用 は、顧問・相談役制度を新たに創設 人事に不適切な介入がなされるとい ったケ 1 スが散見される。この外かする定款変更議案には反対を推奨す 相活 らは極めて見えにくい顧問・相談役る方針を固めている。機関投資家の た 制度の弊害が、ガバナンス改革の議多くも、「社外役員を含む取締役会等 」じよ・つ けんけんがくがく において、喧々諤々の議論がなされ 題の一つとして俎上に上っている。 たとしても、社長が最後に密室でお るる すナ 伺いを立てるような経営判断となれ 上場企業の 6 割に存在 対郁 ば、何のためのガバナンス改革なの 今年 1 月日に開催された政府のか」と、制度の見直しに前向きであ 度目 制も 未来投資会議では、同会議の構造改る。 そうした流れを受け、政府が推進 革徹底推進会合会長も務める小林喜 役 するコ 1 ポレートガバナンス改革に おいても、「顧問・相談役制度に関す 上握 る社内慣行」が検討されることにな った。退任役員が社内に顧問や相談 役として残るべきではなく、他社の 独立社外役員に就任することで、ガ 上罪 バナンス改革が形式から実質へと深 化することが期待されている。 たしかに社長・会長経験者がその 俎功 日 としあき やまぐち 山口利昭 ( 弁護士、山口利昭法律事務所代表 ) まま社内に居座り続けると、社長人 事への不適切な介入によって取締役 会の健全な監督機能が形骸化するお それがある。また、たとえ彼らが経 営に関与することがないとしても、 過去に推進してきた彼らの棗戦略 を否定して、現経営陣が思い切った 戦略を決断・実行することは困難に なるかもしれない。 だが、ガバナンス改革の目的が、 企業価値を高めて「稼ぐ力を取り戻 す」ことにあるとすれば、短所だけ でなく長所も把握して、日本企業に 長年にわたって存続してきた理由を よく理解することが必要である。 そもそも「顧問」と「相談役」はス 同列に論じられることが多いが、私 の実感として両者は微妙にニュアンコ スが異なる。企業において、代工 を持った役職に就いた者は「相談役」 に、それ以外の役員は「顧問」に、 退任後それぞれ就くことが多い。権 力の座に就いた経験者が多いのは 「相談役」であるから、この区別はガ バナンスの議論の中でも実益があ る。 いすれにしても、プロ経営者が存 在せず、取締役会が業籟行取締役 で固められた日本企業では、社内の 業籟行において厳しい出世競争を 勝ち抜いた者が社長になる。その結 果、オペレ 1 ション技能には長けて いても、マネジメント技能を磨いた 2017.2.28

5. 週間エコノミスト 2017年2月28日号

弁護士 vs 会計士司法書士 部門が存在感を増し、管轄する領域 . よ、、 ( しろいろな発想ができる経験を が広がるので、外部弁護士にとって持った弁護士が求められる。積極的 もパイが広がる」と片岡部長。従来、 に法律事務所の外の世界に目を向け 会社内での法務案件は各部署に散らることで、リ 1 ガルニーズを掘り起 ばっていることが多く、法務部が扱こすことができる」と話す。 うのは訴訟や契約に限られた。労務 ュー・エス・ジェイの片岡部長も、 は人事部、特許は知財部、情報セキ「企業の組織内での経験は、法律事務 ュリティ 1 はシステム部といったよ所で顧客目線のリーガルサービスを うに各部署で対応していた法的業務提供することにつながるのではない が、弁護士を擁する法務部に集まっ か」と話す。外部弁護士と企弁 当初は一法務部員として業務てくるという。 護士では、企業経営に伴う法的リス をこなすとしても、勤続年数 社内の法務案件を集約し、弁護士クに対する姿勢に違いを感じている 8 ー 6 6 6 3 2 ー 2 一 2 からだ。 を重ねるなかで出世し、外部業界と企業の媒介となる役目を担う れ 例として挙げるのは、ユー・エス・ 証の弁護士起用に権限を持つよ企寓弁護士。それゆえに、「弁護士 券 ぶ 顔 、つになっているのだ。 会の活動に積極的に参茄するなどしジェイで携わったチケット不正転売 る 券証券 企弁護士がその会社のて、弁護士ネットワ 1 クを保つことへの対処だ。まず問題を把握すると え ッ ミ会法務すべてをカバ 1 できるわが大事」 ( 片岡部長 ) 。その点、法律ころから始まり、転売チケットでの 一タ「バ気トス 入場を無効とすることで撲滅を図っ チ ~ ンビス一電ノ ( ンけではないので、専門性を要事務所の経験は有利だ た。購入者のクレームなど法的リス 士点 ル床やンカ ( する案件では外部の弁護士を 護時 ) 一丿一 ~ 本ル cn ( 丿 イ知織起用する。その際、同業者目 クもはらんでいたが、結果、不正転 リスクへの姿勢に違い 、刄ゴ「日 ~ モ ( ア ~ マ日組 弁明 内年 線の選別や、弁護士人脈が生 売は 9 製滅できたという。「外部弁 業 5 位 1 一 2 ー 2 一 2 5 」 ) 6 ~ 6 6 咄きるとい、つわけだ。片岡部長 ただ、法律事務所から企弁護護士ならば、その対策にはリスクが は分野ごとに弁護士をリスト 士への転職は増えていても、その逆あると指摘するのかもしれないが、 ク ) に入社。年にはファ 1 ストリテアップし、固定化しないよう意識しはまれで「一方通行」なのが現状。ビジネスのスピ 1 ド感では、リスク ィリングの法務部チ 1 ムリーダーとているという。 メルカリの岡本弁護士は「これからを限りなく減らすために何ができる なり、肥年に現在のポストに就いた。 ともすれば、顧問弁護士や経営者、 かを考える」 ( 片岡部長 ) 。企弁 弁護士を多く抱える企業の顔ぶれ幹部との個人的なつながりで起用さ 護士は、法的判断と経営感覚を併せ はこの年で様変わりした ( 表 ) 。当れていた外部弁護士が、企弁護 持っことが求められている。 初は外資系証券が中心だったが、今士の存在によって門戸が開かれ、実 海外では弁護士資格を持っ経営者 は商社や金融機関、新興企業などさ力主義へと向かう傾向がうかがえ は珍しくない。日本でも、企弁 まざまだ。 る。 護士が定着した先は、弁護士経営者 企弁護士の変化は、企業外に といっても、業界にとって厳しい が次々と登場してくるのかもしれな も影響を及ばすと片岡部長は見る。 ばかりでもないようだ。「社内の法務 。 ( 黒崎亜弓 / 酒井雅浩・編集部 ) 全 847 社 全 39 社 2016 年 6 月時点 順位企業名人数 1 三菱商事 20 2 ヤフー 3 野村証券 3 三井住友銀行 1 8 5 丸紅 5 三井物産 5 ゆうちょ銀行 8 SMBC 日興証券 14 8 三菱東京 UFJ 銀行 1 4 10 伊藤忠商事 10 みずほ銀行 1 2 12 第一生命保険 1 1 12 三菱 UFJ 信託銀行 1 1 14 豊田通商 1 - 三菱自動車 14 LINE ュー・エス・ジェイの片岡詳子弁護士 一ノ

6. 週間エコノミスト 2017年2月28日号

B 0 0 k R e v i e 『電通事件 なぜ死ぬまて働かなければならないのか 著者北健一 る授 上質 び体猷 力し 浮な らら 自の森 労通 過電赭 トの目で丁寧にまとめている。 2016 年川月に電通の新入社 この会社では 1991 年にも大嶋 員、高橋まつりさん ( 当時幻歳 ) の 過労自殺事件が公表された。その衝一郎さん ( 当時幻歳 ) がひどい長時 撃はいまだに収まらない。若者の過万働とパワハラで過労自殺した事 労自殺が続発しているなかで、この件があった。その裁判では、年 3 事件が大きな関心を呼んだのはなぜ月幻日、最高裁が使用者の労働者に 対する健康配務を厳しく問う画 か。日にはその答えがある。 著者は、電通の歴史や世評を跡付期的判決を出した。 にもかかわらず、電通の長時間労 け、兀社員、現社員、弁護士、医師、 研究者、監督官、過労死家族などに働体質は改められなかった。そのこ 取材し、事件の全容をジャ 1 ナリスとは、年に 4 代目社長によって定 ( ジャーナリスト ) 旬報社 1000 円 きた・けんいち 1965 年広島県生ま れ。『労働情報』編集人。著書に「武 富士対言論「高利金融」など。 B 0 0 k R e v i e 『ゼロからの経営戦略』 著者沼ーわ卓ネ ( 一橋大学大学院商学研究科教授 ) ミネルヴァ書房 2000 円 授 教 学 大 学 大 ム 、ス れカ郎 の武 企橘 々功 者 次成平 「現実の企業に関するケ 1 スを読みにあるメカニズム」を深く理解する ことだと、著者は一一一口う。そして、的 解きながら、経営戦略の基本概念と その使い方を学び、その上、社会科確な「ことば」を複数組み合わせて 学の面白さが伝わるような本を書きフレームワークを作り、そのフレ 1 で たい」。の冒頭に記されている著ムワ 1 クを使って背景のメカニズム価 者の願いであるが、その願いは、見を表現して、現実世界を動かすこと。本 事に達成されている。 そこに、社会科学の神髄がある。長 次々と紹介される、優れた戦略を年、日本の経営学をリ 1 ドしてきたの 書 8 採用し成功した企業の事例。しかし、著者の言葉だけに、重みがある。 肝心なのは、華やかな成功のスト 1 アパレル大手・ストライプインタ欄 リーに感動するこどではなく、「背景 1 ナショナルと外食大手・すかいら書 ぬまがみ・つよし 1960 年静岡県 生まれ。一橋大学大学院商学研究科 博士課程単位取得。専門は戦略論、 組織論。著書に『液晶ディスプレイ の技術革新史』 ( 工コノミスト賞 ) 、 「組織戦略の考え方』など。 工コノミスト

7. 週間エコノミスト 2017年2月28日号

弁護士 s 会計士司法書士 専門家が組織的に協力 長 文ノ 野 ン ( 54 ) ⅱ 業界の展望 次の一手 て協力する体制を整えている。 0 日本企業が海外活動を強化している現状 人員確保は、特に若手アソシェイトの業 では、必要な海外ネットワークは充実させ 務が長時間労働にならないためにも不可欠 ていきたい。しかし、ただ海外に事務所を だ。労働時間管理は、以前から組織的に行 設ければいいというものではない。海外、 っている。 2015 年からは月ごとから週単位 特に東南アジアでは現地弁護士の質にばら での確認に短縮し、適正な時間を意識する つきがある。専門分野によって、どうやっ ように指導している。長時間労働は仕事の ていい弁護士や法律事務所を使い分けてい 質が下がる。アソシェイトに対して「長時間 くかを検討しなければいけない。 労働は貢献度の評価につながらない」とあえ 組織運営体制は、大手の中でも積極的に て説明している。 本企業の間でコンプライアンス、危機 整えてきたつもりだ。全体の管理、運営は 6 が、情報収集の効率化につながること 日 対応への認識が高まり、範囲も非常に 人の経営メンバーで決め、 2 人のマネージン はあるだろう。しかし法律の世界は、人間 拡大した。最近の傾向として、国際イヒに伴い、 グ・パートナーが執行する。マネージング・ の創造性、判断しなければならない要素が ー国にとどまらず、複数にまたがる広い領 パートナーはほば専従で、さまざまな動き 多い。若手には労働量ではなく、効率的な 域での支援を求められる案件が多くなって に迅速に対応できる。 働き方をしてこれまでより自由になった時 いる。語学力はもちろん、国際的な「センス」 新人採用は、今後も年間 30 ~ 40 人を維持 間で、本質的な仕事ができる法律家を目指 が問われる。 したい。事務所全体の業務量が多くなって してほしい。 事務所としていいサービスを提供するこ おり、必要に応じて経験のあ とに尽きる。今や案件の大型化、複雑化で、 る中堅を中途採用している。 「スーパースター弁護士」でも一人で解決で 急速な大規模化ではなく、業 きるものはない。依頼者のニーズに対応し 務量に見合った着実、一定の て、必要な専門家をそろえた上、組織とし ペースで拡大していく方針 ド / 8 大法律事務所 20 16 年は大きな案件に恵まれ、特に M た。具体的には新規分野、新 &A ( 合併・買収 ) では、各種調査で 規拠点は全体で支えるという 金額、件数ともに日本でトップだった。業 理念だ。例えば、この統合に 務量にくらべて、規模はまだ小さい。毎年 ついても自分はタイにかかわ 30 人前後の採用を来年以降は増やす方針だ。 る案件はないと思う弁護士が 海外の拠点拡大も不可欠だ。タイの大手 半数以上だと思う。それでも力量のある現 こと。裁量を持って取り組むことが根源に 法律事務所「チャンドラー・アンド・トンエ 地事務所と一緒になれば、事務所全体でみ あり、それは 1 年生でも同じだ。専門家とし ック」を 1 月 1 日付で買収、経営統合した。 れば発展する。全体のことを少なくとも中 て、歯車のように働くのではなく、どう工 海外の大規模事務所との統合は国内で初め 期的に考えていこうという意識が浸透して 夫するかは才覚に委ねられている。 て。弁護士約 50 人の事務所を一気にグルー 他方、考えなければいけないのは、キャ きている。 フ下に収めるという大きな挑戦だ。 経営を担う弁護士は、迅速な意思決定を リアの多様化だ。仕事が好きで、寝食も忘 「組織力の重視」に意識的にかじを切ってき するため今年から 7 人から 3 人体制にした。 れるぐらい、という感覚は経験を積んだ弁 3 人の中では私が一番年上。上の世代がいる 護士なら誰でも持っていると思う。しかし、 中で、 40 代が中心に経営を担うことを許容 それだけが唯一のキャリアかというと、そ するのがこの事務所の特徴だ。弁護士業務 うではない。例えば子育て支援プロジェク との兼業には、本来の業務に十分な時間を トを本格的に設け「ペースを落として働きた 避けなくなり「専業か兼業か」という深遠な い」というときに、それに合わせた執務体制、 議論がある。しかし欧米の法律事務所でも 報酬体系をきめ細かく作っている。 弁護士が経営を担うのが主流だ。 将来に対する不安があったとしても、「少 最近の若手アソシェイトはよく働いてい なくとも今、自分の実力は上がっている」と る。べースにあるのは、弁護士は「 on the いう感覚を持ってもらえるような制度設計 job 」で、仕事があるから成長できるという に取り組みたい。 森・濱田松本法律事務所 マネージングバートナー 棚橋元弁護士 ート事務所と日の統合 20i え 2.28 コノミスト

8. 週間エコノミスト 2017年2月28日号

ビルソリュ 1 ション ( エレベ 1 タ 1 それでも、東芝は、この経営危機円の債務保証をしている。建設工事賀重範会長、解任されたダニ 1 ( 攣に一 0 一 ~ 昭明・空調 ) 、電池システム、重粒子を引き起こした原子力事業から完全が完了できない場合の損害賠償請求デリ , ク執行役上席が経営に携わ 0 一一がん治療装置などとなる。「半導体・撤退しな方針だ。〈「後は、原発事も含め、東芝は巨額 0 支払義務をたで、経営幹部が不適切な圧 、を奓未の過半数以上を売却して多額の業で土木建設に関わる分野は収益性負 0 ている。原「劣事業から引くに力を加えたと内部通報があ 0 たため 一鬯 ~ 寺ャヴジ、が入 0 ても、収益を生むが低いため手を引くが、原発向けの引けないこうした状況が、経営危機だ。でも無謀な「チャレンジ」 があったのか 、、、 0 ¥→ら重要ながな ( 前述 0 国内証券燃料供給事業や設備 0 保守サ 1 ビを招た元凶をなおも残す要因とな っている 142 年の歴史を持っ東芝は今、 第 2 アナリスト ) 。万一さらなる損失が発は、「し 0 かりや 0 ていく」 ( 綱川社 東芝は 2 月日、内部統制上の問 原「劣推進という国策に寄り添った 、こ、 ~ 生すると、東芝は、また事業・資産長 ) としてる 東芝は、が米国で抱える原題で、決算発表を土壇場で 1 カ月延ゆがんだ経営判断によって、自壊し 売却に迫られ、組織縮小の悪循環に 発建設で、親会社として 7934 億期した。巨額赤字で引責辞任した志ている 、・斗心物止めがかけられなくなる。 との親会社、 発注元の電力会社は負担を巡り、 1 年から訴訟合戦を繰り広げた。 この間、は肥、年、原子ト 字をみると、正しいとは言た。東芝グル 1 プは縮小消滅の坂をしかし、Ⅱ年の福島原発事故以降、力事業の将来性を厳しくみて減損処ス しにくい数字」 転げ落ち、止まる気配がない 規制が強化され、建設コストは急増。・理を行う。コスト増を目の当たりに 現在の危機を招いたのは、歴代経 一 ) 東芝の綱川智社長は 2 月Ⅱ日の会 見で「米原「劣子会社のウエスチン営陣の無策に尽きる。「原子力ルネサ 諂 ( グ ( ウス (>æo) の年買収の失ンス」と巨額買収に舞上が 0 た気 ) 、」歴奢長で初めて認めた。片年持ちのまま、Ⅱ年の福島第 1 原発事 ぐ 3 月賍連結決算で債務超過予想とな故後に風景が一変した原子力ビジネ 1 また主因は、が年に買収しスの現実に目をつぶり、無謀な計画 の正当化に血道を上げた。 立た建設会社 & —ストーン & ウェ 一プスタ 1 (næ>) の 6253 億円 日米で真逆の言動 一第第給の五ん代 7125 億円を損失 気物可上したため。買収後の原子 4 第力事業の営業利益は累計で 7000 東芝はこの期に及んで「 (ØZ) っ低円の赤字だ。相場の 2 倍以上の約買収後、コスト見積もり追加の必要 盡 400 億円でを買収、「年性が判明」と、不可抗力を装うが、 でに ( 原「劣事業の売り上げ ) 7 それは極めて疑わしい。 い 000 億円」 ( 買収当時の西田厚聡社 と & は年から、米国 カカし 長 ) ) とぶち上げた構想は完全瓦解し内 4 基の建設を共同で行っていた。 1 3 もうかる原発」に拘泥した無策経営 巨大ブロジェクトに 第稚な集団 芝の米原発事業の損採用した三門原発なども、 失の要因の一つは「ププロジェクトマネジメント ロジェクト・マネジメント」の問題から工期は大幅に遅 の欠如にあると言える。 れている。 東芝は国内での原発プラ 一方、ストーン & ウェブ ント建設しか経験がなく、スター (S&W) は、以前か 海外での経験に乏しい。米ら「建設プロジェクト遂行 国で直接にプラント建設をは稚拙」と海外の業界誌か 進めていたのはウェスチンら評価されており、かって グハウス (WEC) だ。米スはシンガポールのエチレン リーマイル島原発事故以来、プラント建設工事で赤字を 30 年間にもわたる「原発モ出している。つまり、 WEC ラトリアム」、つまり原発建が買収した S & W は、評価の 低い建設部門だけが残され 設の空白期間があった。こ 0 れにより、米国のプラント た会社だったと言える。 今回の件でも S & W のプロ メーカーが原子力機器の製 造能力を失った。 WEC も原ジェクト遂行能力の稚拙さ 発プラント建設のマネジメが影響した可能性はある。 ント能力は劣化していたと ( 宗敦司・エンシニアリン 見られる。実際、中国で建グ・ヒジネス編集長 ) 設を進めている AP 1 OOO を 5

9. 週間エコノミスト 2017年2月28日号

公的資金注入後に崩れた取締役会の学閥 0 会 北陸銀行には、公的資金注入阻害する要因になりつる。公的資金資産を拡大することに尽きたとい。 う。だからこそ、銀行にとっては、は 前には、出身の大学が同じグル注入行は、学閥という「能力外」の 1 プが五つあった。年は会長人材よりも、個人の「能力」を重視東大出身者の「赤門会」を申心にネ 3 2 の母校である東大と、富山大がする必要に迫られたのだろう。その ットワ 1 クを構築することに、一種咬 3 彳 氏 。入最も多い各 4 人で、取締役会全結果として、学閥ネットワ 1 クが崩の効率性が存在したのだろう。 0 注 の 体 ( 幻人 ) の % を占めた。それた可能性があると考える。 しかし、バブルが崩壊し、金融制擲 成 の他、慶応 ( 3 人 ) 、京大、早大研究結果は、都市銀行で最も多く度が改革された「日本版金融ビッグ バン」からすでに年がたつ。時代位 ( それぞれ 2 人 ) と続く。出の公的資本を受けて経営改革に取り が他の人と重ならないメンバ 1 組んだりそなホールディングス (= は変わった。他産業からの銀行業参障 新は 6 人 ( % ) であった。取締 =) の例とも整合する。同社は、邦入や、金融と—e を融合した「フィ ンテック」の台頭などで竸争は激化教 役会における序列が高いほど、銀で初めて委員会等設置会社とな 東 他のメンノ ( ヾ 1 こも同じ大学出身り、社外取締役を活用して取締役会しており、銀行は経営改革が求めら 報 のガバナンスを強化した。無休店舗れている。学閥の持つ効率性は低下学 者がいる傾向があった。 員 立 一方、公的資金注入後は、同や営業時間延長などといったサービしたことを認識せねばならない 国 ところが、いまも監督当局の意向物ト じ大学は三つに減った。出身校スも他行に先駆けて実施した。 にいかに沿、つかを主眼にビジネスを守ス が他の人と重ならないメンバ 1 『日本経髜胆によれば、同社は は、Ⅱ人いる取締役会のほば半こうした改革の結果、リ 1 マン・シ考える銀行が多い。大半の銀行が午紲ミ ゲ分 ( 5 人 ) に増えた。この間、 ョック後の年 3 月に 3 メガバンク後 3 時に閉店し、預金・融資キャンペ教コ 員 1 ンなどのサ 1 ピスの展開の仕方も院工 銀行の収益性を測る最も一般的を大幅に上回るを記録、足元 銀行間で大きな差がない。これらは学 な指標とされる総資産利益率の年 3 月でも 3 メガより高い ( ⅱ業務純益 + 総資産 ) は 学閥と直接的な因果関係はないが、・舮 行 学閥などで形成された硬直的な組織 真 齪上昇し、経費率竈経費 + 利益 ) 学歴主義の雇用説却を 藤 線 佐 は低下している。 構造が遠因である可能性がある。 序 の こうした傾向は、全銀行のデ 日本の銀行は、高度経済成長期に 長い歴史や日本特有の雇用蠣打で 会 1 タで統計的に分析しても変わ護送船団方式の下、官主導で急拡大形成された学閥は、壊すことは容易大 締 岡 月はらない。学閥ネットワークが崩した。それゆえに横並び意識が強く、ではないだろう。りそなの公的 雄 9 れたことと経営効率化の直接的経窈率化の意識が他産業に比べて資金注入のように、経営危機にでも 9 資丸 な因果関係は、確実な立証が難低かったと一言える。高度経済成長期陥らない限り、難しいかもしれない。擲 1 的翫 公の ( 行しい。ただ、公的資金注入で大 における銀行の収益は、大蔵省 ( 当銀行業に限らず、日本社会全体が、学 胆な改革を迫られた銀行にとっ時 ) から支店許可を得て預金の入手「学歴」「学閥」に過度に依存する労玉 て、硬直的な組織は意思決定を可能性を高め、日銀から融資を得て働市場の非効率性を認識し、有能な 長 人材を活用しやすい雇用環境を整備 していくことが必要だろう。 改革で学閥崩れると利益率上がる 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ⑩ 97 年 5

10. 週間エコノミスト 2017年2月28日号

経営戦略 められた「殺されても放すな」とい 1 くの事例は、自社の優位を他社と係を希薄化することができた。この 門はうまくいかず、広告料の不正請 の相対で考えることの重要性やメ一一事例は、相手をいかに「取り換え可 う文言の入った「鬼十則」を、最高求も発覚して、火を噴いていた。そ ュー見直し、業態変更など成熟市場 ( 能な存在」にするかが、ビジネスを 2 裁判決後も、年まで社員手帳に載れが高橋さんの過重労働の負荷をい での大胆な転換の必要性を教える。進める際の基本になることを旅んる。 っそう大きくした。 せてきたことからも分かる。 ラ 1 メンチェ 1 ンの睾苑とハイデ著者が小気味よいテンボで次々と この事件は過労死防止法が制定さ 高橋さんは年 3 月に壅只大学文 イ日高の事例は、「多店舗管理の限繰り出す「成功の背景にあるメカ一一 学部を卒業。 4 月に電通に入社し、れ、「過労死ゼロ」に向けた国の取り 界」が、同一業態に集中することにズム」の説明は、読んでいて説得力 インタ 1 ネット広告部門に配属され組みが始まったなかで起き、最初の 3 かあり、引き込まれる。 「過労死白書」が出た日に公表され よって克服され、つることを伝える。 る。間月に本採用になってからは、 担当部署の人員が大幅に減らされた た。この事件では厚生労働省の監督 フィルムという「本業が消滅奔のもつ一つの特徴は、メカニ する」危機に直面した富士フィルムズム説明の合間に織り込まれる経営 こともあって、猛烈な長時間労働に ~ 責任も問われた。そのため強制捜査 a.J ホ 1 ルディングスの事例からは、企学の第一線の理論についての簡にし から書類送検に至る厚労省の動きも なり、、つつ病を発症した。 その月の残業は 1 カ月 100 時間早かった。安倍晋三首相も「働き方 業を表層の事業と深層の経営資源とて要を得た解説だ。富士フィルムの を超えた。パワハラ、セクハラもひ改革」の会合で、高橋さんの名を挙 0 いう一一重構造で捉える視点の大切さ ( 説明で登場する事業の多角化を生み 0 どかった。ツィッタ 1 やに を学ぶことができる。この視点があ成長をもたらす経営資源と、他社と げ、「悲しい出」として、電通事 ったからこそ、富士フィルムは、コ 残された言葉によれば、高橋さんは一件に触れざるをえなかった。 の差別化を生み高利益をもたらす経ト ダックとは異なり、事業領域の転換営資源とは異なり、それらを区別しス 男性上司から、「君の残業時間・・ : : は しかし、働き方改革では、「残業代 を成し遂げることができた。 たうえで使い分けることが重要だと 会社にと 0 て無駄」「女「劣がない」】ゼ 0 」を拡大し、過重働を助長す 「髪がポサポサ、目が充血したまま出る法案も出されている安倍内閣が アマゾンは、物流面でヤマトホ 1 するな議論は、その一例である。コ 勤するな」などと言われた。 本当に残業規制に踏み出そうとして ルディングスに大きく依存していた 社会を動かすフレ 1 ムワ 1 クを作工 が、一部ではあるが自前の物流ル 1 る力を身につけるには、どうすれば 広告業界に君臨してきた電通の経 いるのかを考える、 ? んでも、一押し トを構築したことによって、依存関よいか。考えさせられる一書である。 営も、デジタル領域のネット広告部の本である。 8 Q 一橋大学大学院商学研究科教授 そ 町 5 国立大学法人一橋大学理事・副学長 谷 0 8 沼上幹著 。藤原良房・基経瀧浪貞子著 ノ 5 考で・藤氏のはじめて摂政・関白したまう 思・選王朝政治の幕を開けた二人。 3800 円ア駆 セロからの第 抜る、 えき ). 京 0 〃 倉本一宏著 、不 3 田 考生 。藤原伊周・隆家 をを、和 祚 7 0 0 ・禍福は糾へる纏のごとし道長に敗れ 略ま 6 -J 格 OOOO 円〒正価 し兄弟、その悲運。 日本経済新聞 1 東洋経済 1 / 幻号ほか 紹介記事続々 * シリーズ」」ケースで読み解く経営学① 四六判美装カバー頁 20 。。円刊行後忽ち重版ー こる -0