「なんだ、めんどりさん、たまごがうみたかったのか : ゆでたまご、もうできてるかな。」 こえ ゥーフは、いそいでうちへかえりました。おおきな声で、おかあさんをよ びました。 「おかあさん、ゆでたまごはまーだ ? 」 「はい、できてますよ。」 おかあさんがウーフのてに、ほやほやゆけのあがっているゆでたまごをく れました。 ゥーフはおなかがすいていたから、ばくんとそれをたべちゃった。それか らね、うれしそうに、 「う 1 ふう。」 って、ためいきっきました。 あらら、ぼくの 168
「。ほんって、たまごをわったでしよう。そしたら、 。ほんってたまごがでてきたね。きのうも、そのま えもそうたね。」 「そうよ。たまごがどうかしたの、ウーフ。」 と、おかあさんがたずねました。 「どうかしないんたね。たまごって。」 かんしん ゥーフは感心して、ためいきをつきました。 「。ほんとわったら、いつもきまったものがでてくる んた。。ほくならなんでもよくまちがえるのにねえ。 ちっともまちがえないね。」 「それ、なんの一、となの。」 「あのね、たまごの中からビ 1 ー玉やら、マッチなんか なか
おなかのすいたくまの子ゥーフ 力しいました。 「おかあさん、なにかちょうだ 「あら、なにもないの。たまごが 一つあるだけよ。」 と、おかあさんがいいました。 「ゆでたまごにして。」 と、ウーフがたのみました。 「まだ、ゆでたまごできないの。」 「まだよ。もうす一、しまってね。」 こ
そのとき、おかあさんがウーフをよびました。 「ウーフ、はやくおきておいで。すてきなものがまってるわ。」 ゥーフは、さむいのもわすれて、おだいどころへかけていきました。 おかあさんは、小さなおなべでゆでたまごをにていました。 ゥーフはたずねました。 「おはよう、おかあさん、すてきなものってだるまさんでしよう ? 」 おかあさんは、ときどき、ゆでたまごをあかくぬって、だるまさんをつくっ てくれるのです。 「ちがうわ。」 おかあさんは、わらってくびをふりました。 「ウーフ、そとをみてごらん。」 171
ひ 「じゃ、・ほくのなかに火があるんだね。だからじようき機関車みたいに、白 きかんしゃ いけむりがでるのかな。じようき機関車はストーブみたいに、せきたんを たいてるんでしよう。」 「そうだよ、ウーフ。さあ、ウーフ機関車もせきたんをたかなきや、げんき がなくなるそ。」 と、おとうさんがわらいました。 「ウーフのせきたんは、ほら、ミルクとはちみつとゆでたまごと、サラダと パノよ。」 と、おかあさんがいいました。 「わっ、きようのゆでたまごは白いだるまさんだ。ゆきだるまだね。いただ きまーす。」 と、ウ 1 フカいいました。 しろ きかんしゃ きかんしゃ しろ 183
ゆでたまごまーだ
ゥーフはなんにもなれないか ? ①ゥーフはなんにもなれないよ 2 ちょうちょはひょこだったの ? 3 あたしもなめさせて / ゆでたまごまーだ くまの子ゥーフゆきのあさ 、めとか医 解説 / 岩崎京子 186 151
収録作品について ポプラ社の創作童話 11. 「くまの子ウーフ」 ( S . 44.6. 刊 ) 「ウーフはなんにもなれないか ? 」カラー版創作えばなし 4. ポプラ社 ( S . 47.4. 刊 ) ちびっこ絵本 12 「ゆでたまごまーだ」ポプラ社 ( s. 43.5. 刊 ) 絵本のひろば 10. 「くまの子ウーフゆきのあさ」 ポプラ社 ( S . 50.2. 刊 ) 1997 年 11 月第 94 刷 1977 年 5 月初版発行 日本の名作文庫・ J-I くまの子ウーフ 著者神沢利子 井上洋介 画家 田中治夫 発行者 株式会社ポプラ社 発行所 東京都新宿区須賀町 5 ・〒 160 ー 8565 振替 00140 ー 3 -- 149271 電話 ( 営業 ) 03 ー 3357 ー 2213 ( 編集 ) 03 ー 3357 ー 2216 ( 受注センター ) 03 ー 3357 ー 2211 FAX ( ご注文 ) 03 ー 3359 ー 2359 須藤印刷株式会社 印刷所 大和製本株式会社 製本所 Designed by Tomohisa Umano ◎神沢利子井上洋介 1977 年 ISBN4 ー 591 ー 00869 ー X N. D. C. 913 / 190P / 18cm 落丁・乱丁本は送科小社負担て、お取りかえいたします。 ご面倒て、も小社営業部宛お送り下さい
神沢利子 一、のくまの子ウ , ーフ文庫版には、「くまの子ゥーフ」の他、絵本絵童話の形 式で発表された「ゆでたまごまーだ」「ウーフはなんにもなれないか ? 」「く まの子ウ , ーフゆきのあさ」を合わせて入っていますので、まったく、ウ , ーフ の本になりました。 しじよ、つ 最初に主婦之友誌上に「さかなはなぜしたがない」「おっことさないものな んだ ? 」等を発表し、それに新たに書き加えて、一九六六年の創作童話シリー ズの一つとして出版されたものが、もともとの「くまの子ゥーフ」です。ま だ創作出版の少ない頃でした。井上洋介さんのすはらしい絵をいただいて、 わたしの心の中のウ , ーフは、生きたウーフになり、子どもから大人までたく あとか 0 ぶんこばん 184
でて一、ないねってこと。」 「あらら、たいへんだ。」 め ウ 1 ーフのおかあさんは目をまるくしました。 「。ほんとわって、たまごの中からマッチがでてきた ら、ウ 1 フの朝の。一、はんはどうしましよう。」 ゥーフはおさじで、たまごのきみをすくってなめ ました。 「たまごはなんでできてるの。きみと白みでできて るんだねえ。」 「そうだよ、ウ , ーフ。」 しんぶん と、新聞をみていたおとうさんがいいました。 「一、のおさしは、なんでできてるの。」 あさ しろ