あわゆき 森にふりはじめた淡雪。ふっ てはきえ , やがて凵月下旬 , 夜 きおん 中の気温が 0 度以下にさがる と , とけない根雪となります。 力、つい「しゅん ど、、カ、 なか カつどう ←ふりつもった雪の中で活動を つづける工ゾリス。おとなの リスのからだも , すっかり長 い冬毛につつまれています。 ふゆ tf ( しいろそら 木ぎが、小えだを寒ざむとした灰色の空 にかざし、そのあいだを木がらしがふきぬ けていきます よっり 十一月四日、とうとうエゾリスのすむ森 おおゆき に大雪がふってきました。冬が森をつつん でしまったのです。 すがた もう、どこにもシマリスの姿はありませ っちなか ん。木の根もとや土の中のねぐらにもぐっ てしまったのです。 シマリスとちがって、エゾリスは冬ごも ほそ ) をしません。ねぐらには細くさいた木の さむ 皮をしきつめ、冬毛で身をかため、寒さや うえとたたかわなければなりません。 やってきた冬 の、 32
カー ) どう 木のまたにはさんだり 冬のあいだも活動をつ 土の中にうめこむ。 づけている。 0 0 ふゆ 木の実を手でもぎとっ くち てから , 口にくわえる。 クルミ , イチイの実 , コクワの実 , 木の芽。 っち ゃい類 っちなか 土の中にほったねぐらにこもって、たくわえておいた木 い草み実 ふゅ の実を食べてはねむる冬ごもりにはいります。だから、 ゆき ンイ雪の下にうずもれた木の実は、エゾリスだけのものにな るわけです。 地域によって 多少ちがラ 、ふゆ たくわえ おもな食べもの 冬ごしのようす 地下のねぐらで冬ごも りをする ( Ⅱ ~ 地下のねぐらの部屋に たくさんためこむ。 力、つ ・シマリスの巣 シマリスのねぐらは , いくつもの 部屋にわかれています。ふんをする 部屋 , えさをたくわえる部屋などが あります。いちばん奧の部屋で冬こ もりをします。空腹になるとめざめ , えさを食べてからまたねむります。 した おく ふんをする部屋 ふんをデ ) する部屋に、みー えさをたくわえる部屋 りや屋 も部
・わが国のリスの分布 工ゾリス シマリス みせ ※ペットを売っている店でみかけるシマリ スは、ふつう朝鮮から輸入したチョウセ ンシマリスです。 ー′、ンリス タイワンリス はっ力、、どう 北海道をのぞく日本全土にすん でいます。 ちい 工ゾリスよりからだがやや / トさ く , 毛も短めです。冬ごもりはし ません。 ふゆ 夏 , 冬で毛がわりをします。冬 なが は耳に長い毛がのび , 夏は , その け たいちょうやく 毛がぬけおちます。 ・体長・約 20 尾の長さ・約田 しんりん はっ力、いどう ■工ゾリス 北海道の森林にすんでいます。 でも , あまり高い山にはいません。 おお ニホンリスよりもやや大きく , つよ くろ 毛深く , 黒みが強いのが特ちょう です。冬ごもりはしません。 ふゆ ふゆ 夏 , 冬で毛がわりをします。冬 け なが は耳に長い毛がのび , 夏はその毛 がぬけおちます。 げんさん タイワン原産のリスです。伊豆 いすおお ほんしルう 大島や本州の森にいます。伊豆大 島では , ツバキの実を常食にして いるようです。 け ふく からだの毛があらく , 腹部は白 はいいろ くなく , 灰色がかっています。 け なが 毛がわりはしません。耳にも長 ・体長・約 23 尾の長さ・約 206 い毛がありません。 はっかいどう ・シマリス 北海道の草原 , 森 , 高山にかけ てすんでいます。背中に走ってい やくめ るしまは , 地上では保護色の役目 をしているとおもわれます。 くち ロの中にふくろ ( ほほぶくろ ) き み があり , そこに木の実をつめて , ねぐらにはこびます。冬は , ねぐ ・体長・約図尾の長さ・約にらにこもって冬ごもりをします。 0 らようせん 0 べつめ、、 0 ニホンリス ( 別名ホンドリス ) につ一一んせんど け みしか け なが ちじよう じゅじよう もり まっかいどうおな スとシマリスは北海道の同し森の中でも、樹上と地上と にわかれてすんでいます。タイワンリスは、はしめは伊 はんしゅうさんちゅう さいきん すおおしまちほう 豆大島地方だけでしたが、最近では、本州の山中でもみ られるようになりました。もともとタイワン産のリスで すが、飼育していたものがにげて野生化したものです。 やま 0 なが お たいちょうやく ・体長・約 25E 尾の長さ・約 20 ■タイワンリス おおしま しようしよく み なか やせいか たいちょうやく やく なが こうさん はし そうげん さ ん なが お たいらようやく
←ドングリをあつめるシマリス。十月下旬に っち 土の中のねぐらで夂、ごもりをはじめます。 たくわ、ん とちゅ、つで、ときどきおきては、 た木の実を食べて、またねむります。 なか ふゅ がっげしゅん ←工ゾリスが木のえだの またにはさんた々 / ルミ なわはりのしるしでし よ、つか、それともたく わえの一つでしようか なか っち ←木の実を土の中にかくす工ゾリス。 冬のえさとして , のこしておくつ もりなのでしようか。冬 , 地面は ゆき ラ架い雪、でおおわれてしまうのに どうしてみつけるのでしよう一か。
あさ 朝の 6 時ごろ , えさをさがしに木 からおりてきた子リス。まだうす 暗く , しかも , 一日のうちもっと きおん も気温が低い時間帯です。 じかんたい ー b き ←雪の森をかけまわり , 雪まみれに な 0 てえさをさがすリス : 冬をの りきるには , 長い冬毛と厚い皮下 月旨月方だけではまにあいません。や えし、よう はりえさを食べて栄養をとらなけ ればなりません。 っ : 、ゆ・け ↓もり ゆき 森がすっかり雪にとざされると、めつき ) 工ゾリスの姿をみかけなくなってしまい ました。えさをさかしにねぐらをでてくる すうじかん のは、なぜか早朝、日の出からの数時間だ けです。日中は、ほとんどねぐらにこもっ てしまい、でてきません。 二月二十五日。朝の六時ごろ、ねぐらか らおりてくるエゾリスをみつけました。す ふゅげ つかり冬毛におおわれたからだは、ひとま おお わり大きくなったかんじです。 ときどき立ちどまっては、あたりをみま わします。どこかに、おなかをすかしたキ ツネがひそんでいるかもしれないのです 深い雪の中で かっ につちゅう すがた そ、っちょう にちあさ ひ で
早春のくらし ( 三月上旬 ) A き 木のえだにつもっていた雪がとけだ きたぐに はる し、北国の森にもやっと春のきざしが きおん みえてきたようです。日中の森の気温 「も、一 5 二度ぐらいまであがります。 かつどう 工ゾリスの活動がさかんになってき ふゅ あさ ~ ました。冬のあいだは、早朝から朝の 十時ごろまでしか姿をみせなかったの ひる 。じゅど、つ ゆき ゆき わか にはもどらないで、木の根もとの雪を ゅ切り株につもった雪の上でとびはねる若いリス。 はれた日は、午後の三時ごろまで雪の下から、え えさをあさっています。 さをさがします。 たか あんせん もう、冬毛ではあっくるしいのでし ←高い木のえだにのばり、まわりの安全をたしかめ わか ちか ながら毛づくろいをする若いエゾリス。春が近づ さむ ふゅげ ようかえささがしのあいまをみては、 くと、寒さから身をまもってくれていた長い冬毛 がむすがゆくなるよ、つです。歯でかんだり、後ろ さかんに毛づくろいもしています。 足のつめでかいたり、からだをまるめたり、よじ ったりしながら、さかんに王 ) づくろいをします。 あし かぶ はる すがた かっしようしゅん につちゅう そうちょう
ロ 0 ーロ ロ 0 ロロ D 、、ロロロロ 工ゾリスの既察をつづけているうちに、わたしは、ふと、 ねんかんへいきんこうどうじかん ・エゾリスの一年間の平均行動時間 したせん 、一うどうか、 うえ へいきん 下の線は行動開始の時刻の平均、上なぜだろ、つとおも、つことにしばしばであいました。 こうどう せん じこくへいきん の線は行動がおわる時刻の平均です。 へいきん 工ゾリスは、秋、ひろった木の実を、こっこっ、葉の下 平均すると、だいたい日の出とともに 、」うどう 力いーし 行動を開始しているようです。 、ヤつどうレ ) かん ふゅ みしか や土の中にかくしたり、木のまたにはさんだりします。′ 行動時間は夏ほど長く、冬ほど短い かずすく 》か・ん - け - い ことがわかります。昼の長さと関係あ くわえ〃にしては数が少なすぎます。もしかしたら、大むか こうどうじ ふゅ じだい そせん るのでしよ、つか。そして、冬は行動・時 カんたい あさがた し、エゾリスの祖先の時代には、シマリスのようにたくわ 間帯が朝方にかたよっています。 えるくらしをしていて、そのなごりなのかもしれません。 ゆき ふゅ 冬になると、エゾリスは頭から雪の中にもぐりこんで、 ちゃんと木の実をさがしだします。それは五回に一 5 二回 しったいなんでしよう。 ぐらいの正確さです。てがかりは、 ) ふゆかつどうじかんたい 工ゾリスの冬の活動時間帯もふしぎです。工ゾリスは、 まふゆかつどうかいし もっと きおんひくそうちょう 真冬の活動開始が、最も気温の低い早朝です。十時ごろに はねぐらにもどって、ねむってしまいます。なぜもっと気 じ - プ、 おんたか こうどう 温が高くなる時刻までまって、行動をしないのでしよ、フか。 そと ふぶきの日には、エゾリスはねぐらの外へはです、一日 しよう 中とじこもったきりです。おそらく、体力をできるだけ消 もうさせないためなのでしよう。 * 工ゾリスの一年 午後 2 時 っこ 0 なっ せん 午前 4 時 い 974 年 ~ きろく 円 78 年の記録 ) ねん わん ー 2 3 4 5 6 7 8 9 田Ⅱに月 じゅう っちなか せい・刀′、 あき あたま なか おお した
まだまだ、きびしい日ひが つづきます。 なんびきの子リスが ふゅ この冬を無事にのりこえて、 はる 春をむかえることでしよう。 ゆき ・きようも雪に足あとをのこして、エゾリス かえささ力しに・走りまわります。 あし
ははおや 夏のねぐらでやすむ母親リス。夏に 力、世とお なると , ねぐらは , 風通しのよい場 所がえらばれます。えだのつけねや 葉のかげにかくれて昼ねすることも あります。 ちちおや ←クルミの実をとって食べる父親リス。 まえあし 工ゾリスは , 前足で , まだじゅくし ていない実をもぎとります。そして , まえば かわ 前歯で皮をむきとってたねをとりだ し , わって中身を食べます。 ふゆげ ・冬毛 ・夏毛 なかみ なっげ よもり きた、に 北国の森に、夏の暑い風がながれ てきました。木ぎは、すっかりみど ) の葉につつまれ、森はエゾハルゼ こえ ミの声であふれます。 このころになると、エゾリスのえ さは、木の芽や葉から、まだじゅく していない木の実にかわります よもり なか 森の中で、親リスたちをみつけま ち′みんオ . した。からだっきか、すこし小さく はる , 赤なったようにみえます。春まではと がってみえていた耳が、まるくなり なかふゆけ 。のました。それは、長い冬毛がぬけお なっけ ちて、短い夏毛にかわったからです。 ちゃいろ 夏毛の季節 ( 六月中旬 5 八月中旬 ) なつあっかぜ みじか きせつ がっちゅうしゅん みみ がつらゆうしゅん
力、つ 力、つ 力、つ おおゆき ・ 4 日、大雪。子 あなま スが、頭 ( こョを , かぶって、つすくま 月 ねゆき ・Ⅱ日、森は根雪。 工ゾリスの行動時 そうらよう 問が、早朝から昼 までによった。 0 1 2 月 月 冖月 / ズ ・ー日、かたし / ノ ; 、レニレの冬芽を 食べる子リスを発見。まだ、うえ とのたたかい はつづく 0 を / 彡 / ノ ひる い 0 0 0 ・ 4 日、子リスが がわ えだのうら側で、 コケを食べていた。 ・おとなのリスも 京ゅげ すっかり夂、毛につ つまれている 0 0 、 1 0 0 0 ふゅめ 0 0 0 0 等・緲・ヾ、贒 0 0 0 0 ・絽印、気日」、 〉を氷点下度。工 广ゾリスは、木の ) 根もとの雪に頭 か、り・もた、・こみ カノル、、、」、カーし 1 だしていた。 0 ・ 7 日、朝 7 時、 一子リスが、深い雪 わけてはすすんで いく。、えさをさカ しているのだろ、つ。 0 ワウ以 C ・ 0 あさ 0 0 0 し諸 ・森は雪にとざされた。 ・灰色の雪雲が、北国の空を おおいつくす。 をきせつやぐ ・積雪約リメートル。 ・雪のふる森の中を、キツツ キが、せわしくとびうつりな がら、えさをさがしていた ・不をほじくる「 ) とに、・木・の ずが雪の上におちた。 ・ミャマカケスが森のおくか ・、らやってきた。 ・クマタカが森の上空をとん でいた。えものをさがしてい るのだろう。 ・ウソ、マヒワが、カッラの 実を食べにきた。 ・イスカが、カラマツの実を ついばんでいた。 ・雪の上に、エゾリスの毛が ちらばっていた。クマタカに おそわれたのだろう。 ・キタキツネが、雪の上にう ずくまっていた。ちかよって も、つごかない。ど、つやら、後 あし ろ足にけがをしているよ、つだ。 ・早朝、雪の上に、さまざま な足あとをみつけた。キタキ ツネ、エゾユキウサギ、ヤチ ネズミなど。冬のあいだも夂、 眠しないけものたちだ ・冬鳥のオオモズが、この森 にもやってきた。 そうらよう あし ふゅどり