乗り心地 - みる会図書館


検索対象: カーグラフィック 2016年12月号
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1. カーグラフィック 2016年12月号

[ T h e S p r i t ] B r i t i s h 飛び出したり踏み増したりすることもなく、右足の動きにピタリと 合致してべンティガはスルスルと走り出す。この時、タイヤから の入力はほとんど感じず、まるで毛足の長いカーベットの上を 走っているようで、路面状況はステアリングからの振動以外に 知る術がない。つまりステアリングの付いていない運転席以外 のシートに座っている客人は、極めて快適な乗り心地だと感じ るはず。速度を上げていっても大きな変化はないままこの乗り 心地は持続する。ェアサス ( 空気ばね + 電子制御式可変ダン パー ) の採用する理由のひとつは乗り心地の向上だが、もうひ とつは車高調整が可能となる点にあって、標準よりも高いモー ドがふたっ、低いモードがひとつの計 4 種類の車高を選ぶこと ができる。また、トランク内に設けられたスイッチでも車高は下が る。荷物の積み降ろしやトレーラーを連結する作業を想定して の装備だそうである。 べンティガには「べントレー・ダイナミック・ライド」と呼ばれるア クテイプ・ロール・コントロールも装着されている。基本的にはア ンチロールバーをアクチュエーターでねじってロールを制御す るお馴染みの機能だが、ポイントはこのシステムが 48V の電圧 を使用していることにある。 48V のメリットは反応時間の短縮と、 より多くの力を発生できる点にあり、重心が高く重量も重いこの を 40 : 60 とし、前輪にも後輪にもしつかりとトラクションがかかる 種の SUV の動きをコントロールするには都合がいい。 ので、 4 輪でしつかりと路面を提えてぐんぐんと前へ進む。 ロール方向のボディの動きを巧みに抑制するので乗り心地に べンティガの乗り心地や加速感やエンジンの回り方には、共 も寄与する一方で、右へ左へステアリングを切り返すようなワイ 通の匂いのする質感が漂う。ひと口に " 上質 " といっても実際に ンディングロードではその威力を存分に発揮する。まるでターン はいろんな種類の上質があるのだけれど、このクルマの場合は インから旋回中にかけてだけ重心が下がるような ( あるいは重 動的性能の各部をチューニングして揃えたかのように質感の 心の高さが気にならないような ) 感触があり、同時にタイヤの接 種類がびたり合っている。合わせようとしたのか、あるいは自然 地面変化も重量級 SUV にしては少ないので、終始安定したコ にそうなったのかは定かでないけれど、おそらく後者のような気 ーナリング姿勢を取ることができる。「グラッ」とか「ヒャッ」とか がする。各工ンジニアがべントレーというクルマのあるべき姿を は皆無。 2.5 トン以上の SUV をここまで安定的に走らせることが 明確に共有しており、それに従って開発をすると自動的に所定 できるのは、電子制御デバイスの成せる技であり、こうした技術 の枠内に収まるのではないだろうか。 の進歩がなければこんな SUV は商品化できなかっただろう。 こんなクルマが我が物顔でオラオラと街中を何台も走り回る ようになったらあまりいい気分ではないけれど、完全自動運転の 12 気筒工ンジンは、フォルクスワーゲンがいまだ神棚に上げ ず、グループ内の上級モデルに積極的に採用している W12 気 機能は付いていないから、そういう走らせ方をしているのはドラ 筒ツインターポユニットである。 6000rPm 以上までストレスなくき イバーであってべンティガのせいではない。大型 SUV としてはよ く出来ているのだから、みんながこのクルマに嫌悪感を抱くよう れいに吹け上がる一方で、 1250rPm から最大トルクの 900Nm な運転をドライバーがされないことを願うばかりです。 0 を発生する。排気量は矼もあるので、ターボラグはほとんど感じ ない。スロットルペダルを深く踏み込むと、スペックから想像する ような過激な加速を期待してしまうが、さすがにこれだけの重 量があるとそうもいかない。ただ、日本では手に余るほどの加速 であることも事実で、粛々と猛烈なパワーを発生する。トルセン 式のセンターデフを持つ 4 輪駆動システムは前後のトルク配分 ノ度重なる改良を繰 り返してここまで 生き永らえてきた W 1 2 気問工ンシ ン。直噴とポート式 の燃料噴射方式を 状況によって使い 分ける。メーカー公 表の 0-100kE / h 加速は 4.1 秒で、最 高速は 301km / h に達するという。 この写真だと SUV のコクビットに は見えないかもしれない。基本的 にはコンチネンタルシリーズと同 様のデザインと仕立てである。 1 台 当たりに使用されるウッドバネル は 1 5 枚。すべて職人の手作業によ るものだ。リアシートは 3 人掛けか ふたり掛けを選択できる。 BentIey Bentayga 全長 x 全幅 x 全高 : 5 1 5 0 x 1 9 9 5 x 1 7 5 5 m m ーホ ィールべース : 2 9 9 5 m m ー 車重 : 2530kg ー駆動方式 : 4 W D ーエンジン : 5 9 5 0 ( ( W 型 1 2 気筒 D 0 H ( ツイン ターポ ( ボア x ストローク = 8 4.0 x 8 9.5 m m ) ー最高 ーーー出力 : 447kW ( 608P5 ) / 5250 ~ 6000 「 pm ー最大ト ルク : 900Nm ( 91 .8mkg ) / 1250 ~ 4500 「 pm ーギア ポックス : 8 段 AT ーサスペン ション : 前マルチリンク / 工ア スプリング後マルチリンク / 工アスプリングータイヤサイ ズ : 前後 285 / 40ZR22 ー車 両本体価格 .2695 万円 CG16-12 65

2. カーグラフィック 2016年12月号

G TERM TEST が、やはり「このくらい」という体感的な部 分は、車と直接付き合うなかで知っていく ほかないところもある。担当者のなかでも A4 のシステムは「こういったシーンで誤判 定を出し易い」という経験値が少しずっ積 み上げられてきている。車はこれまでになく " 環境化 " してきていると感じる日々である。 派手さはないが、平穏である 走行距離は 4000km を超えたから、足 回りもタイヤも確実に一段階馴染んだと 言っていい頃だろう。現に乗り心地は納車 時よりも明らかに柔和になった。 CG A4 は FWD モデルで、 205 / 60R16 サイズのタイ ヤを履いていることからも分かる通り、肩 のカの抜けたべーシックな仕様である。サ 少し前までアウディと言えば、大量のスイッチ類が真っ赤に光るインテリアが特徴だった。最新の A4 ではご覧のように白 スペンションのセッティングは最近の水準か いイルミネーションが基本となり、赤は数えるほどになった。今の方が端正な印象があって担当者は好みに合っている。気 らは相当柔らかい部類と言え、高速志向 に入っていると言えばダッシュポードからセンターコンソールまでサラリとしたマット加工で統一されていること。簡単に 埃を払うことができ、指紋も傷も残らない。一番苦手なのはピアノブラックで、直射日光が当たったときの大量の傷と埃と が強いドイツ車としては珍しい。「アウディ 指紋を見ると・ もべーシックな仕様だとこんなに古典的な 乗り心地なんだね」との感想を頂戴するこ る方が、現状の 16 インチに固執するよりも 郊外路。オートハイビーム・モードにしてお ともしばしば。業界の事情だがおよそ試乗 良い結果が得られるかもしれない。 けば、対向車や前走車が現われたら、そ 車というものは、写真映えの考慮もあって、 の周辺だけ消灯してくれるので、一切の労 ・・・等々、気になる項目もあるけれど、 大きなホイール ( ときに前後異サイズ ) や車 力なく最大限の視界を確保し続けられる。 A4 アバントはプレミアム D セグメントのなか 高の低いスポーッサスペンションを装着し では保全を訴えたいほど稀少な存在とも 左右幅も広く、路肩まで照らしてくれるの ていることがほとんど。乗り心地だけを考 は、特に一般郊外路では心理的な安心に ロえる。これだけトルクのあるエンジンにも えれば、そういった仕様は明らかに不利な かかわらず「エモーショナル」や「刺激的」 つながる。 のだが、決してスポーティなハンドリングが といった言葉に縁遠いのは事実。デザイン この LED ライトは運転者には良いことづ 必要でなくとも「なんとなくアクテイプなルッ くめだが、ときに明るすぎないかと心配する だってインテリアを除けば先代から代わり クスで格好いい」という見方も理解できなく こともある。指向性が強いので、通常では 映えもしない。だがカチっと折り目正しい、 はない。 平穏な自動車生活を求める人には実に向 ロービームが歩行者の目を直撃することは " 丸いタイヤ " が好きな担当者としては ないが、横断歩道の子供はどうだろう。ま いている選択支だ。ドイツ車好きの中でも 現在のサイズから変更したくはない。ロー た路面に傾斜があったら ? アウディでの資 特に「静かな満足感」を好む層には打っ プロファイルに比べるとステアリングレスポ てつけではないかと思う。最近の輸入車日 料は発見できないが、メルセデスが CLS で ンスはやや甘く感じるものの、高いサイド 新型 LED ライトを初搭載したときの文書に 本市場はスポーティ・ティストが持て囃さ ウォールがしなやかにたわむ接地感覚に れ、どちらかといえば、派手なものより良い は、ハイビームの到達距離はなんと 485m は、やはり独特の心地良さがあり、捨てが 意味で " 普通 " のグレードを探す方が難し とある。ロービームとてその 1 / 10 のパワー たい。ただそうは言っても快適性は完璧で ということはあるまい。 A4 の納車直後、自 いくらいなのだ はなく、注文を付けたい点もある。大きな 宅駐車場に乗って帰ると、目前のマンショ ギャップを通過するなどの場合、足回りが 性能が高すぎる ? ンの 1 室が昼間のように照らされていること ドコドコと暴れる症状が見られることはよろ に気がついた。工事現場の投光器を思い しくない。納車直後はそこにダンパーの渋 話は変わって、 CG A4 には LED マトリク 起こす明るさ。思わずライトを消して、残照 ーー。。ーみも加わっていたので、いまは状態がいく スライトのオプションが付いている。いわゆ 効果もオフにした 6 数年前に担当していた ぶん良くなってはいるが、サスペンションの トヨタ 86 は着座位置が低かったので、夜は る首振りによって光軸そのものを動かすの 柔らかさに比較して、いかにもバネ下が重 ではなく、指向性の強い数多くの LED を とにかく対向車のライトが眩しくて困ったこ そうな印象は ( 当然ながら ) 減ることはな ともよく記憶している。明るいライトは事故 点灯し分けることで、通常のライトでは実 い。 16 インチの軽量鍛造アルミホイールは を減らす効果もあるが、逆に目眩しを食らう 現し得ないフレキシプルな照射を可能にす チョイスが少なそうだから、 17 インチあたり としばらく派手に残像があるから、それは るものだ。もっとも効果を発揮するのは、街 で探して、そこへ軽いタイヤを組み合わせ それで困るときもある。 6 灯の少なく、交通量もまばらな高速道路や 0 0 0 0 0 ( G16-12 151

3. カーグラフィック 2016年12月号

[ T h e S p r i t ] B r i t i s h クを手に入れて、往年の名文句である " 操作すること自体が楽 しみとなる " シフトレバーへと生まれ変わったことは大書すべき点 だと思う。 目新しい点として次に挙げたいのが、以前よりも 4 輪の総和グ リップカが増したように感じられること。タイヤはエキシージ S 時 代からサイズも銘柄 ( ピレリ P ZERO CORSA) も変わらない が、それにもかかわらず車体が滑り出す速度域が高くなり、ロー ドホールディング性がさらに良くなったような気がしてならない。 この点を輸入元のエルシーアイ ( 株 ) に尋ねると、ビルシュタイン・ ダンパーの設定が変わって減袞値が引き上げられたこと、加え てアライメント面でもネガテイプ・キャンバー値が増やされたとい う回答を得たので、それらが関係していると想像できる。 では、肝心の 51kg の軽量化の効果はいかほどか。これは正直 なところ分かり難い。エキシージ S とエキシージ・スポーツ 350 を同 時に乗り比べないと正確にはなんとも言えないが、それは叶わぬ ょっと手強いかもしれない。だからこそ乗り慣れている人にとって ことなので、懸命に過去のエキシージ S の記憶をたぐり寄せてみ は、もうたまらない魅力となる。しかも車重は車検証記載値を見る る。すると思い当たることが一件だけあった ! 以前、エキシージ S と 1150kg しかなく、そこに 350PS の SC 付き工ンジンを搭載するか がハードコーナリング中に、タイトコーナーに限って見せた挙動。強 らパワーウェイト・レシオは 3.28ps / kg と目覚ましい。挙動はこのう いプレーキングを与えて前のめりの姿勢になった瞬間、背負い投 えなく軽快で、しかも全高はわずか 1130mm に過ぎないから、地を げをするかのように、頭上にボディ後方が覆い被さってくるような 這うように低い姿勢でのコーナリング・スピードは麻薬的に速い。 挙動が感じられたのだ。けれども、こうした不穏な気配は、エキシ アイバッハ・スプリングとビルシュタイン・ダンパーの組み合わせ ージ・スポーツ 350 からは看取されない。もし、これがリアガラス付き がもたらす乗り心地が良好なので、この点に関しては不満は覚え テールゲートから樹脂製テールゲートへ変更したことが少なから す関係しているのなら、幾ばくか重心が下がったことの成果と言 ないものの、そのいつほうでアイドリング時はクラッチのレリーズベ えるだろう。さらなる真髄を追求したいという本音があるのは事実 アリングからのカタカタとしたチャター音、加速中はギアノイズやス ーパーチャージャー音、もちろん背後の V6 ユニットの咆哮も聞こ だが、残念ながら現状で推測できるのはここまででしかない。 えてきて室内がなにかと騒がしいことは事実である。もっと静かで さて、いまどき滅多に見られない前輪 205 / 後輪 265mm とい う極端なタイヤ・サイズ差のクルマをどう乗りこなすかという、工 運転し易いスポーッカーをお望みならば他を当たるべきだが、工 キシージほど乗り心地や耐候性など実用性を犠牲とせず、限りな キシージの取っつき難くそうな特性の話に戻ろう。ステアリングの 反応はシャープではなく、むしろ多少おっとりとしているくらいだ くフォーミュラに近い挙動を示す挑戦しがいのあるピュア・スポー ッカーは、昨今、他には見当たらないのではなかろうか。 0 から、通常のタイミングで操舵を始めると切り遅れて、いわゆる " 手アンダー " を出してしまうのがオチである。だからワンテンポ 早めに切り始めれば良いのだが、ただし急に切り込むと前輪が 205 サイズと細いためグリップを失う恐れもあるので、あくまで「ワ ンテンポ早めに、ただし、ゆっくり丁寧に切り込んでいく」ようにす る。この操舵方法を前提として、以下の 2 点が要点となる。 1 ) 後輪が太いためコーナリングフォースが前輪よりも勝るので、 後輪間の中央付近をピポットとして、ステアリングを切るとノーズ が左右に動くといった挙動が主体となる。 2 ) そしてヨーが発生した時に、車体の中心あたりに回転中心が 来るように ( 位置するように ) 、ステアリングを切り込んで調整す ることがポイントとなる。 これら 2 点を考慮してステアリングを切る量とタイミングを図ると、 ー。。。。。。上手にターンインの姿勢を形成することができる。そして初期のロ ール姿勢が形成されたら、そこからは前後輪にできるだけ均等に 荷重が掛かるようにして旋回していく、というミドシップのセオリー 通りの乗り方になる。だから反対に言えば、車体もミドシップのセオ リーに反した動きは絶対にしないので、その意味では安心感は高 い。このあたりはフォーミュラやカートに乗り慣れている人であれば すぐ理解して乗りこなせるようになると思うが、そうでない人にはち ・品川 350 ・ 3 50 LOtus Exige 5P0 「 t 350 全長 x 全幅 x 全高 : 4 08 0 x 1 8 00 x 1 1 3 0 m m ーホイールペース : 2 3 7 0 m m ー車重 . 1125kg ( カタログ値。車検証記載値は 1150kg 凵駆動方式 : RWD ーエンジン : 3456 ( ( V 型 6 気筒 DOHC スーバーチャージャー付き ( ボア x ストローク = 94.0X83. Omm ロ最 高出力 : 258kW ( 350P5 ) / 7000 「 pm ー最大トルク : 400NE ( 40.8mkg ) / 4500 「 pm ーギアポックス : 6 段 MT ーサスペンション : 前後ダブルウィッシュポーン / コイルスプリング ータイヤサイズ : 前 205 / 45ZR17 88Y 後 265 / 35ZR18 97Y ー車両本体価格 : 972 万円 ( テスト車価格 : 1050 万 8400 円 ) ・品川 350 ・ 71 CG16-12

4. カーグラフィック 2016年12月号

4 ・品川鬩お この 2 台の印象を踏まえて言えば、 308SW は両者の中間を行 鮮やかなマナーの足を持つ一方で、今ひとっキレが感じられ く、いい塩梅の乗り心地を示してくれた。 308SW は唯一足回りに なかったのがレヴォーグの 1.62 ボクサーユニットと CVT の所作 " 飛び道具 " のない、べーシックモデルと同様のセッティングに 18 である。伝統の水平対向 4 気筒は 170PS / 250Nm と、 3 台の中 インチを組み合わせたもの。ワゴンモデルでは特に積載性に配 でもっともパワフルで、急坂をものともせず 4WD のトラクションの 慮してリアサスペンションを固める傾向にあり、それが突き上げ 高さを利してグイグイ駆け上がっていってくれるのが頼もしい。 感を助長することもままあるが、 308SW のそれはストロークもし ただし、ドライバーが望むパワーと CVT が紡ぎ出す実際のそ っかりと確保されていて、路面の凹凸をしつかりと吸収しボディ れには少し乖離があることが、この CVT のモード切り替えで をフラットに保ち続けていてくれる。街中や高速を問わず、どっし 。 SPORT " を選んでも少々焦ったく思えるのも事実。ステアリン りとした重厚な乗り心地が味わえるのも 308SW の印象的なポイ グパドルでの操作に対する応答性が甘く感じられるなど、この ントだ。 車をドライバー自身が操っている、というある意味においての征 服感に乏しいのが玉に瑕なのである。シフトパドルがついては 意外性もあればなお いるものの、ダウン・アップともにワンテンポ遅れ気味で、リズムが 取りにくかった。 では、スポーティッアラーとしてハンドリングやパワー感はどう レヴォーグと対照的だったのがゴルフ・ヴァリアントである。 か。ワインディングロードでの所作を振り返ってみると、レヴォーグ ちらはフラットトルク型のターポエンジンで、パンチカは必要にし はここでもダンパーのしなやかさが光った。旋回速度の速いコー て充分。バンっと思い切りスロットルを開けるとホイールスピンを ナーではある程度のロールは許すものの、その量やスピードはよ 伴うくらいのやんちやさも持ち合わせている。高回転域におけ くチェックされており安定した姿勢を保ち続けていてくれる。タイト る伸びやかさもレヴォーグを上回っており、 DSG がテンポ良くギ コーナーの連続では軽やかに車体を切り返しこそすれ、唐突に アを繋いでくれるのもいい。シームレスでありながらシフトのたび 接地感が失われるようなことはく、路面追従性が高く感じられ にピクッピクッと反応するタコメーターの針の動きを見ているの た。狙った通りラインをトレースできる気持ちよさがあるのが STI も楽しく、レスポンスの鋭いエンジンと小気味良いギアポックスの スポーツの特徴だ。このあたりは STI が挑戦を続ける世界一過 デュオは、ワインディングでいいリズムを刻んでいてくれた。 酷と呼ばれるニュルプルクリンク・ノルトシュライフェでのレース経 先述のようにゴルフの電制ダンパーは SPORT モードでもハ 験が、足回りのセッティングに活かされているのかもしれない。 ーシュネスに鋭さはないが、ソリッド感が増すのがいい。ただ、 その一方では引き締まったが故にリアの追従性が少々低まる かのような印象も受ける。これはハッチバックでは見られなかっ た振る舞いで、ワゴン特有のリアのサスペンションセッティングの 違いが、ハンドリングに影響しているのかもしれない。 ワインディングで乗り始める前は、動力性能で一歩遅れるプ ジョーが不利になるかと思いきや、そうでもなかった。 308SW に は " SPORT " モードボタンが備わっており、これを押すと過給圧 が高まり、ちょっとした。瞬間移動 " が味わえるからだ。だから 120PS / 230Nm と言いながらも、スポーツモード作動時はゴル フはもちろん、レヴォーグに迫らんばかりのピックアップの鋭さが 得られる。それは 6 段 AT とのマッチングの良さもあるのだろう。 308SW は唯一コンべンショナルなトルコン AT を組み合わせてお り、他の多段 AT よりもワイドレシオのため、 2 ~ 3 速を多用するワ 0 ・品川浦ど 7 イ 2 90 CG16-12

5. カーグラフィック 2016年12月号

[ 〇 G TERM TEST Number. 24 と 第 4 回テスト期間 : 4 カ月 アウディ A4 アバント 2.0 TFSI Audi A4 Avant 2.0 TFSI ■走行距離 4 , 3 りク km ・今月の燃費 / 2.7 km/C ・総平均燃費 / 2.6 kmn ある意味、 ヨーロピアンべーシック report : 八木亮祐 Ryosuke Yagi photo : 高橋信宏 N0buhiro Takahashi パソコン的な " 環境化” 様々な試乗車に乗った後に CG A4 に 戻るとほっとする気持ちが出てきた。愛着 ・・というより、 A4 は " 環境 " に近いと思 う。ナビの行き先登録、携帯電話の無線接 続、オーディオプレイヤーの接続から工ア コンの特性、ドライプモードといったものの 個別設定。そして部分的自動運転である アダブテイプ・クルーズコントロールや、アク テイプ・セイフティの作動の " クセ " も決して 小さくはない。乗り心地やハンドリングの味 もそうなのだが、現代の自動車はそういっ た基本的な性能以外にも、「使い心地」に 直結するカスタマイズ要素が多いのが特 徴と言えるだろう。パソコン好きなら伝わる 言い方だと思うが、まっさらなパソコンに自 分好みのソフトウェアを組み込み、壁紙や アイコンの配置などを自分が使い易いよう にカスタマイズして作り上げる " 環境 " は、ま さに自宅へ帰ってきたような居心地の良さ がある。それに似ていると思う。 A4 を含む最新のアウディでは電動パ ワーステアリングのアシスト量、パワートレイ ンの制御、 ACC がどのくらいキビキビした 前走車追従をするか、衝突軽減プレーキ の予備アラートをどのくらい " 待つ " セッティ ングにするかなど、比較的細かく自分の感 覚に合わせることができる。初めての車に 乗るときの「分からないことが多いものと付 き合う不安」が、かってに比べて大きくなっ てきている気がする。衝突軽減自動プレー れぞれのメーカーの哲学によってそのバラ 番大きいのはどのくらい過敏に作動させる キやプラインドスポットアシストなどを象徴と ンスが決定されている。もちろんこれは説 かで、「いざというとき動かなければ意味 するアクテイプ・セイフティは、一見して同じ 明書などには書かれない情報なので、 がない」「誤検知が頻繁にあれば信用度 ような機能に思えて、実はメーカーによる 我々自動車雑誌が広めるほかないのだ が下がる」というせめぎ合いがあって、そ 考え方や動作の違いが小さくはない。一 ロービームで走行中。高性能なレンズコーティングのために写真はクリアに写っているが、このシーン、肉眼てはかな り眩しいと思う。現にこれを撮影しているカメラマンは煌々と照らされていた 150 CG16-12

6. カーグラフィック 2016年12月号

地はやや硬めでカラダが上下に動く回数が多い。減袞がもう少 し速くてもいいように思ったが、個人的には許容範囲内だと感じ た。この時のドライプモードは「 QUIET 」と呼ばれるもっとも乗り 心地がいいとされるセッティング。 NSX は磁性流体式可変ダン パーを標準装着している。オイル内に金属粒子を混せ込み、電 磁コイルを使って金属粒子を動かすことで減袞力を変化させる 仕組みである。加速度やストローク量をミリ秒単位で検知して 最適な減袞力を瞬時に生むそうだが、この時点ではまだその恩 恵を存分に受けている印象はほとんどなかった。 「 QUIET 」モードとは、一般的に言うところの「 ECO 」や 「 COMFORT 」で、あえて「 QUIET 」としたのは、アイドリングストッ プや EV 走行を ( バッテリー残量に応じて ) 積極的に行なうから。 つまりエンジン停止時間が他のモードよりも長いから「静か」とい うことらしい。工ンジン始動中でも、 9 段 DCT はエンジン回転数をな るべく低く抑えるようにギアを選択する。 20km / h で 2 速、 30km / h で 3 速、 40km / h で 4 速と、速度とギア段が呼応するように次々と変 速、それらは 2000rPm 以下の回転域で粛々と行なわれる。 モーターだけで駆動している間は当たり前だけれど静かであ る。しかし工ンジン再始動時には、エンジン音が背後から盛大に 聞こえてくる。音量を測ったら、おそらぐ盛大 " と表現するほどで はないかもしれない。ただ、最近はエンジンが再始動する瞬間 がほとんど気にならないハイプリッドばかりに接しているし、エン ジンと乗員との距離はフロントエンジンよりも圧倒的に近いので、 " 盛大 " と感じてしまうのだ。この " 非日常的事象 " に、慣れる人も いるだろうしそうでない人もいるだろう。自分は結局後者だった。 高速道路で巡航していても、目線が低いこと以外、フツウのク ルマである。そこそこの静粛性とそこそこの乗り心地。いわゆる 58 ( G16-12 」 A やサーキットでないと、このクルマの ポテンシャルを存分に引き出すことはなか なか難しい。スーバースポーツを販売する メーカーは、商品たけでなくそれを楽しめる 場所を提供してもいいのではないだろうか。 新型 NSX で鈴鹿やもてきへ行くと、面倒な 手続きなしにスポーツ走行ができるとか。 0 快適性の項目で、気になる点はほとんどなかった。 100km / h 燃 費計測中には、バッテリー残量計とアシスト / チャージ計の動き を見ていた。 100km / h 巡航を続けていると、基本的にバッテリー 残量は 45 % あたりを維持する。この間、アシスト / チャージ計は ほとんど動かない。ただ、交通量が増えて速度が 90km / h 以下 になると、薄くチャージを開始する。充電の速度はかなり速く、間 もなくして 80 % くらいに到達 ( 高速道路上ではそれ以上にならな かった ) 。バッテリーの残量が 50 % を超えたくらいから、アシスト / チャージ計はアシスト側に触れることが多くなる。交通量が減り、 また 100km / h 巡航が可能になると、その時点でバッテリー残量 が 50 % 以上あればモーターのアシストを積極的に使い、 45 % に なると再びアシストもチャージも停止する。 100km / h での回転数はトップギアの 9 速で 1700rPm 。そもそ も NSX の 9 段 DCT は 2 ~ 8 速までがクロース・レシオで、ここで はパワーピークの回転数を使うように設定されている。 9 速はい わゆる。クルージングギア " で、加速カよりも燃費を優先。ハイプリ ッドはストップ & ゴーがある運転状況のほうが回生 ( 充電 ) とモ ーターアシストを使えるので燃費は向上する。一方で、高速道路 を巡航するような状況では回生の機会が少なく、モーターのア シストに依存するよりもエンジンを効率良く回したほうが結果的 に省燃費が期待できるという考え方である。 ゆるやかにステアリングを切り、おだやかにペダルを踏む。法 定速度内でのこうしたドライバーの所作に対して、 NSX は即座 に反応するもののそれは決して " 過敏 " ではなく、手足の動きに ピタリ同期している。そうするために、 NSX が搭載するさまざま な電子デバイスが働いているのだろうけれど、 ( この時点では ) ほとんど違和感は覚えない。完全に黒子に徹している。制御の

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M 匚 LAREN 57 ロ日工 丁ロ 8E EXPERIEN 匚 E ロ 比類なきシ丿レエットと目の覚めるようなパ . フォーマンス。 それは GT だけが提供できる想像を超えた乗り心地。 ついに確かめる時が来た。 McLaren Nagoya 八光自動車工業株式会社 〒 460-0002 名古屋市中区丸の内 2-19-25 Tel: 052-218-4050 WWW. nagoya. mcla 「en.com McLaren T0kyo 株式会社エムティーインターナショナル 〒 107-0052 東京都港区赤坂 7-1 -1 青山安田ビル 1 階 Tel: 03 -6438-1963 WWW. tOkYO. mcla 「en.com McLaren Osaka 八光自動車工業株式会社 〒 541-0057 大阪市中央区北久宝寺町 3-5-12 Tel: 06-6121-8821 WWW. osaka. mcla 「en.com McLaren Fukuoka 永三 MOTORS 株式会社 〒 812-0063 福岡市東区原田 4-30-8 Tel: 092-611-8899 WWW. fukuoka. mcla 「en.com 0 用 ci 引 fuel consumption figures in UK mpg (I/100km) fo 「 the McLaren Sports series ( 3 , 799 (cc) pet 「 ol, 7-speed Seamless Shift dual clutch Gearbox (SSG): u 「 ban 17.2 ( 16.5 ) , ext 「 a u 「 ban 38.4 ( 7.4 ) , combined 26.6 ( 10.7 ). 0 用 c 囿 combined C02 emissions: 249g / km. 表記している燃費の数値は NEDC テストの暫定結果に基づく数値です。データは比較のみを目的として公開されており、実際の走行状況は反映していない可能性があります。

8. カーグラフィック 2016年12月号

図 - 3 。ビード部は基本剛性でいうと ころの横剛性に大きな影響を及ぼす 工リアです。通常、ビードフィラーは 旋回時にかかる横力でタイヤのサイ ドウォール部が変形しすきないよう、 非常に硬い材料を使います。しかし スーバースポーッカーでは、旋回時 の横 G が非常に大きくなるため、硬 いビードフィラーだけでは支えきれ なくなります。そこで、このエリアの 剛性を上げるためビードフィラーを 太くしたり、高さを上げたりします が、これは全方向の剛性が増加して ガチガチになり、乗心地が絶望的に 悪化します。そこで、たとえばビード フィラーは変更せす、その脇に角度 を持ったスチールワイヤーや有機繊 維を添えて、縦方向には「しなやか」 で横方向に「強靭」なビードエリアを 目指します。 追加した補強材 ビードフィラー プライコード ビードワイヤー ド形状を少し立てるとか、 65 シリーズは逆 述べてきました。ベルト剛性が高い = ベルト 下位 195 / 65R15 というものでした 面内剛性が高い = 発生する横力が大きい にタイヤ幅を少し広げてサイド部を丸くす これは間違いではありません。何と ! 45 ことは、つまりグリップカが高くなります。微 ることで、張カ剛性を変化させて性能改 シリーズ 17 インチが乗心地で最も良く、 65 小舵角 ( スリップ角 ) 時のコーナリングフォ 善をすることが可能です。もちろん、構造 シリーズ 15 インチが操縦安定性で最も良 も材料もパターンも全部修正です。方向 ース、すなわちコーナリングパワーも増加し かったのです。結果を聞いた瞬間「えっ」 ます。しかしサイド ( 偏心 ) 剛性の低さは、 性は明確になりましたが、その実現はかな と思いましたが、この頃からプリヂストンは、 同時に横剛性の低さと連動しています。グ 以前ご紹介した基本剛性を開発に活用し り大変です・・・ リップカが高くなった分、その力を受け止め その後、何回かのトライ ( といっても 始めていたので、評価を理解するのにそ 「年」を超える活動ですが ) を経て、 1996 るしつかりとした「足腰」、すなわち強い横 れほど時間はかかりませんでした。形状違 いによる張力分布の違いが ( 張カ ) 剛性 年、正式に 3 サイズの性能承認を取得し、 剛性が必要です。さもないと、コーナリング 時のフラッキや、操舵に対するタイヤの横 新車装着タイヤに選定されました。 差になり、それが上記の性能差になってい こから BMW の全車種ランフラットタイ 力発生の時間遅れが増大して、たとえばヨ たようです。 45 シリーズは最もベルト幅が広 ー共振周波数が低下してしまいます。 ヤ装着への歩みが始まります。 くてサイドウォールが丸みを帯びているの 先ほどの BMW からの評価結果は、あく に対して、 65 シリーズは最もベルト幅が狭く てサイドウォールが立っている ( 図 -2 参 まで常用域でのハンドリング性能であり、グ 偏平タイヤの肩身 リップレベルの高低ではやはりトレッド幅の 照 ) 。 45 シリーズ 17 インチは最もサイドウォ ールが「いなし」ていたので ( 丸いので ) 乗 広い 17 インチの方が上です。したがって、 この BMW からの評価結果を聞く限り 高剛性のベルトに見合う横剛性で上手く 心地が良くなり、いつほう、 65 シリーズ 15 イ では、偏平タイヤは、本当はスポーツバー ンチはサイドウォール張力が最も高いため バランスさせれば、偏平タイヤは無類の強 ジョンには向いていないの ? と心配になり ( 立っているため ) 、剛性も高くなってハンド さを発揮します。方法としては図 -3 に示し ますよね。クルマやタイヤに関係している リング性能が良かったのですね。 方々の中には「本当かよ ? 」と思われてい たように、ビード部にスチールワイヤーイン サートや有機繊維のインサートなどを追加 彼らもこの結果に非常に興味を持ちま る人もいると思います。でも、これが「タイ 挿入して補強、横剛性の強化を図ります。 したが、基本剛性を用いて説明すると「な ヤの真実」なのです。 るほど」と納得してくれました。この答えを 確かにこのままでは、偏平タイヤは肩 また、新車装着用ではすでにホイール サイズが指定されているので難しいです 身が狭いのですが、前号でも書いたよう もらえれば、次のアクションは明確です。 45 が、ホイールのリム幅を広げることで幾何 シリーズはハンドリングを向上させるため に、クルマと相互主体的に進化を遂げて 学的にサイドウォールの曲率半径を大きく きた偏平タイヤのポテンシャルは高く、少 に構造 ( 部材 ) 剛性を高め、 65 シリーズの することができます。これはかなり効果的 し工夫をすればその利点を存分に発揮 標準サイズは乗り心地を改善するために で、「安心してください、広幅リム履いてま 構造 ( 部材 ) 剛性を弱める、という方向に できます。 すよ」という感じになります。 これまでに、偏平サイズはベルト剛性の 改めることにしました。 高さとサイド ( 偏心 ) 剛性の低さが特徴だと BMW E36 用の最終スペックでは、無事 45 シリーズはタイヤ幅を少し狭めてサイ 0 1 1 8 CGI 6-12

9. カーグラフィック 2016年12月号

っ , マア : ゼ ( 3 プロシェクト・リーダー 商品企画に移る以前はテストドライバーたったというブランシャール氏 が、初めて手がけたクルマが 3 代目〔 3 。〔 4 カクタスに通しるポップな雰囲 気は注目の的だった 「 B セグメントは欧州て 3 割を占める重要な市場で顧客の要望も多様。に も関わらず、複雑過きるか簡素化し過ぎているかで、要望をすくい切れて いなかった。たからシトロエンらしく楽観的で賢い、明快なやり方で、 B セ クの既存コードをひっくり返すことが目標でした」 それが、〔 4 ピカソ譲りのフロントマスクと、 ( 4 カクタスからは工アバン プのみならす、 SUV ルックも 「あくまてデザインは SIJV 風で、 SUV ではありません。タイヤ外径を大きく することで、見た目と乗り心地の両立を狙いました。 17 インチの扁平率 50 というハイトにこだわっています」 カソリンの 110PS 仕様を筆頭とするピュアテック・エンシンにアイシン の 6 段 AT を組み合わせる鉄板ふり。プラットフォーム 1 を用いるのは先代 〔 3 と同じだ 「ホイールべースを拡げたのて前列シート下にメンバー補強を足していま す。当然、重量も増しますが、パワステポンプや電装関係が新しく軽くなっ て、クリアできました走りの面では、先代では直進時のロールが個人的 に気になったので、それが抑えられ、タイヤが転がりだした瞬間から、快 適性が増していることを実感できるてしよう」 ( KN ) Citroén C3 ティエリー・プランシャール 0 Citroän CXPERIENCE トイツ流と一線を画すフランス的アプローチ のハイエント・サルーンを、シトロエンは諦めて いない。往年の ( X にもとを辿れば DS と世界観 のカブりは確かに避けられる。後退したクリー ンハウス、コンべックス状のリアウインドー、ヌメ リ感ある空力的ボディて、 ( 6 までのビッグ・シト ロエンの系譜を継ぐコンセプトだ内装のウッ ドとレザーは古典的だが、蛍光色と成型ウッド の自由な造形は刺激的、かっシンプルなイン ターフェイスにも注目。 ( KN ) Renault Trezor Renault Twingo GT Concept RenauIt Clio R. S. ウインドーグラフィックなど、どこかレトロな印象を抱く ところもあるが、ルノーのデザインコンセプトが一歩先に 進んだことを象徴するスポーツモデルの EV 。特にインテ リアはほどなく登場するルノー車に反映されるそうだ。ポ ディはカーポンを使用するなど技術面もしかり。全長は 4700mm 、前後トレッドは 2000mm 超。全高はわすか 1080mm 。ホイールべースは 2776mm 。 350PS のバ ワーと O -100km / h 加速 4 秒以下を標榜する 今夏、グッドウッド・フェスティバル・オプ・ スビードで発表されたトウインゴのホット モデル。 0.9 ターポを最高出力 + 20P5 の 1 1 0 p 5 、最大トルクは十 3.5 m kg の 1 7 . 3 m k g まで高め、ギア比を変えた 5MT を組み合わせた。 R. S. とは名乗らな いが、リアにはルノー・スポールのエンプ レムが貼られている ルノー・スポール 40 周年と FI への復帰 を記念して作られたコンセプトカー。デ ビューは今春のモナコ GP 。工ンシンやトラ ンスミッション、冷却システムは兄貴分の メガーヌ R. S. トロフィー - R 用を流用してい る。ボディは 6 0 m m ワイド化し、 1 9 イン チ・タイヤ & ホイールを履く。市販化が期 待される 1 台 CG16-12 101

10. カーグラフィック 2016年12月号

G TERM TEST ティン「 FLEX Z 」 交換作業をお願いした「ディーランゲージ」さん。サーキット走行を楽しむ方のチューニング ビストンバルプ径は中 65 ( スペシャルバッケージの純正は中 40 ) 。スプリングレートはフロン ガレージで、プロのレーシングドライバーや競技で活躍しているメカニックが常駐している ト 49. ON / mm 、リア 29.4N / mm 。複筒式のため正立式 ため、安心してクルマを預けられる。 ( 東京都足立区皿沼 3 -24-11 Tel.03-6807-1557 ) Sport 」 ( 15 万 9840 円 ) と、一般道や高速道 高下げてます ! 」といういやらしさを感じな がくる。車高が下がっているので、もちろん 路などの日常使いを重視している「 FLEX いのは、きっと元のスタイリングが洗練され スプリングレートは純正よりも高めになって Z 」 ( 8 万 6184 円 ) の 2 種類がある。これらは ているからなのだろう。 いるだろうから、素晴らしい乗り心地を期 いずれもダンパーとスプリングがセットに 「 FLEX Z 」は減袞力調整式で、フロント 待するのは難しいだろう。しかし、減袞力を なっている車高調整式ダンパーで、他社 / リアのストラットタワーから伸びている調 「 3 ~ 5 」の高めに設定しても、通勤などの では同様の商品で 1 0 万円を切るものは 整ダイアルを回すだけで、減袞力を 17 段 街乗りで苦になるほどの硬さにはならない なく、「 FLEX Z 」はとてもリーズナプルだ。 階変更できる。足回りがもっとも柔らかくな ところが良いと思った。 ND の純正ダンパーは単筒式なのに対し、 るのが「 16 」、もっとも硬くなるのが「 0 」だ。 これまでと大きく変わったのは、ロール量 「 FLEX Z 」は製造しやすくコストを抑え 工場から出荷された状態では「 10 」に設 がかなり少なくなったことだ。普段はロー られる複筒式であるのも理由のひとっ 定されていたので、まずはそのまま乗って ルを感じてから曲がっていたので「あれ、 だろう。 今これ上手く曲がれているのかな ? 」と不 みることに ノーマルの足回りを名残惜しく思いっ 一般道では小さな凹凸などを、飲み込 安になる。どうやら減袞力の高さに対し っダンパーを交換したのだが、車高が前 むように滑らかに足が動くので気持ちが て、タイヤのグリップが低いために有効な 後 30mm 近く下がったため、見た目がかっ 良いが、マンホールや高速道路の継ぎ目 ロールが得られないらしい。それもその こよくてニンマリしてしまう。いかにも「車 など大きな入力になるとドシンと突き上げ はず、ティンは「 FLEX Z 」の開発に「プ リヂストン・ポテンザ・アドレナリン R E 0 0 3 ( 205 / 40R17 ) 」を使用していたとのこと。 もちろん純正タイヤ「ヨコハマ・アドバンス ポーツ V105 ( 195 / 50R16 ) 」とのマッチン グも考慮しているそうだが、それよりグリッ プの低い CG ロードスターの「プリヂストン 円 ayz ( 195 / 50R16 ) 」では、「 FLEX Z 」 の性能を引き出すのは厳しそうである。 現在はダンパーの馴染みを確認したり、 アライメント調整や減袞カ設定などを試し ている最中なので、さらに詳しいインプレ ーションは次号をお待ちいただきたい。しか し、交換したらそれで完了 ! と考えていた私 はなんと甘かったのだろうカ 。タイヤの 検討、車高の見直し、ボディ剛性も上げる 必要あり ? 新しいダンパーの " 美味しさ " を 引き出すために、これからばっちり合うセッ ティングを探す旅がはじまりそうです。 0 CG16-12 159 ・品川 302 ・ “ゞい当 第ラ第ま町云ヾ ティン「 FLEX Z 」交換後のサイドビュー車高はダンバー交換前からフロントー 26 ~ 28mm / リアー 30mm となった。 工場出荷状態からフロントー 15 ~ 十 30mm / リアー 20 ~ 十 20mm の範囲で自由に車高を調整することができる。