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検索対象: ズッコケ三人組の大運動会
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1. ズッコケ三人組の大運動会

たから 四年生の綱引きでは、二回とも白組が勝ち、六年生女子の " 宝さがしゲーム ~ でも、白 じてん たいさ 組百六十点対、赤組百十点と、五十点の大差で負けてしまった。それでも、この時点では、 ぎやくてん 白組と赤組は、五点の差で赤組が勝っていたのである。ところが、これを逆転してしまっ たのが六年生男女の選手リレーだった。 よそう そうしゃ ハチベ工は、赤組ふたりの第一走者のひとりとして、スタートした。予想どおり、ほか の三人を大きくリードしてゴールイン、つぎなる走者にバトンをわたそうとした。 もくひょう そのとき、あいてのてのひらに、ちゃんとにぎらせたつもりが、目標をあやまってし まった。。、 , トンがころころと地面をころがり、あわててひろおうとして第二走者とぶつ かってしまった。そのあいだに、ほかの三人の走者が、つぎつぎとぬいていった。 このトラブルがひびいて、 ( チベ工のチームは、ついにビリになってしまい、もうひと きようぎ 組の赤チームも三位となって、この競技で白組に五十点もやってしまう結果となった。 きばせん 「ちくしよう。こうなりゃあ、さいごの騎馬戦で、白の馬を全減させてやるそ。」 くる カ ハチベ工は、怒り狂いはじめた。 ( チベ工が怒ると、手がつけられなくなる。 みもの 「こりゃあ、騎馬戦が見物だなあ。」 つなひ せんしゅ おこ ぜんめつ 198

2. ズッコケ三人組の大運動会

あかしろたいこうきようぎ えんぎ の演技がすむと、 いよいよ赤白対抗の競技にうつっていく。 とくてん ときようそう ほんばん ほんぶせき まずさいしょは三年生の徒競走だ。本番どうよう、本部席の上に、赤組白組の得点ポー てんすう トがかかげられ、演技がおわると、それそれの点数が掲示される。徒競走の場合、一等が きろく とくてんひょう しんばんがか 五点、二等が三点、三等が一点になっていて、競技がおわると、審判係りが得点表を記録 りにしめすと、記録係りが得点ポードに点数をだすのだ。 運動会には、さまざまな係りがあって、六年生や五年生は、この係りの仕事をこなすだ けでもたいへんなのだ。 三年生の徒競走のあとは、一年生のだるまはこび、五年生女子の″ポケットザウルスの まうけん しようがいぶつきようそう 険 ~ という、障害物競走ふうの演技へとつづく。 六年生の徒競走は、九番めだった。 ゅうせい とくてん 三年生の徒競走の得点は、赤一二三点、白一〇一点で、赤組やや優勢だったが、だるま とくてんがい はこびでは、二つの赤だるまが、ともに得点外の三位四位におわり、白組が三十点を獲得。 つづく五年生女子の " ポケットザウルスの冒険 ~ でも、赤組は九八点、白組一五三点と、 しんこう 白組優位のまま進行していく。 ゅう

3. ズッコケ三人組の大運動会

たたか かんしよう てしまい ゴールの順位は、白、白、赤、赤と、白組の完勝でおわってしまった。 きばせんかいし そして、いよいよ運動会さいごのプログラム、六年生全員による騎馬戦が開始されたが、 きよう、ぎ た ) いしよう これは、男子、女子、ともに赤組の大勝となった。ただし、競技ちゅう、二、 三の騎馬が、 ばめん 戦いをさけて逃げまわってばかりいるのを、先生にとがめられ、厳重な注意をうける場面 もあったが。 しようり・ さいしゅうとくてん 最終得点、赤組二八五五点、白組二七九八点 : せんたいでも赤組の勝利という結果に よっこ 0 「やーれ、やれ。ひとますおわったなあ。」 ハチベ工が、気のぬけたような声をあげた。 ふくそう ハチベ工、 ( 「 ~ 、、 , ちん 0 三人が歩」て」く道には、体育 0 服装をした子どもた ちが、わんさカ歩いていた。きようは、全校いっせいにおなじ時間に下校するから、道路 こんざっ も混雑しているのだ。 ほんばん 「本番まで、あと七日か。モーちゃん、本番にはでられるんだろ。」 ハチベ工が、モーちゃんをふりかえる。 じゅんい げんじゅう カ 116

4. ズッコケ三人組の大運動会

く走りだした。ハ カセは、立ちあが . ってみがまえる。 きしゅ しようめんしようとっ 馬と馬が、ほとんど正面衝突するくらい接近したかと思うと、あいての騎手が、両手を ていこう あげておそいかかってきた。、 , カセもひっしに抵抗したが、たちまちねじふせられて、ぼ うしをとられてしまった。 むねん 馬の頭とうしろ足が、無念のため息をついた。 ぼうしをとられたチームは、その場で馬をといて、もとの場所にもどらなくてはならぬ。 みれば、モーちゃんの馬も ( チベ工の馬も、はやばやと解散していた。 しゅうりようじゅうせい やがて終了の銃声が、二度なりわたった。 ま のこった馬は、赤組二頭、白組三頭。女子の勝負を待たずして、赤組の負けが決定した のである。 きばせん しかし、女子は赤組が大健闘して勝ちをおさめ、けつきよく、騎馬戦だけを見れば、 き分けということになった。 はなやま かくして、花山第二小学校の秋の大運動会は、つつがなく終了したのである。勝ったも だいけんとう せつきん よ う 力いさん しゅうりよう けってい 200

5. ズッコケ三人組の大運動会

まわりの男の子たちは、ささやきあったものだ。 きばせん その騎馬戦が、ついにやってきた。このとき赤組二六五五点、白組二六九〇点。白組が 三十五点リードしている。しかし、騎馬戦で、男子、女子ともに勝ちをえれば、五点差で ゅうしよう 赤組が優勝するのだ。 おうえん そうた 選手が入場をはじめると、見物席の子どもたちは、ほとんど総立ちになって応援をはじ めた。 騎馬戦は、男女がべつべつにたたかう。まず男子の対戦となった。 馬を組むときになって、 ( カセは重大なことを思いだした。騎馬戦用に、特製の・ほうし をつくることを、ころりとわすれてしまっていたのである。 カセはしかたなく馬にのる。 笛が鳴った。ハ よこうえんしゅう じゅうせい 。 ( ーンという銃声とともに、馬が走りだした。予行演習のときは、戦闘をさけて逃げま かイ、「 ) わって、あとで先生からしかられた。きようは覚吾をきめて、たたかうことにしよう。 とっしん と・つ ぜんばう 前方に、一頭の馬があらわれて、 ( カセのほうに突進してきた。めがねをはずしている 、。ハカセののっている馬も、いきおいよ ので、さだかには見えないが、どうやら敵らしし ふえ じゅうだ ) い てき たいせん せんとう とくせ ( 199

6. ズッコケ三人組の大運動会

しえてまわらなくてはならない。 全グループが馬を組んだところで、その場にしやがみこむ。そして、 「騎手は馬にのれ ! 」 ごうれし さいこうれつ の号令がかかると、最後列にのこっていた子どもが、やっこらさとばかり、人間馬へとの るのであるが、乗馬体験のない子がおおいから、ぎやくに足をかけて、さかさまにのって しまう子や、うまくのれなくて、なんどもやりなおしている子もいる。騎手がのつかった 馬から順に立ちあがるのだが、赤組のなかで、いまだ騎手が馬にのっていないグループが ひと組あった。 「そこ、どうしたの ? 」 三組の先生がたずねると、馬の頭がこたえる。 やまなか 「山中くんが、めがねをおいてくるって : : : 」 みれば、運動場のかなたから、めがねをはずした ( カセが、お・ほっかない足どりでかけ てくるところだった。 ぜんいんりんせんたいせい かくして、なんとか全員が臨戦態勢にはいった。

7. ズッコケ三人組の大運動会

せいれつ ごうれい 先生の号令で、子どもたちはすばやく四列縦隊に整列した。 ときようそう 「この一列のなかから、赤白、ひとりずつの選手をえらぶことにする。それじゃあ徒競走 あし のスタートラインまで、かけ足 ! 」 子どもたちは、ならんだままグラウンドのはしつこまで走っていった。 ちてん すでにゴール地点には、ほかの先生たちが待っている。 ハチベ工は、むろん第一列めだ。赤組四人のうち、ハチベ工を おびやかしそうなやつはまずいない。白組のなかにだって : ( チベ工は白組の四人をながめまわした。 がわ みやしたっとむ と、いちばん向こう側に、宮下努がいるではないか 「位置について : 先生の号令で、八人の子どもがスタートラインにならんだ。 このなかから赤白ひとりずつの選手がえらばれるのだ。 ( チベ工は、左手をまえにつきだしてかまえる。 じゅうたい せんしゅ 、 00

8. ズッコケ三人組の大運動会

せんしゅせんせい 選手宣誓 センセイ、ばくたち、わたしたち、 はなやま 花山第一一小学校の子どもたちは、 スポーツ精神と花山っ子の根性で、 明るく、楽しく、そして力いつばい、 きようぎ ちか 競技することを誓います。 一九九 * 年十月十日 せいしん 赤組代表、◎◎◎◎ 白組代表、◎◎◎◎ ( ◎のなかに、自分の名前をいれよう ) こんじよう

9. ズッコケ三人組の大運動会

かた かた 肩をならべて走りながら語りかけてきた。 「この学校、陸上クラブがあるのかい。」 「陸上クラブ : ・ : ? そんなの、あるもんか。」 「でも、トレーニングしてるんだろ。」 「おれか ? うん、まあな。こいつは自主トレさ。 かお てんこうせい 運動会のための : ・ 。おまえ、見なれない顔だけど、転校生か。」 せ ( チベ工は、走りながらよこにびったりくつついてくる男の子の顔をながめた。背の高 さは、ハチベ工とおなじくらいだ。おまけに色の黒いところ、目がぎよろりとしていると 、くぶんハンサムなところ ころもよくにている。ちがっているのは、ハチベ工のほうがし こじんてきいけん どろう と、これは ( チベ工の個人的意見である。 がっき てんこう 「二学期から転校してきたのさ。へえ、六年一組のハチタニ : むね 少年が、 ( チベ工の運動シャツの胸についているゼッケンをのそきこむ。 「 ( チャって読むんだ、。ハ 。おまえも六年か。」 おざき みやしたっとむ 「そうさ、四組の宮下努・ : 一組の尾崎くんとおなじア。 ( ートだよ。」 り・′、じよう 3 0

10. ズッコケ三人組の大運動会

ゅび ( チベ工が、はるかかなたの白組スタンドを指さした。白組の席のはしつこに、ナオ たいそうふく ひとり、体操服を着ていない子が、いすにすわっていた。 「ほんとだ。お兄さんもきてるのかな。」 ( カセは、見物席を見まわしたが、こちらのほうは人間がおおすぎて、よくわからない。 ときようそう グラウンドでは、三年生の徒競走がはじまった。 おうえん 「ようし、それじゃあ、いっちょう、応援してやるか。」 ハチベ工が、赤い旗をかついで見物席のまえにとびだしていく。 おうえん アカクミ 「それ、赤組の応援いくそ。フレー がっしよう ハチベ工のわめき声にあわせて、子どもたちも合唱する。 アカクミ 「フレー はなやま こうして花山第二小学校の運動場は、しだいしだいにエキサイトしていくのであった。 プログラムは、つぎつぎとすすみ、ついに六年生の徒競走が近づいてきた。 「六年生は、入場門に集合してくださーい。」 しようしゅうがか ビンクのリポンをつけた、招集係りが声をかけていく。 はた 181