イスラエル - みる会図書館


検索対象: ニューズウィーク日本版 2017年1月24日号
4件見つかりました。

1. ニューズウィーク日本版 2017年1月24日号

U. S. POLITICS パレスチナの「暫定自治」をガシ 1 ( 政治的遺産 ) としたが 昨年末、故郷ハワイで年末年不思議なタイミングである。岸と東エルサレムへの入植活動 始の休瑕に入っていたバラク・オバマ政権の任期は既に 1 カ月の即時停止を求める決議案を採認めたオスロ合意からほば四半るアメリカ大統領は、オバマが オバマ米大統領が、真珠湾で安を切っていた。なのに今さら長択していた。その際、アメリカ世紀、今年はイスラエルの東エ最初ではない。 倍晋三首相との会談を終えた翌期ビジョン ? いや政権交代が、は従来のように拒否権を行使せルサレム占領 ( 1967 年 ) か前任者のジョ 1 ジ・・ブッ 日の肥月日。首都ワシントンそして危険な政策転換が迫ってず、棄権に回った。入植地の強ら年という節目の年でもある。シュは中東地域にアメリカ流の いればこそ、オバマ政権の立場引な拡大を止めない限り、「 2 そんな年に「エルサレムをイス自由と民主主義を輸出しようと では国務長官のジョン・ケリ 1 とその正当性を確認しておく必国家共存」の実現は事実上不可ラエルの首都と認める」と公言模索。そのためにイラクのサダ かパレスチナ和平に関するオハ 能になるからだ ( ちなみに次期した男がアメリカ大統領になるム・フセイン体制を軍事力で葬 マ政権の長期ビジョンを発表し、要があったのだ。 ケリ 1 演説の数日前、肥月大統領のドナルド・トランプはのだから、ケリ 1 が危機感を募った。その前任のビル・クリン パレスチナとイスラエルの「 2 トンは政権末期の年夏にイス 国家共存」こそ唯一の解決策だ日には国連安全保障理事会がイツィッタ 1 で、拒否権行使を叫らせたのも無理はない。 中東和平への貢献を自らのレラエルとパレスチナの首脳をア スラエルに対し、ヨルダン川西んでいた ) 。 と熱く説いていた。 メリカに招き、広範な和平合意 に導こうと努めた。しかし、あ いにく失敗に終わった。 外交に力を入れる理由 そしてオバマも、外交面で確 かなレガシ 1 を残したがった。 何しろ 2 期目の 4 年間、内政面 では見るべき成果がほとんどな かった。銃規制法案も移民制度 改革も議会や最高裁によって阻 まれ、超党派の財政再建合意も まとまらなかった。 首尾よく再選を果たしても、 2 期目に入った大統領はたいて い内政面で苦戦を強いられる。 オバマかそうだったように、議 会の主導権を野党に握られるこ とが多いからだ。第一一次大戦以 降でも、ドワイト・アイゼンハ ワ 1 やリチャ 1 ド・ニクソン、 そしてビル・クリントンも、 2 期目を迎えた時には上下両院を ーは風前の灯火 ShakY Legacy たが、その成果はトランプ次期大統領に覆されそうだ 工コノミクス国際問題外交戦略研究所アソシェート ) KEVIN LAMARQUE—REUTERS Newsweek 38 2017 / 01 / 24

2. ニューズウィーク日本版 2017年1月24日号

権の現実政治はます米中ロの同盟から 始めるべきだ。この 3 カ国にはイスラ ム過激派への恐怖と、自国の経済的利 益のために他国を利用したい欲求とい う共通項がある。米中ロはを解体 0 して欧州の力をそぐことと、国連安保 理の常任理事国 5 カ国の中で自分たち が多数派を形成することに合意できる だろ、つ。 そのためであれば、トランプはロシ アのウラジーミル・プ 1 チン大統領と 力を合わせ、 4 月のフランス大統領選 2 で反を掲げる国民戦線のマリー ヌ・ルペン党首を支援できる。 さらに離脱後のイギリスとのパ イプを強めるため、 ( 北米 自由貿易協定 ) を破棄してメキシコを 切り捨て、代わりにイギリスとの北大 ーしし Z 西洋自由貿易協定を結べよ、、。 加盟国にも、も 0 と軍事予算を増 やせと圧力をかければいい ( バルト 3 国やウクライナの立場は苦しくなる ) 。 こうした作戦は不道徳さだけで実行 できるものではない。慎重な外交工作 の能力、事実と真実に対する敬意、歴 史の知識と複雑な状況を慎重に検証す る能力が必要となる。 だがトランプは歴代大統領の中で最 もアナ 1 キーで、気まぐれで、矛盾に 満ちた人物だ。そして彼を導くべき閣 僚たちも、彼と同じように計算可能な 目先の利益しか考えない取引上手な億 万長者ばかりだ。 彼らにとって、同盟国との縁切りは 0 0 ミ意思決定の合理化 ( と株価上昇 ) を実中国を刺激し、 Z<*O を疑い、貿 ア現する簡単な方法に見えるかもしれな易戦争をほのめかすことは、戦略では 言田 い。だが世界を照らす光としてのアメなくニヒリズムだ。 今のトランプは、かってジョージ・ リカの役割を否定することは、将来を ・ブッシュ大統領が中東で味わった ロ考えれば割の悪い賭けだ。 ュ際例えば、アジアや中南米との自由貿失敗ーー・旧体制を倒したものの新体制 シ国 ・ーーを世界規模で繰り 易協定を破棄すれば、米経済に短期的を構築できない レ な利益をもたらすかもしれない。だカ返そうとしているようだ。 ファ 1 ガソンが描く現実政治は何一 最終的には、当該地域に対するアメリ 力の影響力が低下することになり、そっ実現しない、と言いたいのではない。 だがそれらしいものが実現したとして こへ中国が付け込むことになる。 さらにトウキュディデスから学ぶべも、それはトランプよりもプーチンの きは、いまだ成長途上にある大国ほど行動のおかげだろう。 プーチンは既に、解体に取り組 国際秩序を乱しがちという事実だ。 ラし 国際秩序を守るには、他の国々の造み始めている。フランスの銀行から融 反行動を防ぐために、秩序を支えてい資を断られたルペンの選挙運動を救っ よでる制度を超大国自らが守る必要がある。たのは、ロシアの銀行だった。 プ 1 チン好きのトランプは、東西の だがトランプは国際的な制度を非難し、 と無視したがる。だから気候変動に関す力の均衡が崩れかけていることなど気 るパリ協定からイランとの核合意まで、にせず、ロシアとの関係の「リセッ 過激なアメリカに代わって中国が国際ト」を進めるだろう。だが真の現実主 す 義者なら、勢力拡大をもくろむロシア ル 1 ルの守護者を気取っている。 無 に対抗しようと考えるはずだ。現実主 し推戦略ではなくニヒリズム 義者なら、親イスラエルの強硬派でイ 慢を さらに悪いことに、トランプは中国スラム世界全体の反米感情に火を付け 自ク に関して警戒すべき点をことごとく無る恐れのある人物をイスラエル大使に れイ視しているようだ。外交の最前線では、指名したりはしない。中東全域への目 当選後すぐに台湾の総統と電話会談を配りなくしてテロ組織— ( 自称 行い、アメリカ大統領が年近く維持イスラム国 ) の殲減などあり得ない。 トランプにも、いくらかの現実主義 してきた慣習を破った。 ア経済面では中国に対し、貿易を歪ョ的感覚はあるだろう。しかし包括的で 一貫した戦略を進めるには足りない。 に有利にするために通貨を操作してい リ のるという、無謀で明らかに間違った非ちょっとした挑発に軽はすみに乗るこ とがないよう、祈るのみだ。 難を突き付けている。 OProject Syndicate 米政治 Newsweek 23 2017 / 01 / 24

3. ニューズウィーク日本版 2017年1月24日号

は米大統領として約年ぶりに キュ 1 バを訪問。オバマは現地 で、東西冷戦時代から続く経済 制裁の解除にも言及した ( 保守 派で固めたトランプ次期政権は 解除に慎重な立場だ ) 。 オバマの最大の後悔は、アジ ア重視の政策を前進させられな かったことだろう。とりわけ ( 環太平洋経済連携協定 ) の挫折は痛い。世界経済の 4 割 をカバ 1 する巨大な自由貿易圏 の創出によって、オバマはアメ リカ外交の基軸を環太平洋圏に 移し、幻世紀における世界経済 のル 1 ル作りで主導権を握ろ、つ と考えていた。 しかしトランプはから の離脱を明言している。オバマ も、あえて議会に批准を求めな かった。が消えた空白は、 中国主導のアジア太平洋自由貿 易圏 (;æE*<4) や東アジア 野党に握られていた。そんな状家共存」によるパレスチナ和平核兵器の廃絶を掲げるオバマに秘めている。オバマはイランや地域包括的経済連携 (*OQ 況では、大統領がどんな政策をの道筋を再確認したのも、外交とって貴重な勝利だった ( ただロシアなどと 2 国間の核協議を („) が埋めるだろう。 打ち出しても、議会で法案を通面のレガシ 1 作りの一環だ。 しトランプは合意の破棄を主張進めるほかに、自身が「世界の結局、議会を敵に回したオバ 過させるのは難しい しかしオバマの功績としては、している ) 。 安全保障に対する最も緊急かっ マは自らのレガシ 1 を外交政策 しかし外交に関しては大統領イランの核兵器開発に歯止めを 最大の脅威」と語った核兵器テに求めるしかなかった。アジア 最大の後侮はアジア政策 の裁量権が広く、議会の関心は かけた歴史的な合意のほうが大 口に対抗するため、新たな「核重視への政策転換は中途半端に おおむね低い。だからオバマもきい。「プラス 1 」 ( アメリ この核合意は米イラン関係のセキュリティ・サミット」もス終わったが、イランとの核合意 アメリカ経済の回復を見届けてカ、イギリス、フランス、ロシ改善を意味するだけではない。タ 1 トさせた。 やキューバとの国交回復には成 からは、外交面の新機軸に力をア、中国の国連安保理常任理事中東全域のカのバランスを大きキューバとの関係改善にも努功した。ただし、そうした希望 入れるようになった。 国 5 カ国 + ドイツ ) とイランがく変え、オバマが目指す核なきめてきた。年月には国交回のレガシ 1 が 4 年後まで残って いる保証はない。 2 退任ぎりぎりの時点で「 2 国交わした核開発をめぐる合意は、世界への一歩となる可能性をも復の方針を発表し、昨年 3 月に オバマのレガシ 和平のゆくえは ? オバマは任期終了直前 にイスラエルに注文を つけたが ( 昨年 9 月 ) -1 Obama's 米大統領国内政策に苦労して外交面に力を入れ アンドルー・ハモンド ( ロンドン・スクール・オプ・ Newsweek 39 2017 / OI / 24

4. ニューズウィーク日本版 2017年1月24日号

DONA し 0 TRUMP SECURITY ◎ 2017 The Slate Group ミサイルと潜水艦発射型 さすが歴戦のつわもの。上院軍事委証拠に上院は、退役後 7 年以内の軍人物」と呼び、米欧同盟の破壊こそプ 1 員会での答弁も堂に入っていた。いわの国防長官就任を禁じる法律の適用除チンの目標だとの見解を示した。そしの弾道ミサイル、そして戦略爆撃機を く、同盟国は大事にする、対決よりも外を圧倒的多数で可決している ( マテてアメリカに対する主たる脅威の筆頭核戦力の 3 本柱とする考えに疑問を呈 にロシアを挙げた。 し、の廃止に傾いていた。地 外交重視、ロシアのウラジーミル・プイスは退役からまだ 4 年 ) 。 彼の見解はどれだけトランプと異な アメリカの諜報機関に「極めて高い上配備のは攻撃の精度が高く、 1 チン大統領は信用しない。大統領に 賛成できない場合は「率直かっ直截」るか。先週の上院指名承認公聴会で、レベルの信頼」を置いていると語った先制攻撃に適している。一方で、敵の に自分の考えを伝えるとも約東した。 マティスは Z<+0 を「近代史上で最点も、トランプと異なる。イランとの先制攻撃で真っ先に標的にされるのも 誰のことかといえば、次期国防長官も優れた軍事同盟」と呼んだ ( トラン核合意については、自分なら署名しな地上配備のミサイルだ。ならば 「歪兀全」なものだが、一方的な破など最初から存在しないほうがいい し 棄には反対を表明した。同盟国の存在そうすれば ( 誤った警報による ) 先制 の は外交にも軍事行動にも不可欠とし、攻撃を受けるリスクも減る。そういう も待 「同盟なき国は滅びる」とも断言した。考え方だ。 解期 領か ス しかし公聴会でのマティスはこの主 一方で、共和党の有力議員から「エ だ ス にま ルサレムをイスラエルの首都と見なす張を撤回し、核バランスにもう 1 つの テ 意高 統る マ か」と問われたときは、テルアビブが抑止力を加えるものとしての っ 合のコ 持 も 卦首都だとする長年にわたるアメリカ政存在価値を肯定した。の存続 名 大げ 異 にこだわる空軍の立場を考慮したのか は府の見解を保持すると答えた ( トラン の ラる プはアメリカ大使館をエルサレムに移もしれない。 は防 なお公聴会では問題にされなかった プせと叫んでいる ) 。 視と マ カ 官を が、トランプの政権移行チ 1 ムとマテ で 重敵 をを副長官や次官人事で摩擦も 言 イスの間に対立があり、副長官や次官 物 盟ンい 長走 国防長官という立場を考慮して、軍の候補として移行チ 1 ムが推薦してき し 同チフ 人時代の見解を修正した部分もある。た人物をマティスが軒並み却下してい 防暴 例えば歩兵部隊への女性兵士配属の 問るとの報道もある 役 整 題だ過去には、性的欲求が生じると何しろ国防総省は約 6000 億トルの 調 部隊の戦闘能力が低下するという理由予算を動かす巨大な官僚機構だ。いか に指名された退役軍人ジェームズ・マプは ZGO を時代遅れと決め付けてで反対していたが、公聴会では「わがに軍隊経験が豊富でも、マティスには ティスだ。かって海兵隊を率い、今は いる ) 。自国の防衛に十分な拠出をし軍のいかなる部分でも女性の登用に反文民の組織を率いた経験がない。それ 歴史や戦略論の研究者として知られるていない加盟国は守ってやら対するつもりはない」と語った。同性だけに、国防総省の日常業務を取り仕 彼なら、危なっかしいドナルド・トラない、というトランプの主張に賛成す愛者の存在についても何ら問題はない切る副長官の役割は重要になってくる。 るかと問われたときも強く否定した。 ンプ次期大統領や好戦的なマイケル・ との考えを示した。 ちなみに政権移行チ 1 ムの内部には、 フリン ( 安全保障担当補佐官に就任予とりわけ違いか鮮明だったのはロシ マティスは、核戦力についての見解現役のロバ 1 ト・ワ 1 ク国防副長官を 定 ) の暴走を防げるかもしれない。 アに対する姿勢だ。マティスはプ 1 チも修正したよ、つだ。 ( 少なくとも当面は ) 続投させればい マティスに対する期待は高い。そのンを「複数の重要分野で敵対する人従来の彼は、地上配備の大陸間弾道いとの声もあるらしい MIKE BLAKE—REUTERS THE RIGHT MAN 新軍 Newsweek 32 2017 / 01 / 24