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検索対象: ニューズウィーク日本版 2017年1月31日号
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1. ニューズウィーク日本版 2017年1月31日号

INAUGURATION 2011 DONALD TRUMP 喜びのタンス 大統領就任を祝う語踏会 で新ファーストレティーの メラニアと踊るトランプ ROB CARR/GETTY IMAGES (TOP). ANDY CROSS—T 工 E DENVER POST/GETTY IMAGES REST 支持者の期待 コロラド州テンバーで就任 式をカフェのテレビで見な がら拍手する支持者たち Newsweek 28 2017 / 01 / 31

2. ニューズウィーク日本版 2017年1月31日号

INAUGURATION 2011 PRESIDENCY この時代へようこそ 02017 The Slate Group 「忘れられていた人々は、も、 2 れら憎んではいない。むしろ、公的年金やは、彼らの分身と言ってもいい。選挙れているのに、若く光り輝く子供たち れたりはしない。誰もが皆さんの声を高齢者医療保険などの制度は支持して戦ではこの層を代弁し続けた。就任演は知識を全く得られすにいる」。自ら 聞いている」と、ドナルド・トランプ いる。ただし、社会保障や福祉の恩恵説でも、彼らのことをアメリカの正しの子供時代に都市の産業が袞退し、全 は大統領就任演説で高らかに宣言した。 に浴するのは、「正当な資格の持ち主」い支配者である「人々」と呼んだ。 米に犯罪が蔓延した時代のイメ 1 ジな 「何千万人もの人たちが、世界がこれに限られるべきだと思っている。そし トランプは演説で、アメリカの現状のだろう。「アメリカの惨状は今ここ まで見たことのないような歴史的な運て、大量の移民には反対で、警察などを悲惨なものとして描いた。「母親とで終わる」と、トランプは言った。 動に加わった」 の公的機関には深い敬意を抱く。 子供たちは、都市の貧困地区で貧しい 分断をあおるナショナリズム それは違う。トランプは少数派に支こうした有権者に直接語り掛けた共生活から抜け出せずにいる。さびつい これがナショナリスティックなメッ 持された大統領にすぎない。大統領選和党大統領は、トランプが最初だった。 た工場が墓石のように国中に散らばっ の得票数は、対立候補のヒラリ 1 ・ク彼らの歪女と怒りを体現するトランプている。莫大な資金が教育につぎ込まセ 1 ジにつながっていく。トランプは、 リントンに大きく水をあけられた。世 「ほかの国の国境を守る一方で、自国 論調査を見ると、就任時の好感度もこ の国境を守ることを拒んできた」「ほ かの国を豊かにする一方で、わが国の の種の調査が開始されて以来最も低い しかし、共和党の状況の描写として 富と強さと自信が地平線の向こうに消 なら、トランプの言葉は正しい。この えていった」と、既存の政治指導者を 年間、共和党は内部に緊張を抱えて 攻撃し、この瞬間からは「アメリカ・ きた。党指導部は、ロナルド・レ 1 ガ ファ 1 スト」で行くと言い切った。 ン元大統領の流れをくむ小さな政府主 「アメリカ・ファ 1 スト」という排外 義者だ選挙で共和党に投票する有権 主義的・孤立主義的なスロ 1 ガンは、 者の一部、特に裕福で教育水準の高い 歴史上特別の意味を持っ言葉だ。古く 層も同様の考え方をしているが、多く は第一一次大戦参戦に反対する人たちに の支持者は違う。最近川年間、そうし 支持され、当時の大衆扇動的な反ユダ た支持者の割合が高まってきていた。 ャ主義と結び付いていた。 この人たちはたいてい白人で、多く トランプにはうってつけのスロ 1 ガ は伝統的な産業の肉体労働者だ。住ん ンだ。かって「アメリカ・ファ 1 ス でいる町は、白人が大多数の郊外住宅 ト」を支持した人たちが抱いたのと同 地。貧しい生活をしている人もいれば、 様の感情に訴え掛け、大統領としてそ 中流の生活を維持している人もいるが、 れを利用しようとしているのだから。 共通するのは、歪女にさいなまれてい 「私たちの製品を作り、私たちの企業 ることだ。医療、住宅、教育などのコ を奪い、私たちの雇用を破壊する他国 ストの増大に不安を感じ、猛烈な速度 の猛威に対して国境を守らなくてはな で変化し、人種や宗教の多様性が高ま らない」と、トランプは演説で述べた。 る世界に歪女を感じている。 皮肉な話だ。トランプ政権の閣僚は 共和党に投票はするが、政府機構を 金融界の大物ぞろい。トランプ流ポピ AMERICA FURST アメリカ・ファースト 大統領就任演説から見て取れるのは トランプを支持した「人々」に向けた 排外主義とナショナリズムの政治が始まることだ ジャメル・プイエ ( スレート誌政治担当記者 ) Newsweek 30 2017 / 01 / 31

3. ニューズウィーク日本版 2017年1月31日号

P RI S C ( ) P IDIVISION GLOBALIZATION BREXIT SOUTH KOREA AMAZON DONALD TRUMP UNITED STATES 新大統領誕生の日 首都を怒りが占拠した 、、つ、ミド、い : リ 1 ュ トランプ新大統領は、アメリ 化するのは必然だろう。暴力とすぐに黒人の若者が近づいて カ中の怒りを連れて首都ワシン破壊を擁護する気はないが、こきて、声を掛けた。「僕たちは トンにやって来たようだ。今月れが「トランプのアメリカ」な全員アメリカ人だ。考え方は違 うかもしれないけど : ・・ : 」 日の大統領就任式当日、勝ちのだ。 小さな善意が垣間見えた場所彼女はうなずいて言った。 誇った白人の支持者は抗議する 人々に向かってこう叫んだ。でも、トランプ派と反対派の対「私たちに憎しみは必要ない ! 」。 「トランプ ! 彼がおまえらの話は不可能なようだった。私はそのとき私は、黒装東のデモ行 大統領だ」 トランプ支持の白人女性がデモ進や通りに立ち上る黒煙が彼女 にとってどんなに恐ろしいか、 左派のデモ隊が陣取る町の一隊と言い争う現場を目撃した。 角では、黒装東に覆面の男たち抗議行動はアメリカに対する世分かった気がした。 がゴミ箱に火を付け、窓ガラス界の印象を悪くしていると、彼私は反対派の怒りや恐怖の理 由を彼女に説明しようとした。 を割り、高級車を破壊した。ワ女は怒りをぶちまけた。 シントン中でトランプ支持派と誰かが反論すると、彼女は叫だが、トランプについて私が何 反対派の殴り合いが発生。警察んだ。「私は白人であることをか一一一口うたびに、彼女は言い返し 「ハよ 恥だなんて思ってないー た。「それは私たちがオバマに は 217 人を逮捕した。 選挙中、反対派への暴行を容ずっと家で子供たちを育て上げ対して思っていたこと。私たち 認してきたトランプの大統領就てきた。政府の援助もなしではずっと耐えてきた」 ミシェル・ゴールドバーグ 任に対し、一部のデモ隊が暴徒ね ! 」 ーム書 1 、、っ 0 →で纓 、、 0 「 ecycling b 一 0 ・ ま gd 「 ea ョ ! ー mach っ e. ◎ 2017 The Slate Group Newsweek 8 2017 / OI / 31

4. ニューズウィーク日本版 2017年1月31日号

枝 U S & Ⅳ S ついに始まったトランプ のアメリカ 26 ペーシ 大統領就任式の会場に通じる扉の前で 目を閉じたドナルド・トランプ。その耳に は、登場を待ちわびる支持者の歓声が 聞こえていたはずだ。だが会場の外で 響いた反対派による激しい抗議の声に、 彼が耳を貸すことはないだろう。アメリ 力は、深い分断の時代に突入した。 WIN MACNAMEE GETTY IMAGES Newsweek 25 2017 / OI / 31

5. ニューズウィーク日本版 2017年1月31日号

INAUGURATION 2017 MIDDLE EAST 戦での戦力を倍増したことになる。肥 で難民キャンプへと運ばれた。 くことのできる勢力を見つけて連携しという被害を出している。その後、 月にはシリアへ 300 人の増派も承認ていくという課題だ。 年にはイラクから米軍が撤退し、ファ トランプ政権にとってさらに厄介な され、現地駐留の特殊部隊員は合わせ「米軍の地上部隊を投入せずに戦えるルージャは年にの武装勢力のは、たとえ戦場でに勝って て約 500 人になる。今やイラクにはような地上戦力が見つからない。それに奪還された。 も終わりは来ないことだ。イラクとシ 約 6000 人の米兵が展開している が第一の障害だ」と、シンクタンクの カファレラによるとシリア第 2 の都 リアの都市部の拠点をつぶしても、ユ こうした段階的な増派戦略には批判軍事研究所のジェニファー・カファレ市アレッポ東部では激しい戦闘により 1 フラテス渓谷には—(J)'---:T) 勢力が残 もある。「初めからそうすれば 658 ラは一一一口う。都市の奪還作戦に適した地もっと多くが犠牲になった。市内と周る。戦闘員やその支援者たちはゲリラ カ月で同じ成果を得たはずだ」と、米上軍を編成するための時間や資金を考辺地域で「イラン主導の戦力から数千戦やテロ攻撃をいつでも展開できる。 陸軍特殊部隊士官でもあるヘリテ 1 ジえると「提携戦略でを打倒で人の死傷者」が出たという。 だいぶ前からは、都市部か 財団のスティ 1 プ・ブッチは一一一口う。 2 きるかどうかは定かでない」。 トランプは提携相手選びに慎重だ。らの撤退と砂漠地帯への回帰を宣伝し 年も費やしているうちに過激派の「ス アメリカか支援してきたクている。彼らは過去 1 年間でイラク、 1 パ 1 ウイルス」がはびこったという。 ルド人勢力中心のシリア民シリア、リピア、ナイジェリア、アフ るる 口先では手 0 取り早く勝利を主張して ~ と残け主軍は信用できな〔、と述ガ = タで支配地域をかなり失 0 た ても、段階的に取り組む手法はトラン べたことがある。もとよりものの、世界各地でテロを起こし、さ っもこにが続 クルド人部隊にをらに同調者をテロへ駆り立ててきた。 護專、・、る髣。 " とてい合力を掃討をう。 0 力会 「に活動のチャンスを与える ~ —つな 択をしない限り、そうなるだろう。 るとは思えない。トランプような、人々の不満感はあまり解消さ は、シリア北部の反政府勢れていない」と、ランド研究所のセ 「低枝 0 果実 0 収穫済《」』形容す政のでは一ア、ヤ 力を支持することでロシアス・ジョ 1 ンズは指摘する。それは特 ・マンスア教授 ( 歴史学 ) だ。 プな場りラ—戦 との新たな友好関係を危険にイラクで切実な問題だ。同国ではシ かってイラク戦争でデ 1 ビッド・ペ ン介戦わフラ にさらすまねはしないだろ 1 ア派の多いイラク軍が、スンニ派の ラ厄終一リ トレアス司令官の副官を務めたマンス う、とマンスアはみる。 町であるモスルやファルージャ、ラマ ュゲ アに言わせると、オバマ政権は「空爆 つまりラッカはほかの勢ディを解放してきた。イラク政府はシ を強化し、交戦規則を緩め、クルド人 力に任せる。ロシアの空軍、 1 ア派主導であり、スンニ派住民の不 勢力を支援し、の金融資産を シリアでラッカ奪還を試みるにも、イランの民兵、シリア政府軍にだが、満や懸念の解消に向けてほとんど努力 押さえようとしてきた。そのすべてが米軍に訓練されたイラク軍の急襲部隊そうなれば民間人の大変な殺戮を覚悟していない。この問題は、スンニ派が 奏功している。ゆっくりとだが、効果がラマディ、ファルージャ、そしてい しなければならない。マンスアによれ国際テロ組織アルカイダやに は上がっている」。 まモスルで経験しているような激しい ば、ロシアやイランが支援する勢力は取り込まれる一因ともなった。 市街戦になることは確実だ 「中世の兵糧攻めのような孤立作戦」 「は何度も敗北を喫してい 市街戦は大変な犠牲を生む 年Ⅱ月のファルージャ掃討作戦は、を取る可能性が高い る」と、ワシントン中近東政策研究所 これからはトランプ政権もオバマ政トランプ政権で国防長官に就いたジェ まさにアレッポがそうだった。昨年の研究員マイケル・ナイツは言う。 権と同じ難題に立ち向かわねばならな ームズ・マティスが指揮した。民家かのロシア軍とシリア軍による空爆で、「重要なのは今の勝ち負けより、 3 年 い。スンニ派住民を疎外せず、地上戦ら民家へと乱戦を展開した数週間に米東部は瓦礫の山になった。生き残った後にが勢いを盛り返すことを でと戦い、支配地を広げてい海兵隊は死者人、負傷者約 450 人反体制派と市民はようやく月にバス許すかどうかだ」 Newsweek 40 2017 / OI / 31

6. ニューズウィーク日本版 2017年1月31日号

MU 工 AMMAD 工 AMED—REUTERS 米軍の大規模な戦力なくして、 の戦士を支配地域から追い出すこ とは難しい。米空軍は昨年、イラクと シリアに 2 万 4000 発の爆弾を落と し、特殊部隊はイラク軍とクルド人民 兵組織を支援した。 段階的な増派を続ける可能性 作戦の進行が遅いという不満はあっ ても、が 2 年前に占領した地 域の半分以上を奪うことに成功した。 昨年川月以来、はモスルでイ ラク軍による熾烈な攻撃に苦戦してい る。米軍とイラク軍の司令官らはモス ル奪還は時間の問題で、おそらく 1 カ 月以内とみている。これに勝利すれば、 旧還 最後の都市部拠点であるラッ 旧奪 でル 力への攻撃の重要な足掛かりとなる。 ルス スモる バラク・オバマ前大統領は長年、 る との戦いにおける米軍の役割に 関して危ない橋を渡っており、米軍の ラー 実戦部隊をイラクとシリアに派遣する 在討 1 ことはないと主張していた。 存先掃は だが実際には繰り返しイラクへの米 ように大胆でリスクの大きい手段の必実に素早く」を壊滅させるとを大量に送り込んで地上戦の先頭に立軍派遣を拡大。軍事顧問たちを危険な いう公約を繰り返した。 っという提案に対して、慎重な姿勢を状況にさらし、砲兵部隊を戦闘地域に 要性を、トランプに納得させられるか トランプが数千人規模の米軍派遣を取る。恒久的な基地が必要な上、外国送り込んできた。の幹部に対 どうかも分からない。 トランプ自身の米軍派遣に関する発選ぶなら、共和党内の最大の批判者かの占領軍が再び中東の町々の治安を維する急襲作戦を遂行し、クルド人勢力 やイラク政府軍と共に最前線で戦うた 言は矛盾している。昨年 7 月には「ごら支持を得られるだろう。多くの点で持するという事態を生むからだ。 8 年半にわたる米軍のイラク占領はめに何百人もの特殊部隊を配備した。 く小規模な地上軍」を使うと発言。だ トランプと対立するジョン・マケイン 結局のところ大失敗に終わり、反政府今年に入って国防総省は、イラク軍 か 3 月には、必要な部隊数は軍幹部のとリンゼー・グラム両上院議員は、— 助言に留意するとして、「 2 万 53 万打倒に向けて最高 2 万人の部隊勢力の台頭との誕生につなが指導の目的でモスル市内と周辺に米兵 った。米軍の指揮官と外交官はこの経 450 人が配備されていることを認め 人が必要と聞いている」と話していた。の派遣を勧めている た。昨年川月に始まったモスル解放作 川月にはその数字には言及せず、「確アメリカの軍幹部や外交官は、米軍験を繰り返さないことを誓っている / を 0 Newsweek 39 2017 / 01 / 31

7. ニューズウィーク日本版 2017年1月31日号

そう簡単でない 旧旧掃討作戦 INAUGURATION 2011 MIDDLE EAST BOOTS TO SYRIA? テロ組織をすぐに壊滅させると 選挙中に大言壮語したトランプだが 地上軍をシリアに大量投入する気なのか ダン・ドウ・ルース、ボール・マクリーリー ( フォーリン・ポリシー誌安全保障担当 ) , 3 へ From Foreign POlicy Magazine ナルド・トランプ米大統彼はこれまでに地上軍派遣の必要性に 領は選挙戦で、テロ組織ついて公然と語っている。 ( 自称イスラム 退役陸軍中将で国防総省情報局 ( 国 ) を素早く壊滅させる (<) 元局長であるフリンは、 と繰り返し主張し、オバマ前政権の— を第一一次大戦や冷戦当時の敵に匹敵 対策は弱腰で中途半端だと嘲笑する脅威と見なし、より幅広い軍事行 し続けた。 動で立ち向か、つ必要があると提言して 経済成長率を 2 倍にする、メキシコきた。「悲しい現実だが、われわれは との国境に壁を造る、石炭産業を復活地上軍を配備しなければならない。空 させる 。ほかにもそんな大げさで爆だけでこの敵を葬ることはできない 曖昧な約東をしてきたが、壊だろう」と、フリンは年にドイツの 滅は最も困難な課題になりそうだ。 シュピ 1 ゲル誌に語っている 米軍幹部らは、を迅速に打関係筋によれば、オバマ政権の対テ ち負かすという約東をトランプが果たロ方針と対立して年に更迭されたフ すには、圧倒的な量の地上軍を送り込 リンはトランプ陣営に加わる以前、— むしかないと指摘する。それは政治的が「首都」と称するシリア北部 に危険な選択肢であり、アメリカが再の要衝ラッカへの米軍派遣計画案をま 8 び中東で終わりなき占領政策に突入すとめたという。詳細は不明だが、シュ ピーゲルのインタビュ 1 では、米ロな る事態を招きかねない。 トランプは世界に対するアメリカのどの多国籍軍によるシリア支配を提案。 関与や介入を減らすと語ってきたが、年代の旧ユーゴスラビアに展開した 新政権内には地上軍派遣についての意国際的な平和維持部隊に似たものだ。 外な支持者がいる。国家安全保障担当「ユ 1 ゴスラビア紛争から教訓を学ぶ 補佐官に選ばれたマイケル・フリンだ。 ことができる。当時のバルカン半島の ように中東の危険地域を分割し、それ ぞれについて特定の国が責任を持つや り方をすればいいと思う」と、フリン は語っている。「アメリカやロシア、 欧州で分担を決める。アラブ諸国も作 戦に参加し、役割を果たすべきだ」 トランプ政権誕生が決まった昨年Ⅱ 月以降、フリンはイラクとシリアへの 米軍の大規模増派を今も支持している かは明確にしていない。フリンかその

8. ニューズウィーク日本版 2017年1月31日号

INAUGURATION 2011 ASIA オ 1 ストラリアは、ベトナムやイラ 一般論として、もしも中国側が先に るには、同盟諸国の同意が不可欠だ。 リカが同国の空域・海域を使用するこ その際、最も重要な存在はアジアにおとを拒み、国内の米軍基地使用にも抵クでの過去の場当たり的な戦争でも、仕掛けたけんかなら、アジアの同盟諸 すっとアメリカを支持してきた。それ国はアメリカの味方をするだろう。だ けるアメリカの同盟構造の要である日抗するだろう。 フィリピンはど、つかロドリゴ・ド に同国は西洋文化圏にも属している。かトランプか勝手に売り、中国が買っ 本だろう。危機を仕掛けたのはどちら か。この点を日本の世論がどう判断すウテルテ大統領は、中国の南シナ海進そして中国は、オーストラリアにとったけんかであれば、イラク戦争の時ほ るかが重要になる。中国を刺激する可出を容認する姿勢に転じた。同国は昨ても長期的な安全保障上の難題だ。紛どの協力も望めまい 能性の高いトランプの乱暴な言動は、年、同海域での領有権問題をめぐり国争時にアメリカに協力しなければ、実どの国も、無用の戦争は望んでいな 日本の世論に支持されず、国民はそん際法廷で中国に勝訴したが、ドウテル質的にアメリカとの安全保障上のつな い。特に中国のような準超大国を相手 にしたくはないし、トランプのよ、つに な紛争からは距離を置くべきだと考えテは中国の経済援助を引き出すため、がりは断たれる。そしてアメリカとの るだろう。 この問題を封印している。 つながりは、同国が西洋文化圏とつな好戦的で愚かな男のために戦いたいと 一方でアメリカとの安保同盟を重視このままだと、フィリピン政府が実がる上で不可欠だ。 も思わない。紛争のない所にトランプ する日本の保守政治家は、有事に米軍質的に領有権主張を が紛争をつくり出せば、各国はこれを が日本の空域や海域を使用することを取り下げた場所をめ 不愉快な権力の誇示と解釈して、アメ リカと距離を置くだろう。 渋々ながらも認める可能性が高いしぐって、アメリカと かしトランプの挑発で中国との紛争が中国が争うという奇 トランプ ( とその側近たち ) はこの 点を理解していないよ、つだ。同盟諸国 始まった場合、日本が本格的な軍事協妙なことになる可能 力に乗り出すかどうかは疑問だ。 性もある はアメリカの一一一口うこと全てに従う、少 なくとも強リ。 , トランプの挑発的 ーこ従わせることができる 愚か者のための無用の紛争 な一言動が紛争のきっ と考えているのではないか。 韓国の姿勢は、日本よりもさらにアかけをつくった場合 中国を挑発することの代償の大きさ メリカとの距離を取るものになるだろでも、明確にアメリ を、中国とのあらゆる協力がなくなる う。現在の大統領は保守だが弾劾裁判カ支持を表明する可 ことの意味を、トランプが認識してい にかけられており、次期大統領は左派能性が高いのはオ 1 るかどうかも疑わしい。両国関係が悪 系となる可能性が高い。そして韓国のストラリアと台湾だ。 化すれば、中国からの輸入が減り、ア 左派は、どちらかといえば反米的で中台湾は自国の安全 メリカ国内の物価が高騰し、中国に深 国寄りの傾向がある 保障をアメリカだけ く依存しているアメリカ企業のサプラ トランプはそうした傾向をさらに顕に依存している。だ イチェ 1 ンが混乱する。気候変動など 在化させるだろう。韓国はイラク戦争から何があってもア の問題での協調も不可能になる。 時も、国内の米軍基地の使用をめぐっメリカとの絆を切れ トランプのアメリカは、まだ勢いの てジョ 1 ジ・・ブッシュ政権と対立ない。アメリカの戦 ある世界第 2 位の経済大国との関係を した。トランプが相手なら、そうした う相手が台湾にとっ 断ち、袞退に向かう腐敗大国 ( ロシ 対立感情が一段と強まりそうだ。韓国て最大の安全保障上 ア ) に擦り寄るつもりだろうかそれ はアジアにとってもアメリカにとって 政府は中国のミサイルが国内の米軍基の脅威である中国で 地を攻撃してくることを恐れて、アメあれば、なおさらだ。 も、受け入れ難い道だ。 敵に回すと 勢いを増す一方の中国 との協力関係を失う道 を進むのは危険だ 3 4 2 KIM KYUNG 工 OON—REUTERS Newsweek 36 2017 / 01 / 31

9. ニューズウィーク日本版 2017年1月31日号

インドで近年、深刻な問題とが空席に移動して隣で就寝中のがっている。同社元幹部ジテン ) 化している女性への性的暴行事女性の体をまさぐる事件が発生。ドラ・バルガ 1 バはメディアで ( 件。それに加え、世界中の航空今月は、客室乗務員にセクハラ「優先順位を誤っている」と発 ( 機内で女性客へのセクハラ問題した客が逮捕された。 言。「航空機内は女性客にとっ っ が噴出しているとなれば、イン「国営航空として、女性客の安て危険な場所であってはならな き の ドを航空機で移動する女性には 心感を高める責任がある」と、 乗客の違法行為には、乗務 入 導 危険かいつばい ? ゼネラルマネジャーのミ 1 ナク員が法に基づき適切に対処でき 用 そんな懸念に応えるべく、エ シ・マリクは一一一口う。女性専用列るはずだ」 専 性 女 ア・インディアは女性専用座席は全 6 席で一人旅の女性のみが女性専用席を設ける必要のあ 件 ま列を導入すると発表した。機内指定でき、追加料金は必要ない。る航空機に、かえって女性客は 事 ラ O でセクハラ被害が数件報告されだが座席数がたった 6 つ、と不安を覚えるかもしれない。 ク たためだ。先月には、乗客の男いうこと以外にも批判の声が上 カシア・コーバックス セ 0 トランプ米大統領の熱心な支取り上げられ、トランプの大統ロガー、有名な釣りサイトに掲 持者だって人間で、彼らにも出領選勝利を経て、今や会員 2 万載されている写真などから拝借 してきたものらしい 会いを求めるニ 1 ズはある。と 4000 人に急増した。 実 いうことで、トランプ支持者専大盛況なのは露出度が上がっ なぜ偽会員がのさばるのか の 用の出会い系サイト「トランプたためか、ツィッターでの宣伝運営側が箔を付けるために水増 シングルス・ドットコム」が誕文句の効果か ( 「国境に壁を作ししているのでは ? だがゴス 系 生したのは自然な流れ。キャッれ、心には壁を作るな」など ) 。は「架空の会員を作っているこ チフレーズにはこうある。「出選挙後の冷めやらぬ熱のせいととは 100 % ない」と否定する もいえるかもしれない。あるい 会いを再び偉大に ! 」 ほかに考えられる可能性は、 開設者のデ 1 ビッド・ゴスは、は、フェイクニュ 1 スかも。 スバム攻撃目的で会員登録する 出 婚活リアリティ 1 番組の『バチというのも、会員のほとんど者がいるということ。実際、あ 用 エラー』などでコ 1 ディネータが「リアル」じゃないのだ。 る女性会員から届いたメ 1 ルは 者 ーを務めた人物だ。「彼の恥ずサイトに登録して近場の会員「ここに連絡ちょうだい」とナ べき暴言のせいで、トランプ支を検索すると、若くてホットでイジェリアの詐欺サイトに誘導 持 持を公言するのをためらう人は保守派の女の子たちが何千人としてきた。 支 多い」と、ゴスは言う。「特に、 ヒットする。でも待てよ、居住 リアルな出会いはイマイチ期 出会いを求めているときには」 地条件を変えたら : : : 同じ顔触待できないが、今のところ広告 プ だから、自らをさらけ出せるれがずらりと並ぶではないか。収入は好調らしい。アメリカで ン 出会い系サイトを作った。昨年ネット上で調べると、多くの生まれたビジネスが 1 っ成功し、 5 月の開設時の会員は約 500 プロフィ 1 ル写真が別人のものトランプもさぞ満足だろう。 ト人。それから多くのメディアでだと判明した。ポルノ女優やプ ジョー・べイクス M aking Da い Great Again 、紀物 Yo . 、 Y. し、 X トランプ支持者同士ならきっと価値観もびったり THE DATING SITE FOR TRUMP FANS AIR 粮 A TO OFFER FEMALE-ONLY ROWS 機内の女性専用席で インドの旅は安心 ? 0 FROM TOP: TRUMPSINGLES, CANDYBOXIMAGES/ISTOCKP 工 0T0 Newsweek 18 2017 / 01 / 31

10. ニューズウィーク日本版 2017年1月31日号

新時代の幕開け 不安を抱く人々の代弁者 になることでトランプは 選挙戦を勝ち抜いた 0 1 0 0 0 0 0 0 0 AP/AFLO ュリズムの担い手は、億万長者やヘッ ジファンドのマネジャ 1 なのだ。トラ ンプが推し進めよ、つとする減税や規制 緩和は、富裕層に圧倒的有利な仕組み になっている トランプは演説冒頭で政治家を非難 して、「政府の恩恵にあすかり、その 費用を人々に負わせている」と言った。 実際には、この表現はトランプ政権に こそふさわしい トランプはアメリカの分断をあおる 人種的・民族的ナショナリズムを武器 に選挙戦を展開した。その中心にある のは、一部のアメリカ人は他の国民よ り優越した立場にあり、「アメリカ人」 の定義は国家の理想への忠誠心よりも 人種や民族で決まるという考え方だ。 イスラム教徒のアメリカ人やヒスパニ ック系移民に対するトランプの攻撃の 背後には、この考え方がある トランプの演説は、この明白な人種 差別に言及していない。だが「外国の もの」に対する無差別に近い攻撃や、 自由と平等、立憲主義の軽視を含む演 説の強硬なトーンは、この熱狂的ナシ ョナリズムの存在をうかかわせる 新大統領は通常、アメリカの団結や 統一を約東する。トランプが約東する のは、ある種の支配オバマ前政権の 8 年間を経て、ワシントンはトランプ を支持した「人々」の軍門に下るとい 、 2 旦言だ。ようこそ、トランプ時代へ。 ようこそ、「アメリカ・ファ 1 スト」 の時代へ。 Newsweek 3 ー 2017 / 01 / 31