マティス - みる会図書館


検索対象: ニューズウィーク日本版 2017年4月18日号
3件見つかりました。

1. ニューズウィーク日本版 2017年4月18日号

SYRIA STRATEGY From Foreign PO 一一陰 Magazine の情報を得て現地のロシア軍関係者をしたのなら、絶対に奪取しろ」 退避させていた。シリア政府軍も避難マティスが今回、豆示止空域の設 か していた可能性が高いそうだとすれ定ではなく、問題の根源を絶っことを ば、今回のミサイル攻撃では「悪党」トランプに提案する可能性はなくはな を成敗できなかったことになる。 。具体的には、空爆と並行して、特 では、アメリカは次にどう出るのか。殊部隊を送り込んでシリア政府指導部 と 動 1 つの選択肢は、シリア上空に飛行禁を襲う作戦だ。空爆と地上部隊の投入 り もっとも、それが成功してシリア政 ナるの防空システムを破壊しなくてはなら すず、大量の空爆を実施する必要がある。府指導部を抹殺できたとして、その後 多しかも、標的の多くはずっと 1 カ所にのシリアをどうするのか。大掛かりな とどまっているわけではない。それに、行動に踏み切れば、たちまち泥沼には ちガ 撃ス空爆でロシアの軍事顧問団を殺害してまりかねない。それに、国際対立は相 を しま、つ危険もある。 互作用を通じてエスカレ 1 トしていく マ空爆作戦には、トルコの協力も取りものだ。百戦錬磨の軍人としてそのこ 付けなくてはならない。トルコの空軍とを身をもってよく知っているマティ ミノ基地を出撃拠点にしないまでも、撃墜スは、イランの反応を考慮するよ、つ大 ラされたパイロットを救うための捜索・統領に求めるかもしれない。 救出部隊の拠点が必要だからだ。 問題は、シリア間題でイランかどう 海兵隊時代のマティスは、文民の上動くかだけではない。イランは直ちに、 官に対して、検討中の行動の 2 次的、イラクで対立を過熱させる可能性があ 3 次的な影響も考慮するよう求めるこるのだ。「 ( シリア大統領の ) バシャ とか多かった。また、段階的に軍事行ル・アサドは、イラン政府とレバノン 動をエスカレ 1 トさせるのではなく、の ( イスラム教シーア派武装組織 ) ヒ しかし、これで終わりにはできない シリア情勢で好ましい選択肢は 1 っ 一挙に決着をつけることを好む。 ズボラの全面的な支援を受けてきた」 もありませんーージェ 1 ムズ・マテイもしそうすれば、囲年代のビル・クリ 年春、イラク戦争で部隊を指揮しと、マティスは以前指摘している ス米国防長官はドナルド・トランプ米ントン大統領の失敗を繰り返すことに たときのこと。部下に多くの犠牲を出 トランプは、どの道を選ぶのか慎 大統領にこう告げたに違いないもしなる。クリントンは、非人道的なことした末に中部の要衝ファル 1 ジャを制重に検討したほうがいい。下手をする 好ましい選択肢があれば、前政権がとを行った国や勢力にミサイルを撃ち込圧した後、町を明け渡して撤収するよと、マティスが年に発した警告の言 つくに実行していたでしよう、と むことを好んだが、粗末な兵舎とテン、ス叩じられた。納得がいかなかったマ葉を借りれば、「極めて大々的なホン 結局、トランプ政権はシリア政府軍トを破壊するだけに終わった。 ティスは、上官にかみついた。その際、モノの戦争」に引きずり込まれかねな 今回、ロシアのウラジーミル・プ 1 いのだから。 支配下の空軍基地に対して、海上から ナポレオンの言葉を引用してこう一一口っ 巡航ミサイルを発射した。 チン大統領は、アメリカから武力行使たという。「ウィ 1 ンの奪取に乗り出 トーマス・リックス ( 軍事ジャーナリスト ) AARON P. BERNSTAIN—REUTERS 0 0 ー 0 一挙に決着 ? マティスは大統領にどのような助言をするのか WAR WITH SYRIA? A PRIMER ポ事戦略 Newsweek 24 2017 / 04 / 18

2. ニューズウィーク日本版 2017年4月18日号

SPECIAL REPORT アサド政権を攻撃したトランプは この次どの道を選ぶのか 下手をするとマティス国防長官が かって警告したように 「極めて大々的なホンモノの戦争」に 引きずり込まれかねない 24 ページ「泥沼化の悪夢を避けられるか』より ′のエ AN ON ST E N EUTERS 化学兵器攻撃の犠牲者の写 真を持ち、アサド政権を非難 するヘイリー米国連大使 Newsweek ー 9

3. ニューズウィーク日本版 2017年4月18日号

SYRIA DONALD TRUMP WHAT HAPPENED TO PUTIN'S PUPPET? プーチンの「操り人形」が駒変した ? トランプがロシアを敵に回す行動に出たのは プーチンと親蜜だというイメージを払拭したかったからなのか 米ロ係 3 ドナルド・トランプに対しては、大の通告があったとされるが、ロシア政あったのかもしれない。 統領就任前からさまざまな懸念が指摘府はアメリカの軍事行動を「主権国家だか、別の可能性もある。プ 1 チン されてきた。その 1 つが、ロシア政府への侵略行為」と非難している。 大統領と親密だというイメージを打ち の意向に沿って行動するのではないか振り返ると、バラク・オバマ前大統消し、ロシアに対して強硬な姿勢を印 というものだった。 領とその前のジョージ・・ブッシュ象付けようとしたトランプが過剰な行 しかし、 ( ほかの多くの問題はさて大統領も、就任当初はロシアの最高権動に走ったというシナリオだ。シリア おき ) 少なくともロシア問題では、懸力者ウラジーミル・プ 1 チンとの協力攻撃は政権の「ロシア疑惑」から目を 念は的中していない。トランプ政権の関係構築を目指していたが、そのうちそらすための策略だ、という臆測を述 に対ロ関係は冷え込んだ。トランプ政べる人たちもいる 権で同じことが起きるのは意外なこと もちろん、化学兵器で殺害された子 ではないが、今回はあまりに早く、あ供たちの映像に心を揺さぶられ、シリ らまりに劇的な展開だった。 ア政策全般を急転換した可能性もある こ し と いったい、何が起きたのか可能性トランプの性格を考えれば、あり得な た はいくつか考えられる くはない。しかし、トランプにとって、 し 1 つは、トランプとロシアの関係がロシア疑惑の報道がかき消されるのが 入 介 疑われていたほど深くなかったとい、つ好ましい状況であることは確かだ 可能性だ。ロシア政府は昨年の米大統ロシア政府が本当に大統領選でトラ 米領選でトランプを勝たせるために工作ンプの勝利を助けたとすれば、現状は 年を行ったのかもしれないが、トランプもくろみが外れたことになるのか。そ と取引していたわけでもなければ、トの可能性もあるが、トランプが重要な 当 本 ランプを脅迫していたわけでもなかっ田、 卩題てロシアの利害に沿って行動する ン チ た、というシナリオである ( 真相はことまでは期待していなかったのかも プ の捜査が済むまで分からないが ) 。しれない。アメリカの政治を混乱させ、 れ も、つ 1 つの可能性は、トランプはも国際的な威信を傷つけられれば、プ 1 外 待 っと親ロ的な政策を実行するつもりでチンは満足だった可能性もある 期 、国際政治の現実を知って考え いずれにせよ歪女は尽きない。アメ 発足後、米ロ関係が劇的に改善する兆を変えた、もしくは政治的事情により リカの大統領がロシアの傀儡だとすれ しは見えていない。 それを実践できずにいる、というシナばぞっとする話だが、ロシアに操られ しかも先週、トランプ政権はシリア リオだ。ロシア政府との密接な関係でていないことを実証しようと躍起にな 政府軍の基地に巡航ミサイルを撃ち込知られたマイケル・フリン大統領補佐っているとすれば、それも恐ろしい話 んだ。シリアのアサド政権に対する軍官 ( 国家安全保障担当 ) が退任し、そだ。いまホワイトハウスでは、あまり 事行動は、オバマ前政権が対ロ関係のの後任の・・マクマスターやジェに気まぐれで衝動的な男が世界最大の 悪化を恐れてここ数年避けてきたこと 1 ムズ・マティス国防長官のような伝核戦力を動かせる立場にあるのだから。 だ。今回の攻撃では事前にロシア側へ統的なタカ派が力を増している影響も ジョシュア・キーティング SERGEI KARPUK 工 IN—REUTERS 02017 The Slate Group Newsweek 30 2017 / 04 / 18