大統領 - みる会図書館


検索対象: ニューズウィーク日本版 2017年4月18日号
31件見つかりました。

1. ニューズウィーク日本版 2017年4月18日号

卩盲ヒ 支持率トップを独走していた文 ( 右 ) を猛追する安。最後に勝つのはどっち ? SOUTH KOREA 来月 9 日の投開票まで 1 カ月 思わぬ追い上げを受けた文も、 を切った韓国大統領選。「左派保守派の取り込みに躍起になっ の祭典」と思えるほどリべラルている。頼りにしようとしてい 系候補者の優勢が目立っ今回のるのは、朴槿恵の父で韓国にお カ 選挙だが、皮肉にも彼らが頼りける保守政治の「始祖」といえ パク・チョンヒ こにするのは保守勢力のよ、つだ。 る故・朴正煕元大統領の威光だ り支持率トップを独走していた韓国では、選挙の候補者が大 墓左派系の最大野党「共に民主物政治家の墓を参拝することが 呆の党」前代表の文在寅が先週、同多い。文は先週、党候補に選出 じ左派系野党「国民の党」前共された後の最初の公式日程で朴 正 アン・チョルス る 同代表の安哲秀から猛追を受け正煕ら歴代大統領の墓を参拝。 た。 2 月上旬まで、 2 位候補に前回の大統領選では「形式的な 頼者 裁支持率で倍以上の差をつけて圧参拝は不要」だとして、民主化 キム・デジュン 倒していた文だが、ここにきてを牽引した金大中の墓だけを訪 れ 3 差まで迫られた。 れていた。今回、朴正煕の墓に 2 人は肥年の前回大統領選でも足を運んだのは、保守勢力の ナ 上も戦った因縁浅からぬライバル視線を意識しているからにほか ならない しだ。当時、優勢だった与党候補 にの朴槿恵前大統領に対抗するた文は昨年、知人の国政介入を 秀め野党候補の一本化を迫られ、許したとして朴槿恵を猛批判 女安は出馬を断念。涙ながらに文「無条件で退陣宣言するまで、 で がにエ 1 ルを送った。 国民と一緒に全国的な退陣運動 寅女の支持率が急上昇したのは、に乗り出す」と扇動した張本人 文「共に民主党」内の予備選で敗だ。打倒・朴を果たした文の支 アン・ヒジョン 領 のれた安熙正忠清南道知事への支持者は、彼の「変節」ぶりを見 ッ持が、文ではなく安に流れたたて落胆している。左派系最大手 ト めとみられる。 2 人の安は左派紙のハンギョレ新聞は「変わっ 大 持系の支持者が批判するてしまった文」という見出しの 支 ( 高高度防衛ミサイル ) の配記事を掲載。朴正煕の墓参りを 国 備に前向きだ。安哲秀は「国家した文を批判した。 間の合意は尊重しなければなら大統領選の山場に来て、突然 韓 ない。それが外交の基本」と語もてはやされる保守勢力。拘置 るなど現実路線を打ち出し、保所にいる朴槿恵は何を思うか 守勢力に支持を広げている。 前川祐補 ( 本誌記者 ) KIM 工 ONG ・ JI—REUTERS ( 2 ) Newsweek ー 0 2017 / 04 / 18

2. ニューズウィーク日本版 2017年4月18日号

Persp ectives アサド 皮は今頃、心配しているだろう。 マルコ・ルビオ米上院議員ーートランプ政 権によるシリア空爆は、これまでのアメリカ とは違うというメッセージを北朝鮮の金正恩 国務委員長に送ったと、テレビ番組で述べて 私はサッチャーでもマザー・テレサでもない。 ミャンマー ( ビルマ ) のアウンサンスーチー 国家顧問ーーロヒンギャ問題で欧米諸国が彼 女をマハトマ・ガンジーやマザー・テレサ、 サッチャー元英首相らに重ねて見ているのは 誤解かと、 cncnc-) のインタビューで問われて った主張に基づいた決定だ。 国連人口基金ーー強制的な人工妊娠中絶を行 う中国の政策に関わっているとして、アメリ 力が同基金への資金拠出を停止したことに反 論して 0 プーチン ◎ 2017 MARGULlES—am NEW YORK どんな子供も このような恐怖に苦しむべきでない。 トランプ米大統領 内戦でイヒ学兵器を使用したと思われるシリアのアサド政権への報復措置として 同国の空軍基地を空爆した後の記者会見で あなたは この予測不能な暴君を 止めなければならない ! アメリカは北朝鮮について十分語ってきた。 テイラーソン米国務長官ーー北朝鮮の弾道ミ サイル発射を受けた声明で。異例なほど短い コメントの意図をめぐって臆測が飛び交った み・んながその島々を奪おうとしているから。 フィリピンのドウテルテ大統領ーーー領有権を 主張する南シナ海の無人島を占拠するよう、 軍に命じて り日以内にエクアドルから退去することを、 心からおすすめする ( 租税回避地にある大金 を持ち出しても持ち出さなくても ) 。 ウイキリークスの創設者、ジュリアン・アサ ンジーーーエクアドル大統領選で敗れた野党右 派候補のギジェルモ・ラソにツィッターで呼 び掛けて。ラソは、自分が大統領になれば 8 日以内に在英ェクアドル大使館に滞在するア サンジを追放すると主張していた や る 習近平 ◎ 2017 CHAPPATTE—The New York Times Newsweek 5 2017 / 04 / 18

3. ニューズウィーク日本版 2017年4月18日号

Superpower Satire 風刺画で読み解く「超大国」の現実 tNSlPE: 。 HOW 工 WENT FROM CAMPAIGN PRoMtSE 和 、、工 9 リ N 18 DAYs! 引 OT にリ江ー M uMS AND OTHER 0 AS 囎 0 リ 5 TECHNtQUES! 。 THE SECRET To AN UNPREPARED 俎 0 UNAPoLoQETlC し順 E ! THE PRESIDENT'S NEW 600K. 書『 T m The 領令は 2 回も裁判所に差し止め Art of the DeaI ( 取られた。メキシコ国境での壁建 引の芸術 ) 』が有名設は議会が予算を通さず、メキ なドナルド・トランプ米大統領シコが費用を払う気配もない。 の新しい本が ! その名も「大統領になったらツィッタ 1 『 The Art of the Fail ( 失敗のをやめる。休暇を取らない。ゴ 芸術 ) 』ー ルフをやらない」という公約も 風刺画は細かいパロディ 1 に守れていない国の改革どころ なっている。表紙の上部には定か、自己改革さえ失敗している。 の 番の「ニュ 1 ョ 1 ク・タイム 注目すべきは、本の著者がト ス ムズ・ベストセラ 1 」の前に「ナランプとポール・ライアン下院 一フ コ ンバ 11 ( # 1 ) 失敗中」の文議長の連名である点。 2 人が猛 ン 字が内容紹介 (lnside) も啓ブッシュしたオバマケア ( 医療 ッ発本の典型をもじっている。保険制度改革 ) 改廃法案の撤回 ー「公約から『やめた』までの絽が、最も大きな失敗だ。 文 日間の旅 ! / ばかげた最後通告 オバマ政権の間、共和党支配 杙ー刻やそのほかの逆効果テクニツの下院はオバマケア改廃法案を ク ! / 誤っても謝らない生き方回も可決したが、立法化され 日受 なかった。でも今回は同じ共和 の秘密 ! 」 第スでは「失敗」は何を指してい党の大統領が頼んでも、下院は 一るのか ? 歴代大統領の就任直採決にさえかけてくれない。ト ジ後の支持率は、 % 台だが、ランプは敗北を受け、「就任 の。 今のトランプは % 台。ロシア日以内に廃止するとは言ってい ロの介入疑惑で選挙の正当性が問ない」と弁明。珍しく、これは プ 房 書 われ、の調査も受けてい嘘ではない。選挙中に言ってい 摩 筑 る。これを歴史家のダグラス・たのは「初日にやる」。まさに ン プリンクリ 1 は、「歴代大統領芸術的な失敗だね。 邦ネ の中で最も失敗している最初の人の失敗はネタになるし、こ んなパロディ 1 本なら読んでみ 100 日間」と断言した。 動 不 公約打の失敗も目立つ。イたい。その「芸術」がこんなに スラム教徒の全面入国禁止を約得意だったら、選挙でも失敗し伝 東したが、一部入国停止の大統てくれたらよかったのに 5 。 ′ご 画 ◎ 2017 ROGERS -PITTSBURG 工 POST—GAZETTE Newsweek 43 2017 / 04 / 18

4. ニューズウィーク日本版 2017年4月18日号

SYRIA INTRODUCTION の勝算とリスク リアの反体制派支配地域くような措置だが、その決断は大きな最近は存在感が薄くなった国際テロ来、テロ組織 ( 自称イスラム で、神経ガスのサリンを危険をはらんでいる。シリア情勢はこ組織アルカイダだが、シリアで活動す国 ) の討伐を掲げて、クルド人武装組 使ったとみられる空爆がれまでになく混沌としているからだるイスラム教スンニ派の武装組織と手織と共に作戦を遂行してきた。その— を組み、バシャル・アサド大統領率いはアサド政権と戦っている。 あったのは今月 4 日のこ ( 解説記事ハー ) 。 そして今回のシャイラト空軍基地爆 そのカオスぶりは、米軍事研究所る政府に対する戦いを激化させている と。子供を含む多くの市民が犠牲とな という。ただし「敵」はアサドだけで撃によって、アメリカもアサド政権を (—n>) が先月末に発表したリポー った映像が、世界中を駆け巡った。 これに激怒したドナルド・トランプトに如実に表れている。それによると、はない。アサドを支援するヒズボラ打倒する側に回った。 ハラク・オバマ前米大統領は肥年、 ( レバノンのイスラム武装組織 ) とイ 米大統領は 6 日、空爆の拠点となった「アルカイダがシリア北部で形勢を立 シリア政府による化学兵器使用を「レ シリアのシャイラト空軍基地にミサイて直し、政府に対する大規模な戦闘をラン、ロシアも攻撃の対象だ。 アメリカはトランプの大統領就任以ッドライン ( 越えてはならない一線 ) 」 ルを撃ち込むよ、ス叩じた。一見胸のす再開した」らしい とし、それを越えたらアメリカは軍事 介入をするとにおわせた。だが実際に アサドが化学兵器を使っても、オバマ は動かなかった。オバマにとって重要 なのは核合意を結びたいイランの機嫌 を損ねないこと、シリア内戦という泥 沼になるべく関わらないことだった。 0 2 一体化するシリア軍とロシア軍 トランプも当初はオバマと同じ姿勢 撲滅だけで、当面はアサド政権が続 くことを容認する姿勢さえ示していた。 それがサリン攻撃で変わった。ある側 近によれば、サリンが使われたとみら れる映像に、トランプは「猛烈な不快 感を覚えた」という トランプは 5 日、ヨルダンのアブド ラ国王との共同記者会見で、シリアに 対する考えが変わったことを率直に認 めた。トランプは今回のサリン攻撃は 「多くのラインを越えた」と言い、対 処するのは「私の責任だ」と明言した。 これを受け、米国防総省は対応の検討 アメリカ アサドによる化学兵器使用に激怒して 爆撃を命じたトランプに プーチンはどんな行動を取るのか ビル・バウ工ル ( 本誌シニアライター ) THE RISKS OF FORD MILLIAMS—U. S. NAVY—REUTERS

5. ニューズウィーク日本版 2017年4月18日号

SYRIA DONALD TRUMP WHAT HAPPENED TO PUTIN'S PUPPET? プーチンの「操り人形」が駒変した ? トランプがロシアを敵に回す行動に出たのは プーチンと親蜜だというイメージを払拭したかったからなのか 米ロ係 3 ドナルド・トランプに対しては、大の通告があったとされるが、ロシア政あったのかもしれない。 統領就任前からさまざまな懸念が指摘府はアメリカの軍事行動を「主権国家だか、別の可能性もある。プ 1 チン されてきた。その 1 つが、ロシア政府への侵略行為」と非難している。 大統領と親密だというイメージを打ち の意向に沿って行動するのではないか振り返ると、バラク・オバマ前大統消し、ロシアに対して強硬な姿勢を印 というものだった。 領とその前のジョージ・・ブッシュ象付けようとしたトランプが過剰な行 しかし、 ( ほかの多くの問題はさて大統領も、就任当初はロシアの最高権動に走ったというシナリオだ。シリア おき ) 少なくともロシア問題では、懸力者ウラジーミル・プ 1 チンとの協力攻撃は政権の「ロシア疑惑」から目を 念は的中していない。トランプ政権の関係構築を目指していたが、そのうちそらすための策略だ、という臆測を述 に対ロ関係は冷え込んだ。トランプ政べる人たちもいる 権で同じことが起きるのは意外なこと もちろん、化学兵器で殺害された子 ではないが、今回はあまりに早く、あ供たちの映像に心を揺さぶられ、シリ らまりに劇的な展開だった。 ア政策全般を急転換した可能性もある こ し と いったい、何が起きたのか可能性トランプの性格を考えれば、あり得な た はいくつか考えられる くはない。しかし、トランプにとって、 し 1 つは、トランプとロシアの関係がロシア疑惑の報道がかき消されるのが 入 介 疑われていたほど深くなかったとい、つ好ましい状況であることは確かだ 可能性だ。ロシア政府は昨年の米大統ロシア政府が本当に大統領選でトラ 米領選でトランプを勝たせるために工作ンプの勝利を助けたとすれば、現状は 年を行ったのかもしれないが、トランプもくろみが外れたことになるのか。そ と取引していたわけでもなければ、トの可能性もあるが、トランプが重要な 当 本 ランプを脅迫していたわけでもなかっ田、 卩題てロシアの利害に沿って行動する ン チ た、というシナリオである ( 真相はことまでは期待していなかったのかも プ の捜査が済むまで分からないが ) 。しれない。アメリカの政治を混乱させ、 れ も、つ 1 つの可能性は、トランプはも国際的な威信を傷つけられれば、プ 1 外 待 っと親ロ的な政策を実行するつもりでチンは満足だった可能性もある 期 、国際政治の現実を知って考え いずれにせよ歪女は尽きない。アメ 発足後、米ロ関係が劇的に改善する兆を変えた、もしくは政治的事情により リカの大統領がロシアの傀儡だとすれ しは見えていない。 それを実践できずにいる、というシナばぞっとする話だが、ロシアに操られ しかも先週、トランプ政権はシリア リオだ。ロシア政府との密接な関係でていないことを実証しようと躍起にな 政府軍の基地に巡航ミサイルを撃ち込知られたマイケル・フリン大統領補佐っているとすれば、それも恐ろしい話 んだ。シリアのアサド政権に対する軍官 ( 国家安全保障担当 ) が退任し、そだ。いまホワイトハウスでは、あまり 事行動は、オバマ前政権が対ロ関係のの後任の・・マクマスターやジェに気まぐれで衝動的な男が世界最大の 悪化を恐れてここ数年避けてきたこと 1 ムズ・マティス国防長官のような伝核戦力を動かせる立場にあるのだから。 だ。今回の攻撃では事前にロシア側へ統的なタカ派が力を増している影響も ジョシュア・キーティング SERGEI KARPUK 工 IN—REUTERS 02017 The Slate Group Newsweek 30 2017 / 04 / 18

6. ニューズウィーク日本版 2017年4月18日号

SYRIA STRATEGY From Foreign PO 一一陰 Magazine の情報を得て現地のロシア軍関係者をしたのなら、絶対に奪取しろ」 退避させていた。シリア政府軍も避難マティスが今回、豆示止空域の設 か していた可能性が高いそうだとすれ定ではなく、問題の根源を絶っことを ば、今回のミサイル攻撃では「悪党」トランプに提案する可能性はなくはな を成敗できなかったことになる。 。具体的には、空爆と並行して、特 では、アメリカは次にどう出るのか。殊部隊を送り込んでシリア政府指導部 と 動 1 つの選択肢は、シリア上空に飛行禁を襲う作戦だ。空爆と地上部隊の投入 り もっとも、それが成功してシリア政 ナるの防空システムを破壊しなくてはなら すず、大量の空爆を実施する必要がある。府指導部を抹殺できたとして、その後 多しかも、標的の多くはずっと 1 カ所にのシリアをどうするのか。大掛かりな とどまっているわけではない。それに、行動に踏み切れば、たちまち泥沼には ちガ 撃ス空爆でロシアの軍事顧問団を殺害してまりかねない。それに、国際対立は相 を しま、つ危険もある。 互作用を通じてエスカレ 1 トしていく マ空爆作戦には、トルコの協力も取りものだ。百戦錬磨の軍人としてそのこ 付けなくてはならない。トルコの空軍とを身をもってよく知っているマティ ミノ基地を出撃拠点にしないまでも、撃墜スは、イランの反応を考慮するよ、つ大 ラされたパイロットを救うための捜索・統領に求めるかもしれない。 救出部隊の拠点が必要だからだ。 問題は、シリア間題でイランかどう 海兵隊時代のマティスは、文民の上動くかだけではない。イランは直ちに、 官に対して、検討中の行動の 2 次的、イラクで対立を過熱させる可能性があ 3 次的な影響も考慮するよう求めるこるのだ。「 ( シリア大統領の ) バシャ とか多かった。また、段階的に軍事行ル・アサドは、イラン政府とレバノン 動をエスカレ 1 トさせるのではなく、の ( イスラム教シーア派武装組織 ) ヒ しかし、これで終わりにはできない シリア情勢で好ましい選択肢は 1 っ 一挙に決着をつけることを好む。 ズボラの全面的な支援を受けてきた」 もありませんーージェ 1 ムズ・マテイもしそうすれば、囲年代のビル・クリ 年春、イラク戦争で部隊を指揮しと、マティスは以前指摘している ス米国防長官はドナルド・トランプ米ントン大統領の失敗を繰り返すことに たときのこと。部下に多くの犠牲を出 トランプは、どの道を選ぶのか慎 大統領にこう告げたに違いないもしなる。クリントンは、非人道的なことした末に中部の要衝ファル 1 ジャを制重に検討したほうがいい。下手をする 好ましい選択肢があれば、前政権がとを行った国や勢力にミサイルを撃ち込圧した後、町を明け渡して撤収するよと、マティスが年に発した警告の言 つくに実行していたでしよう、と むことを好んだが、粗末な兵舎とテン、ス叩じられた。納得がいかなかったマ葉を借りれば、「極めて大々的なホン 結局、トランプ政権はシリア政府軍トを破壊するだけに終わった。 ティスは、上官にかみついた。その際、モノの戦争」に引きずり込まれかねな 今回、ロシアのウラジーミル・プ 1 いのだから。 支配下の空軍基地に対して、海上から ナポレオンの言葉を引用してこう一一口っ 巡航ミサイルを発射した。 チン大統領は、アメリカから武力行使たという。「ウィ 1 ンの奪取に乗り出 トーマス・リックス ( 軍事ジャーナリスト ) AARON P. BERNSTAIN—REUTERS 0 0 ー 0 一挙に決着 ? マティスは大統領にどのような助言をするのか WAR WITH SYRIA? A PRIMER ポ事戦略 Newsweek 24 2017 / 04 / 18

7. ニューズウィーク日本版 2017年4月18日号

南スーダン内戦で 少年兵が見る地 SOUTH SUDAN CONFL ℃ T 紛争長引く内戦で家族と引き裂かれ 戦闘に駆り出される 1 万 7000 人もの子供たち トランプ米政権は彼らを救うのか、放置するのか Sons of Guns 辺りが暗くなりかけた頃だっ 国連は今年 2 月、南スーダンとの戦闘が内戦に拡大。民族同 た。父親と草むしりをしていたで約川万人が飢餓に直面し、さ士の戦いが今も続いている。 年の和平合意を受けて国民 チャ 1 ルズ ( 仮名 ) の前に突然、らに 100 万人が飢饉寸前の状 十数名の武装グループが現れた。態にあると警告。その数カ月前統一暫定政府が昨年 4 月に発足 仲間になれと言われ、チャ 1 ル には国連人権理事会のヤスミし、キールはマチャルを第 1 副 ズは怯えた。父親が止めに入ろン・ス 1 力が、ジェノサイド大統領に復帰させた。しかし、 うとしたが多勢に無勢。チャ 1 ( 集団虐殺 ) の「あらゆる兆候」同年 7 月に首都ジュバでキール ルズは父親と引き裂かれ、無理が見られると警鐘を鳴らした。派とマチャル派か衝突。肥月に にもかかわらず、キールは国はアメリカ主導の武器禁輸決議 やり兵士にされた。まだ歳だ った。 際援助活動に携わる外国人に対案が国連安保理に提出されたも 南ス 1 ダンの内戦が始まってする労働許可証の発給手数料をのの、否決された。南ス 1 ダン 3 年余り。ュニセフ ( 国連児童つり上げて、外国からの支援をの独立を支援したバラク・オバ 基金 ) によれば、サルバ・キ 1 妨害。しかも間の悪いことにアマ前米大統領は任期最後の記者 メリカも内向きに転じたようだ。会見で、南ス 1 ダンで「進行中 ル大統領派の政府軍とリエク・ マチャレ蔔リ , 旦量大統領派の反政府先月半ば、ホワイトハウスはの殺人や殺戮に責任を感じる」 軍が戦闘要員として徴集した子国務省と米国連代表部に国連関と語った。 供は合計 1 万 7000 人を超え連の予算を約半分にするよう指ビル・クリントン元大統領と 0 4 る。これまでに多数の民間人が示。ュニセフと平和維持活動ジョ 1 ジ・・ブッシュ元大統 命を落とし、 300 万人余りがに対する国務省の予算は極端に領も南スーダンを優先課題にし 家を追われた。殺戮や集団レイ減ることになりそうだ。 ていた。民主・共和両党の議員 プも後を絶たない。経済的打撃アメリカは年以降、南ス 1 とキリスト教福音派の影響力の も大きく、インフレに続いて現ダンに幻億ドルの人道援助を提供たまものだ。 してきた。だがトランプ政権は 在は飢饉に直面している。 国務省の予算を 3 割削減 外交政策の方針転換を討議して おり、チャ 1 ルズのような子供一方、トランプ政権では南ス たちに残された時間は少ないと 1 ダンはおろか、対アフリカ政 策さえまとまっていない。それ 危惧する声もある。 南ス 1 ダンは、イスラム教徒でも最近の様子を見る限り、前 か大部分を占める北部とキリス途は明るいとは言えないよ、つだ。 ト教徒が多い南部の年余りの政権移行チ 1 ムが国務省に突 内戦の末、Ⅱ年にス 1 ダンからき付けた 4 ハーに及ぶ質問リスト の独立を果たした新国家だ。だからは、国際援助に懐疑的な姿 か年末、ヌエル人のマチャル勢がうかがえる。ニッキ 1 ・ヘ とディンカ人のキ 1 ルの支持者ィリー米国連大使は 1 月の上院

8. ニューズウィーク日本版 2017年4月18日号

3 QUESTIONS TRUMP MUST ANSWER From Foreign Policy Magazine ドナルド・トランプ米大統領は先週、したことだ。シリア内戦の開始後、ア シリア空軍基地への巡航ミサイル攻撃メリカは深刻な信頼性の欠如に悩まさ を指示した。この決定は、トラブル続れてきた。バラク・オバマ前大統領は きで歩みの遅いトランプ政権の本格始アサド政権への脅しと警告を繰り返し 動を一気に進める重要なきっかけにな たか、いずれも口先だけだった。 るかもしれない。 オバマ政権は化学兵器の使用を「レ トランプはシリア政策について、直ッドライン ( 越えてはならない一線 ) 」 前まで「非介入」を強調していた。今と規定しながら、年にアサド政権が 回のミサイル攻撃は、明らかにバシャ化学兵器を実際に使っても武力行使を ル・アサド大統領の化学兵器使用に対見送った。この出来事は、いかにオバ する受動的反応だ。それでも、中東にマがシリアへの軍事行動に消極的かを 世界中に印象付けた。 でた トランプのシリアへの姿勢も当初は 撃得 オバマと同様だったが、先週のミサイ 攻るでか ル攻撃でオバマが決してやらなかった レす使の 変ラう 行動に出た。これでアサドは姿勢を変 サ一川使 えざるを得ないはずだ。 ミは武うフリ 航図まど・ たか、攻撃の目的は ? トランプは 巡構樹をタ 取り戻した強制力を何のために使うの のの政ド一 か ? アサドへの最低限の要求は化学 ビ元 兵器を一一度と使わないことだろう。要 求を拒否すれば、トランプは再び軍事 作戦に出る意思をちらっかせている おける大きな戦略的見直しにつながる最大限の要求は、アサド政権と反政 可能性はある。 府勢力との和平協議再開だろう。前者 トランプ政権は基本的な外交戦略のに対しては、トランプは今や十分な強 メ ~ 彎 . 構築を進める過程で、少なくとも 3 0 制力を手に入れた。後者に対しても働 のの疑問に答えなくてはならない き掛けを強化する可能性がある。その 取り戻したアメリカの信頼とアサト場合、他国の出方が問題になる。 反政権への強制力をとう使うのか ? 2 ロシアと中国の反応をどうコントロ ールするか ? ミサイル攻撃がシリア軍に与えた直 ) 、叮一戦接的被害を別にすれば、今回の軍事作オバマの対シリア政策の失敗がもた の戦の最も重要な短期的成果は、アメリらした最も有害な影響の 1 つは、中東 に「カの空白」を生み出し、ロシア軍 . ~. - ・ ~ 濡力が信頼性と強制力をいくらか取り戻 K 工 ALIL AS 工 AWI—REUTERS

9. ニューズウィーク日本版 2017年4月18日号

疑び催 S & 員Ⅳ S 博 地味に終わった 「巨頭」会談 32 ページ 習近平との初の直接会談に向かう機内で トランプ米大統領は、貿易や北朝鮮につ いて議論すると語り、この一大政治イベン トの行方に世界の注目が集まっていた。 結局、会談で大きな成果が得られること はなかったが、流動的な両国関係の行方 は長期的に注目し続ける必要がある。 Newsweek 3 ー 2017 ン 04 / 18

10. ニューズウィーク日本版 2017年4月18日号

トランプ米大統領の上級顧 ・首席戦略官を務めるスティ ープ・バノンが、国家安全保障 会議 (zno) のメンバ 1 から 外されたのは「降格」ではない 政権関係者もバノン本人も そう主張して、政権内の主導権 争い説をもみ消すのに必死だ。 バノンによると、自分が ZTJ 0 入りしたのはオバマ前政権時 代の「政治的に操作可能」な z を「操作不能な組織に戻 す」ため。そのミッションが完 了したから抜けただけだという。 こんな話を真に受けてはいけ ない。ニュ 1 ョ 1 ク・タイムズ によると、ハノンは ZØO から 締め出されることを極度に恐れ、 外されたら政権を去ると脅しを かけていたらしい 政権を去るなら今が最適のタ イミングだ。選挙戦中にトラン プの支持拡大に貢献したバノン は、政権発足後も支持率を上げ るため、さまざまな策略を練っ たが、結果は惨憺たるものだ。 ー今のうちに手を引けば、「メデ ーイア戦略の達人」という選挙戦 ( 中の評価を失わずに済む。トラ ( ンプの娘イバンカとその夫でト ランプの上級顧問を務めるジャ レッド・クシュナ 1 に「刺され ーた」と暴露本に書けば、世論も ー少しは同情してくれるだろう。 BYE BYE BANNON トランプの危険な黒幕 バノンの運も尽きた 拙速なゴリ押しで政権にダメージを与え NSC から外されて影響力は急降下 レイハン・サラム ( スレート誌コラムニスト ) 2 ・日第ル 0 リ 選挙戦ではトランプ旋 風を仕掛けたが、現実 政治の場では素人同然 0 未練がましく政権内にとどま残念ながらその読みは外れ、 れば、米政治に革命を起こそうトランプの支持率は下がった。 として失敗したへマな策士とし入国制限の公約がトランプを勝 利に導いたことを考えると、こ て歴史に名を残すことになる。 隠れファシスト、誇大妄想狂れは明らかな作戦ミスだ。 などと呼ばれるバノンだが、本さらにトランプ政権の大きな 人は既成保守を批判する新保守失点となったオバマケア ( 医療 「オルト・ライト」の旗頭を自保険制度改革 ) 改廃法案の撤回。 任。共和党を経済ナショナリズここでもバノンのゴリ押しが裏 ムと大盤振る舞いの政党に、さ目に出た。成立のカギを握る下 らには労働者に支持されるポピ院共和党の保守強硬派の票を確 ュリスト政党にすることを使命保しようと、最後通告を突き付 と心得ている。 けたのだ。法案を支持しなけれ ばトランプ大統領の恐ろしい怒 公約実現の足を引っ張る りを買、つことになるぞ、と。 首席戦略官としての当面の課脅迫じみた働き掛けは逆効果 題は、移民規制に世論の支持をだった。強硬派は反対に回り、 取り付け、議会の承認を得て大成立の望みを断たれたトランプ 規模な財政出動を実施するなど、政権は泣く泣く法案を取り下げ トランプの公約を実現することた。今や共和党議員の大半は選 だ。こうした課題に対し、バノ挙区でトランプよりも高い支持 ンは有効な手を打てなかったば率を誇っている。彼らはトラン かりか、反対陣営を勢い付けるプの怒りなど怖くないのだ。 ような失態を演じてきた。 危険な極右の親玉どころか、 例えば、彼が中心となって急今のバノンはぶざまな敗残者だ。 いで書き上げられた入国制限の今後を牛耳るとみられる 大統領令。拙速な内容が大混乱マクマスタ 1 大統領補佐官 ( 国 を招き、トランプ政権は発足家安全保障担当 ) ら、既成政治 早々批判の嵐にさらされた。バ 家が好む「まともな人材」が ノンはわざと左派を挑発したの次々に政権の中枢に納まってい かもしれない。左派が反発してる。彼らは世界変革を夢見る野 騒ぎ立てれば、左右の亀裂が再心家ではないが、やるべき仕事 びあらわになり、トランプ支持をきちんとやる。もはやバノン の出番はなさそうだ。 の熱狂がよみがえる、と。 MATT MCCLAIN—T 工 E WAS 工 INGTON POST/GETTY IMAGES ( 02017 The Slate Group Newsweek ーフ 2017 / 04 / 18