習近平 - みる会図書館


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1. ニューズウィーク日本版 2017年6月6日号

SP ド 0 慣ー REPORT 中国が北朝鮮問題を 何とかしてくれるという トランプの思い込みに助けられ 習近平は日本を含む域内諸国に 不安を与えるような行動を 事実上不問に付されてきた 22 ページ十ランプの「取引」が中国を増長させるより ADRIAN DENNIS—POOL-REUTERS Newsweek 2 ー 2017 / 0 / 06

2. ニューズウィーク日本版 2017年6月6日号

Newsweek 手玉に取られるトランプ外交 世界は中国ペ - ス ? ぐテロも歴史的アルム、 ISIS ビートルズ 得する中国、を 、損する日米 ニ 0 一七年六月六日発行毎週火曜日発行 ( 五月三十日発売 ) 第三ニ巻ニ十一号 ( 通巻一五四八号 ) 昭和六十一年三月四日第三種郵便物認可 0 00 00 徳市立図聿館一般 ユ 60908019 北朝鮮問題をめぐり 習近平を忖度するトランプ外交ーー 2011 世界はますます中国のペースに ? 6 ・ 6

3. ニューズウィーク日本版 2017年6月6日号

NewsweekCONTENTS 得する中国、 20 ] 〃 06 / 0 6 S ECIA EPO 損する日米 P E R 旧 C O P E を☆☆ InternationaList PHILIPPINES 戒厳令は全土に拡大するか NATO トランプの危険な初外遊 BRITAIN テロ情報漏洩でイギリスが激怒 ISRAEL イスラエルもロの軽いアメリカに失望 TAIWAN 台湾が同性婚を容認、中国は ? ISIS ラマダン中の「全面戦争」を宣 CHINA 暴走する習近平の「遠攻」外交 BRAZIL 再び反政府デモの炎が燃え広がる ASia SOUTH KOREA 韓国に「閣僚人事の悪夢」再び 16 CHINA アルファ碁がつぶした中国の面目 17 PHILIPPINES 米比の「超法規的」大統領会談 U. S. Affairs 共和党内は「トランプ後」に向けてそわそわ Business 「ドイツ車売るな」は逆効果 民間ドローンを敵視するトランプ流の荒療治 PeopIe 永遠の『 007 』ロジャー・ムーア逝く、ほか ☆さ、 8 0 れ 2 3 4 18 20 FEATURES & ANALYSIS テロ組織旧旧が生んだ伝播型テロ 32 町 イラクテロ組織に迫る草の根スパイ フランス右旋回を目指すマクロンの試練 36 オセアニアトンガで跋扈する中国のヒットマン 46 アメリカトランプは崩壊インフラを救えるか 48 社会日本の自衛隊にもウーマノミクスの波 52 交通夢の交通システム、ハイバーループ 54 北朝鮮問題で習近平を「忖度」するトランプ 世界はますます中国のペースに ? トランプの「取引」が中国を増長させる 米中関係 地政学アジアの覇権は中国の手に 米中貿易「促進」策の茶番劇 通商問題 野望に影を落とす「中国帝国」の慢心 視点 伝説の名盤、 50 年目の再評価 ISTOCK 凵 FE/STYLE Brain 「場所法」トレーニングで記憶の達人に 62 Tech れ ogy ピザのデリバリーもロボットが 63 ch れ ogv ノイズで騒音を消し安眠を 63 Fashion 赤コーデのモテ効果は真っ赤な嘘 ? 64 Movies 消化不良の「ゴールド / 金塊の行方』 65 Movies 1979 年を描く 20 センチュリーウーマン・・ 66 2 6 8 0 2 2 2 3 Music DEPARTMENTS 56 Letters RearView Perspectives Superpower Satire Picture Power. COVER: iStock. . 68 .. 70 5 9 0 ビートルズ世界を変えた『サージェントペパーズ』が輝きを失わないのは 雑誌 25251 ー 6 / 6 ニューズウィーク日本版 2017 年 6 月 6 日号 ( 第 32 巻 21 号、通巻 1548 号 ) @Newsweek LLC 2017 OCCC Media House CO. , Ltd. 2017 無断転載・複製を禁じます。編集部へのお問い合わせは〒 153-8541 東京都目黒区目黒 1 -24-12 株式会 ccc メディアハウスニューズウィーク日本版編集部へ TEL : 03-5436-5750 FAX : 03-5496-7561 NEWSWEEK 」 APAN (ISSN 0912-2 側 1 s published wækly except fo 「 three combined issues per year mailed ⅲ ApriI, August and December, respectively. AnnuaI subscription rateis IJS $ 300. Second Class postage paid 砒 New York, N. v. , and at additional mailing 0 幵 ic . 日本 ABC 協会加盟誌 ( 新聞雑誌部数公査機構 ) Newsweek 7 2017 / 06 / 06

4. ニューズウィーク日本版 2017年6月6日号

PERISC()PF\ ノ lnternationaList CHINA 遠きと交わり、近きを攻める見なす「小国」台湾も同様だ。既に対米政策は冷戦時代のス「遠」と「近」の中間地点に位 る性 く交取険一 。「遠交近攻」は古来、中「全ての人と国に公平に医療機パイ映画さながらの摩擦を生ん置する日本に対してはどうだろ 質のコ国で覇権を争う諸国が生き抜く会を提供する」という国連の精でいる。一一ユ 1 ョ 1 ク・タイムうか。中国当局は 5 月下旬にな 突外 人権ための外交の要だった。 神など眼中にないかのように、ズ紙によると、中国は川ー肥年って、既に 3 月末に 6 人もの日 遠くの国には友好を掲げて安 5 月下旬にスイスで開かれたの間に少なくとも肥人もの o—本人を拘東したと発表した。彼 本る楊心させ、近隣の国々を侵食し併 o 総会への台湾参加を妨害。情報提供者を殺害したという。らは中国の現地企業から依頼を 隙攻人習 日す 合する。こうして覇権国家とな一方で同時期に中国との統一を中国外務省の報道官は、「中国受けて海南省と山東省で温泉探 ゥー・トウンイー 張 ると、遠方にあったかっての友志向する国民党が呉敦義を新主の安全と利益を脅かす組織と人査の仕事をしていたところ、 の。 好国ものみ込む。まさに分裂と席に選出すると、習自ら祝電を員への調査と処罰は当然の権「国家の安全に危害を加える行 統一が繰り返されてきた歴史か 利」と主張して事実を為があった」として拘東。中国 ら得られた論理と一一一口える 認めた。中国共産党系は年にもスパイ行為を働いた 大近鸞 < 攻 現代の中国共産党政権におい の「環球時報」紙も疑いで日本人 5 人を拘東し、公 ロ近 ても、その論理は形を変えなが 「わが国のスパイ防止判手続きも始まっている。 だが日中友好をあがめる日本 作戦の成果は素晴らし 遠 ら脈々と受け継がれている。反 , 》 . 日の共同戦線を組んできた韓国 い」と称賛の社説を載外務省の官僚は「人質」解放に が北朝鮮の脅威を前にアメリカ せた。アメリカのよう動く姿勢をなかなか見せず、日 日 9 に頼るよ、つになると、そこに米 な超大国に対してさえ、本では不満の声も多い。これと 韓の「遠交」の脅威を見た中国 「交渉せずに攻める」前後するかのように、習政権は 国 は「近攻」に急変。 5 月中旬の 自民党内屈指の親中派政治家、 姿勢を示している。 る 隣 え 「一帯一路」国際会議でも早く さらに中国の脅威に一階俊博幹事長を「熱烈歓迎」 迎 から北朝鮮を招待する一方、韓 をさらされているのがし、「一帯一路」構想への日本 近 国に対しては左派政権が発足す 「海のシルクロード」の参加を促した。親中派政治家 る開催直前まで招待を見合わせ には友好姿勢を示すことで、安 政だ。中国海軍はインド るなどの外交攻勢をかけた。 国洋と地中海を結ぶアフ倍晋一一一首相に対する「攻め」の 「近攻」は南方にも及んでいる リカ東部のジプチで基態度との違いを演出したわけだ。 一帯一路国際会議に参加したフ打って祝った。独立志向の強い地建設を進め、昨年Ⅱ月には軍外交は自国の利益を最優先す ツアイ・インウエン ク内イ ィリピンのドウテルテ大統領が民進党の蔡英文政権を窮地に追制服組のトップ、范長竜中央軍るゲームで、永遠の友も敵もな ザ仲 'ä等 。中国の「遠交近攻」も本来、 ノルウ南シナ海の油田掘削を主張したい込み、台湾国内の分断を図る事委員会副主席が視察する熱の オンー ところ、習近平国家主席は「戦謀略だ。 入れよう。軍はパキスタンとギ分裂と統一の歴史が生んだ現実 Ⅲ名モ藷 ル南編 リシャの港湾にも触手を伸ばす主義のはずだ。だがそうした知 。刻争になる」と警告。投資を引き ゴ翔身国 親中派の議員を熱烈歓迎 など、西方への「遠攻」もとど恵を失った習政権は「遠攻近 野出そうと中国に笑顔を振りまい 授大台会てきたドウテルテに冷や水を浴こうした「近攻」の一方で、まるところを知らない。アメリ攻」に傾いており、その露骨な 教は社 学名ル際びせた。 中国は近年「遠交」よりも「遠力の中東政策の失敗でできた隙切り崩し外交に国際社会は警戒 岡旧ンと 静トモア こうした冷遇は中国が同胞と攻」を志向しているようだ。 を強めている 間を巧みに突いている。 ファン・チャンロン JASON LEE—REUTERS Newsweek ー 3 2017 / 06 / 06

5. ニューズウィーク日本版 2017年6月6日号

CHINA POWER アメリカ政府が混乱に陥るなか、 5 月中旬に北京で開かれた「一帯一路」 構想に関する国際会議は、アジアにお けるアメリカの指導力が危機に瀕して いることを示す警鐘のようだった。 会議には 130 カ国から首脳四人を 含む 1500 人以上の代表が集まった。 シー・チンピン 年に中国の習近平国家主席が発表し たこの一帯一路構想は、アジア、中東、 欧州をつなぐインフラの提供を目指し ている カ国以上の参加と資金 1 兆ドル前後 を集める予定の野心的な計画。提案さ れているプロジェクトの斬新さ、価値、 実現可能性を疑う向きはあるものの、 世界中のリ 1 ダ 1 はこれ以上の開発の チャンスはないだろうという気持ちか ら参加を切望している アジアに対するアメリカの関与がこ れまでになく不明確な時期に、中国の 指導力が発揮されたのは、これが初め てではない。 一方で、アメリカは何をしたか。国 防費の増額だ。ジョン・マケイン上院 議員は、太平洋地域の安全保障強化に 億トルを投入する「アジア太平洋安定 イニシアチプ」を提案した。マケイン のスポ 1 クスマンによれば、「これに よって軍事インフラが改善される」ば かりではなく、兵器を追加購入し、ア ジアの同盟国やパ 1 トナ 1 の防衛能力 を向上させることができる このアイデアは人気があり、ジェ 1 ムズ・マティス国防長官や超党派議員 AMERICA 、 OS G ASIA TO CHINA アジアの権は中国の手に 軍事的存在感 2 月に南シナ海で演習を行った米海軍の沿海域戦闘艦「コロナド」 地政学アメリカの存在感が薄れ、経済的影響力も弱まる一方 中国は着々と地歩を固め、経済を牛耳る存在に ィーライ・ラトナー ( 米外交問題評議会シニアフ土ロー ) 、サミル・クマル ( 同研究員 ) ー ~ 。北たすむびン 0 From Foreign PO = 0 Magazine AMY M. RESSLER—U. S. NAVY Newsweek 26 2017 / 06 / 06

6. ニューズウィーク日本版 2017年6月6日号

CHINA ONE BELTONE ROAD COMMITTED TO EXCELLENCE JIWANI GWADAR @Project Syndicate 中国の習近平国家主席の野心は大き上だ。構想が全て実現されなくとも、党大会 ( 第四回全国代表大会 ) で、毛中国の外貨準備高は、ピ 1 クの 4 兆ドル 彼の「チャイニ 1 ズ・ドリーム」大きな足跡を残すだろう。 沢東以来の最強の国家指導者であるこ近くに達した年以来、約 4 分の 1 も 減った。アメリカの格付け会社フィッ は、中華人民共和国建国から 100 年欧米主導の国際秩序に対する習の挑とをアピールしなけれはならない 目に当たる 2049 年までに中国を世戦はほかにもある。アジアインフラ投習は最高指導者に就任した肥年以来、チレーティングは、一帯一路のプロジ 界の覇権国家に押し上げることだ。た資銀行 (<—-•) を立ち上げ、南シ検閲を強化し、反汚職キャンペ 1 ンをェクトの多くは経済が脆弱な国で実施 だし、あいにく大風呂敷を広げ過ぎたナ海での領有権問題で強硬姿勢を強め、利用して政敵を失脚させ、自分に権力されるため、採算性にも実現性にも疑 感はある。 空母を西太平洋に進出させてもいる が集中するよう画策してきた。 問符が付くと警告している しかし中心にあるのは一帯一路だ。 野心の実現にとって重要な戦略は、 しかし習は、より層の高みを目指どのプロジェクトも透明性が低く、 している。現代中国における最も「改社会・環境面の持続可能性にも配慮し 点 革的な指導者」になることだ。毛沢東ていないので、目的は自国の利益追求 が中国を統一して独立させ、鄧小平がだけだという批判も高まっている 要 平 す心 「改革と開放」に着手したように、中 中国による新しい植民地時代の夜明 の 路 教国をグロ 1 バル経済と国際秩序の覇者けなのだろうかしかし中国が帝国を と鬯 険 帯 む タ にしたいと願っている 築くつもりなら、歴史家のポ 1 ル・ケ ン セ 郊 る き 中国は低利融資を餌にして、インフネディがいみじくも言った「帝国の過 近 究 れ 突 ダ 」ナわラ整備を必要とする国々を中国の経剰拡大」のために滅びに至る兆しが、 ワ 済・安全保障圏内に引き込も、つとして早くも表れているようだ。 グ 0 の イ ン いる。ギリシャでは国内最大のピレウ 中国に抵抗する国も出てきた。スリ タ ス ス港を 4 億 2000 万トルで買収して世ランカは最近、中国が所有するコロン キ 工界を驚かせた。ピレウスからはセ 1 シボの港湾施設に中国の潜水艦が入港す 路ぎチ 向 エルやジプチ、パキスタンへのアクセることを拒否。市民の抗議により、 両 スが容易になり、中国が純粋に商業的ンバントタ港の株式の % を中国が取 車 帯めラ 一攻プなものと主張している港湾プロジク得するという合意も頓挫した。 トにも軍事的な側面が見えてきた。 習はそのアグレッシプな外交政策が 各国の反発を呼んでいることや、力を 大 新しい植民地時代の始まり ? 誇示するだけでは指導者として尊敬さ 海路と陸路で現代版シルクロ 1 ド経済習はこの戦略で、成長の減速と過剰設 しかし野心が大き過ぎて自らの政治れないことを忘れている。中国経済が 圏を構築する「一帯一路」。習は 5 月備に苦しむ自国企業に新たな市場を開手法の危険性に気付いていない可能性減速し、労働人口の減少が長期にわた に開かれたこの構想に関するサミット拓し、中国式のツロ 1 バリゼ 1 ションもある。低利融資のおかげで中国の国るスタグフレ 1 ションを予感させてい で「世紀のプロジェクト」と呼んだが、を実現しようとしている 有企業は巨額の契約を手に入れられるることにも気付かずにいるようだ。 北京での一帯一路サミットには、招 だろうが、一方で銀行システムの抱え「野心を燃やすのは虎を抱えて運ぶの あながち大げさとは言い切れない と同じ」という中国の古い格言がある 何しろ、その規模は近代史に例を見待された 100 以上の国のうち四カ国る問題はさらに悪化するはずだ。 ないもの。第二次大戦後のアメリカに からは首脳が出席し、習は存在感を一小国有銀行の不良債権問題は既に、中度を越せば、一帯一路という名の虎に よるヨ 1 ロッパ復興援助計画の肥倍以した。ただし、まずは今秋の中国共産国経済の未来に暗い影を落としている。かみ殺されるリスクが高まる。画 GW PO 0 ・当 OA 釋 、ぬ 0 第冫一 ASIM 工 AFEEZ—BLOOMBERGZGETTY IMAGES

7. ニューズウィーク日本版 2017年6月6日号

米中買易「促進」策の茶番劇 CHINA TRADE WHERE'S THE BEEF? ージを与えることになる。多くの米企 5 月中旬、米中は長年の懸案である それほどの合意が、概要とはいえわ 換け補 代貿易摩擦問題を解決すべく「包括的ずか 2 枚の文書にまとめられているこ業は中国に製造拠点を持ち、製品をア 転分 立ロ 向み な」貿易促進策に合意した。だが、米とに、私を含め通商交渉に携わってきメリカに輸出している。そして米国民 表 方痛 は、米国内よりはるかに安いコストで た者は驚くばかりだ。 国民にとっては唐突な発表でもあり、 がで通 さらに懸念されるのは、「合意」が製造されるさまざまな輸入品の恩恵を ドナルド・トランプ米大統領の中国に 米 権束 元対する強硬姿勢を考えれば衝撃的でさ両国の長年の交渉課題をそのまま踏襲受けているのだ。 第ス えあった。 しているだけでなく、文書を読む限り トランプが現実を理解するのは時間 ム トランプが中国への態度を 180 度ほとんど効力がなさそうなことだ。合の間題だったが、今回の急転換は警告 一フ ンな ラの 誌転換したような内容だが、今回の合意意に基づいて双方が取る行動の内容も、をはらんでいる。彼は常に目新しい問 ト正体 はトランプ政権の交渉力というより、合意を打する手続きも、合意を遵守題に対処するタイプの意思決定者なの だ。つまり、何かあれば再び態度を転 巻まマ商売人としての営業力にすぎないことしなか 0 た場合の罰則も、心もとない トランプの「変節」には多くの人が換させる可能性は十分にあるというこ が分かってきた。貿易を根本的に開放 するような交渉ではなく、世界の一一大驚いている。大統領選中はもちろん、とだ。残念ながら、不安定な政策ほど、 正ウヴ 経済が抱える難題の大半は残されたま今年 1 月に政権に就いた後も、トラン市場と企業を混乱させるものはない。 是ラ一 まだ。 このよ、つな合意は、細部に落とし穴 プは中国を「為替操作国」と名指しし、 があるものだ。「 100 日計画」の概 4 月に行われた米中首脳会談でトラ米中貿易の不均衡を許さない、中国か シー・チンピン 要を細かく読んでいくと、米中の通商 ンプと習近平国家主席は、貿易不均衡らの輸入に菊 % の関税をかけてもい 不 関係に意味のある長期的な変化をもた を是正する「 100 日計画」の匯疋をと豪語してきた。 そんなトランプも、ようやく 2 つのらすとは思えない 決めた。 ・ロス米商務長現実を理解したに違いない。 そして、ウイルバ 1 「交渉開始」が雎一の成果 まず、核開発をめぐる北朝鮮の暴走 官は、首脳会談から 100 日目に当た る 7 月日までに実行する川項目の具を抑えるために、アメリカと中国は協ます、アメリカが「勝ち取った」と 体策について両国が合意したと発表。力しなければならない。そして、トラされる 4 つの合意を見ていこう。 1 つ目は食品部門。中国は牛海綿状 「米中の貿易関係において過去のあらンプが中国に突き付けてきたような経 ゆる実績を上回る」「超人的な偉業」済的攻撃を実行すれば、アメリカの企脳症問題を理由に鴨年から 業だけでなく労働者と消費者にもダメ米国産牛肉の輸入を禁止してきたが、 だと自画自賛した。 再開に向けた措置を取る ただし、新たな「専門的協議」を経 て再開するという条件が付いている このよ、つな条件は、通商交渉の世界で は、合意の行方は不透明であるとい、つ 意味だ。ボールはフィ 1 ルドに蹴り出 されたが、必ずしもゴ 1 ルに到達する とは限らない 通商間題 Newsweek 28 2017 / 06 / 06

8. ニューズウィーク日本版 2017年6月6日号

CHINA U. S. DIPLOMACY トランプと中国の習近平国家主席の 4 る。その一例が南シ な方針転換を示すものではない。例え 月の首脳会談直前にはバノンがナ海の問題で、トラ ば石炭の輸入停止措置は年末までの限 定的なものだし、そもそも昨年から実 のメンバ 1 から外れている。中国政府ンプ政権の姿勢は、 内にはこの動きについて、トランプ政わずか数カ月の間に 行を約東していたものだ。こうした措 射置は、彼らがトランプ政権にアピ 1 ル 権が対中国姿勢を軟化させる兆候だと熱を帯びたり冷めた、 り、ぬるくなったり いう見方もある したはずの「身を切るような譲歩」と イ 2 つ目のグル 1 プは、、 しわゆる「ゴしている は到底言えない サ 道 1 ルドマン・サックス」派が率いるグ もっ 1 つの例が台 言い換えれば、中国の考え方は変わ 弾 び レプゲ 1 リ 1 ・コーン国家経済会湾問題で、トランプ っていない。単に「見た目」か変わっ 再 ただけだ。中国政府は今後も、国連安 議委員長やスティ 1 プン・ムニュ 1 シ大統領の台湾に対す も ン財務長官、それにトランプの娘婿ジる姿勢は、 253 カ 保理による新たな北朝鮮制裁の可能性 ャレッド・クシュナ 1 上級顧問らが中月の間に「タカ」か へを先延ばしにしよ、つとし、また国連が 政現在北朝鮮に科している制裁をきちん 心となっており、トランプの娘イバンら「張り子のトラ」 カ ( クシュナ 1 の妻 ) もそうだ。現時に豹変した。 と実行しているかについても、曖昧な 点では、クシュナ 1 やイバンカらがト昨年Ⅱ月に大統領 答えしか提供しない可能性が高い 中国は北朝鮮問題でトランプの目を ランプを説き伏せ、対中国でより融和選で勝利した後、 の欺いている。そもそもトランプは、 2 的なアプロ 1 チを取らせているようだ。ランプは台湾の蔡英 朝 3 つ目は、ジェ 1 ムズ・マティス国文総統と電話会談し つの誤った前提を立てている 威 防長官、・・マクマスタ 1 米大統て中国側を激怒させ まず、中国には北朝鮮の政治的な の た。その後は「一つ 「計算」を根本的に変えさせる能力が 領補佐官 ( 国家安全保障担当 ) 、 z 国 衝あるという想定だ。これは現実に照ら 0 のポティンガ 1 が率いるグル 1 プ。の中国」政策を維持 し合わせると実に怪しい。北朝鮮が中 バランスの取れた現実的な政治を模索するとフォロ 1 。さ する一方で、周辺地域を歪女定化させらに今では、今後台湾に関して新たな対中圧力を強めるかどうかは、中国が国の習政権に貸しをつくるために核ミ る中国の行動の本質については幻想を動きをする際には事前に習と「相談す北朝鮮を抑えるためにどれだけ努力すサイル開発計画を後退させるような気 る」と言っており、周囲が困惑するほるかで決まるという考えを示していた。 配は、全く認められない。 抱かずに割り切った見方をしている この国防総省・ ZT(O 系グループは ど中国に擦り寄る姿勢を見せている こうした取引外交には欠陥があり、次に、中国政府には対北朝鮮政策を 中国はその欠陥を巧みに利用している。抜本的に ( つまり石炭輸入の停止など また、同地域における ( 日本と韓国を 対北朝鮮での過度な依存 トランプとの首脳会談の前にも会談ので体裁を繕うだけではなく ) 改める意 中心とする ) アメリカの同盟諸国の重 要性や、それらの国々が地域の安全保 北朝鮮問題についても、トランプは際にも、習は北朝鮮を非難し、対米思があるという想定だ。確かに中国政 障について抱いている懸念を、より深軍事的圧力を除いて基本的に、中国に「譲歩」の姿勢を示す複数の政策を発府はいら立ちを募らせているだろうが、 く理解している。 全てを任せた格好だ。ひたすら中国が表。石炭の輸入を停止することで北朝決して北朝鮮を見限るようなことはな 域内でアメリカと戦略的に争う中 対中国政策における一貫性のなさは、北朝鮮に対して持っ ( と彼の信ずる ) 鮮への圧力強化のポ 1 ズも見せた だがく考えると、これらの「譲国にとって、北朝鮮は緩衝国として戦 複数の重要な問題に関するトランプ政影響力に期待している。習との首脳会 権の方針の大きな「ぶれ」を招いてい談を前にトランプは、貿易問題などで歩」はいれも、中国政府による明白略上不可欠な存在だ。この状況は当分 シー・チンピン 4 7 0 KCNA—REUTERS Newsweek 24 2017 / 06 / 06

9. ニューズウィーク日本版 2017年6月6日号

トランプは同盟国に O はもう時代遅れではない、対 テロ戦争への参画方針を明確に対し、防衛費の増額を求めた初 したからという趣旨の発言をしめての米大統領ではない ( カ 1 て タ 1 大統領はの 3 % を防 がめたことはある。 実はこの方針は、アメリカを衛費に振り向けるよう求めた ) 。 て領除く加盟国が肥年に採択したもだがトランプは同盟国に対し、 張 主 し統のだ。アフガニスタンでの対テ欧州を防衛することはアメリカ を たな。大 唐米ロ戦争では、側に約 1 の国益にかなうと断言しない初 ス 000 人の犠牲者が出ている。めての大統領だ。 ア し険い フ トランプの発言はこれらの点もしかすると、トランプは z カ メ な言を無視している。だが加盟国の条約第 5 条を、加盟各国 ア か明 首脳はその点をあえて指摘せす、から防衛費負担増を取り付ける もを 目 0 人 て凶携トラプに好きなように言わせ切り札として利用して〔るのか フ連 ておけば、この先うまくやってもしれない。そうだとすれば、 国の 左 いけるのではないかと期待した。そのゲームは見当違いの結果を 生む。 プ ン 重要な国際条約の防衛規定を 一フ欧周囲に振りまいた不信 も 期待は肩すかしに終わった。もてあそぶのは一一一口語道断。さら で 議 トランプは演説の冒頭で、 9 ・ にトランプのこうした態度は危 Ⅱ同時多発テロのときに、 Z< 険を招きかねないものだ。同盟 b- かった。 加盟国が発足以降初めて第国の中にはアメリカへの信頼を 加盟国の首脳らは、トランプ 5 条を発動し、迅速に対応して失い、別の国と手を結ばうとす の るところが出てくるかもしれな 勠の訪欧に神経質になっていた。くれたと称賛した。 トランプは Z<+O が「時代遅だが、その後はトランプ節を いアメリカと敵対する国々は、 トランプ米大統領の初の欧州とみられていた。 れ」な存在だと繰り返し発言し、炸裂させた。加盟国による防衛軍事攻撃をしてもアメリカは手 訪問に、関係者はかなりの覚悟大半の Z<+O 加盟国首脳に防衛費の負担が公平に行われな費負担の「慢性的な不足」を非を出さないと判断しかねない。 をしていた。だが、 その覚悟はとって、首脳会議で第 5 条支持いなら加盟国への防衛難するとともに、加盟カ国のトランプの動機や真意はとも まだ足りなかったようだ。 を表明するのは、自国の議会で協力を見合わせる可能性もあるうちカ国は、自国の防衛費をかく、今回の欧州訪問では、 z 事前の観測では、トランプはありきたりの施政方針演説を行と主張してきたからだ。 比 2 % とする指針を守っ加盟国の首脳と非公式な Z<+O 首脳会議で行う演説のうくらい普通のこと。しかしト これらの発言の大半は大統領ていないと指摘。「米国民と納会談を行ってお茶を濁すことも 中で、加盟国に対する武力攻撃ランプは先週、新本部選中のものだが、就任後のトラ税者にとって公平ではない」と、できた。だが結局、新たな危機 を全体への攻撃と見なの式典で行った演説で、アメリンプは Z<+O に対する立場を日頃から提唱している外交戦略を招くことになったのは、身か す集団防衛を明記した力がこの基本的な規定を支持す明らかにしていなかった。 「アメリカ・ファ 1 スト」を持ら出たさびというほかない。 フレッド・カプラン 条約第 5 条への支持を公言するるとはっきり述べることをしな大統領になってから、ち出して異議を唱えた。 3 NATO C 工 RISTIAN 工 ARTMANN—REUTERS 02017 The Slate Group Newsweek 10 2017 / 06 / 06

10. ニューズウィーク日本版 2017年6月6日号

DIGITAL GLOBE/GETTY IMAGES べきだ。 の間、不変と思われる。 党大会での勝利を意識したものだ。要日本や韓国など、アジアにおけるア こうしたトランプの思い込みに助け例えば習はオバマ前政権に対し、南するに習は、中国を強力で活発な経済メリカの同盟国は頭が痛い国内では られ、日本を含む域内諸国に歪女を与シナ海に造った人工島を「軍事化」し大国であると同時に、立派な政治大国愛国精神をあおり続ける習政権が、外 えるような中国の行動は、ある程度まないと約東していた。ところがその後、としても売り込みたいのだ。 交においてはトランプ政権を御しやす で不問に付されてきた。 4 月の米中首まさにそうしてきたのだが、トランプ い相手と見なしている限り、域内の緊 アジアの同盟国は頭を抱える 脳会談でも海上安全保障の問題には満政権はろくに抗議もせすにいる。 張が緩むことはまずあり得ない。 足に触れていない。アメリカは国際法アメリカが黙っているとみれば、中それは自由主義的な国際秩序の将来トランプは習との関係を「素晴らし と航行の自由を擁護すると明言しなか国は南シナ海で、さらにゴ 1 ルポスト にとって好ましくない。トランプ政権い」と形容したが、中国政府は域内で をずらすような行為が環太平洋諸国の貿易協定 e からアメリカの国益を尊重する姿勢を示し に出るだろう。南シ離脱し、域内各国との 2 国間取引に傾ていない。韓国への ( 高高 ナ海の人工島の軍事斜した結果、今は中国がアジアで主導度防衛ミサイル ) 配備にも強硬に反対 化をさらに進めるか権を取りやすくなっている。ただし中している。変化と言えるのは、韓国の るもしれない。年秋国の提唱する構想は空疎かっ低級だ大統領に対北ハト派の文在寅が当選し の東シナ海でのよう トランプ政権がいくら中国との貿易て対韓姿勢が和らいだことくらいだ さ に、一方的に防空識不均衡を是正するために「超人的な」東シナ海でも、中国は行動を抑制し 設 が別圏の設定を宣言す通商合意をまとめたと言い張っても、ていない。尖閣諸島の周辺海域には毎 施るかもしれない。 実は中国は変わっていない ( 関連記事日のように公船を派遣している。現場 し こうした問題は、 ハー ) 。依然として貿易や市場開放の空域では日本の自衛隊機が緊急発進し、 庫 納向こう何カ月かの間面で排他的だ。 中国から飛んできた無人機の侵入を阻 にどんな影響や意味その他の分野でも中国は、例えば気むのに頭を悩ませている。 の合いをもたらすのか候変動に関してまるでパリ協定の守護 5 月中旬には東シナ海上空で、中国 アジア政策を固める者のように振る舞っている。だが米ロ軍機が米軍の大気観測機に異常接近し 礁のも大事だが、中国 1 レンス・バ 1 クレ 1 国立研究所によた。米機は北朝鮮の情報収集のため飛 一の挑発的な行動と、れば、年以降は一一酸化炭素の排出量行中だった。これではとても、北朝鮮 ス勝手な筋書きづくりを減らすというパリ協定での自主目標問題で中国政府がアメリカに手を貸し に対する警戒を怠っも、実は自然にそうなると想定されてているとは一一一口えない った。同盟諸国を支持することの重要てはならない。何しろ中国は今年の秋いたことでしかない。 米中関係はトランプが思っている以 性にトランプは「言及した」と、ホワに共産党の第四回全国代表大会を控え要するに中国政府は、世界で「善行上に複雑だ。北朝鮮問題で協力を引き イトハウスか発表しただけだ。 ている。その党大会で、習は一段と権の人」を演じようとしている。確かに出すためでも妙な譲歩は禁物だ。しか もちろん同盟国への支持表明は大切カ集中を図るつもりでいる。 中国も環境問題に真剣になってきたかし現状では、米中関係に関するトラン だが、それでは中国に異議を唱えたこ 習政権の看板政策である「一帯一もしれないが、国際的な役割を拡大しプ政権の無知・無頓着と中国の国内事 とにならない。中国が強引に域内の路」構想もアジアインフラ投資銀行ているとは一一一口えないだろ、 ? 現実には情が相まって、危険な方向に進んでい 「現状」を変えようとすればアメリカも、東アジア地域包括的国内諸都市の空に広がるスモッグへのる。習政権は今後も身勝手なシナリオ は相応の結果責任を取らせると通告す経済連携交渉も、全ては対策に追われている状況だ。 で自己利益を追求し続けるだろう。 ムン・ジェイン Newsweek 25 2017 / 06 / 06