長崎 カトリックセンター ユースホステル 長カトリッカセンター ント 1 ・つ 長崎市街地から北へおよそ 3km の浦上地区に建つ長崎カトリックセンターユースホステ ル。司祭の居住フロアが併設されたカトリック施設だが、他のユースホステル同様、宗教・ 宗派を問わず宿泊することができる。 DATA 長崎カトリックセンターユースホステル 〒 852-8113 長崎県長崎市上野町 10-34 TEL : 095-846-4246 Email: nagasakicc@g mail.com URL : http://www.e-yh.net/nccyh/ 1981 年ローマ法王ヨハネ・パウロ 2 世宿泊時の様子 カーン、カーン、カーン。まだ闇に包まれた夜明け前の空に、鐘の音が鳴り 渡る。その音色に誘われるかのように、人々が教会へ向かう 長崎・浦上地区のいつもの朝の光景だ。教会の名は浦上天主堂。 1895 年 から 30 年の歳月をかけて建てられた後、原爆によって崩壊。 1959 年に再 建された。 2 つある鐘のうちのひとつは創建時のもので、「アンゼラスの 鐘」として今では平和の象徴となっている。 長崎カトリックセンターユースホステルは、この浦上天主堂から道を挟ん だ隣にある。もとはカトリックの司祭・信徒の研修や宿泊の場。 2005 年に 広く一般の旅行者も利用できるユースホステルとしてリニューアルされ た。かって、ローマ法王が宿泊したことでも知られている。 そんな深い歴史をもつ地に建つユースホステルの運営を担うのは「ここ で働くまで、ユースホステルのこともカトリックのこともよくわかってな かった」という大崎直美さん。ユースホステルのことを知るにつれ、その世 界規模のネットワークに惹かれていったそう。「被爆地に建つカトリックの 施設ということで、固いイメージもありますが、誰もが気軽に訪れて交流 できる場です ! 」と、笑顔で話す。 大崎さんが特に大切にしているのは " スタッフ全員がお客様の旅の演出 家 " という気持ち。長崎カトリックセンターユースホステルで過ごしてみる と、スタッフとのちょっとしたコミュニケーションからも、その気持ちを感じ ることができる。 例えばチェックインのとき。ふとスタッフに、「犬派ですか ? 猫派ですか ? 」 と聞かれる。フロントにはその集計結果が、犬と猫のイラストとともに掲 示されていたりする。こちらが「犬派ですかね」と答えると・・ 「ああ残念 ! 長崎って猫の多い町なんですよ ( 笑 ) 」。そう教わって外を散策 してみると、ちょこちょこと道端を歩く猫たちに出会う。その多くが尻尾の 曲がった「尾曲がり猫」で、江戸時代にオランダの貿易船に乗ってやって 来たのがルーツとも言われている。「尾曲がり猫を見ると幸せになるって 言われています ! 」。小さな演出が、旅の楽しみを膨らませてくれる。 旅といえば欠かせないのが食。ここにも演出がある。談話室の一角では " ちゃんぽん総選挙 " が開催中。宿泊客が食べて、美味しかったお店に投票 する。店舗情報も用意されているので、ちゃんぽん巡リに俄然、気合いが入 るというわけ。「私のおすすめは」と、ここでもスタッフとの話に花が咲く。 、物き . 長崎カトリックセンターユースホステル 大崎直美マネージャー 長崎は島原の出身。学生時代から観光・サー ビス分野の仕事を希望し、長崎カトリックセ ンターユースホステルに勤めることに。「世 界中につながっているユースホステルの ネットワ - クを活かして、ここからまた新たな 町の旅へもつなげていきたいですね」 受付 09 第 TA 「
留の スタッフの想いから生まれた 新たなアクティビテイ「ミサ体験」 近年はロコミの影響もあって、宿泊者数が増加している長崎カトリック センターユースホステル。長崎観光の拠点としてだけでなく、スポーツ の合宿、企業・団体の研修など、幅広く活用されている。だが、これまで決 して順風満帆にきたというわけではない。 今から 8 年前、経営改善のために組織の見直しが行われた。そして、宿泊 料やサービス内容など、運営に関わる一切が現場スタッフに委ねられる ことになる。これで経営が立ち直らなければ、業務の終了もあり得るとい う、背水の陣だった。 大崎さんは当時を振り返ってこう話す。「フロント業務を 2 年経験し、やっと仕 事に慣れてきた頃。すべてを任せられるのは大きなプレッシャーでした。で も、やるしかない ! と思って、ビジョンを心からの笑顔での接客としシステム を変えて、一から自分たちのユースホステルをつくっていきました」。 この環境の変化が、新たな取リ組みを始めるきっかけにもなった。なか でも 2015 年からスタートした「ミサ体験」はこのユースホステルでしか できない取り組み。浦上天主堂で行われる朝のミサに参加し、その後ス タッフから教会の歴史や原爆についての解説を聞くことができるという 人気のアクティビテイだ。 「ミサ体験は、ホステリングで訪れた方が教会や浦上の歴史について知 るきっかけになっています。一方で、カトリック信者の方がここに宿泊す ることで、ユースホステルのことを知ることができる。そんな風に、文化 や興味、人、いろんなものをつなぐ場所にしていきたい」。そう話す大崎 さんは、この日も新たな演出について、あれこれ思いを巡らせていた。 373 長崎市内は路面電車で移動するのが便利。ユースホ ステルは「松山町」停留場から歩いて 10 分ほど。 事 食フ 匐食をのん 長崎カトリックセンターユースホステルでは団体客をのぞき、食事の提供を 行っていない。そこでロビーには、周辺の飲食店の情報を網羅したファイル を用意。スタッフが実際にお店を訪れて " 取材 " したものだ。 2015 年の 5 月から始め、およそ 2 年半で 3.000 名近く が参加した浦上天主堂でのミサ体験。普段の一般 ミサ体験 見学では入れない聖堂内でのミサに参加した後、 教会に残る原爆の遺産などを見学しながら、その 歴史について学ぶ。 1 ~ 4 名の和室が 14 室。 5 ~ 10 名の大部屋も 4 室ある。 16 名が利用できるドミトリーも 2 室完備。 ミサ体験 バンフレット 長崎カトリックセンターユースホステルが建つ浦上地区は、長崎市街地から北へおよそ 3km の場所。江戸時代には隠れキリシタンの摘発が行われた土地で、その信徒たちによって誕生 したのがこの浦上天主堂である。 10
稲佐山山頂から望む、港と山々に囲まれた美しい夜景 もおすすめ。「世界新三大夜景」とも呼ばれている。 ・・ ~ イ -1 貫をゞーこ ー、年を 二第い ・諟 ー . 当ツ ◎長崎カトリック センター YH 平和公園 長崎本線 稲佐山 山頂展望台 - 、 ' 眼鏡橋 出島・・新中華街 : 夫浦天主堂 235 長崎駅 稲佐山 大崎直美マネージャーの おすすめスポット 敬虔な信仰心と、平和への想いの交差点。 異文化と歴史を体感する長崎めぐリへ。 世界 新三大夜景 眼鏡橋 平和 公園 春節 ( 旧正月 ) 期間に行われる「長崎ランタンフェスティバ ル」のメイン会場「新地中華街」をはじめ、日本に現存する最 古の木造教会「大浦天主堂」、復元された「出島」、日本最古 のアーチ型石橋「眼鏡橋」など、長崎市街には観光スポット がもリだくさん。ユースホステル最寄りの「松山町」停留場か らは、どのスポットにも路面電車でおよそ 15 ~ 30 分の距離。 長崎カトリックセンターユースホステルから徒歩約 8 分。高さ 9.7m の青銅製の平和祈念像を中心と した祈リの空間。周辺には「原子爆弾落下中心地碑」や「長崎原爆資料館」などもある。 長崎市松山町平和公園内 TEL : 095-829-1171 ( 長崎市みどリの課 ) 大浦 天主堂 長崎 市街 ◆海鮮丼・居酒屋さかな屋 長崎といえば、ちゃんぽんと皿うどん。ですが海 の幸もお忘れなく。浦上天主堂の目の前にお 店を構えるこちらのお店、ご主人の実家が鮮魚 店ということで、名物の海鮮丼「海鮮さかな屋」 ( 1.200 円 ) は新鮮な魚介がたっぷリ ! 長崎市平和町 9-6 TEL : 050-6866 ー 1750 [ 営業時間 ] 1 1 : 30 ~ 14 : 30 、 18 : 00 ~ 23 : 00 ※定休日 : 火曜、水曜のランチ 「し 0 んナけ′