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検索対象: 怪談レストラン(34)人形レストラン
6件見つかりました。

1. 怪談レストラン(34)人形レストラン

たえ きて、妙ちゃんをとりかこんだの。その中に、あたしのねえさんもいた のよ。 にんぎよう 「そんな人形、すてちまいなー 男の子がどなると、女の子もいったの。 にんぎよう てきこくせい 「青い目の人形なんて、敵国製でしよ。あんた、日本はいま、その国 とたたかっているのよ」 にんぎよう せんそう 「でも、お人形は、戦争しないわ」 たえ 妙ちゃん、フローラをだきしめていったの。 「あきれた ! それですむとおもってるの、ゆるせないわ」 あたしのねえさんは、そうさけんだんですって。 にんぎよう おもかお ※ビスクドール : ・ : ・主に顔が一一度焼きの磁器でできている人形で、フランス、ドイツのものが有名。 ゅうめい 1 〇 5

2. 怪談レストラン(34)人形レストラン

にんぎよう かくち ようちえんしようがっこう へいわ 人形は、各地の幼稚園や小学校にくばられました。平和をちかうメ ソセージやパスポートもありました。 にんぎよう でも人形のねがいもむなしく、日本はアメリカと戦争をはじめてし まったのです。 せんそう こうちょうせんせい 先生は戦争がはじまってまもなくのころ、校長先生がかなしい声で、 はなしたことをおもいだしました。 せつ にんぎよう ぐん 「ながいこと、三月のお節句に、ママア人形をかざってきたが、軍の めいれい 命令で、もやすことになった」 にんぎよう ママア人形というのは、ねかすと目をとじ、おこすと、「ママア」と せんせい せんそう こえ 8 4

3. 怪談レストラン(34)人形レストラン

日本は中国やアメリカなどと、ながいあいだ戦争をしていました。 しよ、つわ せんそう あき あきたしゅうだんそかいさき 昭和二十年、戦争がおわった年の秋、ばくは秋田の集団疎開先から、 よこはまエムまちしようかっこう 横浜の町小学校にかえってきました。 よこはま ぐんだいくうしゅう 横浜はこの年の五月に、アメリカ軍の大空襲で、街の大半が焼け野 はら 原となりました。 きせきてきエムまちしようがっこうや 奇跡的に町小学校は焼けないでのこりました。 きんばっ ちゅうごく にんぎよ、つ せんそう もちづきしんざぶろう 望月新三郎 まちたいはん 8 3

4. 怪談レストラン(34)人形レストラン

さいほうしっと こづか あくる日、先生と小使いさんは、裁縫室の戸をあけました。ながいこ す とっかわれていなかったので、クモの巣だらけです。ミシンのおくに、 あらなわでしはられたガラスのケースがあります。 にんぎよう よくみると、人形ケースです。 にんぎよう あらなわをほどいて、人形ケースのほこりをはらうと、中には、 きんばっ にんぎよう わいい金髪のアメリカ人形がはいっていました。 こえ 先生がおどろきの声をあげました。 にんぎよう 「あっ、アメリカからおくられてきたママア人形だわー へいわ 日本とアメリカが仲がわるくなってきたとき、いつまでも平和でなか にんぎよう よくしましようと、たくさんの人形がおくられてきたのです。 せんせい せんせい なか カ 6 4

5. 怪談レストラン(34)人形レストラン

・怪談レストラン編集委員会・ 松谷みよ子 ( 責任編集 ) 剣持弘子 高津美保子 常光徹 水谷章三 望月新三郎 吉沢和夫 ・協力・ 日本民話の会 ・シリーズデサイン・ たかいよしかす ( 京田クリエー 怪談レストラン 人形レストラン シ・ヨン ) 怪談レストラン編集委員会・責任編集松谷みよ子 絵かとうくみこ 2004 年 1 2 月 1 0 日第 1 刷発行 2005 年 7 月 22 日第 4 刷発行 発行所・・・・・・株式会社童心社〒 1 60 ー 0008 東京都新宿区三栄町 22 容 03-3357 ー 41 81 [ 販売 ] 03 ー 3357 ー 4402 [ 編集 ] 印刷・・・・・・株式会社光陽メディア製本・・・・・・株式会社 / 、ツコー製本 02004 Miyoko Matsutani, Toru Tsunemitsu, Shozo Mizutani, Akiko Niikura, Kiyoko Ozawa, Kazuo Yoshizawa, Shinzaburo Mochizuki, Kimiko Saito, KyokO lwasaki, Kaoru Fuji, Kumiko Okano, Mari Morishita, Kumik0 Kat0 published by DOSHINSHA, printed ⅲ Japan ド BN4-494-01131-2 NDC913 144P 17.3x 12.3cm インターネットホームページ http://www.doshinsha.co.jp/ UASRAC 出 0413691-504

6. 怪談レストラン(34)人形レストラン

ちょ、つ いちまっ てらほうのう にゆういん しようじよみが 「お百度まいり」は、入院している少女の身代わりとして、お寺へ奉納された市松 はなし おも ひやくど にんぎよう よなかほんどうはしら 人形が、夜中に本堂の柱をまわって、お百度まいりをするという話で、あつい思い てあし いちまつにんぎよう かったわってきます。市松人形というのは、おがくすをねりかためて、手足をうご にんぎよう ひやくど した くように仕立てた人形で、お百度まいりをするにはびったりです。 しようわ げんだい みんわ きんばっ にんぎよう せんそうじだい 「金髪の人形」は、戦争時代とかかわりのある現代の民話です。昭和のはじめ、ア てき」く にんぎよう せんそう メリカからたくさんの人形が日本におくられてきました。戦争がはじまると、敵国 9 はなし しょん にんぎよう の人形だからというので、処分されてしまいました。なかにはこの話のように、校 にんぎよう 長さんがひとつの人形をひそかにかくしておいた例もあったのです。みつかったら、 はなしは ) け ) じだい もちろんたいへんです。そんなむちゃくちゃな時代が、この話の背景にはあります。 よち はなし にんぎようれいこん にんぎよ , つじこ 「十ニ月十ニ日」は、人形が事故を予知して、たすけてくれる話です。人形は霊魂 よちのうりよく をもつだけでなく、予知能力ももっていたのですね。 どう きんか にんぎよう むかしばなし ふん 「王さまにかみついた人形」は、フランスの昔話です。糞のかわりに金貨をひる動 はなし しあわ ぶつ 物などが、ますしい人びとに幸せをもたらす話など、たくさんきくことができますが、 ひやくど れい