プリクラ - みる会図書館


検索対象: 赤い糸destiny 下
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1. 赤い糸destiny 下

と歩いた。 陽は沈み、街にはネオンがチカチカと光り出していた。 「これからどうする ? 」 「どうしよっか ? 」 「じゃあ、プリクラ撮りに行きたいっ ! の証って感じに 言っちゃった ! なんか、 友情 友情の証とか言っちゃったけど、好きだからプリクラ撮 りたいんだ。 そしたら離れててもアッくんを見ていられるし・・ 「オレ、撮ったことないんだけど・・・・・・」 「ええっ ! ? 」 「なんか苦手なんだよなっ」 恥ずかしそうに笑うアッくんが可愛く見えた。 032

2. 赤い糸destiny 下

買ったはかりの手帳を開いてペンを掴む。 そして・・・・・・一年記念日にハートの印をつけた。 「アハハッ ! まだ気が早いだろっ」 「早くないの一つ。あとは、誕生日もハートつけて 真っ白な手帳が、アタシの癖がある文字で埋まっていく。 こにいつばいふたりの予定を書き込んでいこうっ と。あっ ! 後でプリクラ撮ったら最初のページに貼ら なきや」 ウキウキしながら語るアタシを見て、アッくんは目尻を 垂らして嬉しそうに笑った。 甘いケーキよりミルクたつぶりのカフェオレより・ アッくんの笑顔は何よりも、胸を甘い気持ちで満たして くれる。 「キャハハッ ! 変な顔つ ! カメラはこっち ! ! 」 「えっ ? わかりづれえ ! 」 ケーキを食べ終わり、次はプリクラを撮った。 アタシに言われるままジッとカメラを見つめるアッく ん。 「ねえ、右手をレンズの方にかざして ! 」 ・・こう ? 」 144

3. 赤い糸destiny 下

小声で叫び、冷えた指先を頬に当てた。 本当は・・・・・・アタシだってチューしてるプリクラを撮りた かったの。 だけど、恥ずかしくて言えなかった。 悪戯のようなキス。 突然でビックリしたけど、ずっとしたかった初チュープ リを撮っちゃったよ。 「次は落書きだっけ ? そういうの苦手だから芽衣が書 ・・オレ、ちょっとその辺見てくるよ」 ・・うん。わかった」 アタシは落書き用のタッチベンを持っと、ありったけの 想いを込めて落書きをした。 ハートのスタンプを押し、沢山の文字を書いていく。 しはらく経っと、アッくんが戻ってきた。 切っておいたプリクラを半分渡し、チュープリをアッく んの携帯に貼りつけた。 「浮気防止 ! ! 」 「そんなことしないし ! 」 ふたりで笑い合いながら手を繋いだ。 外に出ると、すでに西の空はオレンジ色に染まりか けている。 「もう冬だな。すぐ暗くなる・ 次はどこ行く ? 」 「今までリクエスト聞いてもらってたから、次はアッく 146

4. 赤い糸destiny 下

もうつ。そんな言葉に騙されないよっ。 そう思いながらも、可愛いというひと言で顔がほころん でしまう。 「今日、どこ行く ? 」 アッくんの問いに、アタシはチラッと顔を上げた。 キ食べて、帰りにプリクラ撮るつ」 「アタシ、今日はショッピングに行きたいの。途中でケー 「いいよ ! どこ ? 」 アッくんは笑顔でうなずいてくれた。 からかった罰として、芽衣のわがまま聞いてくれる ? 」 「芽衣の行きたいところなら、どこでも行くっ ? ねえ。 「えっ・ 買い物 ? ケーキ ? プリクラ ? 」 予想外の返答だったのか、アッくんは明らかに困った顔 をした。 それを見て、念を押すように言った。 「あー 言うこと、聞いてくれるんでしょ ? 」 ・・わかったよお」 観念したのか、アッくんは苦笑いをした。 そして、ふたりは目を合わせて微笑み合った。 そこには、穏やかな朝の空気が流れていた ・こんな話をできたり、笑い合えるのって幸せ。 なんか・ アッくんがそばにいるだけで、とっても幸せな気持ちに なるよ。 「やったあ ! わがまま聞いてもらっちゃうし、 1 カ月記念 135

5. 赤い糸destiny 下

戸惑い 「じゃあ、初プリだねっ ! 」 「えっ ! ? マジで行くの ? 」 戸惑うアッくんの背中を押し、繁華街にある大きなゲー ムセンターに向かった。 こうして一緒にいると、まるで昔に戻ったみたいだね。 あなたの気持ちが知りたいよ。 ねえ・ てくれた。 苦笑いをしながらもアッくんはゲームセンターに向かっ アッくんはどう感じているんだろう・ つき合っていたころのようだよ。 ゲームセンターの近くに行くと、まわりは同年代や少し 年上の人たちで溢れかえっていた。 「プリクラ、混んでなかったらいいなあ・ こっ ! 」 「わかったって。でも、 1 枚だけな ! 」 。早く行 「はあい。今日は夏休みの最後だから人が多いねえ」 あまりの人混みに、気をつけていないとアッくんとはぐ 戸惑い 033