民主主義 - みる会図書館


検索対象: ニューズウィーク日本版 2017年3月7日号
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1. ニューズウィーク日本版 2017年3月7日号

PERISC()PE\Asia CHINA らは 民主主義国家にいて、民主主タブロイド紙「環球時報」は健全な米中関係を破壊しようとがある」と書いてあっても、紙 かと = 義のあらゆる権利を享受しなが「ダライ・ラマはネルソン・マしている」と、根も葉もない批くず以上の意義はない。真剣に 立」な体 そ、つした権利を行使しようとし し正コら専制主義体制を擁護し、称賛ンデラのような人格者ではなく、判を行った。 受の 支 たら、たちまち 1989 年の天 木する人たちがいる。欧米や日本祖国の転覆を企てる分裂分子 享体 中東テロと「中共言語」 英にある数々の中国系団体だ。彼だ」と非難。「中国がチベット 安門事件の轍を踏むことになる : を団海 らにとって、民主主義は自らがをダライ・ラマの圧政から解放このように、在米中国系団体欧米と日本が守ってきた民主主 党と概 支持する共産党独裁体制を維持して発展させた事実を直視しなは民主主義国の内政に干渉する義の権利を、人権を蹂躙し続け 民す 産威 し、その正統性を誇示する手段ければならない」と、アメリカ圧力団体と化している。彼らがる共産党政権のために利用する で護 にすぎない 人に説教した。 専制主義の「祖国」のためにカ中国系団体は「人類の普遍的な 本擁 米カリフォルニア大学サンデ を尽くすのは今に始ま理念への反逆者」と言わざるを イエゴ校は 6 月の卒業式にチベ 国い ったことではない。得ない。 ット仏教の最高指導者ダライ・ 年北京オリンピックの こうした団体を意のままに動 中な ラマ世を招こ、つと企画したと 聖火リレーの際に、長かすのは、在外中国大使館と団 ころ、「在米中国人学生・研究 " 第 , 野県善光寺の僧たちが体内部に極秘に設置された共産 むえ 者連合会」から激しい抗議を受 長同じ仏教徒たちが弾圧党支部だ。こうした秘密支部は、 共 潜見 けた。 2 月初旬に大学新聞にダ 昨されているチベットの単に他国の内部で政治活動を繰 この ライ・ラマを非難する文章を発 状況を危惧する姿勢をり広げて中国に有利となる世論 表。「売国奴」や「偉大な祖国 中示したところ、在日中工作をしているだけでない。い そ ( 中国 ) を分裂させる、宗教の ) - 在国人の赤旗が善光寺周ざというときには善光寺での示 外套をまとったオオカミ」と罵 威行動のよ、つに、実力行使に打 嚇辺を埋め尽くした。 各 った。 を昨年Ⅱ月に世界各地って出る可能性もある。 直接的な表現を好むトランプ 抗の亡命モンゴル人たち アメリカはイスラム圏の国々 米大統領が誕生した影響ではな が政治集会「クリルタから入国者を制限しようと躍起 粗暴な言葉遣いはむしろ中 2 イ」を東京で開催したで、民主主義への真の脅威は中 国のほうが先輩で、中国系の専 際も、会場前で抗議デ国だと気付こうとしない。中東 門家たちはこれを「中共 ( 中国こうして連合会による行動がモを展開。直近ではアパホテルテロは見えやすいが、中共言語 ク内イ ョ国テ共産党 ) 一一一口語」と呼ぶ。この中始まると、環球時報はすぐに中に置かれた経営者の著作を問題の脅威はもっと深刻だ ザ仲 'ä等 e ノルワ共一一一〔語がアメリカの大学の知的国政府とカリフォルニア在住の視。旧日本軍が関わ 0 たとされサンディエゴ校は中国の圧力 一ゴに革空間を侵したのだ。 中国人の連携を一層強化しようる南京事件に異なる説を唱えたに屈しない、と大学の広報担当 Ⅲ名ぞ縮化 これは決して祖国愛にはやると続報を掲載。ダライ・ラマのだけでデモ行進が起きた。 者は語っている。 6 月に当初の 。文 野在米中国人による、やむにやまチベット亡命政権がインドに拠彼らの「偉大な祖国」では、予定どおり、ダライ・ラマは卒 < 授大台会れぬ孤軍奮闘の活動ではない。点を置いていることから、「サ決してデモを行う権利を与えら業式典に参加できるかどうか 教は社 学名ル際彼らが行動を起こす直前、中国ンディエゴ校の責任者にはインれていない。たとえ彼らの憲法アメリカの民主主義が問われて 岡日ンと に「人民には言論やデモの自由いる。 静モア共産党機関紙「人民日報」系のド系アメリカ人がいる。彼らが っル ( ん」 キー・年 1 ー 価臨 7 斗丁 Newsweek ー 5 2017 / 03 / 07

2. ニューズウィーク日本版 2017年3月7日号

CHINA STRATEGY 71 億ドル 13 年に中国の双匯国際が 米食肉大手スミスフィール ド・フーズを買収した時の総 額。負債引き受けを含め中 国企業による最大の米企業 買収となった び掛けた。アジア太平洋地域のカ国参加国の経済改革を促し、多様な経済国内の権力闘争に忙しく、国際社会でき受ける機会だ。それに、習には自由 が参加する中国主導の貿易イニシアチ関係を発展させ、中国への依存度を減指導的な立場を引き受けることはめつ貿易を擁護する以外の選択肢がなさそ たになかった。 プだ。その 2 日後にはタイも同様の姿らす効果も期待されていた。 うだ。トランプの「アメリカ・ファ 1 勢を表明した。参加予定国は 2 月末か だが今、これらの国々を取り巻く状しかし習はダボス会議での演説で、スト」主義は、輸出に頼る中国経済に ら日本で会合を開き、交渉妥結への道況は大きく変わった。一部の国は今後中国は今後も国際貿易と気候変動に関打撃をもたらす可能性があるからだ。 を探る。 もを支持すると表明しているが、するパリ協定の両方を支持していくと ダボスの会場にいた経済人や政治家 活発な経済成長を遂げているアジアアメリカ抜きでの存続は不可能とい、つ確約した。これらの問題で自ら模範をは習のスピーチを大歓迎した。習の言 太平洋地域で、米中は激しい主導権争のが大方の見方だ。 示すというのは、これまでの中国には葉も態度も、国際社会の一員として責 いを続けてきたが、トランプ政権の登 一方で中国主導のは、 (--æなかったことだ ( 中国は一貫して国内任を果たす成熟した国家にふさわしか 場で流れは変わった。この地域のアメほど野心的なものではない。中国と市場を保護してきたし、今も世界最大った。権威主義や重商主義に傾斜し、 リカの同盟国、とりわけ日本とオ 1 ス他の東南アジア諸国、オーストラリア、の環境汚染国だ ) 。 その不公正な貿易慣行ゆえに欧米の財 トラリア、韓国は、この潮目の変化がインド、日本、韓国とニュ 1 ジーラン しかしトランプ政権の誕生で、習に界首脳や政治家から非難されてきた国 自分たちの未来にどう影響するかを測ドの間で関税を削減または撤廃するこは願ってもないチャンスが転がり込んの指導者にしては、驚くべき進化だ。 りかねている。 とか主な目的だ。 だ。トランプ政権が投げ出したがって中国市場を世界に開放したのは最高指 これら 3 国は台湾ゃべトナム同様、に期待されるような経済統合 いる国際社会での役割を、代わって引導者だった鄧小平だが、中国の指導者 米軍の存在によって安全を保障され、をもたらすものではな が世界中からこのよ、つな尊敬を集める 政治的にもオバマ前政権のアジア重視いか、中国にとっては 日か来よ、つとは夢にも思わなかったこ とだろ、つ 政策の恩恵を受けていた。さらに追いそのほうが好都合だろ 風となるはずだったのが、世界最大規う。は環境保 年代の前半、その後の長きにわた 模の多国間貿易協定だ。 護や労働者保護に関す る 2 桁成長の時代に突入するに当たっ る面倒な規定を含まな て、鄧は後継者たちにこう助言したも 国際社会で模範を示す姿勢 い。も、つ 1 つ重要なの 就のだ。自分たちの強さを隠し、中国の の 京 は質の高い経済統合を目指すは、中国の経済力が加 台頭が既存の勢力や権力に対する脅威 ものとされていた。各国の環境基準な盟国中で最大であり、 る にならないことを他国に納得させよ、 え どを統一し、特定品目の輸入を実質的その影響力が一段と拡 増と。その助言に従って、中国は常に、 に禁じる非関税障壁 ( 独自の食品安全大する可能性が高いと 自分たちは覇権を目指しているのでは 基準など ) を取り除こうとしていた。 いう点だ。 ない、中国経済の成長は世界にとって 新 一連の情勢の変化や 砿も好ましいことだという主張を続けて え それが中国にもたらす 増きた。 も チャンスは、国内で権 雇欧米各国の政府や企業は、中国が真 力基盤の強化に努めて のリ 1 ダ 1 になるためには ( 台湾や韓 変 いる習にとって、突然 国がしてきたように ) 既存の国際秩序 の で予想外のものだった。 市を受け入れ、政治の民主化に向けた歩 中国の指導者は従来、 ま労みを進める必要があると考え、国際経 KEVIN FRAYER/GETTY IMAGES 200 201 Java 、第員を 0 第 E 店臨岐竄舞ロ気ム【 第第 2 第物宿 人資行載宿 家物 第文化 こ Newsweek 24 2017 / 03 / 07

3. ニューズウィーク日本版 2017年3月7日号

ern 。れ / 射 RI S C ( ) た「幻世紀の中道主義」を訴え論調査は、第 1 回投票で極右政 ている。 党・国民戦線のルペン党首に次 ぐ 2 位となり、決選投票で勝利 まン 戦いの本番はこれから すると予想している。中道政 る 反面教師は、離脱を決め党・民主運動のバイル議長が出 刻ロ味 たイギリスの国民投票だ。マク馬を断念し、マクロン支援に回 カ勝 ロンに言わせれば、キャメロンったことも追い風となりそうだ。 らの残留派は「残留をはっ戦いの本番はこれからだ。マ きり肯定しなかった。離脱派にクロン陣営は先週、予算案を提 示する形で政権構想を発表した。 レ右右勝てるわけがない」。 左極 マクロンが情熱を傾けるのは、 今後、さらに具体案を示した後 る き で しマ今や珍しい親欧州主義。離にも、幅広い中道勢力からの支 出ス 脱で国の主権を強化できるとい持を保てるか否かが問題だ。 こ びリ っ カリスマのあるイケメン、自 勝 飛カう発想は「でたらめ」だと一一一口う。 気 「中国の鉄鋼ダンピング問題な信満々のリべラル派、意気揚々 人 ン 斤どに、 1 国では太刀打ちできなとした演説家 : : : 。そんなマク 大き辛 社 移民や安全保障の問題にもロンは確かにフランスの中道派 て っ ョ 1 ロッパは必要だ」 の誰もが希望を託したくなる人 保 を 今回のイギリス訪問では、マ材だ。 勢 の クロンは 2 つの強みをアピール厳しい戦いであることは本人 今 の英首相の ) デ 1 ビッド・キャした。国際的な舞台で堂々と振も承知している。自信を失わな る舞う「大人」の政治家であるい理由の 1 つは、「型にはまら スメロンを持ち上げていた」 ロ ク なのに「今はフラン以にも改こと、支持者を興奮の渦に巻きない」フランスという国を信じ マ 革を断行しようというリべラル込む演説家であることだ。 るからだ。「イギリスなど多く 権力者層の人物なのに、政治それでも先週、イギリスのロ派がいるのに、『できるわけが前者が伝わってきたのは、メの国が極端なリべラルに傾斜し 家として新鮮な印象がある。自ンドンを訪れて記者会見に臨んない』と決め付けている。でも、イ首相と会談したときの落ち着た川年前、フランスは真っ向か いた様子。後者は、夕方にあつら反対した。逆張り志向なの 信たつぶりに選挙戦を戦い、熱だときにはポピュリスト的な一私はそのことを誇らしく思う」。 。工面をあらわにした。「フランス昨年春に社会党を離れて中道た在英フランス人の集会で発揮だ」と冗談を飛ばす。 狂的な支持者を集めるーー マニュエル・マクロン ( ) は、のジャ 1 ナリストの反応は面白政治運動「前進 ! 」を結成したされた。既に集会前から、選挙彼が大統領に選ばれたら、ま い。ほんの数年前には : ・ : 」とマクロンは、その後オランド政運動シャツを着て記者会見場さにフランス国民の逆張りだろ まるで選挙戦中のトランプ米大 統領のよう。ただし 4 ・ 5 月のフランス語なまりの英語で話し権の経済相を辞任。無所属で大近くに集まってきた若者たちはう。あちこちの政界で衝撃的な にぎやかで楽しそうだった。 ことが起きている今、それも決 フランス大統領選の候補としてながら、皮肉つほく手をたたい統領選に立候補した。公共部門 マクロンが掲げる政策や政見は、た。「フランスに勝る超リべラの改革や親欧州主義、社会的均マクロンは今のところ最有力してあり得なくはない。 ジョシュ・ロウ トランプのそれとは全く違う。 ルな改革をしていると、 ( 当時衡を伴う穏健な経済政策といっ候補と目されている。多くの世 #LaFranceEnMarche FRANCE ROBERT PRATTA—REUTERS Newsweek ー 4 2017 / 03 / 07

4. ニューズウィーク日本版 2017年3月7日号

-9 CHINA STRATEGY そらせてくれる存在とった。果たしてそうなるのか。アメリ アメリカが中国からの輸入を減らした なる。 力に戻ってくる工場もあるだろうが、 場合の打撃は大きい トランプによって困そうした工場は高度に自動化されてい しかしアメリカの一方的な勝利に終 惑と歪女に陥っているるか、さもなければ極端な低賃金で働 わるとは限らない。億の消費者を抱 世界では、中国の国内き手を一っことになるだろう。要する える中国市場は、米企業にとっても欠 政治の諸問題や保護貿にアメリカの消費者は割高な輸入品の かせない存在だ。しかしアメリカ大統 易主義、透明性と説明購入を通じ、て計な税金を払わされ、 領が中国に敵対するのなら、中国が米 企業を厚遇する理由はなくなる。 責任の欠如も、問題視一方でロッ外の雇用を増やすことに た 名されにくくなる。もしなる 中国の潜在的な「武器」は、アメリ 世界貿易の縮小には別の、そして中 力の国債 1 兆 600 億トル分を保有して かすると中国はついに、 いることだ。これはアメリカの対外債 一統経済力を政治的影響力国が熟知している戦略的なリスクもあ 務の約 3 割を占める。中国はこうした るに変えることができるる。国際間の協力に重きを置かない世 界では地政学的な危機が突発的に生じ 資産を投げ売りし、どんな損失にも耐 離かもしれない 長い目で見て、中国「一やすいからだ。そしてアジアには朝鮮 えてドル安を誘導しようとするかもしー れない の政治制度がアメリカ ( 半島から南シナ海まで、一触即発の地 月 との貿易戦争による経域がいくつもある。香港と台湾でも、 欧米中心の既存の秩序に挑戦 っ緊張が高まるか分からない。 : プ済的損失を乗り越えるい ラ トことができるなら、国 一方で中国の軍隊には、アメリカに 今という時期が世界の指導者として の責務を引き受けるには理想的でない り際貿易システムの弱体代わって世界の警察官を引き受けるだ としても、アメリカが世界に対する責 第終ヒよむしろ、国内の改けの実力もないし、その意思もないだ ) のイ ( 任を放棄することで生じたチャンスは、 革を加速するかもしれろう。そうして地域の安定と国際協力 偉大な中国の再生を目指す指導者にと ない。国内消費を増やが失われていけば、日本のようなアメ って抗し難いほどに魅力的だ。 大国は進んで他の国や国民を助けようし、輸出を減らし、国有企業保護のた リカの同盟国を含め、各国が防衛予算 挑戦しないリスクも同じくらい大きとするが、もちろん最終的には、それめに実行できなかった市場経済に立脚を増やす可能性が高まり、アジアの軍 世界貿易に依存している中国は、か超大国の利益にかなうのだ。 した効率のいい経済への転換が実現す拡競争が始まりかねない。 自らが必要とする貿易制度を維持しな気候変動を疑うトランプ大統領のおるかもしれない。 トランプは投資家として、民間人と ければならない。個人の自由や人権、かげで、パ リ協定を尊重し、気候変動もしもトランプが中国製品に高関税してしかアジアを知らない。そんな男 民主主義、法の支配といった価値の上が世界にもたらす脅威を認識しているを課せば、アメリカの消費者は今までがアメリカ大統領になり、乱暴にアジ に築かれたアメリカ型の国際秩序に挑習は国際社会で優位に立てる。拷問をより高い買い物をしなければならない。アを揺さぶった。このままだと世界の 戦するチャンスでもある。 支持すると公言した米大統領に、中国それに、輸入をやめてもアメリカ人の二大経済国が衝突しかねない。そのと この機会に中国は、最も捉えどころの人権問題を批判する資格はない。客雇用が増えるとは限らない き習が「世界から尊敬される政治家」 として振る舞えば、彼はついに公約を のない目標を達成できるかもしれない。観的な事実を無視するトランプは、昔 離脱の大統領令に署名するに つまり、世界をリ 1 ドする国に向けらから偏った主張で非難されることの多当たり、トランプはそれが「アメリカ果たせるだろう。「中国を再び偉大な れる道徳的な地位や敬意だ。裕福な超かった中国政府にとって、世界の目をの労働者にとって大切なこと」だと言国にする」という約東を RON SAC 工 S—POOL/GETTY IMAGES Newsweek 26 2017 / 03 / 07

5. ニューズウィーク日本版 2017年3月7日号

STEP 工 EN S 工 AVER—UPI/AFLO っている。中国もアメリカ用するべきだ。すなわち、どちらも自 も、本質的には防衛のためらの立場を強調しつつ、それを相手に に軍備を強化しているつも強要する行動までは起こさないのだ。 りかもしれないが、相手に 例えば中国は引き続き、九段線によ 脅威を与えていることに変って南シナ海における自国の主権は確 わりはない。 立されていると主張する。一方アメリ 南シナ海における中国の力と同盟国は、国連海洋法条約により 行動を見れば、中国とアメ南シナ海の主権は中国以外の国々に与 リカと他のアジア諸国の考えられていると主張する。しかしお互 え方の違いが、あっとい、ついその主張を受け入れることを相手に 間に紛争につながり得るこ強いなければ、少なくとも当面は衝突 軍力を付けて、中国近海におけるアメ とははっきり分かる。 が起きる必然性はない。 リカの軍事的影響力を排除するという 中国は周縁国が連携した行動を取る だが、中国は基地の建設など着々と 戦略だが、その目標は既に一部達成さ と、中国に脅威を与える「包囲網」と既成事実づくりに励んでおり、南シナ れている可能性がある。「アメリカの 見なす傾向がある。その歪女とアヘン海と東シナ海における戦略的パランス 優位が確保されているラインは着実に 戦争以降の「屈辱の 100 年」への忸を自らに有利に傾けている。アメリカ 後退している」と、米シンクタンクの 怩たる思いが、中国の戦略的パラダイと同盟国がこのパワーシフトを黙って ランド研究所は新年の報告書で指摘し本も、海軍力を大幅に高めている ムを形作ってきた。中国では今も、欧受け入れなければ、ほば確実に衝突が ている。アジアの海で歴史的なパワ 1 こうした中国の海軍力増強をめぐる米列強に侵略され収奪された時代に失起きるだろう。では、アメリカと同盟 シフトが起きているのだ。 作用と反作用で厄介なのは、それが新った権力と面目を取り戻すのだとい、つ国はどの時点で、中国の拡大を武力に 第一一次大戦以降、アメリカはアジアたな国際秩序の誕生という、より大き意識が強いだから中国にとって、九よって阻止すべきと判断するのか だけでなく世界中で地域覇権国の誕生な戦略地政学的変動の中で起きている段線に基づき南シナ海の大部分につい 筆者は o—< など情報機関での年 を阻止して、自らの影響力を行使しやことだ。既存の国際秩序が新しい国際て主権を主張したり、スカボロ 1 礁に以上にわたるキャリアで、政治家が敵 すい環境をつくってきた。しかし中国秩序に取って代わられるときは、不透軍事基地を建設して中国の影響圏を構対国や敵対組織の脅威に対して、理性 海軍の近代化によって、アメリカの揺明性が高まり、小さな判断ミスか衝突築したりすることは、間違っていた過ではなく恐怖と疑心暗鬼に基づき反応 るぎない優位は脅かされている。 につながるリスクが高まる。 去を是正し、祖国を防衛する措置にほした結果、かえって危機を悪化させた そこでアメリカは、西太平洋の米海 かならない。 ケ 1 スを数多く見てきた。どちらも相 「屈辱の 100 年」への反動 軍を増強することを決定。フィリピン しかしアメリカにとっては、米軍艇手の脅威に対する正当な防衛措置とし への再駐留を決め、最新型の沿海域戦 アメリカは第次大戦後、法治主義の航路を脅かしたり、国際的に確立さて、先手を打とうと焦った結果、緊張 闘艦 (=ocn) 4 隻をシンガポ 1 ルに的な国際秩序を構築してきたが、中国れた法治主義的秩序に挑戦したりするをエスカレートさせてしまう。 配備した。また、空母艦載機より飛行はもつばらパワ 1 と忠誠心 ( 中国のや中国の行動は、脅威にほかならない。 アジアの海は今、そうした事態が起 距離も耐久性も 253 倍高い無人戦闘り方に賛同するか否か ) に基づき国際こうした米中の正反対の論理が、物きやすい状況になっている。誰も望ま 機の活用を大幅に増やすことを決めた。関係を築いてきた。このためアジア太理的な衝突につながるのを避けるためない紛争を回避するには、理性的な判 アジアの主要同盟国であるインドと日平洋地域で紛争が起きるリスクは高まには、双方が曖昧な態度を建設的に利断力を持っ優れた指導者が必要だ。 飽くなき野心 大連の造船所では中国 第 2 の空母建設が進ん でいる ( 2 月 9 日 ) Newsweek 3 ー 2017 / 03 / 07

6. ニューズウィーク日本版 2017年3月7日号

ILLUSTRATIONS BY COREY JACKSON FOR NEWSWEEK 済への中国の統合を促した。また中国判官に「誤った西洋の思想と司法の独産党は国民の不満という潜在的な脅威 が ( 世界貿易機関 ) に加盟し、立の罠」に落ちないよ、つ警告し、「共に直面する可能性がある。 トランプが自らの発言どおりに行動 より自由な市場経済に移行すれば、中産党指導部を否定する言説と闘う」こ するなら、その危険性はさらに高まる 国にもその経済パ 1 トナ 1 にも恩恵がとを強く求めている。 トランプは不公正な取引慣行によって あると信じてもいた。 米中貿易戦争になれば不利 アメリカに害を与えていると中国を非 だが 4 年前に習か国家主席に就任す こうして国内の統制強化に努めてい難し、輸入品に菊 % の関税を課すと脅 ると、その期待が揺らぎ始めた。トラ ンプ同様、習も自国経済の活性化を約る時期に、降って湧いたように世界のしている。対する中国も、航空機のよ ダ 1 となるチャンスが訪れた。必うな高額品をアメリカから買わないと 東して支持基盤を確立した。そして他一一リー いう報復を口にしている 国からの「 1 世紀に及ぶ屈辱」を受けずしも好ましいタイミングではない。 だが貿易戦争になれば、中国の困難 てきた中国は必ず、国際社会からの尊世界の指導的人物としての重責を果た 敬と世界の中心としての立場を回復すすのは、習にとっては願ってもないこな状況はさらに悪化するはすだ。貿易 ると豪語した。そして地域内で大胆かとだろうが、それで国内問題への対応依存度はアメリカより中国のほうが高 いからだ。世界銀行によれば、中国の っ攻撃的な姿勢に転じ、他国が南シナをおろそかにはできない。 海の一部の領有権を主張しているにも習は高度成長の原動力となった低賃に占める貿易の割合はれ % で、 かかわらす、全域の領有権を主張し、金労働や過剰な投資、輸出主導の経済年当時の 9 % を大幅に上回る ( アメ リカの場合は % ) 。 人工島を造った。海上貿易のル 1 トをから中国を脱却させなくてはならない 守るという名目で、空母の建造など海つまり、サ 1 ビス業や技術改革を重視米中両国とも貿易戦争で損失を被る 0 し、輸出よりも国内消費を原動力とし、が、報復合戦は経済規模が小さい中国 軍力の増強にも余念がない 習はまた、長年の独裁による腐敗に高付加価値で効率的、かっ緩やかな成、・にとって高くつくため、中国の痛手は まみれた中国共産党が直面するであろ長を持続しなければならない。 アメリカより深刻になるだろう。 過去年にわたって築かれてきた世 う困難な時期を切り抜けるため、党員しかし、改革はあまり進んでいない と中国社会全体に、時代遅れの共産主巨大な国有企業は自由市場への移行に界貿易のシステムは疲弊している。イ 抵抗している。低迷する景気を当局がギリスの離脱や多国間貿易協定に 義を再び押し付けようとしている。 年に発行された共産党の内部文書によ刺激しようとしたため、債務は膨れ上対するトランプの猛攻撃は、その明ら 5 れば、党員は共産党の支配を脅かす民が 0 た。人民元は安くなり、資本は安かな兆候だ。 主主義や法の支配とい 0 た思想と「闘全とリタ 1 ンを求めて徐々に中国から着実に鹹長を続けてきた世界貿易が 逃避している。 今後、縮小するとしたら、生き残れる う」ように命じられている 以来、中国では議論の場も異論を唱共産党は今、今秋の党大会の準備をのは中国ではなく、アメリカだろう。 える機会も縮小した。政府は国内のイしているが、この大会で最高指導部で国内需要を満たすために商品を輸入 ンタ 1 ネットへの統制を強め、政府公ある政治局常務委員の 7 人中 5 人が入するアメリカは慢性的な経常赤字に陥 れ替わる。習は今、自分に忠実な人物っているが、輸入が減れば赤字も減る。 認の歴史観だけが流されている。 中国の司法の最高責任者である周強を新たな委員に選ぶことに忙殺されて一方の中国は、国内の巨大な製造業を 最高人民法院長は今年 1 月、地方の裁いるが、さらに経済が減速すれば、共維持するためにも輸出を必要とする。 60 カ国 75 億 5000 万ドル 123 % 3839 ~ 13 年から 15 年にかけての ! 陸と海の 2 つのルートで中 ! 中国の原発大手、中国広核 習近平が国家主席に就任しミ中国の対外直接投資の総 ! 国から欧州までを結び付け ! 集団が建設費の 33 % を出 習近平カーた 2013 年からの 2 年間 額。巨額の投資が中国から ! る「一帯一路」構想の沿線上ミ資する英ヒンクリー・ポイン 推し進めるで、中国の対外直接投資は 流れ込んだことで最も恩恵 ! にある国の数。構想の評価三ト C 原子力発電所の評価額 対 GDP 比で O. 76 % からミを受けた国はアメリカだ のうち広核集団の保有分 額は 1 兆ドル以上とも 中国経済の 1 .7 % に増加した 「大曜進」 ☆☆☆☆ チョウ・チアン Newsweek 25 2017 / 03 / 07

7. ニューズウィーク日本版 2017年3月7日号

) Z a- を》や " イ気・第 国連開発計画 ( UNDP ) は、国連システム の中核的な開発機関として 1966 年に 設立されました。貧困の撲滅と、不平等 と排除の是正を同時に達成するために、 持続可能な開発、民主的ガバナンスと ! 平和構築、気候変動対策と強靭な社会一 の構築、の 3 つを重点分野に掲げ、約 ↑ 70 の国で活動。持統可能な開発目標一 ( SDG の達成ー餉けた取り組み粃ンてき います。 " ・ - 紺野美沙子 UNDP 親善大使は、 2016 年 8 月、第 6 回アフリカ開発 ム議 (TICAD (I) を前にケニアの開発現場を視察しました。 UNDP と日本の民間企業が協働で行う、浄水・農業振興プロジェクト現場 を訪れました。 紺野さんは「日本の浄水技術により安心・安全な水が飲めるだけで はなく、水の販売や伝統野菜の栽培をして現金収入を得ることがで きるようになったこと、地域の人々にとって持続可能な収入の道が できたこと、片道 4 キロの水汲みの必要もなくなり、親が子ども達と 過ごせる時間が生まれたこと、病院にいけるようになったことなど 様々な変化が起きていました。そして、地域の人達に大きな希望が 生まれていたことを目の当たりにしました」と語っています。 SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS 世界を實えるための一 7 の日第 0 ー第をつ ( ろ 5 リ、 TA AB 岐

8. ニューズウィーク日本版 2017年3月7日号

CHINA OPINION TRUMP'S CHALLENGE @Project Syndicate この 8 年間に中国はアジアで過激な祝意を伝える台湾総統と電話で直接会たレックス・テイラ 1 ソンもいる。テアメリカは中国の経済発展を助けたこ 行動を取るようになり、バラク・オバ談した。さらには「一つの中国」政策イラ 1 ソンは国務長官指名の承認手続とでモンスタ 1 をつくり出してしまっ マ前米大統領を弱腰と批判する声が世を、輸入関税や北朝鮮との安全保障問きの間、中国の南シナ海における拡張た。中国が露骨に規則に違反するよ、つ 界では聞かれた。中国がフィリピンと題など厄介な米中交渉の切り札にする主義をロシアのクリミア併合に例えてになっても、アメリカは中国に有利な オバマを暗に批判したが、その姿勢は通商政策を取り続けている。 領有権を争うスカボロ 1 礁を実効支配ことも示唆した。 だがその後、トランプは前言を撤回。すぐに和らいだ。 皮肉にも、今年の世界経済フォ 1 ラ し、南シナ海に 7 つの人工島を建設し シー・チンピン それでもアメリカは、中国の方針にム年次総会 ( ダボス会議 ) で保護主義 て地対空ミサイル配備用施設を造った中国の習近平国家主席が、この政策を と貿易戦争のリスクに警鐘を鳴らした 遵守するとトランプが確約しなければ強固な対抗措置を講じざるを得ない。 のも、オバマ政権時代のことだ。 オバマの後継者で押しの強いドナル電話会談に応じないと表明したためだ。中国はいま南シナ海だけでなく、東シのは、長年密かに貿易戦争を仕掛けて ナ海やヒマラヤ山脈きた中国だった。だが、誰もが中国の でも大きく動こうと言い分にだまされたわけではない。 している。習が提唱トランプ自身が中国に闘いを挑む可 第れぶ軒 する「一帯一路」構能性はまだある。「一つの中国」の受 想の下、アジアにおけ入れを表明したトランプは、習の要 しをカ】 タ ける一大中国圏の構請を受け入れただけで、この政策を自 影 ン 多 を 築と、国境をまたぐ身が守るとまでは言っていないと一小唆 声 刻研 む河川を自国の管理下した。トランプが今後、中国がチベッ に収める計画を進めトへの弾圧を強めていることを問題視 中ご ン 硬ている し、米台関係を強める可能性もある。 イ な のアメリカの政策に 中国が覇権主義的な野心を追求する とラ の拭 中穴があったことも、なか、トランプは外交の軸足を中東か プ中国が輸出大国としらアジアへ移すとしたオバマの政策を 防て台頭する要因とな継承せざるを得ない。日本の安倍晋三 待った。問題は中国経首相と親密な関係を築く姿勢を見せ、 済が好調なことでは政権の優先順位をインドや韓国との関 なく、中国政府が国内の雇用と産業を係強化に置いていることは、その兆候 ド・トランプに多くの人々が期待する会談は実現し、トランプは表面的には のは、中国に対する強硬姿勢だ。だが、何の見返りも得ることなく、習に従っ保護するために輸出を奨励して輸入をと見て取れる た。すべてがこけおどしにすぎなかっ妨げ、自由貿易のルールを侵害してい オバマは歪女定な対アジア政策を置 幸先が良いとは一一一口えない。 トランプは選挙期間中、貿易におい たことを中国に見破られた今、トランることだ。中国はアメリカから 1 トル分き土産にした。トランプには、それを てアメリカを「レイプ」している中国プが通商や安全保障問題で中国から譲輸入する ) 」とに、アメリカに 4 ドル分の確固としたものにする機会と責任があ る。トランプがやらなければ、中国は には報復措置も辞さないとして、中国歩を引き出すことは間違いなく困難に商品を売っている からの輸入品に高い関税をかけることなるだろう。 かってアメリカがアフガニスタンでアメリカの同盟国関係とアメリカの国 を公約に掲げた。大統領選に勝った直 トランプ政権には、対中政策で強気訓練した対ソ連戦闘部隊ムジャヒディ益を損ね続け、アジアと世界に深刻な 後は、年近い外交上の慣例を破り、な発言をしながら後でおとなしくなっ ンからアルカイダか誕生したように、影響を及ばすことになる 視点 0 OLIVIER DOU 匚 ERY—POOL/ GETTY IMAGES Newsweek 32 2017 / 03 / 07

9. ニューズウィーク日本版 2017年3月7日号

「最後の勝利」へ 北朝鮮が突き進む NORTH KOREA DIPLOMACY What Does North Korea Want? 分析ミサイル発射実験、暗殺事件ーー 気鋭の専門家に聞く金正恩体制の狙いと トランプ政権時代の南北関係の行方 0 3 02017 The Slate Group 朝鮮にとって「インダルが相次いでいる。 国を促されても断った。正恩は べント」続きの数北朝鮮の政治的狙いはどこに異母兄が何かをたくらんでいる 週間だった。皮切あるのかアメリカの北朝鮮観と、あるいは正男の存在そのも りは 2 月肥日、今はどこまでが無知の産物で、トのが自らの権力を弱体化させる 年初めて実施した弾道ミサイルランプ政権発足は朝鮮半島にどと判断したのだろう。 発射実験だ。実験への不快感をんな影響をもたらしているのか ハラク・オハマ前米大統領 小すためか、最大の庇護者であ北朝鮮のプロバガンダと思想に は退任前、外交分野の最大の懸 る中国が数日後、国連の対北朝詳しい韓国・東西大学のプライ案は北朝鮮問題たとトランプに 鮮制裁に基づいて、同国からのアン・マイヤーズ教授に、スレ伝えたという。アメリカの対北 石炭輸入を今年いつばい停止す 1 ト誌記者アイザック・ショテ朝鮮政策が大きな成果を出して イナーか話を聞いた。 いないなか、交渉に前向きとみ ると発表した。 えるトランプの姿勢はこれまで さらにミサイル発射実験の翌 日には、奇怪な出来事が起きた。 正男の暗殺事件はとんな重よりうまいやり方と一一 = ロえるか キム・ジョンイル 北朝鮮の故・金正日総書記の長要性を持つのか事件は ( 潜在答えはノーだ。北朝鮮が核武 男で、金正恩国務委員長の異母的脅威を排除しなければならな装を目指すのは、アメリカの攻 キム・ジョンナム 兄である金正男が、マレーシア いという ) 正思の被害妄想の表撃に備えるためだけではない。 の首都クアラルンプ 1 ルの空港れにすきないのか 北朝鮮は年の朝鮮戦争休戦以 で暗殺されたのだ。 正男がⅡ年には何事もなく北降も、通常兵器を韓国の首都ソ 方、北朝鮮の敵国アメリカ朝鮮に帰国できた事実を考えるウルに向けて配備することでア と韓国は混乱状態にある。アメと、それだけの話ではない。 メリカを牽制できている リカでは ( 正恩と会談する用意部の脱北者グル 1 プは明らかに、 北朝鮮の国民なら承知してい があると発言したこともある ) 正男を北朝鮮亡命政府の指導者るように、同国が掲げた先軍政 ドナルド・トランプ大統領が外に据えようとしていた。 治の目的は「最後の勝利」、つ 交政策を一一転三転させ、韓国で 北朝鮮は事実上の君主制で、まり北朝鮮の主導の下での朝鮮 は朴槿恵大統領の職務執行権限指導者としての正恩の正統性は半島再統一だ。諸外国の北朝鮮 が停止されるなど、政界スキャ血統にある。その点を理解すれウォッチャ 1 はその点を信じよ ば、話は見えやすくなる。脱北うとしない。正恩が核戦争を望 者グル 1 プは正男を北朝鮮の指むはすがないから、と。そんな 導者にしようと真剣に試みてい主張は勘違いもいいところだ。 たわけではなく、国内を分断し 北朝鮮がアメリカを核攻撃す て体制を揺るがそうとしていた。る能力を必要とするのは、米韓 愚かだったせいなのか、人付双方に圧力をかけて、最大の狙 き合いがよかったのか、正男は いである平和条約締結を実現す 彼らと接触した。正に永久帰るためだ。北朝鮮側は既に、韓 キム・ジョンウン Newsweek 34 2017 / 03 / 07

10. ニューズウィーク日本版 2017年3月7日号

e 「れ酣。れ a ま / 射 RI S C 0 = UNITED STATES 「型通り」という一一口葉は、トラトランプは訪米した安倍晋三首の国に衝撃を与えた。だが (---'A«は、イスラエルのネタニヤフ首 ス の策 ニンプ米大統領とはほば無縁だ。相に、日米同盟を強め、日本政は民主党にも人気がなく、参相も含め、和平プロセスに関与 はろコ型破りな選挙運動で大統領の座府に協力して地域の安定に努め加の地固めができていなかった。する者は誰も支持しないだか ・領政 とこ に就き、従来の大統領の在り方ると約東した。実にまっとうだ。 トランプは「当事者が決めれば 周りの大人が修正する 統交 当ビに逆らい続け、気まぐれにメデマティス国防長官は就任後初の いい」と言い放った。ヘイリ 1 や今モ ィアを攻撃し、ツィッタ 1 で他公式訪問先に韓国を選び、確固欧州の同盟国は米大統領選中米国連大使がアメリカは「 2 国 大外 スは とした支援を行うと語った。 ン国を脅したり政敵を罵倒する。 からトランプを危惧していた。家共存案」に従うと発言したの よよ交シ べテラン記者は、トランプのトランプは大統領選中には日彼の Z<+O 軽視の発一一一一口、ロシは、その翌日だ。 マ外フ 人物像や政策を理解するのに苦本や韓国は自主防衛すべきだとア批判を渋る姿勢、イギリスのトランプはフリンの後任に りり オ領 離脱支持と他国も・・マクマスター陸軍中将 統労している。就任から 1 カ月間 破通 は、混乱の日々だった。フリン 後に続くべきだというを指名した。マクマスタ 1 は対 大統領補佐官 ( 国家安全保障担 主張のせいだ ロシア強硬派で、ムスリム全体 型型 当 ) が辞任し、側近が失言を繰 ペンス副大統領は先とイスラム的信仰、そしてイス り返し、イスラム圏 7 カ国から ト 銘頃、ミュンヘンで安全ラム過激派を慎重に区別する を の入国を停止する大統領令はっ 保障会議に出席し、プトランプとは相いれない考えだ。 左 り外 ますき、ビジネスがらみでは利 リュッセルで欧州指導彼は重責を担う。大統領の型 タ ま意 益相反の疑いが出ている ス者と会談。アメリカと破りな考えと、「型通り」な外 ク しかし、そんな混乱の中で奇 Z<+O の長年にわた交政策の折り合いをつけなくて マ 妙なことが起きている。外交面 ロる同盟を強調し、ロシはいけない。さらに、安全保障 で「型通り」の政策が見え隠れ 後アはヨーロッパの脅威の顧問と意見が食い違った際、 しているのだ。オバマやジョー 官だと宣言し、アメリカトランプはこれまでおとなしく ジ・・ブッシュの政権時代の 補は欧州の結東に関与す過激なツィ 1 ト内容を修正して ものとそう変わらす、ヒラリ 障ると約東した。 きた。だが、一転して権力を盾 保 全 ・クリントンが当選していた ペンスは別の大統領に彼の異様な考えを閣僚らに押 安 ら行っていたはずのものともあ の使者のようだった。し付けようとしたら ? まり違わない。 主張していたのに、それとは懸例えばオバマのような。実はこ マクマスターの経歴に興味深 もちろんオバマやブッシュはけ離れた「型通り」の姿勢だ。れが新しいパターンになった。 いものがある。彼はベトナム戦 ョ等イめ ) ッ高ロ務イスラム圏の一部からの入国を「一つの中国」の見直しもありトランプがとっぴな外交政策を争に関する自著で、当時のジョ シー・チン 究ヅど停止したりはしなかったし、公得ると語ったのに、中国の習近思い付いても、その後に政府内ンソン大統領とマクナマラ国防 0 研一一過な 級賭の場での発言には徹底して気を平国家主席との電話会談では、の「大人」が修正したり、正反長官に異議を唱えなかった将軍 ー団ポ研配った。しかしトランプの奔放台湾を中国の一部と位置付ける対のことを言ったりするというたちを批判している。 財学院ス ノターンだ。 大学ポな発言の裏で、彼の外交政策は原則を支持している。 シートベルトを締め直そう。 メズ大 「型通り」に見える いい例かイスラエルとパレスもっとひどい乱気流が来るかも p-« ( 環太平洋経済連携協 一キ研ン ュプ題シ ニホ問ワ対アジア政策を考えてみよう。定 ) からの離脱は、確かに多くチナの問題だ。「 1 国家解決案」しれない。 KEVIN LAMARQUE—REUTERS Newsweek ー 0 2017 / 03 / 07