ロ協力者一覧 アートヒリティ 愛知県立名古屋養護学校 青森県立七戸養護学校 青森県立弘前第ニ養護学校 香川県立聾学校 岐阜県立大垣養護学校 岐阜市立岐阜養護学校 国立療養所箱根病院 後藤もも代 春秋社 清美社 世界身体障害者芸術家協会 東京都立羽村養護学校 東京都立府中朝日養護学校 東京光の家光の家新生園 奈良県立奈良養護学校 日本チャリティー協会 / ヾソナ 福井県立嶺北養護学校 福岡県立福岡高等聾学校 福岡県立養護学校福岡高等学園 武州養蜂園 仏光院 水木プロダクション 宮城県立西多賀養護学校 持田昭俊写真事務所 山形県立酒田聾学校 著作権については十分配慮いたしましたが、お気づきの 方がいらっしゃいましたら、弊社まで御一報ください。 ロ主な参考文献 一番ヶ瀬康子・花田春兆編『写真・絵画集成日本の福祉 5 文化に息づく』日本図書センター 大石順教著『障害とともに生きる 4 妻吉自叙伝堀江物語』 日本図書センター 大石順教著『無手の法悦』春秋社 大石順教尼遺徳顕彰会編『大石順教尼遺作集』春秋社 国立療養所箱根病院「風祭会」著『風祭 412 番地』 NOVA 出版 茂木俊彦監修『障害を知る本 10 からだの不自由な子ども たち』大月書店 鈴木信太郎著『美術の足音今は昔』博文館新社 田島隆宏著『うたがきこえる田島隆宏写真詩集』実業の日本社 田島隆宏著『小さな声で田島隆宏 ( オタ ) 詩集』博字堂 はらみちを著『創作児童文学館 10 南の島ルソンから』岩崎書店 はらみちを著『はらみちを詩画集おかあさんのせなか』らくだ出版 水木しげる著『のんのんばあとオレ』ちくま文庫 水木しげる著『ほんまにオレはアホやろか』ポプラ社 山口昌男監修『目でみる日本人物百科』日本図書センター 山下浩著『家族が語る山下清』並木書房 『えのぐの詩』小学館 『鈴木信太郎展図録』読売新聞社 『山下清のすべて』サンマーク出版 47

大石 ~ ー順教 まな ほとけ ころうつく 0 鳥に学び、仏の心を美しい書画に込めた じゅんきよう おおいし おおいしじゅんきよう ひなえさ ねんおおさか めいじ 大石順教は 1888 ( 明治 21 ) 年、大阪に しで雛に餌をやる姿を見て、ロに筆をくわえ おも さいゆうかくまいこ しよがまな て書くことを思いつき、書画を学びます。指 生まれました。 12 歳で遊廓の第妓となりま どう にほんがか さいときゅうかくしゅじんお けっこん 導を受けた日本画家と結婚しますが、やがて したが、 1 7 歳の時、遊廓の主人が起こした さっしようじけんま りよううできお ねんこうやさんはい あま 殺傷事件に巻き込まれ、両腕を切り落とされ 離婚します。 1933 年に高野山に入って尼に おなさっしようじけんきせい いのちと ひとたちめい てしまいます。なんとか命は取り留めますが、 なり、同じ殺傷事件の犠牲となった人達の冥 たびまわ みもの ふくいのいっぽうぶっこういんひら しようがいしやしや それからは旅回りの見せ物として暮らすこと 福を祈る一方、仏光院を開いて障害者の社 じゅんきようさいちゅうとり かつどうつづ かいふつき になりました。その巡業の最中、鳥がくちは 会復帰のための活動を続けました。 しよが すがたみ くちふで か にんはい じゅんきよう しのぶ イ【『忍梅』】順教は「忍」 ほとけここ こそ仏の心だと、この おお 字を好み、多くの書を 残している。 号ノ おおいしじゅんきように ころも ひとおも きず 【大石順教尼】人を思う心を持たず、互いに傷 あひと けんこうからだ ころしようがい つけ合う人は、たとえ健康な体でも「心の障害 からだしようがい ひと 者」だと言い、また、体に障害がある人は、心 ころしょ劬ゞいしゃ がふさぎがちで、そのことで心の障害者になっ おお ころあか しゅう てしまうことが多いので、心を明るく持ち、周 かんしや たいせつ おし 囲の人に感謝することが大切だと教えた。 し、 いひと

鳥に学び、仏の心を美しい書画に込めた 大石順教 くちに筆とりて おしえ かけよと教へたる 鳥こそわれの 師にてありけれ じゅんきよう 【ロに筆をふくんで】順教 たびまわ さいちゅうよ りよ は旅回りの最中に寄った旅 おやどりひな かん 館で、カナリヤの親鳥か雛 すがたみ しよがか を育てる姿を見て、書画を書 おも くことを思いついた。『つ できごと はめ』 ( 上 ) はその出来事を さくひん 書いた作品 くちふで つん か おおっえ さんそんぶつ 【『大津絵三尊仏』】 ねんごろさくひんおだ 1955 年頃の作品。穏 ひょうじようさんぞんぶつ やかな表情の三尊仏 えが か描かれいる。 イ強 、、呼エト一気 こんしこんでいはんにやしんきよう 【『紺紙金泥般若心経』】 1956 年の作品で、日 にゆうせんさく てん 展での入選作となった。 ねんさくひん ねんさくひん 【『かきつばた』】 1960 年の作品。自然を にわしごとみずかおこな 愛し、庭仕事も自ら行った順教は、季 えが せつはなばな 節の花々を生き生きと描いた。 しぜん じゅんきよう

しよどう じゅんきよう おおいし かいが せんじん ロ ・先人 こじん ・個人 だんたい ・団体・イベント おんじゅん ( 各 50 音順 ) 大石 順教 ( 書道・絵画 ) 4 かいが すすきしんたろう 鈴木信太郎 ( 絵画 ) 6 きよしかいが 清 ( 絵画 ) 山下 8 はじむ しやしん ( 写真 ) 勝野 ( 木簓 ) 斎藤 良信 高岡 哲也 ( 書道 ) 田島 隆宏 ( 写真 ) 1 6 西村 勇三 ( 絵画 ) はらみちを ( 絵画 ) 20 ますだ 増田 恵子 ( 絵画 ) 22 みすき まんが 水木しげる ( 漫画 ) 24 もちだ あきとし 持田 昭俊 ( 写真 ) 26 かいか アートビリティ ( 絵画 ) 28 アート村プロジェクト ( ガラス絵 ) 32 夏季絵画教室 ( 絵画 ) 34 祭 会 ( 絵画・ CG ( コンピータ・グラフィンクス ) ) 36 風 しようがいしやそうこうびじゅってんそうこう 障害者総合美術展 ( 総合 ) 40 ぜんこくもうろうようこがっこうぶんかれんめいぶんかさいそうこう 全国盲・襲・養護学校文化連盟文化祭 ( 総合 ) 42 この本の終わりに 46 協力者一覧 / 主な参考文献 47 やました かく かつの なか ( ) の中はジャンルです。 よしのぶ さいとう たかおか てつや り き しよどう たじま たかひろ しやしん かいか ゆうぞう にしむら かいが けいこ かいが しやしん むら かきかいがきようしつ かいが かいが シージー かざ まつり かい お ほん さんこうぶんけん きようりよくしゃいちらん おも

監修者 : 花田春兆 ( はなだしゅんちょう ) 1925 年生まれ。脳性マヒ 1 級。都立光明養護学校卒。 城西国際大学講師。内閣府障害者施策推進本部参与。 日本障害者協議会副代表。著書「日本の障害者一そ の文化史的側面」等。俳人。 【表紙カバーテサイン】山口千穂 【撮影 柳平和士 【編集・企画・構成・執筆】 ハュマ / 戸松大洋大角倫代大貫美帆子 目でみる 長井 静 柳平和士 「心」のバリアフリー百科 美の世界をもとめて 初版第 1 刷発行 2002 年 2 月 25 日 [ 発行者 ] 高野義夫 [ 発行所 ] ( 株 ) 日本図書センター 〒 112 ー 0012 東京都文京区大塚 3 ー 8 ー 2 TEL 03 ー 3947 ー 9387 [ 印刷・製本 ] ( 株 ) プロスト 旧 BN4-8205-6817-5 C8336 \ 4400E ( 第 1 巻 ) BN4-8205-6816-7 C8336 \ 22000E ( 全 5 巻・セット )

多彩な作品を発表し、可能性を引き出す全国盲・聾・養護学校文化連盟文化祭 ぶもん 書道部門 土月売工 しよどう こ中 をぐい かかわけんりつろう きむらこうへい おおはいっぺいみやぎけんりつにしたがようこがっこうちゅうかくぶねん よしいえさき かかわけんりつろう 【木村康平 ( 香川県立聾 【大場一平 ( 宮城県立西多賀養護学校中学部 2 年 ) 】 【吉家沙樹 ( 香川県立聾 かっこうしようがくぶねん うえひじも っ かっこうしようかくぶねん ほん 学校小学部 6 年 ) 】「甲 「車いすの上で肘を持ち上げてもらいながら書きました」 学校小学部 6 年 ) 】「本 ひともじしゅん こっふんなか こうきようしんだいこ 骨文の中から一文字『旬 校『響心太鼓』より、そ だいざい ちょうわたい どう たん を題材にして調和体で素 の鼓動をリズミカルに淡 さくひん ばくひょうげん 朴な作品に仕上げました」 墨で表現しました」 くるま たなかたかゆきふくいけんりつれいほくようこがっこう 【田中孝幸 ( 福井県立嶺北養護学校 いきお こうとうぶねん 高等部 2 年 ) 】「墨をたっぷりつけて勢い たの よく書きました。墨のはじきも楽しい さくひん 作品になりました」 ふくおかけんりつふくおかこうとうろうがっこう しもえかおり 【下江香織 ( 福岡県立福岡高等聾学校 はしばかすよしあおもりけんりつしちのへようこがっこうこうとうぶ げんき たいよう こうとうぶねん 【橋場一欽 ( 青森県立セ戸養護学校高等部 高等部 3 年 ) 】「太陽に向かい元気よく ひまわり ねん くもぞら あおぞら くも 咲くひまわりをバックに『向日葵を 2 年 ) 】「曇り空の雲をはらい青空を、とい ねが ふでつか 墨書しました」 う願いでほうき筆を使って書いてみました」 すみ すみ ほくしょ 45

多彩な作品を発表し、可能性を引き出す全国盲・聾・養護学校文化連盟文化祭 ぞうけい びじゅっぷもん 造形・美術部門 たなかりさ きふけんりつおおがき 【『マンツーマン』田中梨紗 ( 岐阜県立大垣 ようこがっこうちゅうかくぶねん じっさい 養護学校中学部 2 年 ) 】「実際にバスケッ ともだちみ えが トをやっている友達を見ながら描きました」 こ→ ~ た卩火火 と濃 ンく 立 ん県 り木木 ねし さ重ま てき ずぶ立ロ みフう しか描 ねう ~ 父 学 小で もりけいじろう ぎふしりつきふよう 【『いもほり』森圭ニ郎 ( 岐阜市立岐阜養 こがっこうしようがくぶねん 護学校小学部 6 年 ) 】「楽しいいも掘 おも おお りの思い出です。おいもも手も大きく 描けました」 ほく なつやす いまむらまさはるふくおかけんりつようこかっこうふくおか 【『僕の夏休み』今村雅啓 ( 福岡県立養護学校福岡 こうとうかくえんこうとうぶねん いちばんひょう 高等学園高等部 2 年 ) 】「僕がこの絵で一番表 げん しせんよ 、・ / ) 現 0 。 00 = 自然 0 良さす。苦労 0 いろかさず いろへんか なんど るのと、色の変化を出すため何度も色を重ね摺 りしたところです」 くろう

全国盲・聾・養護学校文化連盟文化祭 多彩な作品を発表し、可能性を引き出す しやしんぶもん 写真部門 がっこうおよ がくねん さくしゃ かいさくひん 作者の学校及び学年は、第 7 回作品 てんひら ねんど 展の開かれた 2000 年度のものです。 かいもりまさとしあお 【『みあげる ~ きりん ~ 』貝森正利 ( 青 もりけんりつひろさきだいにようこがっこうしようかくぶ 森県立弘前第ニ養護学校小学部 6 ねんくるま 年 ) 】車いすから見上げるようにカメ かま かいもりくん ラを構える貝森君。「まぶしい、まぶし なんど い」と何度も言いながらシャッターを かお せたか 切った、ひときわ背の高いキリンの顔 し、 な真 さ、、 / す / し cQ 立 ん目、と たノ / ノい が幵せ こ し 1 かの Ⅸ罩年 なっ舌 立ロ ゝ立ロ と学 みの 、バ立ロ っ中 どよ上 っ一ヱ父 れ収陸 お学 【ろ立月 犬の : ツ ーミ新。を覊をマ いなかまちかとなかせたけやすあいちけんりつなこやようこがっこう 【『田舎の街角』中瀬健康 ( 愛知県立名古屋養護学校 ひと こうとうぶねん 高等部 3 年 ) 】「僕にとってカメラは、もうーっの目 かおうえちみつひこあいちけんりつなこやようこがっこうこうとうぶ くるまと 【『顔』上地光彦 ( 愛知県立名古屋養護学校高等部 2 です。僕はカメラを持っと道を走っている車を撮り じふんむ ねん たくてうすうすしてきます。それくらいカメラが好 年 ) 】「カメラを自分に向けて撮りました。後ろの土手 ちょうど うつ ゆうひ きです」 にタ日があたるところが、丁度よく写っています」 ぼく みちはし 43

全国盲・聾・養護学校文化連盟文化祭 はつひょう たさい さくひん 0 多彩な作品を発表し、可能性を引き出す せんこくもうろうようごがっこうぶんかれんめいぶんかさい ぜんこくもうろうようこがっこうぶんかれんめいぶんかさい こうこうせいさくひんしゆっぴん かいめ 高校生の作品が出品され、 7 回目となった 全国盲・襲・養護学校文化連盟文化祭は、 ぜんこくしようがいも ねんどぶんかさい じどうせいとげいじゅっぷんかかっ しやしんそうけいびじゅっ 全国の障害を持つ児童・生徒の芸術・文化活 2000 年度の文化祭では、写真、造形・美術、 しよどうかくぶもんあ へいせい どうせいか はっぴょう てんこ さく 書道の各部門を合わせて、 100 点を超える作 動の成果を発表する場として、 1994 ( 平成 ねんど ひんゆうしゅうさくひん ねんどはじ えら とうきようこくさい 品が優秀作品として選ばれ、東京国際フォ 6 ) 年度に始まりました。 1997 年度からは、 ぞうけいびじゅっぷもん しやしんしよどう てんじ まいとしたようさくひん それまでの造形・美術部門に、写真と書道の ーラムに展示されました。毎年、多様な作品 かくとどうふけんもうろう あっ ぶもんくわ さいのうかいか あら きちょうはっぴょう 部門が加わりました。各都道府県の盲・聾・ が集まり、新たな才能が開花する貴重な発表 ば ようこがっこうぶんかれんめい すいせんう しようちゅう 養護学校文化連盟から推薦を受けた小・中・ の場となっています。 かのうせい ねんど さくひんてん とうきようこくさい かかんかいさい フォーラムで 1 月 29 日から 3 日間開催された。 ゆうしゅうさくひんてん 【優秀作品展】 2000 年度の作品展は、東京国際 がつにち あっ ひょうしようしきようすぜんこく じゅしようしや 【表彰式の様子】全国から集まった受賞者 しようじよう いっしよ じしんよろこ たちは、賞状やメダルと一緒に、自信と喜び かえ を持ち帰った。 42

芸術を通して創る側と観る側の心の交流を築く障害者総合美術展 しようれいしようじゅしよう さかたきようこ じゅしようさくひん 【奨励賞を受賞した坂田京子さんと受賞作品 ゆき ちてきしようがい さかた 『ほっかり覚めて雪』】知的障害を持つ坂田さん まえ しよどうはじ ねん こんかいえら 賞 は、 6 年ほど前から書道を始めている。今回選ん さかた たねださんとうか た種田山頭火の句は、坂田さんのほんわりとした かわいらしいイメーシに似合っている。 つわソ はつをり 0 めて・ あは委業れ貪愛に " 萼夜み民をまあら み衂ズまらお衂いしこれをします , れからもます專ミます ことを物詩します 平六支年八月ニ十九日 さく 【『サラリーマン』作 . かわむらもとゆき 河村恭行さん】思わず おも 足を止めて、ほほえん さくひん でしまうような作品も かずおおみ 数多く見られた。 さいゆうしゅうしようさくひんなん 【最優秀賞作品『南 こくきようかいさくなかむら 国の教会』作 : 中村 こういち 孔ーさん】 これまで かずかすしようじゅしよう にも数々の賞を受賞 なかむら している中村さんの さくひんさいゆうしゅうしようえら 作品か最優秀賞に選 ちてきしようがい ばれた。知的障害を なかむら 持つ中村さんは、グ だいす アムが大好きで絵の モテルとなった教会 まど もホテルの窓から見 えが えたものを描いた きようかい きようどうさくひん さく 【『すこやか』作 : かるがも ( 共同作品 ) 】 べつひとつく さくひん 作品のかるがもは、それぞれ別の人が作 ぜんいん こせい ったもので、全員の個性を生かした温か まる さくひん い作品に仕上がっている。また、丸めた あふら入 ずい ティッシュに油絵の具を塗った岩など、随 所に工夫が凝らされている。 あたた いわ くふっ