地域医療 - みる会図書館


検索対象: 週間エコノミスト 2017年7月25日号
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1. 週間エコノミスト 2017年7月25日号

医療 る。 一方、中に都道府県が第疋的な病床削減で、地域の実情を無視期」ーーがある。地域医療構想では、 病床数に注目したのは、人口 1 人した地域医療構想の病床数を合計ししている」と批判するのはこのため四つの機能 ) 」とに年の必要病床数 を示す。全体的な傾向として、高齢 当たりの医療費 ( 図 1 ) が高い地域たところ、年の必要病床数は約 1 政府の推計は、対策を取らなけれ化に伴って需要が増える回の病 は、人口川万人当たりの病床数も多 19 万床で、年より万 6000 い傾向にあることが明らかになって床少なかった ( 表 ) 。削減数は、政府ば高齢化の患者増で年の必要病床床が不足しているのに対して、急性 期の病床は過剰であり、病床機能の いるからだ。高知県は、人口 1 人当の推計とほば一致する結果だ。政府数は約 152 万床に膨らむとしてい たりの医療費 ( 犯万 1700 円 =ä は推計の発表に当たって「必要病床る。病床数削減が「患者の追い出し」再編が必要とされている。そのため 年度 ) 、人口川万人当たりの病床数数は都道府県が地域事情を加味してとなり、行き場を失う患者がさまよ地域医療構想では、急性期と慢性期 うことを避けるためには、在宅医療を減らし、回彁を増やすことを掲 ( 2522 ・ 4 床 ) が、どち推計するため、政府推計は参考値に げる地域が多い すぎない」と説明したが、都道胤や介護サ 1 ビスの充実が不可欠だ。 らも全国娶タだ。 機能ごとの必要病床数を推計する の匯疋した地域医療構想は、その範 地域医療構想では、都道府県は、 際、基準になるのは、「診療報酬点数 医療機関からどのような症状の患者囲内に収まった。は首都圏の 1 既に足りない施設 で測った医療資源の投入量」となっ 向けに病床を設けるか報告を求め都 3 県と大阪府、沖縄県の 6 都胤 病床は機能別に、▽救急や高度医ている。実際に入院している患者の のみで ( ハー図 2 ) 、道府県ごとの削 る。将来の需要見込みと比較して、 療の「高度急性期」「急性期」▽リ 病床数が過剰な場合は、医療機関に減率もほば政府推計をなぞってい 症状には常に一定の幅がある。推計ト 削減を要請する権限を持つ。機能する。医療関係者が「厚労省が試算方ビリなどの「回」▽慢性疾患をされた必要病床数に収まらず、実態ス れば、例えば軽症患者が、「空きがあ法を細かく『指小』した結果の機械抱える高齢者が長期療養する「慢性とは異なることが容易に想像され る。 る」からといって、医療費のかさむ ( 0 -1 0 マ′一 1 7- 8 4 6 8 0 ( 2 0 っ 6 6 6 8. ) っ 0 9 ( わ 地域医療構想について、日本医師工 重症患者向け病床に入院するといっ 1 1 イ・ー 2 2 7 9 材 4 △ 1 △△ 2 2 1 3 3 2 2 △△△△△△△△△△△△△△△△△△ △ 会 ( 日医 ) は「不足している病床機 たケ 1 スを防ぐことができる。 能を補う仕組み」とみている。回復 病床数については、「対策なしの削 期が不足しているという意見につい 減ありき」との指摘が根強かった。 ( 0 1 9 5 貶 5 △っ 1 1 一 5 6 「 / 4 っ ) 6 4 8 通て、日医の中川俊男副会長は「回復 政府が年 6 月、年の病床数を「 △△△△△△△△△△△△△△△万△△万 病 △ △新垬期の患者は、医療資源の投入量から 年の 134 万 7000 床から最大る 万床削減できる」とう推計を発表さ賀都阪浪歌取根山島ロ島川媛知岡賀崎本分崎縄国 0 計算された治療経過の通過点にすぎ したためだ。の診療報酬明細要 ず、現実には急性期から引き続き同 4 っ 0 0 つな 5 「ノ 4 4 一 / CO っ亠 ( 2 0 CN 0 お -1 一 3 6 0 「 / 4 っ 必 CO 5 6 5 7- 9 1 「 / 8 9 5 6 フー 6 広 ) ロ 0 -1- CV ( 0 ( 乙つなっ 1 1 っ 0 8 四 1 っこつな 1 1 1- マじ病床に入院しているケ 1 スが多 書 ( レセプト ) を基にした試算で、 △△△△△△△△△△ い。回彁の患者が締め出されてい 対策をせずに高齢化が進んだ場合、 5 似るわけではなく、新たに回復期を作 年の必要病床数は 152 万床に膨 0 9 4- 4 ( 0 0 ) ^ 0 一 1 CV 4 っ「 / っ 9 「 / -1 ( 0 1 単 8 0 つ」 9 0 9 9 7 3 1 率らなければならないという考えに 4 4 っっこっ」 0 4 目 5 △△△△△△△△△△ 増は、慎重でなければならない」と指 構 ることで、必要病床数は 115 万 5 119 万床程度になり、年より 眸摘する。 医道森手城形島城木馬玉葉鯨剽潟山川井梨野阜岡知重、 慢性期について、政府は家や施設 5 万床削減できるとした。 増減数ー増減率 2017.7.25

2. 週間エコノミスト 2017年7月25日号

での療養が望ましいとして、在宅医きるのは 354 割程度とされ、大き りで、①介護サーピスの拡充、②医自宅で過ごしたとしても、最期は病 ・療を推進する方針を掲げる。地域医な差がある。そもそも、すでに現時療と介護の連携、③介護予防の推進、院で迎える患者が大半となってしま 療構想に従って病床削減を進めるた点で介護付きの高齢者住宅・施設が④配食や見守り等の多様な支援、⑤う。 めには、介護施設や高齢者住宅を含圧倒的に不足している。 高齢者の住まいの整備ーーを目指し 年に向けて、片年にそれぞれの めた在宅医療で患者を受け入れるこ「」「介護老人保健施設 ( 老健 ) 」ている。年に成立した「社会保障地域で医療関係者が集い、具体的な とが必要だ。厚労省は地域医療構想「介護療養型医療施設」「認知症高齢制度改革プログラム法」で明文化さ病院名を挙げて、病床削減の議論を 匯疋ガイドラインで、年までに慢者グル 1 プホーム」「介護付き有料老れたが、理解が進んでいるとは一一一口えすることを厚労省は求めている。し 性期病床に入院する医療必要度の低人ホ 1 ム」の五つが、立ち上がりゃない。 かし、日本の医療機関の 7 割は民間 こうそく い患者の 7 割が自宅や特別養護老人歩行、排せつ・入浴、衣服のな 例えば、高齢者が骨折や脳梗塞でであり、病床数削減は経営に直結す いホームなどに移ると見込んでいる。 どが一人では困難な「要介護 3 」の手術を受け、急性期病床に入院したる。権限が強化されたとはいえ、都 一方、国が実施した靆、老人保健高齢者に、介護サ 1 ビスを提供する場合、餧診療制度では、多くは 2 道府県は「要請」しかできず、政府 施設、療養病床の利用者の医療一一ー 施設だ。タムラブランニング & オペ 53 週間以内に退院しなければならの意図通りに進むか疑問視されてい ~ ズ実態調査では、自宅など〈移行でレ 1 ティングによると、年月現ない。退院しても自宅で療養するこる。そもそもこれまで介護は市区町 在、合計 146 万戸。これに対してとが難しい患者は、リハビリをし、 村、医療は都道府県単位で行われて 要介護 3 の認定者は約 219 万人自宅で自立して療養できるまでのサおり、 2 次医療圏単位で両者を調整ト ス だ。単純計算で万人度の需要がポートが必要になる。高齢者の在宅するのは至難の業だ。 満たされていない。これが年には、生活を支えるためには、ケアマネジ 政府が地域医療構想を推し進める 供給戸数 191 万戸に対して、要介ャ 1 と病院が情報共有を進めて、ス最大の武器が「報酬改定」による経コ 護 3 の認定者は 285 万人にのばるム 1 ズに生活を切り替えられるよ済的インセンテイプだ。年 4 月に、 と予測される。介護サ 1 ビスが整備う、医療と介護の連携強化が最大の介護サ 1 ビスの提供者が受け取る されないまま、大幅に病床が削減さ焦点になる。 「介護報酬」の改定 ( 3 年ごと ) と、 れれば、患者の療養はさらに悪 さらに、自宅で暮らす高齢者を継医療保険から医療機関に支払われる 化し、医療機関の負担も増えること続的に診る「かかりつけ医」が普及「診療報酬」の改定 ( 2 年ごと ) が、 が避けられない。 していない。患者の状態を日常的に同時に行われるため、政府が望む方 ケアして在宅で医療を受けられる体向に誘導していくことが予想され 報酬改定で「生かさず殺さず」制を取りながら、必要があれば大病る。 院を紹介する地域の診療所や中小病 これまで報酬体系は、社会保障費 自宅をベ 1 スに生活支援を受けら院の医者だ。 の伸びを抑制方針に沿って「医療機 信 みと また、人生の最期を迎える「看取関を生かさず殺さず」に削減に向か 覗れるようにする「地域包括ケアシス 共 テム」の構築も進んでいない。さま り」にどう対応するかが大きな課題ってきた。医療の効率化は避けられ 所 出 ないとしても、削減ありきで患者が 5 ざまな生活支援サ 1 ビスを日常生活として挙げられる。厚労省の調査に の場 ( 原則的に中学校区、人口 1 万よると、自宅を訪ねて看取りをつ「生かさず殺さず」の状態になること 人規模 ) で適切に提供する体制づく医療機関は 5 % にとどまる。老後をはあってはならない。 0 医療 図 2 地域医療構想の病床削減率 ■ 30 % 以上削減 1 0 % 未満 0 20 % 以上 30 % 未満 増える 10 % 以上 20 % 未満

3. 週間エコノミスト 2017年7月25日号

伝子で CONTENTS 2017 本誌記事は日経テレコン 21 、 ELNET 、ジー・サーチ、ダウ・ジョーンズ・ファ クティバ、ジャパンナレッジ、毎日 News パックのデータベースに収録されていま す。また、週刊工コノミストのホームページで最新号とバックナンバーの目次を 読むことができます。 URL は、 http://www.weekly-economist.com/ 本誌掲載記事の無断転載を禁じます◎毎日新聞出版 2017 ア 25 20 生命の設計図書き換える ゲノム編集産業が急拡大 23 Q & A で基礎から学ぶ 遺伝子を自在に改変医療で巨大市場に成長も 山本卓 日本ゲノム編集学会長 26 広島大学大学院理学研究科教授「難治性の遺伝性疾患治療に光明」 28 「ゲノム編集」業界地図製薬・食品・化学業界で提携加速 30 クリスパー・キャス 9 混迷極める特許争い 究極の " オーダーメード治療 " へ 34 モ農水産物の収穫量が増大へ 36 バイオ医薬の量産を後押し 37 現実味帯びる " 遺伝子改変人間 " 38 ひと & こと 201 フ年「霞が関人事」の裏側 76 財務省、総務省、国交省、厚労省、経産省 危うい地域医療構想 在宅医療・介護は整備邃上 行き場なくさまよう高齢患者 FIash! 13 日欧 EPA 大枠合意置き去り酪農家の不満と不安 / 大盛況ロボアド説明会 / 旧 BM 発射 の北朝鮮に日米と中露に温度差 / インタビュー胡周斌・上海美特斯邦威服飾副総裁 lnterview 4 2017 年の経営者金川千尋信越化学工業会長 46 問答有用 小松美羽画家 「民族に関係なく魂に響く作品を作りたい」 工コノミスト T 6 G ■大堀 達也 ■野村 広之進 恵一郎 ■野田 遺伝子に注目の製薬業界 脳細胞 'i 遺伝子で復活 がんは遺伝子を見て治す ゲノム編集で品種改良 . アレルギ物質と無縁の鶏卵 ヒトゲノ編集は許されるか 拡大版 ■山崎 冫月 ■村上 和巳 ■福島 安紀 ■村上 和巳 ・石井 哲也 工コノミスト リボート 78 ・田中 尚美 小松 美羽さん 9 2017.7.25

4. 週間エコノミスト 2017年7月25日号

効率ありきで医療は守れるのか Economist Report 工コノミスト リボート Economist Report 県け 危うい地域医療構想 在宅医療・介護は整備邃上 行き場なくさまよう高齢患者 団塊の世代が後期高齢者となる 2025 年に向けた地域医療構想策定が進んでいる。病床削減ありきに批判が根強い 道府県が「効率的な医療」をを名目にした削減ありき」では、患を描く。都道府県は、年の医療需が歳以上になる。に・ 5 要を推計し、地域の一筰を踏まえ兆円だった国民医療費は、に 者提供するために第疋する「地者に必要な医療体制が整備されない ・ 3 兆円に増加する見通しで、 て入院を含む基本的な医療の提供が 域医療構想」で、医療崩壊が懸念さ地域が生まれかねない。 歳以上の後期高齢者の医療費は全 れている。日本が前代未聞の「超・ 地域医療構想は、Ⅱ年 6 月に成立求められる「 2 次医療圏」ごとに、 超高齢社会」を迎える「 2025 年した「医療・介護総合確保推進法」年度中の匯疋を義けられた。体の % から % へと膨張する。医 問題」への対応は不可欠だが、「効率に基づき、医療のあるべき将来展望 年には、団塊の世代 ( 1947 療費やなどの社会保障費が膨大ス となるほか、介護を必要とする高齢 5 年生まれの約 800 万人 ) が 歳以上の後期高齢者となり、国民の者のための介護医療従事者の人手不コ 3 人に 1 人が歳以上、 5 人に 1 人足も予想されるため、「効率」で乗りエ 切る狙いがある。 地域の実情無視 地域医療構想で都道府県は、高齢 み 9 ~ ( 囲 9 化率や患者の傾向を踏まえて医療需 犇要を予測することになっていた。し かし厚生労働省が年 3 月にまとめ た地域医療構想第疋ガイドラインで は、高齢者が長期療養する「慢性期」 病床に入院する患者の割合 ( 入院率 ) 道県県《県県県都県県県県県県府県県県県県県県県県県「 を設定する際、「年時点の最も低い 海田島木玉京潟川梨阜知賀阪良取山口川知賀本崎縄 岩 = 矛謳栃埼東新石山岐愛滋大奈鳥岡山香高佐熊宮沖労都道府県」に合わせることを求めた。 年の病床数を絞り込む意図があ = 一 - 県 - 徂県県県腺県県県県県府県県県県県県県県県県厚 馬 ,. 葉山井野岡重都庫根島島媛岡崎分 次〕群 ~ 千神富福長静三京兵和島広徳愛福長大出 278 コ 2797 296 285.7 320.0 333.4 325.1 15.0 2.9 297 289.3 288.4 330.0 347.9 331.5 323.9 35 み 1 356.6 387.5 379 」 366.6 361.6 367.9 378 名 396.6 376.3 3823 351.3 田中尚美 ( メディカルライタ↓ たなか

5. 週間エコノミスト 2017年7月25日号

、、エコノミスト 病は遺伝子 で治す ゲノム編集の衝撃 / 東大経済学部のお宝な門高校桜蔭 ( 東京 ) 2017 7 / 毎日新聞出版 定価 620 円 東大経済学部のお宝 一週刊 革命技術「クリスパー・キャス 9 」 遺伝子治療の最前線 徳立文聿館一般 161013367 ケインズ、マルクスの直筆書簡など G A ( T G G 、 G : A ( 。し 2017 霞が関人事のウラ 工コノミスト・リボート 、、、危うい地域医療構想さまよう高齢患者

6. 週間エコノミスト 2017年7月25日号

か伝制 とし 法律とは異なる公的な指針での禁く、夫婦で不妊治療を繰り返してい こ包 止、 9 カ国は規制があいまいだった。 ることも関係していそ、つだ。 法的禁止とする国は欧州に多い。ヒ また、近年の日本は血縁主義が強 2 遺規 ト胚に人格を認めるカトリック教会 い。出生 1 万人当たりの血縁のない さ「ま題 の影響と思われる。 子の養子人数は米国 170 に対して 残る 1 カ国の米国は法的に林歪し日本はわずか 6 という報告もある。 ていないが、米食品医薬品局つまり、日本は不妊でも養子縁組は <) が「ヒト受精卵ゲノム編集臨床そもそも検で、不妊治療では他 び本 試験」の許認可を出すことについて人から健康な配偶子の提供を受け は、米国議会が年に法律で禁止しず、夫婦と血がつながった子を求め 【帯日 スクより益か勝るという考えだ。 て治療を繰り返している状況だ。日 だが、受精卵ゲノム編集を使えば、 一方、ゲノム編集の研究が目覚ま本で、クリニックにゲノム編集が持 ラットで子の毛色を白から黒に変え しい中国は国の「指針」で禁止していち込まれた場合、あっというまに商 たり、プタやウシで子の筋肉量を増 る。肝心の日本だが、昨年筆者が厚業化されるだろう。 で ム 強できたりすることは実証済みだ。 生労働省に確認したところ、中国か ノ防る 日本では生殖医療は、ほば保険がト ら今年発表された「ゲノム編集の条適用されない自由診療だが、夫婦がス 「をて 一警 ( ゼトゲノム編集を使 0 て、親が希望 。する目や毛の色を持った子や、スポ 件」は禁止の対象外との回答だった。望めば何度でも不妊治療を受けるこ 4 1 ツで有利な筋量を持っ子を生み出け、切実な医療目的でのみ実施され日本も国の指針では禁止しているとができる。そのメニューに遺伝子コ 、せば、デザイナ 1 ベビ 1 である。こるような厳格な規制の上で、という が、指針に違反しても、法違反のよ疾患予防のほか、デザイナーベビ 1 工 きゅう の變必を杞憂 A 」捨て去るのは難しい 条件を付してはいる。 、つな罰金や禁錮刑はなく、研究助成も並ばないとは断言しにくい。 。 . 実際、もともと遺伝子疾患のない しかし、これら条件を満たす国は費停止程度の処分で強制力は弱い。 現在、国の対応は後手後手に回っ 子を産むための検査だった着床前遺英国くらいかもしれない。英国には ている。ヒト受精卵ゲノム編集研究 の審査体制をめぐり国の指針につい ・伝学的診断は堕落している。とい、つ生殖医療を厳しく規制する「ヒト受生殖医療大国の落とし穴 のも、割球の採取を経て生まれた子精・胚研究法」があり、胚、卵子、 て検討する内閣府と関連人ムとが互 ・供が、先天異常を持っリスクが不明精子の改変を禁止している。 世界を見渡すと、日本の規制状況 いに意見をまとめ切れていない。 にもかかわらず、米国では多くのク ただし近年、脳や筋肉の機能異常なは危つい。実は日本は生殖医療大国 最も重要なのは、遺伝子改変技術 〈 ) なリニックが産み分けのための性半どを引き起こす「ミトコンドリア病」だ ( 表 ) 。クリニック数だけでなく、 を使ってまで親が血縁のある子供を 定目的で着床前遺伝学的診断を提供の予防を目的とする卵子や受精卵で不妊治療数も日本は 2 位米国を引き追求するのが本当に妥当か否か、ど している。生殖医療は人々の家族形の分割・合体操作は合法化した。 離している。人口比からも日本が極のようなル 1 ルが必要か市民レベル 成の希望を受け止める社会的医療で筆者が、受精卵などの遺伝子改変度に生殖医療に依存しているのが分で慎重な議論を積み重ねることでは あり、さまざまに転用されがちだ。 の臨床応用の規制状況について先進かる。これは生殖医療に直接関係すないだろ、つか。もし何もしなければ、 や全米科学アカデミ 1 報告書は、そ国を中心にカ国を分析したとこる法規制がないことのほか、配偶子 - 将来、日本社会は強力な遺伝子工学 のような社会的利用に歯止めをかろ、カ国は法的に禁止、 4 カ国は ( 卵子、精子 ) 提供の公的制度がなで大きく変容してしまうだろう。 3 2017.7.25

7. 週間エコノミスト 2017年7月25日号

複数ある。患者の中には、いずれか のドライバ 1 遺伝子に異常がある人 がおり、遺伝子のタイプに応じて「 阻生罰」「阻害剤」「 0co—阻生罰」など、遺伝子の働き を抑える分子標的薬を投与する。 肺がん患者のうち、ほかの臓器に 転移がある人は、従来の抗がん剤治 療では 152 年前後で亡くなるケ 1 スか多かった。しかし、 夏に閣議決定される「主疋のがを活用した次世代のがん治療である かっては、それを老蘆せずに治療伝子に異常のある患者に、 ん対策の 6 カ年計画である「プレシジョン・メディシン ( 高精度を行ってきた。例えば、肺がんの薬阻害剤を投与したところ、間年以上 物療法は 1990 年代まで、がん細も存命しているなど劇的な効果がみ 」一着「第 3 期がん対策推進基本計画案」で医療 ) 」に大きな注目が集まってい る。 は、「がん医療の充実」の最初の柱に 胞の増殖スピ 1 ドが速く抗がん剤が られた事例もある。その患者は、病 0 ・第ド、 ( 「ゲノム医療」か挙げられた。そうし 効きやすい「小細胞肺がん」とそれ気になる前と同じよ、つに仕事や家事ト 以外の「非小細胞肺がん」に分けらをこなす普通の生活を続けている。ス た中、医療界ではゲノム ( 遺伝情報 ) . 「分子標的薬」で病巣縮小 れていただけだった。 このようなオ 1 ダ 1 メ 1 ド治療 プレシジョン・メディシンとは、 一方、プレシジョン・メディシンを、さまざまな臓器のがんに拡大しコ 個々の患者のがん細胞の遺伝子の異は「遺伝子別」に「最適」な薬を使ようと、にわかに実用化へ向けた動工 きが加速しているのが、 100 、 3 択常を調べ、そのタイプに応じて、最う。肺がん、大腸がん、乳がんなど 選も効果が高く、かっ最も副作用が少では一部、実用化の段階にある。 00 種類ものたくさんの遺伝子の異 ない治療法を選ぶ。つまり究極の「オ肺がんを例に取ると、がん細胞の常を一度に解析できる「次世代シ 1 薬 療 1 ダ 1 メ 1 ド治療」と一言える。 形で分類されるタイプのうち、 6 割クエンサ 1 」を使ったプレシジョン・ ムロ 従来のがん治療では、薬物療法がを占める「肺腺がん」を中心に、特メディシンだ。約種類の遺伝子の 適必要な場合には、「臓器別」に「画一定の「ドライバ 1 遺伝子」 ( がん細胞異常の有無なら 4 時間で解析できる 最 よ、つになってきている。 的」に抗がん剤が使われていた。だの増殖原因となる遺伝子 ) の異常に メ 者が、同じ臓器のがんでも、実は患者応じて、それをタ 1 ゲット ( 標的 ) すでに、複数の研究プロジェクト によって原因はさまざまだ。例えば、 にした新しいタイプのがん治療薬がが進行中だ ( 表 ) 。それぞれ、対象と の り体の中でつくられる異常なたんばく 選択されている。そうした薬は遺伝する患者は、主に、再発・転移があ ひ質が原因の場合もある。そうした異子という分子レベルで作用することるため手術不可能な「ステ 1 ジ 4 」 プ 人常なたんばく質には、さまざまな種から「分子標的薬」と呼ばれる。 にあり、標準的な治療が効かなくな ー伝異 類があり、それぞれ特定の遺伝子の った人である。 肺がんのドライバー遺伝子は、「 異常によってつくられる。 最大規模のプロジェクトが、「スク がんは遺伝子を見て治す 臓器別から遣伝子別に変わる薬一 , 究極の◆オーダーメード治療◆へ ふ / 、 , し十ま あき くか効かないか分からない従来の抗がん剤治療は、。、 第。福島安紀 過去のものになるかもしれない ( 医療ライター ) 阻害薬 N 阻害薬 阻害薬 >< 阻害薬 / 阻害薬 阻害薬 分子標的薬 2017.7.25

8. 週間エコノミスト 2017年7月25日号

い。このため、次世代シ】クエンサ 去行かったりするなど、臓器横断的に異り、高い効果が出る可能性がある人 ・を 常がみられることも多い。 に限定して使われるようになれば、 1 で解析を受けた患者の、っち、有益 ムロ 次世代シークエンサ 1 を用いたプ医療費削減につながるとの見方もあな治療薬が見つかったり、治療につ な レシジョン・メディシンによって、る。 ながる情報を得られたりする人の割 効くか効かないか分からない薬では 合は川、 % にとどまっている。 また、課題としては、がん治療薬 画なく、最も効果が高いとみられる治課題は保険適用の拡大 去に 成療薬にたどり着き、病気になる前と の承認がいまだ臓器別に保険適用と ・管翻別 < 器都同じような生活を続けられる可能性プレシジョン・メディシンには限なっていることがある。ドライバ 1 所 がある。 界と課題もある。限界とは、治療対遺伝子の異常は、臓器横断的に存在 出 米国では、日常診療で次世代シ 1 象が、一つのドライバ 1 遺伝子の異する。ある程度の人数の患者に効果 ラム・ジャパン」だ。その研究の中クエンサ 1 による遺伝子診断を活用常が、がんの主原因である患者であと安全性が確認されているものな で、肺がんで「」と呼ばれるした「がんプレシジョン・メディシることだ。だが、がん患者の割合と ら、臓器が異なっても、そのドライ 遺伝子の異常が見つかった患者四人ン」が行われている。一方、日本は、 しては、いくつもの遺伝子の異常が 1 遺伝子を標的とした分子標的薬 ずいよう に、「甲状腺髄様がん」に使われる いまだ研究段階で、欧米に大きく後重なってがんになった患者の方が多が保険診療で使えるように、がん治 ~ 「バンデタニプ」という分子標的薬をれを取っている。 療薬の保険適用の仕組みを見直す必ト 企に化遺象種遺、種析の 、効解け 使ったところ、 9 人に腫瘍の明らか そこで、日本政 要がありそ、つだ。 ス 薬象消の寸 0 。 の解 院がの受も 病療子果合 文 0 すん子し 製対ど類の 1 旨 そのためには、プロジェクトごと な縮小がみられた。肺の胸膜まで広府や厚生労働省が ろ 「、 5 をな種ン約才 カ云て学治伝結場 一一一攣 1 んん 0 「がんゲノム医療 に管理されている情報を一元化し、 院かか 4 しをで遺施道の析か必 がっていたがんがかなり小さくな 0 病 ンと発内の実海、類解か 0 た例も報告されている。 の推進」を急ピッ 0 少ん 患者の遺伝子異常 ) 」とに、治療法、エ ム研のしタ種グいゴ 、が種円万行 効果、副作用などをピッグデ 1 タと また、別のプロジクトでは「原チで進めており、ク 2 鯑があ床薬、一 9 、一な院明万 工 ~ 約ト道ゞ カ旦ス臨療セ 0 イは 発不明がん」 ( がんの転移がある場早ければ一部のがジ して蓄積し、活用できるように整備 もつ一つの課題は、がんゲノム医 伝子の異常が見つかり、阻報酬改定で、次世 禛患 " 療の活用が、現在は、分子標的薬の ク に害薬を投与した。その結果、肺の病代シークエンサ 1 効果判定にとどまることである。今 巣が縮小して呼吸が楽になり、車椅活用のプレシジョ 後は、遺伝情報の活用をさらに進め、 ン、研対腔 2 物子学学 子でしか移動できない状態から、自 「免疫チェックポイント阻害薬寃疫 ン・メディシンかン 力で歩けるまでに回復したとぢ。隘適用になる可す ) 立が子緊語一 のプレ 1 キ機能を解除する薬 ) の治 レ : 国業し器伝一国に類伝近類をで京千か析 がん細胞に遺伝子の異常能性がある。現在プ 療効果が高い患者の見極め、強い抗 ム 学 イ がん剤治療の必要性、副作用の出や 大 一ある人は、肺がんだけではなく胆は一律に使われてがト なク 成 プ 道がんの患者にもみられたり、「 すさの判定など、一人ひとりの患者 プジ いるがん治療薬主ジクャ ま者 コ ン に合ったプレシジョン・メディシン トプ 」というドライバ 1 遺伝子の異が、遺伝子の異常のロスジ オ 近 の有無などによ国 常が、胃がんと肺がんで同時にみつ 物仙実現への工夫が求められる。 は んイ 療 ん 来肺 5 2017.7.25

9. 週間エコノミスト 2017年7月25日号

ミネソタ大学 ( 米 ) グローバル企業を中心に激化 中国農業科学院作物研究所 ( 中 ) 排他的 ライセンス契約 ( 201 1 / 1 ) メルク ( 独 ) アイオワ州立大学 ( 米 ) ロ 買収 ( 2014 / 9 ) 排他的 ライセンス契約 ( 2012 / 1 0) キャリクスト ( 米 ) シグマ・アルドリッチ ( 米 ) 子会社 セレクティス ( 仏 ) サンガモ・セラビューテクス ( 米 ) 戦略的協業 ( 2014 / 6 ) ファイザー ( 米 ) 独立 ( 2000 ) 9 ライセンス契約 ( 2005 / 1 0) バスツール研究所 ( 仏 ) サーモフィッシャー・サイエンティフィック ( 米 ) ライフテクノロジー ( 米 ) タカラバイオ ( 日 ) ソウル国立大学 ( 韓 ) ツールジェン ( 韓 ) 独占的 ライセンス 買収 ( 2014 / 2 ) ダウ・アグロサイエンス ( 米 ) ダウとデュポンが合併し、農業事 業、素材科学事業、特殊化学品事業 の 3 社への分社化を発表 ( 2016 ) 提携 ( 2010 / 9 ) 業務提携 ( 2013 / 7 ) 9 盤技術となりうる。 例えば、医薬品の創生を加速させ るためのヒトの疾患を模倣したモデ ル細胞・生物の作成や、再生医療・ 遺伝子治療などの疾患の治療技術、 農水畜産の収穫率の向上を目指す育 種技術、バイオ燃料などの有用物質 の生産が挙げられ、多種多様な産業 での利用を見据えた研究開発が進み つつある。 米 2 大拠点を中心に動く ゲノム編集の実用化は、研究成果 オ業 を基に設立されたべンチャーと、特ト に医療分野での商用化をにらむ大手ス ロ製薬企業が先行している。 ゲノム編集技術の第 1 世代「ジン 関化 クフィンガ 1 ・ヌクレア 1 ゼ (N#.«工 界究 業研囮 Z) 」は、 1995 年に設立されたバ イオペンチャ 1 の米サンガモ・セラ ピュ 1 ティクスが基本特許を取得し ている。医療分野では独自にゲノム 編集技術を用いた細胞医薬品や遺伝 子治療製品の臨床試験を実施、今年 5 月には、そのうち血友病に対す る遺伝子治療薬を、米製薬大手ファ イザ 1 に対して独占的にライセンス することを発表した。 第 2 世代の「タ 1 レン」について は、仏パスツール研究所や米ミネソ タ大学などからライセンスを受けた 仏セレクティスが、実用化の中心的 遺伝子治療研究所 ( 日 ) ワーゲニンゲン大学 ( 蘭 ) 業務提携 ( 2014 / 8 ) 使用する主なゲノム編集技術 第 1 世代 (ZFN) ー第 2 世代 ( ターレン ) 第 3 世代 ( クリスパー・キャス 9 ) 凡例 2 戦略的提携 ( 2015 / 8 ) 学 ' 薬 出所 ) 特許などの資料を基に、筆者・編集部作成 2017 , 7.25

10. 週間エコノミスト 2017年7月25日号

ゲノム ( 遺伝情報 ) 編集という革新技術 が、産業を大きく変えようとしている。ま た、近年は遺伝子治療でも研究開発が進 ーみ難病治療への期待が高まる。 命の設計図書き換魅い、 ゲンム編集産業が急拡大 病は 選伝子 医療分野は遺伝子 やゲノム編集の活 用で先行している ゲノム編集で肉牛の肉量 を増やすことができる に、、冫 DR. REDDY ・ s Rituximab lnjection 500 mg 500 . 藻の遺伝子を改変し ・ .. ーてバイオ燃料を作る 試みが進む 遺伝子変異に合わせた「分子標的 薬」はがん治療で効果を発揮する BIoomberg 界最大の石油メジャー ェクソンモ 1 ビルと米バ イオペンチャ 1 のシンセ ティック・ゲノミクス (r-oe—) は 6 月、藻類が作る油分の量を倍増さ 5 せる方法を発見したと公表した。 藻類が作るバイオ燃料を化石燃料 おおほり たつや 大堀達也 ( 編集部 ) 工コノミスト 20 で治