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検索対象: BSD magazine No.1 BSDの過去・現在・未来 ; インストールのツボ
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1. BSD magazine No.1 BSDの過去・現在・未来 ; インストールのツボ

対応機種の拡充 新機種 AppIe の新型ノートブック iBook が 発表され、本誌の発売時には店頭に並 んでいることであろう。 iBook の内部 構成は現行の G3 シリーズとかなり違っ ているとの情報もあり、すぐに対応で きるかは不明である。 Open F ⅳ mwa 「 e を持たない機種 acintosh の起動手順を解析して NetBSD を直接立ち上げようという計 画が mac68k の方面で進行中であり、 その成果を利用できれば P 。 werBook 5X00 に対応できるであろう。 NuBus の機種 NuBus を搭載した初期の Power Macintosh は、 AV シリーズの 68k Macintosh と周辺制御チップ部分に共 通なものが多いため、解析が進めば対 応できると思われる。しかし、現在の Power Macintosh に比べて公開されて いる情報が少ないため、なかなか難し いのが現状である。 MkLinux はこれら の機種にも対応しているので、何とか したいと考えている。 PowerPC 601 の機種 PowerPC 601 に対応するのは比較的 容易であろうと思われるが、筆者の知 る限り、移植しようとしている人で必 要な実機を持っている人が今のところ おらず、まだ何も行なわれていない。 AppIe Partition Map NetBSD/macppc では、ディスクの パーティション情報を NetBSD 本来の BSD disklabel という方式で管理して おり、 Mac ⅲ tosh で使用されている パーティション形式 (Apple Partition Map 、以下 Apple 形式 ) には対応して いない。このため、同じ NetBSD 同士 であればたいていの他のアーキテクチャ ともディスクをつなぎかえて使うことが できる反面、 AppIe 形式を採用してい る A/UX 、 MkLinux 、 LinuxPPC など に比べて同一のハードディスクでの Mac OS との共存が難しい。 この原稿を書いている時点ではこの 問題に対処する作業が始まっており、 ひょっとすると本誌の発売時点では解 決しているかもしれない。 その他のデバイスへの対応 原稿を書いている時点のバージョン ( 1.4.1 ) ではまだフロッピーディスクや サウンドなどに対応していないが、サ ウンドはまだ不安定だが動いており、 フロッピーディスクは作業を始めてい るということである。 バイナリバッケージの作成 NetBSD/macppc にはまだバイナリ パッケージの配布がないため、 OS をイ ンストールしただけではアプリケーショ ンが少なく、一般のユーザーとしての 利用には少々不便である。定番のソフ トウェアのバイナリバッケージがいずれ FTP サイトに置かれるであろう。 XF 「 ee86 の移植 最近の Power Macintosh には PC と ほとんど同じビデオカードが搭載され ているため、 XFree86 を移植すれば、 画面設定を変更したりピデオアクセラ レート機能を利用したりできる。筆者 は速度の面で不満を感じることはほと 特第 1 BSD の過去・現 んどないが、 GIMP などのツールを使 うためにはフルカラーを表示できない と困るのも確かである。 他の OS のエミュレート機能の追加 NetBSD の特徴に、他の OS の環境 をエミュレートする機能が充実してい ることがある。 alpha 、 i386 、 sparc と いった port では、同じプロセッサの上 で動く他の OS の商用アプリケーション などが実用的に動いている NetBSD/macppc としては、まずは LinuxPPC 、将来は Mac OS のアプリ ケーションが動くようになると、 OS と しての用途が拡大するので、これから の進展に期待したい。 マルチプロセッシングへの対応 Power Macintosh の一部や BeBox などが複数のプロセッサを搭載してい るが、現在これらの機種のマルチプロ セッシングには対応していない。 NetBSD 自体マルチプロセッサへの対 応はまだ作業中の段階であるためであ るが、着々と開発は進んでいるようで ある。 この記事では NetBSD/macppc の状 況についておおまかに述べてきたが、 このようにまだまだすることはたくさ んある。読者に「これなら自分にもで きそうだ」と思ってプロジェクトに参 加して頂けたら筆者の目的は達成され たといえる。プロジェクトに関わるす 終わりに 1999 No. 1 べての個人と団体に感謝したい。 BSD magazine

2. BSD magazine No.1 BSDの過去・現在・未来 ; インストールのツボ

ご覧いただきたいが、 iMac や Power Book G3 、 B&W G3 などでも動作する。 逆に、現在対応していないのは以下 の機種である。 ・ Open Firmware のない機種 (Power Macintosh 1400 、 PowerBook 5300 など ) 現在の NetBSD/macppc は OS の起 動およびデバイスドライバが Open Firmware に依存しているため、これ らの機種には対応していない。すでに これらの機種に対応している MkLinux や LinuxPPC では、一度 Mac OS の起 動手順に入り、機能拡張を使ってそれ を乗っ取ることで自分自身を起動する ようになっている注 5 。 ・ NuBus の機種 (Power Macintosh 5200 、 5300 、 6100 、 6200 、 7100 、 8100 など ) NetBSD/mac68k が NuBus に対応し ているため、 NuBus への対応自体は比 較的実現しやすいと考えられるが、 PCI バスのない機種には Open Firmware も ないので、これらの機種に対応するの は Open Firmware を使わないデバイス ドライバが揃ってからになるであろう。 ・ PowerPC 601 の機種 (Power Mac- intosh 7200 、 7500 、 8200 など ) PowerPC 601 は IBM の POWER アーキテクチャと PowerPC との中間的 な構成になっており、その後の PowerPC プロセッサとは内部が多少異 なっている。現状では対応していない。 ・ Power PC アップグレードカードを 搭載した Macintosh この場合はプロセッサ以外の周辺回 路が 68k Macintosh のままであるため、 上の NuBus の機種で動くまでは対応す る可能性は小さい。 対応デバイス 通常の UNIX 機としての使用に必要 なデバイスにはほとんど対応している。 X もサーバーを含めて動作する。詳し くは NetBSD/macppc の配布セットに 含まれるドキュメントを確認していた だきたい。 ・ Ethernet ( 内蔵、 PCI カード ) ・ SCSI ( 内蔵、 PCI カード ) ・ IDE (CD-ROM 、ハードディスクなとつ ・ PowerBook G3 のメディアベイ ・ USB ( マウス、キーポード ) ・ ADB ( マウス、キーポード ) ・シリアルポート まで ) ・ビデオ ( 内蔵、 PCI カード。 256 色 イト (http ・〃 www.jp.netbsd.org/) を NetBSD ユーザーグループの WWW サ われている。詳しくは以下に示す日本 ように、主にネットワークを通して行 NetBSD 自体のサポートがそうである NetBSD/macppc のサポートは サポート 応すると思われる。 ているとのことなので、そのうちに対 が、ドライバーを書く作業は進められ 稿を書いている時点ではまだ動かない フロッピーディスクとサウンドは原 ご覧いただきたい。他の多くの情報源 へのリンクもある。 こでは NetBSD/macppc に関連し た話題について議論されているメーリ ングリストをいくつか紹介する。入会 方法など、詳しい情報は上のサイト内 にあるメーリングリストのページ (http ・ //www.jp.netbsd.org/ja/JP/ ml. html) にある。 ・ port-powerpc@netbsd.org (Power PC を搭載した機種一般、英語 ) ・ port-macppc@netbsd.org (Net- BSD/macppc 、英語 ) port-powerpc-ja@jp.netbsd.org (PowerPC を搭載した機種一般、日 本語 ) ・ netbsd@re.soum.co.jp (NetBSD 一 般、日本語 ) 前述のサポートの項とも関連するが、 NetBSD/macppc の開発も他の多くの フリーソフトウェアプロジェクトと同 様にボランティアベースで行われてい るため、開発者の手元にない機種への 対応は難しい。現在対応していない機 種をお持ちで、対応させるためにしば らく貸し出してもよいという方は、開 発チーム注 6 へご連絡いただきたい。あ るいは上記のメーリングリストでおっ しやって頂いても結構である。 iMac へ の対応は NetNews での募集に応じた 有志による実機の貸し出しがあって実 現したことを特記しておきたい。 未麥こ今の展望 注 5 しかし、この方法だとハードディスクに起動可能な MacOS が必要になるため、 MacOS を持っていない場合には NetBSD が起動できない。 注 6 port-macppc-maintainer@NetBSD.org イ 2 BSD magazine 1999 No. 1

3. BSD magazine No.1 BSDの過去・現在・未来 ; インストールのツボ

めには可能な限り最新版を使用すること。 NetBSD - cu 「「 ent での変更で必要なもの、 有効なものが組み込まれることがある 1.3.3 をベースとした NetBSD/pc98 では、 current での PCI-IDE バスマス タ機能への対応を組み込んでおり、 UIDE-98 等での UATA 転送もすでに可 画面 1 起動時の pa h vel の表示 NetBSD/pc98 : base version = NetBSD 1.4.1 patch le マ el = 027 対応等も含まれており、安定した運用のた パッチには NetBSD 自体のバグへの いので注意してほしい。 uname コマンド等ではチェックできな を使用する等して確認できるが、 表示される ( 画面 1 ) 。 dmesg コマンド は、 boot 時に C 叩 yright の表示直後に れる値が増える。現在の patch level パッチを適用すると patch level と呼ば 百個のパッチが作成されたこともある。 関しては、 1 つのバージョンに対して数 含まれている。開発用のバージョンに の、新しいハードウェアへの対応等が フィックス的なもの、機能拡張的なも パッチが提供されている。これはバグ う形態に加えて、必要に応じて随時 まとまった 98 対応化パッチを出すとい FreeBSD(98) のようにリリース時に バッチが随時提供される でもない注 5 。 スに合わせてリリースされるという訳 スされるが、いつも NetBSD のリリー は NetBSD/pc98 コアチームよりリリー org 等にも存在しない。 NetBSD/pc98 NetBSD の mirror サイトや ftp.netbsd. ている。正式な NetBSD ではないため、 i386 + PC -98 化パッチという構成となっ NetBSD/pc98 の実体は NetBSD/ 正式な NetBSD ではない NetBSD/pc98 の特徴 発されている。 安定した OS というコンセプトの元に開 よりも進んだデバイスサポートとより 能となっていた。 しや接続が可能となっている。 れらは起動後の任意時点での切り離 スに接続されたデバイスとなる。こ PC カードや P Ⅱ P 機器は上記 pisa バ スの動的な接続・切断にも対応 ・ PC カードの活線挿抜や P Ⅱ P デバイ 化するデバイス対応 ・ boot 時に BIOS が割り当て、有効 スの停止、再開、 attach 、 ・起動後の任意時点での PnP デノヾイ れている。 に以下の点に関しての機能が強化さ i386 版等の isap Ⅱ p バスに近いがさら ・ pisa ノヾスの実装 ( 一部に関しては詳細を別途記述 ) 独自の機能拡張を行っている り、日常的に使用されている。 等を作ることを推奨していることもあ pc98 対応コードを重ねてからカーネル union-fs を使用して、 i386 版の上に BSD / pc98 ではカーネルの構築の際に のないレベルで動作している。 Net- 現状 unio ル fs に関しては、ほば問題 している部分がある NetBSD でのバグや障害等を独自に回避 ・マルチファンクション PC カードにも 対応 モデム + LAN 等のマルチファンク ションカードにも対応している。 ・ K6-2/K6-3 の WriteAlIocate や WinChip2 の WriteCombine 等にも 対応 これらの機能は起動時に CPU を認識 した際に自動的に enable にされる。 ・日本語を扱うのに向いた高機能な vsc コンソール ・ vpd (virtual partition driver) 仮 想デバイスの実装 ・ diskgen 、 idectrl 、 apmctrl 、 ippctrl 、 ・・・等の独自コマンド群 dospart 、 の追加 ・ 4.4BSD-Lite べースの locale 化パッチ も提供 豊富なデバイスサポート FreeBSD(98) で対応されていないも ののうち代表的なものだけでも、 ・ IDE -98 対応 ( もちろん標準の IDE や UIDE-98 との共存も可能 ) ・ PC -9801-104 等に代表される Sonic-T 搭載の純正 LAN ボード対応 ・ RSA-98 ( 初代 ) 対応、以降の RSA- 9811/111 に関しても RSA モードでの 転送が可能 ・ PCSC-F 等の NinjaSCSI 系搭載 PC カードでの SMIT 転送対応 ・フロッピーディスクの自動判別 ( 1.21M バイトでも 1.25M バイトでも 1.44M バイトでもデバイスファイル は共通 ) 等がある。また、 FreeBSD/FreeBSD ( 98 ) にも移植されたものとしては、 注 4 NetBSD / pc98 の存在は一般的なユーザーよりも、むしろ OS の開発関係者等に対する認知度が高いような感じも受ける。特に PAO に stg/ncv 等のドライバ 3 BSD magazine 1999 NO. 1 注 5 内部的には各リリースごとに作成されているが、主としてドキュメント整備やインストーラ作成等に手がまわらずに一般公開に至らないケースが多い。 が移植されてからは特にその傾向が強いのではないだろうか。

4. BSD magazine No.1 BSDの過去・現在・未来 ; インストールのツボ

フロジェク短信 PocketBSD 通信 年数か月ぶりです。この配布の特徴は、以下のようなもの ラ Ver. 1.1 が公開されました。今回のバージョンアップは 1 DOS 版 MobileGear 用 PocketBSD バイナリインストー PocketBSD インストーラ Ve れ 1 公開 いて紹介します。 こでは改めてプロジェクトの概要と、最近のトピックにつ 事の「 PocketBSD とその発展」を参照してください。こ PocketBSD の現在までの経緯などについては、特集記 ・付属バッケージの変更 ・ PCCard の扱いの改良 ・ FreeBSD 2.2-STABLE べース です。 78 イ BSD magazine 1999 No. 1 ません ) 。ほかにもいくつかのマシンで動く可能性がありま 1 のようなマシンです ( すべてを網羅しているわけではあり 現在のところ、開発者がデバッグに使っているのは、表 いう報告がありました。 なりますが、 NEC の MC シリーズではキー入力ができたと (LCD 、キーポードなど ) の対応は機種によって大きく異 アルコンソールが使われています。本体内蔵デバイス で開発している人もいます。コンソールに関しては、シリ 一部対応し、ネットワークカードを経由した NFS プート き、各種コマンドが実行できます。 PCCard デバイスにも 現状では一部のマシンでマルチューザーモードに移行で す。 載した HPC (Handheld (C) と PsPC (Palmsize (C) で めています。対象とする機種は NEC 製 VR41xx CPU を搭 とする WindowsCE マシンに NetBSD を移植する作業を進 PocketBSD プロジェクトでは、 MobileGear2 をはじめ NetBSD/hpcmips の現状 特集の「 PocketBSD 2.2.8 」を参照してください。 したほうが安定するはすです。詳しい情報については第二 などは 2.2- STABLE 用に作られているので、アップデート う。ただ、 ftp サイトなどに置かれている新しい package 不満がない人は特にインストールする必要はないでしょ 現状の PocketBSD でもそれなりに安定していますから、 す。詳しくは、 Warner's Mips base PDA info center (http//www.freebsd.org/-imp/pdamips.html) などを 榊隆 / SA た ・安定化 なものがあります。 NetBSD/hpcmips の目指すべき目標には、以下のよう NetBSD/hpcmips のこれから 参照してください。 表 1 開発者が使用しているマシン も行わなければならないでしよう。 液品コンソールドライバなどの洗練 (wscons への対応 ) のデバイスへの対応もせひ行いたいところです。また、 マイク、各種ボタンなど多岐にわたっています。これら HPC が搭載しているデバイスは、 LCD 、タッチパネル、 ・さまざまなデバイスへの対応 にもなるでしよう。 NetBSD のリポジトリに統合されるので、世界的な宣伝 コードを利用できるようになります。また、本家 れができれば、バグフィックスされた最新のカーネルの れを current にマージしようという動きがあります。 NetBSD 1.31 べースで開発が進められてきましたが、 ・ currentA の merge なプラットフォームのデータを集めているところです。 イスは個々のマシンごとの対応が必要であり、さまざま とくに、 VR41xx に統合されていない PCIC などのデバ コードを書くべく努力が重ねられています。 多数存在します。それぞれに対応しつつ、見通しのよい 上記に記したように VR41xx を搭載した HPC マシンは ・さまざまなプラットフォームへの対応 ある可能性があります。 るため、キャッシュ不整合のような再現の難しいバグが キャッシュのような低レベルの部分から実装を行ってい 状況が変わると動かなくなることも多くあります。特に 現在の NetBSD/hpcmips はまだ不安定な部分が多く、 NEC Casio Everex MC-CS13 / MC - 日 300 / MC - 日 500 /MC-R510 / MC-R320 /MC-R700 E55 / E500 A10 / A15

5. BSD magazine No.1 BSDの過去・現在・未来 ; インストールのツボ

フロジェクト短信 XFree86 短信 はじめに XFree86 は FreeBSD/NetBSD 等だけでなく、さまざま な OS で使用可能な X サーバーです。主として、 lntel 系の CPU 上で動作する OS を対象としています。現時点 ( 1999 / 8 / 25 ) での最新版は 3.3.4 と 3.9.15 ですが、本書が発 売される頃には 3.3 系の Final Release の 3.3.5 や 4.0 系の先 行リリース第二弾の 3.9.16 等が公開されているでしよう。 3.3 系の XFree86 に関しては、かなり前から今回が最後 と言われ続けて来ましたが、 4.0 系の開発が遅れているこ とと、従来の 3.3 系では対応していないビデオカードが増 えているということもあって、これまでに新たなハード ウェアへの対応とバグフィックスという名目で何度も新し いバージョンがリリースされています。次の 3.3.5 が本当に 最後かどうかはわかりませんが、 4.0 系が正式にリリースさ れて、ある程度のビデオカードをサポートできるようにな るまでは新しいバージョンが出る可能性はあるでしよう。 しかしながら 3.3 系はすでにメンテナンスフェーズにあり、 今後も新たな機能の実装等は行われないものと思われま す。また 4.0 系のドライバの整備が行われていくと、 3.3 系 のリリースはいずれ停止するはずです。 次に 4.0 系の最初のスナップショットである 3.9.15 に関し て簡単に紹介しておきましよう。 XFree86 4.0 では、ドラ イバの構造が大幅に変わっています。もっともこの影響を 受けるのは主に開発者で、一般のユーザーにとっては XF86Co 浦 g の書式が変わる程度の変更にしか見えないか もしれません注 1 。 一般のユーザーからみた場合、もっとも大きな変化とし て、 Multihead display への対応が挙げられるでしよう。 これは Windows 98 でのマルチディスプレイ機能のような もので、複数のビデオカードを挿して複数のモニタに出力 させることができるというものです。現時点では 3.9.15 に 含まれているすべてのドライバが対応しているわけではあ りませんが、徐々に利用できるビデオカードは増えていく ことでしよう。また、しばらく前から日本を中心に利用さ れている X - TT に関しても、すでに 3.9.15 に統合されてい ます。これによって特別なパッチを当てなくても、 TrueType フォントを使用した漢字の表示等が可能となり ました注 2 。 また 3.9.15 では PC -98 でも同じサーバーを利用し、実行 時に判断して一部の動作を変更するという構造になってい ます。 現状の 3.9.15 の最大の弱点は、サポートしているビデオ カードが 3.3 系より大幅に減ったということでしよう。特 にちょっと古いビデオチップに関しては、悲惨な状態と なっています。現在でも cirrus や ViRGE 以前の S3 等の ユーザーはそれなりにいると思うのですが、対応状況はか なり悪化しています。 PC -98 での対応状況はさらに悪く、問題なく正常に動作 しているのは後期の V alu e S t ar に搭載されている Mystique 位なものです。 現在対応していないものに関しても技術的に不可能とい うわけではなく、 ( 世界的な ) 人手不足によってドライバ の 4.0 化が行われていないのが主な理由です。 最後に、現在日本人によって行われているいくつかの XFree86 関連の活動を紹介しておきましよう。日本人に よって、グループとして行われている活動には、次の 3 つ が挙げられます。 大石勲 / 。劭なん ohishi@hf.rim.or.jp X98 X-TT XJman XFree86 の PC -98 アーキテクチャへの対応を 行う。 TrueType フォントを XFree86 上から利用 する。 2 バイト文字圏で特に有効。 X 11/XFree86 のドキュメントやオンライン マニュアルを日本語化する。 xjman に関しては、別途「 xjman プロジェクト」に書か れているので、そちらを参照してください。 X98/X-TT の 活動成果に関しては、すでに XFree86 の開発中のソース ツリーに含まれており、 XFree86 のリリース時に同時にリ リースされています注 3 。 注 1 残念ながら、利用しているピデオカードがサポート対象から外れるという形で影響を受ける人がたくさん現れるかもしれません。 注 2 X - TT を利用するためには、実行時に拡張モジュールを load する必要があります。このためには、 XF86Config の Module セクションに「 load "xtt" 」 と記載します。 注 3 xjman に関しても XFree86 に組み込まれていますが、すでにリリースされているものをベースに日本語化したものです。そのため、最新の状態に対 応しているわけではありません。 78 BSD magazine 1999 No. 1

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があげられる。 ・キーポード 参照していただきたい。 compat—sunos(8) や compat—svr4(8) を なる。設定の詳細は、マニュアルの クされている shared library が必要と クされたバイナリを使う場合は、リン が必要である。特にダイナミックリン いが、それ以外のバイナリは事前準備 クされたバイナリは事前準備はいらな きる。 SunOS 4. x のスタティックリン 4. x と Solaris2 以降のバイナリを実行で 最後に、 NetBSD/sparc は SunOS クの CD-ROM ドライプも使える。 PC や Mac 用の 2 , 048 バイト / プロッ ロックの CD-ROM ドライプに加えて の SunOS と違って 512 バイト / プ NetBSD/sparc は、 Solaris 2.5 以前 ・ CD-ROM ドライブ ている。 SS5 や SSIO ではまだ動かな sun4m では、 CIassic のみサポートし ・オーティオ bppO at sbusO slot ? offset ? 必要がある。 加してカーネルを再コンパイルする にするには、以下のオプションを追 いない。パラレルポートを使用可能 由で GENERIC カーネルに含まれて トはテストが十分ではないという理 sun4m の SUNW 、 bpp パラレルポー ・ / ヾラレルポート る。 キー配列を確認しておく必要があ 場合はキートップと違うので記号と いる。日本語キーポードを使用する キー配列は ASC Ⅱのみサポートして NetBSD/sparc の開発は現在も続い ている。筆者も一介のユーザーである ため開発がどのくらい進行しているか 把握できていないが、個人的に興味が あるものをあげたい。すでに現在の - curre Ⅱ t では対応を終えたものもある。 ー ELF 形式への移行 NetBSD に欠かすことができない GNU binutils が a. out 形式のサポートを 中止し、開発の比重を ELF 形式に移 行したことにより、 a. out 形式を採用し ている port は ELF 形式に移行すること となった。 NetBSD/sparc は、 1999 年 6 月 6 日の -current において ELF 形式 に変更した。 マルチプロセッサ対応 マルチプロセッサ対応は、 NetBSD/ sparc において若干のコードがすでに 入っているが、 NetBSD 本体として始 まったばかりという段階であり、まだ 使える段階ではない。来年以降から本 格的にマルチプロセッサの開発が行わ れるということなので今後に期待した い。マルチプロセッサの開発に興味の ある方は tech-smp@netbsd.org を購読 することをお勧めする。 wscons への移行 MI コンソールドライバとして wscons がある。 wscons はすでに日本語キー ポード対応や動的な変更が可能となっ ている。 NetBSD/sparc も wscons に移 行することにより、これらの恩恵を受 けることができる。 対応機種・周辺機器の拡充 NetBSD/sparc には動作しない機種 や周辺機器がいくっかある。その中に は Sparc 版 Linux で対応しているもの もあるので、 Linux のコードを参考に して開発することができるだろう。 UltraSparc 搭載のマシンへのサポー トは NetBSD/sparc64 で行っている。 NetBSD/sparc64 は 1998 年 6 月 20 日に マージされた比較的新しい port であ る。また、ビッグエンディアンな 64 ビットアーキテクチャの最初の port で もある。 NetBSD/sparc64 への移植は、 Eduardo Horvath 氏によって 1996 年 10 月頃から - current に対して作業が開 始された。現在も彼がポートメンテ ナーとして作業を進めている。まだ NetBSD/sparc64 の正式リリースはな いが、開発者向けにスナップショット が公開されていて、以下の URL から入 手できる。 ftp : //ftp.jp.netbsd.org/pub/NetBSD /arch/sparc64/snapsh0t/19990114/ このときのスナップショットでサ ポートしていたのは Ultra1 ファミリと UItra2 ファミリの一部のみであったが、 PCI バス搭載の Ultra5 や Ultra10 の開 発も始まっている。 リへの対応 イ 8 BSD magazine 1999 No. 1

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11 月に 2.2-stabIe と分岐した後、 SMP ( 対称的マルチプロセッサ ) 対応、 AIpha アーキテクチャのサポート、 CAM (Common Access Method) に 対応して書き直された SCSI サプシステ ムなどの新機能が次々と盛り込まれ、 perl がバージョン 5 になり、さらに全シ ステムが ELF 化され、 4.4BSD-Lite2 の 変更点がマージされるなど大きく変更 後、 FreeBSD 3.0 として 1998 年 10 月 上旬に発表された。これはあくまでも 試験的リリースであり、新しいものを 一日も早く試してみたいという先進的 なユーザー層の声にこたえたもので、 一般ユーザーには適さないという異例 の警告付きのものとなった注 9 。 1999 年 1 月 20 日には、 FreeBSD の 開発ツリーカ舸び 4.0-current (HEAD) と 3. x-stable (RELENG-3) に分岐し た注 10 。 3. x-stable からは安定性を飛躍 的に高めた 3.1 が一般ユーザーにも勧め られるリリースとして 1999 年 2 月 15 日 に発表された。 さらに、 DHCP クライアントや TCP Wrappers などを標準で装備した 3.2 が 1999 年 5 月 15 日に発表された。この 32 は通常の FTP と WaInut Creek 社の 4 枚組の CD の他、 "USENIX Special" と して 2 枚組の CD が 1999 年 6 月に米国力 リフォルニア州モントレーで行われた USENIX Annual TechnicaI Con- ference の参加者全員に NetBSD 、 Open- BSD 、 Debian GNU/Linux の CD とと もに配布されたことも記憶に新しい。 このように日々開発が進む FreeBSD であるが、リリース以外にも一応イン ストールできる形のものが「スナップ ショット」という名前で公開されてい る。 4.0- current のスナップショットは ftp //current.FreeBSD.org/pub/ FreeBSD/snaps/ から、また 3.2-stabIe のものは ftp://releng3.FreeBSD.org/ pub/FreeBSD/snaps/ から、常に最新 のものが手に入るようになっている注 11 。 今響廴 FreeBSD ハンドブック 12 月の 3.4 をもって終了し、その後は 3. x プランチからのリリースは 1999 年 サポートが充実している。 ( 0.0.0.2 だけであるが ) 上がり、 Alpha ている。また、 gcc のバージョンが しようと現在精力的に活動が進められ よるポータブル PC のサポートをマージ ハードウェアへの対応のほか、 PAO に のバグフィックスやお決まりの新しい されているであろう ) 。 3.3 には 32 以降 手元に届くころには、 3.3 がすでに発表 が進められている ( この本が皆さんの に予定されている 3.3 のリリースの準備 本稿執筆時点では、 1999 年 9 月中旬 ソースツリーでのバグフィックスだけ のメンテナンスになる予定である。も ちろん、スナップショットはしばらく の間は今まで通り公開される。 さらに、さまざまな長期プロジェク トが 4.0-current プランチで進められて いる。昔から頭痛の種になっていた NFS のバグへの試験的なフィックス、 メモリ 4G バイトなどの巨大なマシンへ の対応、ナノ秒単位で細かい制御がで きるタイマの導入など、野心的な変更 点がいろいろ取り入れられている。標 準ツール関係では、システムコンパイ ラが egcs -1.1.2 になり、さらに近日中に egcs べースの gcc -2.95 にアップグレー ドされることになっているほか、 ncurses が /usr/src/contrib に加わっ ている。また、インストーラと package 管理システムに大幅な変更が加えられ、 システムを部品の集まりとして個別に インストールしたり、 package のアッ プグレードのサポートなどが充実する と期待されている。 2000 年初頭には 4.0 プランチからの 最初のリリース、 4.0 が発表される。そ して 4.0 プランチはさらに 4.0 と 5.0 に分 岐し、 4.0 が新しい -stable に、 5.0 が新 しい - current になることになっている。 http : / / jp. FreeBSD. org/www.FreeBSD.org/j a/handbook/ BSD 系統樹 ftp : //ftp.jp.FreeBSD.org/pub/FreeBSD/branches/ —current/src/share/misc/bsd-family—tree FreeBSD リリースノート http : //www.jp.FreeBSD.org/www.FreeBSD.org/ja/releases/ 注 9 なお、 3.0 と 2.2. x のメンテナンスが同時進行的に行われていたため、 3.0 のほうが 2.2.8 より先にリリースされていることに注意。これは安定性を求める 2.2. x と新機能をふんだんに盛り込んだ 3.0 とではユーザーの層が違うものと判断されたためである。わかりにくいという声も聞かれたが、これがかなり話 題になったことにより、重要なマシンに 3.0 をインストールしたりする間違いが結果的に減らせたのではないかと思っている。 注 10 2.2.5 のリリース後は - stable のプランチ名はそのプランチからの一番最近のリリースの番号を使うことになった。そのため、たとえば RELENG ー 3 はその 注 11 こではこれらを総称して” 3. x-stable ”と呼ぶ。 時期によって 3.0-stable 、 3. l-stable などに分けられる。 実際に行ってみた方はご存じのとおり、この 2 台のマシンは両方のスナップショットを持っている。というようなことはどうでもいいのだが、 2 台あると いうことを覚えておくとどちらかが落ちているときにもう 1 台から取ってくることができたりして便利かもしれない。 BSD magazine 1999 NO. 1

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ンからのインストールなどといった方 法を取るしかなかったが、この修正に より、インストール時の障壁がまた一 つ減ったことになる。 その他、 3.2R-Rev01 では、雑多なフ ロッピーディスク関連のバグの修正も 行われている。この修正されたバグの 中には、 ufs のフロッピーディスクに書 き込みを行うと、ファイルが消える、 または内容が破壊されるという、かな り致命的なものもあるので、現在 3. IR - Rev01 や 3. OR - Rev02 をお使いの方は、 3.2R - Rev01 にバージョンアップするこ とをお勧めする。 バラレルボートドライバ 従来、 FreeBSD(98) では、古い PC- 98 から存在している単方向プリンタ ポートのみをサポートしていた。 3.2R - Rev01 では、それに加えて、 PC/AT で開発された新しいパラレルポートド ライバである ppc ドライバ、およびそ の上で各種パラレル接続デバイスを管 理する枠組である ppbus が使えるよう になった。 ppc/PPbUS がサポートして いるのは、プリンタポートが IEEE STD 1284 対応の機種 ( PC -9821 シ リーズのほとんど ) であり、具体的に は、プリンタポートのコネクタが 36pin タイプのものかどうかで見分けられる だろう。ただし、 IEEE STD 1284 対応 機種であっても、 ECP モードをサポー トしていない機種注 5 が一部存在する が、それらの機種でのサポート状況は 不明である。また、 MELCO IND-SP シリーズのパラレルポートについても、 使用できる可能性がある。注 6 PPC/PPbUS の使用により、印刷の高 速化が見込まれるとともに、これまで 不可能とされてきた PLIP が使用でき る。 PLIP とは、パラレルポート同士を 接続して TCP / IP による通信を行うも ので、使用するケープルは「パラレル 接続用インターリンクケープル」や 「パラレルクロスケープル」などの名称 で販売されている。この PLIP は、イン ストール段階から使用可能であるため、 従来はイーサネットかシリアルか、と いう速度的な意味において極端な選択 肢しかなかった FreeBSD ( 98 ) のネット ワークインストールに、新たな手段が 加わったことになる。 なお、これに伴い、従来の lpt ドライ バは olpt ドライバに名称変更されてい る。 IEEE STD 1284 対応でない機種 では、こちらのドライバを使用するこ とになるため、カーネル conf ファイル を編集する際には注意してほしい。 PC/AT での pp bus には、他にも GPS 等を使用したタイムサーバーとの 接続用の pps ドライバや、パラレル ポート接続の ZIP をサポートする vpo ドライバなどがあるが、これらはテス トされておらず、 PC -98 での使用の可 否は、現時点では不明である。 その他の変更点 3. IR - Rev01 で発生していた「ときど き、 boot 時にカーネルをロードした直 後にフリーズする」という問題は、 APM の初期化時に起こっているらし いことが判明した。よって、 3.2R - Rev01 では、 GENERIC98 カーネルの apm ドライバをコメントアウトすると いう対策を取っている。 また、べースとしている FreeBSD 3.2-RELEASE で新たにサポートされた 機能のうち、 JoIiet 拡張 CD-ROM のサ ポートと、 NTFS へのアクセスが PC -98 でも有効であることが確認されている。 これ以外の機能 (USB など ) について も、確認が取れていないだけで、実は PC-98 でも使えるというものが結構あ ると予想される。なお、カーネル以外 の部分、具体的にはセキュリテイや ユーザーランドの変更については、 FreeBSD 3.2-RELEASE と同じである ため、それらについては、 PC/AT 版の リリースノートを参照してほしい。 高速シリアルボード & FastEthernet サボート 3.2R - Rev01 では、 3. IR - Rev01 からサ ポートされた、高速シリアルポードお よび FastEthernet ポードについても、 引続き使用可能であるため、各種ネッ トワーク接続に威力を発揮することだ ろう。表 3 に対応しているシリアル ポードのリストを示す。 なお、一部機種の内蔵シリアルが誤 認識により使用できないというバグが 見つかっている。これについては、す でに修正パッチが用意されているので、 配布物の Errata. 98 注 7 というドキュメ ントを参照してほしい。 表 4 は、対応している FastEthernet ( 100M 対応 ) ポードのリストである。 10M (10Base-2/5/T) のみのポード や、 C bus のポードなどを含む、 FreeBSD(98) がサポートするネット ワークボードの完全なリストは、配布 物の Hardware. 98 というドキュメント 注 5 注 6 注 7 20 ECP モード未対応機種 BSD magazine 1999 NO. 1 ftp: 〃daemon.jp.freebsd.org/pub/FreeBSD-PC98/dists/3.2-RELEASE/98readme/Errata.98 device ppc() at isa? port Ox 0 tty irq 12 PC -9801 BA2 、 BS2 、 BX2 、 NS/A PC -9821 Ap2 、 As2 、 Bp 、 Bs 、 Be 、 Bf 、 Ts 、 Cs2 、 Ce2

9. BSD magazine No.1 BSDの過去・現在・未来 ; インストールのツボ

インストールの ftp ://daemon.jp.FreeBSD.org/pub/ FreeBSD—jp/PAO/f1p/3.2—RELEASE/ ( 3.2—RELEASE 用 ) ハードウェアコンバチビリティのチェック ハードウェアコンパチビリティの チェックポイントは次の 3 つである。 1 . FreeBSD 本体がサポートしている バッケージの入手 デノヾイス インストールする FreeBSD のリリー 2. X Window System がサポートして ス番号を決めたならば、対応するパッ ケージを入手しよう。 いるデバイス 本稿では、 FreeBSD や PAO をイン 3. PAO がサポートしているデバイス ストールするために必要な知識と、イ ンストール時に発生するさまざまなト FreeBSD 本体 FreeBSD 本体かサポートしているテパイス FreeBSD 本体は、ネットワーク経由、 ラブルを回避するためのノウハウを解 FreeBSD 本体がサポートしている 市販 CD-ROM 、書籍や雑誌の付録な 説する。 ハードウェアデバイスの一覧表は、 筆者は、つい最近 VAIO ノート PCG- どから入手することができる。 FreeBSD のパッケージに付属している N505 という Windows 98 マシンを購入 HARDWARE. TXT や RELNOTES. した。そこで、この VAIO ノートに BootAsia BootAsia とは、 FreeBSD の多国語 TXT に書いてある。 FreeBSD + PAO を実際にインストール 化インストールプートフロッピーディス しながら、インストール作業中に気が x Window System がサポートしているテパイス クのことである。 BootAsia を入手する 付いたさまざまなポイントを、いわゆ FreeBSD には、 XFree86 と呼ばれ と、日本語メッセージ表示で FreeBSD るコッとしてまとめてみることにしよ るフリーの X Window System が付属 をインストールすることができる注 3 。 以下の場所を参照し している。 XFree86 がサポートしてい BootAsia は、 るデバイスは、 XFree86 のパッケージ て入手しよう。 に付属する README に書いてある。 org/B00tAsia/ http: //www. jp ・ FreeBSD . org/B00tAsia/ http: //www ・ jp . FreeBSD . PAO がサポートしているデバイス FreeBSD のリリースの選択 ( 上のページの和訳版 ) index-jp. html PAO がサポートしているデバイスの 現時点でリリースされている FreeBSD 一覧、および PAO の動作が確認され の最新版は、 3.2-RELEASE である。そ PAO ているノートパソコンの一覧は、次の ノートパソコンに FreeBSD をインス こで、ここでは最新の 3.2-RELEASE を Web サイトから入手できる。 トールして、 PC カードや APM 等のモバ べースに解説することにしよう。 イル環境を利用する場合は、 FreeBSD P A O は Fre eB SD のそれぞれのリ http : //www.jp.FreeBSD.org/PAO/ 本体に加えて PAO が必要になる。 リースに対応したものが個別に存在す index—j . html#card PAO は次の場所から入手できる。 る注 1 ので、自分が使いたいリリースに http ://www.jp.FreeBSD.org/PAO/ 対応した PAO 注 2 の存在を確認するこ index—j . html#lts http://www.jp.FreeBSD.org/PAO/ とを忘れないように。 http: //www.jp.FreeBSD.org/PAO/ index-j . html ( 上のページの和訳版 ) FreeBSD と PAO 日立ソフトウェア工ンジニアリング ( 株 ) 古場正行 /Masayuki Koba masa-k@sag.hitachi-sk.co.jp はじめに インストールの事前準備 筆者の VAIO ノートのハードウェア 注 1 FreeBSD がリリースされた後に、そのリリース用の PA() が作られるので、最新の FreeBSD がリリースされた直後は、対応した PA() がまだ入手できない ことがある。 注 2 3. x 系に対応した PAO を PA03 と呼んで従来のものと区別することがある。 注 3 PAO のインストーラは多国語化されているので、 BootAsia を別途入手する必要はない。 BSD magazine 1999 NO. 1

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終バージョン 4.1.4 から導き出されてい る。他の候補には、 4.4.1 、 5.0 があった。 これが 1996 年 9 月 29 日であり、 10 月 8 日に N e t B S D の定義が削除され、 OpenBSD と NetBSD とが別物となっ たことが宣言された。実際には、 2.0 の リリース時点では安全性のために NetBSD ーの定義が存在していた。 この定義は 2.1 をリリースする前に削除 されたため、名実ともに NetBSD から の分離が完成したといえるようになる のは 2.1 であると言ったほうが良いのか もしれない。 20 リリースは S 皿 3 等メンテナンス可 能な人が OpenBSD プロジェクト内部に 存在していないプラットフォームを削り、 最終的に amiga 、 c 、 i 、 mvme68k 、 sparc の 5 つのプラットフォームで 1996 年 10 月 18 日にリリースが行われた。 OpenBSD 2.0 から 2.5 まで OpenBSD 2.0 は唯一 CD-ROM リ リースが存在しない ftp によるリリース であった。 sparc 版インストーラは動作 検証が行われないままリリースされ、 インストーラだけでは普通にインス トールができなかった。残念なことで あるが、インストーラの障害はこの後 2.1 でも発生した。 2.2 以降では、イン ストール可能であることが確認されて から CD - ROM の複製が行われているた め状況は改善されたはすである。 2.0 から 2.1 にかけての動き。 ・新たに alpha 、 hP300 、 mvme88k 、 pmax 、 PowerPC 対応のソースコー ドが統合された。 ・ skey が、 RFC1938 を満たす OTP イ ンターフェイスへと改造された。 ・ sudo 、 ctm が、ソースツリーに取り 入れられた。 ・ POSIX 準拠を目指すため ash の使用 を止め、 pdksh から sh が作成される こととなった。 ・ gzip で圧縮されたカーネルのサポー トが開始される。 ・パスワードの暗号化で M D 5 、 BLOWFISH が使用可能となり、 BLOWFISH が標準暗号化となる。 NetBSD—を削除し、名実ともに NetBSD との分離作業が終了した。 alpha 、 hP300 、 mac68k 、 pmax を 加えた 9 種類が 2.1 ( 1997 年 7 月 2 日 ) としてリリースされた。 ・ AppleTaIk プロトコルへの対応が開 減った。 ズムが採用され攻撃の手がかりが ・ランダムに PID を生成するアルゴリ に統合された。 ツールである mkisofs がソースツリー ・リリース用 CD-ROM イメージ作成 始された。 2.1 と同じく 9 種類が 2.2 ( 1997 年 12 アントが入った。 ・インストールディスクに dhcp クライ 合された。 AFS 、 SSLeay がソースツリーに統 ・ OSS 互換 audio 、 ISC dhcp 、 free- れた。 ( 1998 年 5 月 25 日 ) としてリリースさ PowerPC を加えた 10 種類が 2.3 update 対応が実施された。 ・ FAT32 パーティション対応、 soft gcc2.8 がソースツリーに入った。 ・ⅱ」 -PPP 、 smtpd 、 lynx 、 apache 、 月 4 日 ) としてリリースされた。 BSD の過去・現在・未泰 / 、 ・ fdisk に 8G バイトを超える容量を持 っディスクへの対応が行なわれた。 ・ mail. lcal が二つに分離され、 lockspool のみが setuid プログラムとなった。 arc 、 mvme68k 、 pmax を除いた 7 種類が 2.4 ( 1998 年 12 月 1 日 ) として CD-ROM リリースされた。 ・ skipjack 暗号モジュール、 isakmpd を始めとする VPN 関連ツールがソー スツリーに統合された。 ・学習可能な bridge 、ソフトウェア RAID 、 MIDI デバイスが取り込まれ ・ IPSEC を取り込む過程でカーネル部 分に IPv6 対応が行われた。 2.4 と同じく 7 種類が 2.5 ( 1999 年 5 月 19 日 ) としてリリースされた。 日本での動き 日本国内では、 1996 年 7 月に ftp.jp. openbsd.org が登録された。これは、 4 番目の公式な FTP ミラーサイトであっ た。当時の学術情報ネットワークから 海外への回線接続状況は現在程品質の 良いものではなく、学術情報ネット ワークのそれも端に位置するようなサ イトからフランスに ftp をすると 1 時間 2 バイトという凄まじい記録が出たこと もあれば、台湾に接続していると 2 、 3 時間程で経路情報が乱れて N 。 route to h 。 st が出てくるような状況であった ことを記憶している。 2.0 のリリース直後の 1996 年 11 月に はさらにサイトが一つ増えた。国内第 三の公式 ftp サイトも 1998 年 6 月に登 場した。 AnonymousCVS も 1998 年 11 月末から日本で動作を開始したし、日 本国内のメーリングリストも 1999 年 1 月から存在している。 1999 No. 1 BSD magazine 55