特集 1 BSD の過去・現 い注 4 。そこで、どのようにファイルを によりフロッピーディスクもハード 作った PocketBSD インストーラであ 削り、どのファイルを残せば正常に動 ディスクもなく、プートが難しそう る。これによって、 PocketBSD のイン くのか、というような議論もあった。 だったせいもあるだろう。この段階で ストールが飛躍的に簡単になった。そ れ以前はプロック数を計算して disk また、それに伴ってミニバッケージ は、 UNIX フリークたちもまだ DOS 版 というものも生まれた。 FreeBSD の MobileGear には注目しておらず、よく label を書き込むといった、 UNIX に精 パッケージは便利であるが、そのまま 通していないと難しい作業が必要だっ できた DOS マシンだな、ぐらいにしか たのが、このインストーラでは会話的 だとマニュアルやオプションなどがイ 認識していなかったと思う。 にサイズを調整するだけで好みのパー ンストールされてしまい、 FIashATA なお、 DOS 版 MobileGear といって カードを圧迫する。それでそのような もいくっかの相違がある。最初のモデ ティションでインストールできてしま ものをはずしたミニバッケージという う。 FreeBSD を普通の PC に入れると ルである MK 1 が出たあと、 MK 11 、 ものを作って配布しようというのであ きなどより簡単である。 K12 、 MK22 、ドコモ版、 MK32 と 続いて出ている。このうち MK12 以降 る。 同時に、 PocketBSD 独自のアプリ のモデルが、内蔵 RAM4M バイト以上 ケーションを作る動きも活発になって であり、 PocketBSD の対象となるモデ きた。特に MGL を利用し、 GUI を備 ルである。 えたアプリケーション群が続々と生み 出されていった。古川氏の作られたタ スクがこの代表例である。 こうして、 PocketBSD の正式公開は このようなアプリケーション開発お 始まった。正式公開版といっても、安 よびノウハウ蓄積も、 PocketBSD プロ 定して動いていた最終″版を改名した だけである。また、カーネル自体につ ジェクトの貢献の一つである。 また 1 的 8 年 12 月には、 PAO リポジト いては 3 月版から変わっていない。イ そんな状況が続く中、たけむら氏に リへのソースの統合も行われている。つ ンストーラ自体のデバッグと、添付す よって PocketBSD が着々と作られてい まり PAO の CVS サーバーにアクセスす るファイルのパーミッションの調整な たのだった。それが NiftyServe の れば、最新のソースを得られるわけだ。 どが行われただけである。 FNECMC に正式に公開されたのは、 このカーネルの con ⅱ g 方法に付いては 1998 年 1 月である。 「特集 2 インストールのツ WPocketBSD たった 550g のマシンで BSD が動く、 2.2.8 」を参照してほしい。 というニュースは世界をかけめぐった ・・わけはない。当然ながら、 Mobile Gear は日本国内でしか発売されていな いからだ。しかし NiftyServe を飛び出 このころは主にアプリケーションの し、私のところまでたどり着いたのは 開発、改造、カスタマイズなどが話題 たしかである。 の中心になってくる。 そして、これからしばらくはメーリ 手前味噌ではあるが、 PocketBSD を使う際には、カーネル ングリスト内で開発が行われることに 『 PocketBSD インストールキット』 ( ア さえあればよいというわけにはいかな なる。サスペンド機能や複数のカード スキー出版局 ) が刊行されたことも書 対応、そして MGL (MobileGear い。 PocketBSD の二次記憶である いておきたい。これは本自体だけでは GraphicsLibrary) などが開発された。 FIashATA カードには、 FreeBSD のす べての配布物を収容することはできな なく、本に付属した NetFr 。 nt も画期 さらに画期的なのは、たけむら氏が 1998 年 7 月 : 正式版公開 1998 年 1 月 poc 旧 SD 公開 1998 年秋 ,. 熟成 1999 年 3 月・ PockeiBSD インストール キッ下刊行 注 4 正確には、 OS のすべてを収容することができるような大きな FIashATA カードもあった。が、それを持っているユーザーはほとんどいなかったため、小 さな FIashATA カードに対応させることが必須であった。 1999 No. 1 BSD magazine 61

PocketBSD とその発展 あなたのホケットにも BSD を こでは PocketBSD という、一風変 PoCkeiBSD とは OS 版 MobiIeGear 登場 1996 年 5 月第 れている。 マシンをターゲットとした開発も行わ では、 MobileGear2 などの WindowsCE 発されたのが最初である。さらに現在 の手によって NEC の MobileGear 用に開 PocketBSD は、 1998 年にたけむら氏 ジェクトである注 2 。 ンで動く BSD システムを目指したプロ り、ポケットに入るような小さなマシ う注 1 。 PocketBSD とは、その名のとお わった BSD システムについて解説しよ の仕様だ単三電池による長時間運用、 線を画していたのは、そのマニア向け MobiIeGear がさまざまな PDA と一 のメール交換を実現した携帯端末だ。 ン通信 (NiftyServe 、 PC-VAN) 経由 メール端末である。基本的にはパソコ MobileGear は、 NEC が開発した携帯 て解説せねばならないだろう。 DOS 版 まずは DOS 版 MobileGear 注 3 につい 550g という持ち運びが苦にならない軽 さ、キーピッチ 16.5mm というタッチタ イプが十分可能なキーボードなど、派 手ではないが、 PC を使いなれた人であ ればその価値がわかる玄人の要求にみ ごとにあったマシンであった。 また、内部の構造を見れば、 i486SX 相当の CPU 、 2M バイト ~ 8M バイト の内蔵 RAM 、 Type2 PC-Card スロッ トを備えた AT 互換機という、 PC ユー ザーに非常になじみ深いアーキテク チャである。ディスプレイ回りや電源 制御などは独自の仕様になっているが、 BIOS から叩けるインターフェイスも装 備していた。 写真 1 DOS 版 MobileGear 榊隆 /SAKAKI Takashi ソフトウェアの面から見ると、 Mobile Gear のユーザーインターフェイスを司 る UnisheII は、 DOS 上で動くプログラ ムにすぎなかった。その奥に眠る DOS の 機能を暴き、そして MobiIeGear を単な る ( しかし汎用性のある ) DOS マシン として使おうという活動も NiftyServe の FNECMC フォーラムを中心に盛ん に行われた。それらについては fMS- DOS 版 MobiIeGear バイプル』 ( ソフト バンク刊 ) や fMobileGear Complete Book 』 ( 秀和システム刊 ) などに詳しい。 しかし、 DOS マシンといっても細か い部分の違いのせいで、 FreeBSD など の OS はそのままでは動かなかった。な 注 1 注 2 注 3 http・〃www02.u-page.so-net.ne.jp/ca2/takemura/ BSD magazine 1999 NO. 1 こでは DOS 版 MobileGear と呼ぶ。 WindowsCE を搭載した MobiIeGear ()S 、 MC シリーズ ) と区別するため、 たたし、実際に P ketBSD が稼働する機械である MobileGear は、ポケットには入らない。

特集 1 BSD の過去・現在未 たの参加できる余地も大きいはすだ。 てきて現在の姿になった。 D O S 版 ジェクト注 7 を知ったときは、そのパ あなたの想像する未来に、 PocketBSD MobiIeGear の品薄にともなって尻すば ワーに感心したものだ。 の未来を変えていってほしい。 みになるかと思われたプロジェクトも、 ちなみに 'hpcmips" というプラット 最新の hpcmips アーキテクチャに乗り フォーム名には多少偽りがある。実際 換えることによって逆にプラット には、同じ MIPS 系 CPU でも、東芝の フォーム、潜在的ユーザーともに広げ TX39 系 (SHARP の Terios などに搭 載 ) はまだサポートされていなかった ることができた。特に WindowsCE マ シンは、 DOS 版 MobileGear と違って り、 PsPC (Palmsize PC : Cassiopeia 世界的に販売されているマシンである。 E55 など ) の上でも動いたりする。 つまり世界から開発力を集められると いうことだ。現に、 pbsd-mg2 メーリ ングリストには日本語を勉強しつつ参 加している熱心な外国の開発者もい る。 PocketBSD が切り開いていく分野 は、従来の UNIX コミュニティが挑ん DOS 版 MobileGear 用 PocketBSD は、この夏にようやくバージョン 1.1 を でこなかったフロンティアであり、そ れだけに難題も多い。しかし、成功す リリースした注 8 。これは、 1.0 バージョ ればそれが世界中に広まる機会も非常 ンに続く 2 回目の公式リリースであり、 FreeBSD 2.2.8R ( 正確には FreeBSD に多い、挑戦しがいのある領域である。 2.2-STABLE) をベースにしたものと 将来の約東はまったくできないが、 年内にはかなり多くのアプリケーショ なっている。これについては、「特集 2 ンが動く段階までたどり着いている気 インストールのツ */PocketBSD 2.2.8 」 がする ( もちろん、これは筆者個人の を参照してほしい。 見解で、プロジェクトの公式なもので PocketBSD/hpcmips では、 Net- はない ) 。そこまでいけば、カーネル BSD/hpcmips を開発中である。開発 ハッカーでなくてもアプリケーション は比較的スムーズに進んでおり、 MC- の構築などに挑戦できるものになって R300 などでの NFS プートなどが報告さ いるだろう。そのときのために れている。これも詳しくは、「 Pocket- ちょっと準備しておくのもおもしろい BSD プロジェクト短信」を参照してほ しい。 かもしれない。 夢物語を語らせてもらえば、 Pocket- BSD ファミリーはさらに増えるかもし れない。 PocketBSD/hpcsh3 や Pocket- BSD/psionarm もおもしろそうである注 9 。 ややはしゃぎすぎの感があるが、想像 するだけでわくわくするではないか。 このように、 PocketBSD の未来は曖 最初はたけむら氏一人によって始め 昧模糊としてわからないが、逆にあな られた PocketBSD も、 しだいに成長し 8 月 - 現状 1999 そレ下 未来 注 8 本書の CD - ROM にも付属している。 注 9 ほかにも、 PocketBSD/pocketstation とかいいな : - ) BSD magazi ne 1999 No. 1

行できなくなる。実際には、 mule と Canna 以外はすべてチェックす るのがいいだろう。 4. リプートしても Unishe Ⅱが立ち上 がってしまうカードと本体の組み合 わせも報告されている。これには pbsdboot. 980628. zip を使うといい。 こでは、 DOS 版 MobileGear 用 の内容をすべて破壊してしまう。 PocketBSD のインストールにまつわる よって、バージョンアップする際に アプリケーションについては、ほば 話についていくつか書いていこう。 は各自の責任を持って FlashATA カー 以前のバージョンのものが流用できる ドの内容をバックアップしてほしい。 はずだ。つまり各種ミニバッケージや ー PocketBSD FFS を読み書きできる母艦を持ってい NetFront などについても利用できる。 ・インストーラ Ve 「 1 もちろん細かいバージョンの違いが出 るなら簡単であるが、 Windows などし 今回の CD-ROM には、 PocketBSD てくる可能性もあるが、さほど問題に か持っていない場合は DOS パーティ インストーラ Ver1.1 が収録されている。 ションなどを使ってがんばってほしい。 ならないだろう。 これは、たけむら氏ほか佐野氏、うし ー最新版 P0kcetBSD の おだ氏らの協力があってできたものだ。 実際のインストール作業 ・コンバイル インストール自体は非常に簡単で、 このインストーラは、 FreeBSD 2.2- STABLE をベースにしたものになって 前のバージョンのインストーラとほと CD-ROM には、バイナリインストー いる。 PocketBSD にもっとも関係が深 んど変わっていない。ただ以下のよう ルキットのもととなった PAO のソース い変更点は、 PCCard の扱いが改良さ (pbsdsrc990831. tar. (z) が入ってい な点に注意してほしい。念のため付属 れ、 FIashATA カードにまつわるトラブ る。最新のカーネルは PAO のリポジト のアーカイプにある Readme. txt も参照 ルも格段に少なくなったことだろう注 1 。 するのはもちろんだ。 リからも取得することができる。これ らからカーネルを生成するには、普通 msdosfs が VFAT に対応したのもファ イルの交換に便利である。 以前に PocketBSD などで FFS とし のカーネルを生成するのとは少し異な 1 . また、本来ならさまざまな PocketBSD て使っていた FlashATA カードに る操作が必要である。 独自の機能拡張を施したかったのだが、 インストールする場合は、すべて 今回はまだ実現されてない。次回のリ 1 . ます co 浦 g コマンドを作り直さねば MS-D OS パーティションとして リースにはぜひ間に合わせたいものだ。 ならない。 necmg という machine フォーマットしなければならない。 ID に対応させるためだ。 $()A O MobiIeGear の UnisheII でカードの バージョンアップインストール 初期化を行えばいいだろう。 SRC)/usr. sbin/config 注 2 にあるの インストールの説明をする前に、す でそのディレクトリで make すれば 2. FIashATA カードの「登録ソフト」 でに PocketBSD を使っている人への注 ( ソフトはいわゆる半角仮名 ) ディ よい。 意をしておこう。 2. カーネルコンフィグファイルがある レクトリに必要なファイルをコピー FreeBSD のインストーラには Up- する。 FreeBSD ではこれは難しい のは $(PAOSRC)/sys/necmg/conf grade というオプションがついている ので、 pbsdinst-fbsd. tar. gz などを ディレクトリである。 NECMG ファ イルがデフォルトなので、それを参 が、 PocketBSD のインストーラにはそ 利用してほしい。 のようなものはない。つまり、インス 考に編集してほしい。もちろん実際 3. インストール中、叩 tion の選択の トーラはすべてのパーティションを 画面で mgl を選んだ場合は、 diag にコンフィグするときは新しい con ⅱ g newfs してしまい、 FlashATA カード コマンドを使うのを忘れずに も選ばないと mgterm コマンドが実 注 1 具体的にどのカードで動いたかは、 PocketBSD のページ (http://www02.u-page ・ so-net. ne.jp/ca2/takemura/) からたどれる動作報告のページを参照してほしい。 注 2 こでソースを展開したディレクトリを $ ( PAOSRC ) と表わす。 772 BSD magazine 1999 No. 1 PocketBSD 22-8 榊隆 / SAKAKI Takashi

フロジェク短信 PocketBSD 通信 年数か月ぶりです。この配布の特徴は、以下のようなもの ラ Ver. 1.1 が公開されました。今回のバージョンアップは 1 DOS 版 MobileGear 用 PocketBSD バイナリインストー PocketBSD インストーラ Ve れ 1 公開 いて紹介します。 こでは改めてプロジェクトの概要と、最近のトピックにつ 事の「 PocketBSD とその発展」を参照してください。こ PocketBSD の現在までの経緯などについては、特集記 ・付属バッケージの変更 ・ PCCard の扱いの改良 ・ FreeBSD 2.2-STABLE べース です。 78 イ BSD magazine 1999 No. 1 ません ) 。ほかにもいくつかのマシンで動く可能性がありま 1 のようなマシンです ( すべてを網羅しているわけではあり 現在のところ、開発者がデバッグに使っているのは、表 いう報告がありました。 なりますが、 NEC の MC シリーズではキー入力ができたと (LCD 、キーポードなど ) の対応は機種によって大きく異 アルコンソールが使われています。本体内蔵デバイス で開発している人もいます。コンソールに関しては、シリ 一部対応し、ネットワークカードを経由した NFS プート き、各種コマンドが実行できます。 PCCard デバイスにも 現状では一部のマシンでマルチューザーモードに移行で す。 載した HPC (Handheld (C) と PsPC (Palmsize (C) で めています。対象とする機種は NEC 製 VR41xx CPU を搭 とする WindowsCE マシンに NetBSD を移植する作業を進 PocketBSD プロジェクトでは、 MobileGear2 をはじめ NetBSD/hpcmips の現状 特集の「 PocketBSD 2.2.8 」を参照してください。 したほうが安定するはすです。詳しい情報については第二 などは 2.2- STABLE 用に作られているので、アップデート う。ただ、 ftp サイトなどに置かれている新しい package 不満がない人は特にインストールする必要はないでしょ 現状の PocketBSD でもそれなりに安定していますから、 す。詳しくは、 Warner's Mips base PDA info center (http//www.freebsd.org/-imp/pdamips.html) などを 榊隆 / SA た ・安定化 なものがあります。 NetBSD/hpcmips の目指すべき目標には、以下のよう NetBSD/hpcmips のこれから 参照してください。 表 1 開発者が使用しているマシン も行わなければならないでしよう。 液品コンソールドライバなどの洗練 (wscons への対応 ) のデバイスへの対応もせひ行いたいところです。また、 マイク、各種ボタンなど多岐にわたっています。これら HPC が搭載しているデバイスは、 LCD 、タッチパネル、 ・さまざまなデバイスへの対応 にもなるでしよう。 NetBSD のリポジトリに統合されるので、世界的な宣伝 コードを利用できるようになります。また、本家 れができれば、バグフィックスされた最新のカーネルの れを current にマージしようという動きがあります。 NetBSD 1.31 べースで開発が進められてきましたが、 ・ currentA の merge なプラットフォームのデータを集めているところです。 イスは個々のマシンごとの対応が必要であり、さまざま とくに、 VR41xx に統合されていない PCIC などのデバ コードを書くべく努力が重ねられています。 多数存在します。それぞれに対応しつつ、見通しのよい 上記に記したように VR41xx を搭載した HPC マシンは ・さまざまなプラットフォームへの対応 ある可能性があります。 るため、キャッシュ不整合のような再現の難しいバグが キャッシュのような低レベルの部分から実装を行ってい 状況が変わると動かなくなることも多くあります。特に 現在の NetBSD/hpcmips はまだ不安定な部分が多く、 NEC Casio Everex MC-CS13 / MC - 日 300 / MC - 日 500 /MC-R510 / MC-R320 /MC-R700 E55 / E500 A10 / A15

ウェア自体についてもさまざまな不満 ろ、そのような仕組みが備わっている があった。日く、 PC-Card スロットが 気配がない。 WindowsCE が立ち上 もうーっほしい、日く、メモリを増や がった状態から強制的に BSD を立ち上 したい、日く、もっと高性能な CPU か げるようにしてはどうか、という発想 もある。しかし、 WindowsCE の内部 ほしい。 そんなときに冗談として語られてい 構造に詳しい人がいなかったため、そ のような (WindowsCE にとって ) 危 たのが WindowsCE 版 MobileGear 、特 に MobiIeGear2 ()C シリーズ ) に 険なことはできないのでは、という懸 PocketBSD を載せようという話題だっ 念もあった。 この問題は、結局 1999 年 1 月にたけ た。 MobiIeGear2 なら、もちろん現行 機種であり容易に入手できる。また、 むら氏によって肯定的に解決されること CPU も MIPS 系の VR4111 を搭載して になる。たけむら氏は実際に W ⅲ dows CE 上で動作するプートローダを開発 おり、メモリも 32M バイトまで増設可 能だ。 PC-Card スロットのほかにコン し、それを使って直接 ELF バイナリを ロードして見せたのだ。詳しい方法は パクトフラッシュスロットがあるので、 PC - Card を空けたまま操作することも わからないが、割り込みべクタを横取 可能かもしれない。つまり NIC を使っ りするという強引な方法らしい。こん な方法が通用するように WindowsCE たネットワークへの接続や、 PHS 用の 的であるからだ。 GUI を使ったフレー データ通信カードを使える可能性が大 を作ってくれた Microsoft に感謝せね ム、フォームに対応した Web プラウザ きい。 ばなるまい。 を PocketBSD の上で使うことができる こうして別の poc k etBS D の系譜 最初は冗談であったこの着想も、 のだ。 PocketBSD の面目躍如、といっ VR4111 の仕様書を NEC の Web サイト 「 PocketBSD/hpcmips 」が生まれるこ た感のあるアプリケーションである。 とになった。 hpcmips というのは、 に発見し、にわかに現実性を帯びるよ うになる。 VR4111 は NEC の VR4000 Microsoft の提唱する HPC (handheld CPU をコアに、さまざまな周辺デバイ (C) 規格のうち、 MIPS 系の CPU をサ 1999 年 1 月 : スを統合したチップである。つまり、 ポートするもの、という意気込みであ NetB9D/hpcmips 用 この仕様がわかれば多くの周辺デバイ る。 PocketBSD/hpcmips は、現状で プト p—ダが動く は NetBSD/hpcmips とほば等価であ スのインターフェイスもわかり、デバ イスドライバを書くことが可能になる。 る。つまり、 NetBSD を hpcmips とい さて、時期はさかのばるが、 Pocket- うプラットフォームに移植する作業に その結果、 pbsd-mg2 (PocketBSD BSD の開発初期からシステムは完成し for MobileGear2) 注 5 というメーリン ほとんどそのパワーが使われている。 ても実際に動作させるマシンがないの グリストが作られることになるただ FreeBSD ではなく NetBSD を選択し では、という懸念が開発者らのロに それでも問題となったのが、どうやっ た理由は、もちろんその移植性の高さ 上っていた。 DOS 版 MobileGear は製 てカーネルをプートするかという問題 にある。さほどマンパワーがない 造中止でこそないが、非常に細々とし である。 DOS 版 MobileGear で Pocket- PocketBSD プロジェクトにとって、 か製造されていないのが現状だ。注文 BSD をプートさせることができたのは、 X86 用の OS を MIPS 用に書き直すとい してもいつ手に入るかわからない、と う選択肢は考えられなかった注 6 。この FIashATA カードから OS を読み込む いうような状況が続いている。 仕組みが備わっていたためである。し 点から考えて、 Linux を WindowsCE また、 DOS 版 MobileGear のハード かし MobiIeGear2 について調べたとこ マシンに載せようという LinuxCE プロ 注 5 http.//bronze.is.titech.ac.jp/machine/moba2/pbsd-mg2.html 注 6 また、 OpenBSD を選択しなかった理由は、単に近辺に NetBSD に詳しい人が多かったためだろう。 注 7 http://www.linuxce.org 石 2 BSD magazine 1999 No. 1 いつでもどこでも Un ⅸー インストヨレキット 榊著 0 アスキー出第 写真 2 「いつでもどこでも Unix ! PocketBSD インストール キット」榊隆著、アスキー出版局

0 1999 No. 1 magazine B 6 のなのである。 ずどこかでつまづくも はめったよい。インストール 前に、せひ一読してもらいたい。 インストール終えられること 際にインストールに取り掛かる だが、それでノートラブルで 法などのノウハウを示した。実 ンストールはになっている。 やすい点、トラブルからの説出 時代とは比較ならないほどイ 注意すべき点、トラブルの起き 属してお 386BS ロなどの れについて、インストール時に ーラが付 OpenBSD 、 PocketBSD のそれそ 本特集では、 FreeBSD 、 NetBSD 、 現在の S ロ系 OS のほとに インスト

相互交流を図ろうということになっています。 ・ L*BUG 紹介 女性 *BSD ユーザー友の会 (Ladies' *BSD User Gro 叩 ) 注 8 の紹介がありました。 関西から L * BUG 会長の平野さんがいらっしゃいました。 女性にも少しすっ BSD カ昿がってきているんですね。な お、現在男性女性あわせて 67 名いらっしやるそうです。 興味がある方は見てみてはいかがでしようか ? ・ BSD Magazine の紹介 本誌 BSD マガジンの鈴木編集長がいらっしゃいまして、 本誌の目的などを紹介していただきました。 ・ portmaintainer 注 9 紹介 現在 NetBSD には 20 名ほどの portmaintainer (port 自 体は 20 アーキテクチャ ) がいらっしゃいますが、そのう ち 3 名 (4port) ほどが日本の方々です。その 3 名の portmaintainer の紹介がありました。その後、日本人 のコアメンバーが 1 人誕生しました。 また、 NetBSD.org にアカウントを持っている協力者の 方々の紹介もされました。 何年もネットワーク上ではおっき合いがあってもお互い の顔は知らない場合が案外に多いものですね。 ・ NetBSD と旧 v6 KAME プロジェクト注 10 の萩野様から KAME プロジェ クトおよび NetBSD-current に取り込まれた IPv6 コード に関しての発表がありました。現在は、 FreeBSD 、 NetBSD に対して patch-kit の公開、 NetBSD-current へ の組み込みがなされていて、今後 BSD/OS 、 OpenBSD 用の patch - kit へも取り組もうとされています。 また、 KAME プロジェクトの実装を利用すれば、 IPsec のサポートもされているということです。この件に関して、 暗号化のモジュールに関する質問や報告がなされました。 さらに、クロスプラットフォームでの開発 ( たとえば、 FreeBSD と NetBSD とか ) に関する苦労などの話が出 ました。 フロジェクト短信 ・ mmeye 、 NetBSD-sh3 の紹介 Brains 注 11 の堀内様が、 NetBSD-sh3 とその一つの実装 である mmeye に関する報告をされました。 mmeye は CPU に sh3 を搭載した多機能マルチメディア サーバーです。このマシンは、コアとなる OS 部分に NetBSD を搭載したのみならず、そのソースコードを公 開し、 NetBSD Project に貢献されています。 この mmeye に搭載されている NetBSD - sh3 の移植に関 するお話などをされていました。 カメラ映像を取り込んで、 Web を利用して中継する機 能など非常に便利な機能があります。個人的には、 IPv6 のサポートと、その情報のマルチキャストでの配送 など、非常に便利な使い方ができそうなので、たいへん 興味を持ちました。 ・ NetBSD-hpcmips および PocketBSD 注 12 の紹介 CPU に MIPS 系のチップを利用しているハンドへルド PC で NetBSD を動作させていらっしやるようです。 最近では高速な PDA が市販されていますが、これらで BSD 系 OS を利用できるというのは非常に便利ですね。な お、 i486 系列の CPU を搭載しているいくつかの機種でも、 PocketBSD カ働作するなどの報告もあわせて行われました。 ・ devstat NetBSD が認識しているデバイスの情報を表示するプロ グラムの発表がありました。 以上簡単に JNUG に関するいくっかのトピックをまとめ てみました。今後もこの JNUG レポートでは、 JNUG が関 わる ( 関わった ) イベントなどの情報やレポートを扱って いきたいと思っています。 JNUG では常にボランティアを募集しています。 ボランティアの内容は、 JP. NetBSD. ORG の管理する サーバーのメンテナンスや、コンテンツの整理、翻訳など の作業、 JNUG の運営です。手伝っていただける方は、 staff@jp.netbsd.org までご連絡ください。 注 8 注 9 注 10 注 11 注 12 Ladies' *BSD User Group http: 〃 www.openbsd.ics.nara-wu.ac.jp/lbug/ portmaintainer は、各担当のアーキテクチャの方針やリリースを決定する権限を持っている人です。 KAME プロジェクト http.//www.kame.net/ 株式会社プレインズ http: 〃 www.brains ・ co ・ jp/ NetBSD-hpcmips http://www02.u-page.so-net.ne.jp/ca2/takemura/、 PocketBSD Home Page http://www02.u-page.so-net.ne.jp/ca2/takemura /hpcmips. html 1999 No. 1 BSD magazine 787

BSD/OS and others ′れ尹 gaz れ e FreeBSD/NetBSD/OpenBSD ー特集 1 1 BSD のま・現在・ BSD 系 OS の歴史、最新版の玄今後の向までを総チ・ インストールのツ。、 Ports/Packages のすべて ASCII ー特集 21 FreeBSD/PAO, NetBSD, OpenB 引 POCk ・ B ・を インスト—ルする際の / ウハウを伝授 2 しツ 2 幻己 3 ョの」」い方ツらり方まを アスキームック FreeBSD 3.2 ・ RELEASE/PAO FreeBSD(9B) 3.2-RELEASE NetBSD 1 .4 .1 i386 , mac6Bk, macppc, alpha, sparc NetBSD 1 .4.1 PC9B Open BSD 2.5 i386 PocketBSD 2.2.8 ・ RE し EASE

e ー 999 20 諸 付録 CD - ROM について ー S09660 with RockRidge and Joliet Extention PocketBSD は NEC Mobile Gear で動作する FreeBSD 詳しくは Disc 1 の /3.2-RELEASE ディレクトリの 2.2.8R べースの BSD 互換 OS です。詳しくは /PocketBSD デ README. TXT ファイルを参照してください ( 日本語訳 ィレクトリの README. TXT を参照してください。 は /3.2-RELEASE/118N-flp/README. TXT) 。 インストールフロッピーディスクのイメージファイルは /3.2-RELEASE/fIoppies ディレクトリに入っています。 また、日本語表示のできる国際版インストー フロッピーディスクのイメージファイルは Disc 1 の /3.2-RELEASE/118N-flp ディレクトリに入っています。 FreeBSD(98) 3.2-RELEASE Rev.OI (Disc 1 ) -RELEASE を NEC PC-98 シリーズに移植 詳しくは Disc 1 の / S 屮 C98 ディレクトリの announce-jp. 275 ファイル、 /Fr S C98/98readme ディレクトリの README. IST ファイル参、、してください。 インストールフロッピーのイメ ァイルは /FreeBSD-PC98/floppy98 ディレクトリに入います。 また、 PC -98 シリーズ用 MS - DOS でインストー ) フッピ ーディスクを作るためのツールは Disc 1 の /F eBSD- PC98 / t001S98 ディレクトリに格納されています。 PA03 19990809 版 (Disc 1 ) FreeBSD をノートパソコンで快適に動作させるため NetBSD 1.4.1 (Disc 3 ) 加パッケージ PAO のインストールフロッピーディスク 多機種対応の安定した BSD 互換の OS です。およそ 20 の ージと配布パッケージです。 port と呼ばれる対応機種版が用意されていますが、本 CD- 詳しくは Disc 1 の / PAO ディレクトリの READM フ ROM ではこのうち、 alpha (Alpha プロセッサ ) 版、 i386 イル ( 日本語訳は README. (p) を参照してくださ (PC/AT 互換機 ) 版、 mac68k (AppIe Macintosh) 版、 maCPPC ( APPle power Macintosh) 版、 sparc ( Sun OpenBSD 2.5 (Disc 1 ) SPARCstation) 版を収録しています。 日号化ツ NetBSD から派生した、セキュリティに優、 詳しくは Disc 3 の /NetBSD-1.4ユディレクトリの ールの充実した BSD 互換 OS の 1 つです。 C OM では README ファイル、および / NetBSD -1.4.1 ディレクトリ以 i386 版、 sparc 版のみを収録しています。 下の各 port の INSTALL. txt ファイルを参照してください。 詳しくは Disc 1 の /OpenB 2.5 ーイレクトリの さい。また、付録 CD- README ファイルを参照 NetBSD/pc98 1.4.1 (Disc 3 ) 求 EADME. jp に書かれてい M 収録に関主意 NetBSD/i386 を NEC PC-98 シリーズに移植したものです。 も合わせて参照してください。 詳しくは Disc 3 の / NetBSD - PC98 / 1.4.1 / doc ディレクト インストールフロッピーディスクのイメージファイルは リの各ファイルを参照してください。 Disc 1 の /OpenBSD2.5 ディレクトリに入っています。 Emi CIock for X11 version 2.0.1 (Disc 1 ) Copyright ◎ 1994 , 1995 , 1997 , 1999 Masayuki K0ba Copyright ◎ 1993-1999 M0tosoft (ORIGINAL) X Window System で動作する美少女コスプレ時計で す。文字盤にかわいらしい女の子が表示され、いろいろな 衣装に着替えさせることができます。 FreeBSD 3.2-RELEASE packages (Disc 2 ) FreeBSD 3.2-RELEASE で利用できるツールやライプ ラリ、アプリケーションなどを簡単にインストールできる ようにしたコンパイル済みパッケージを集めたものです。 C D-R O M をファイルシステムにマウントした上で、 /stand/sysinstall ユーティリテイや pkg—add コマンドなど を利用してインストールすることができます。 ※付録 CD - ROM では本来利用できるすべてのパッケージを収録してい るわけではありません。 FreeBSD 3.2- RELEASE では 2 , 100 を超える パッケージが利用できますが、この CD - ROM ではそのうち、よく使 われると思われるものを 1 , 200 ほど選んで収録しています。 , もので NetBSD packages (Disc 4 ) NetBSD で利用できるツールやライプラリ、アプリケー BSD magazine 793 PocketBSD lnstall Kit 1 .1 (Disc 1 ) C 叩 yright ◎ 1998 , 1999 Shin Takemura all rights reserved. 1999 No. 1