オス馬のカンは人間の歳でいうと 92 歳。動物セラピに使われて - 、 いたが、関節炎のためにを宣告 され、もう役に立たないと判断さ 今は残りの人生を土レナの れた。 看病を受けながら暮らしている。 4 1 丐第をネ ′強物イ 0 その頃エレナは、マドリードの土地ナは、独学で勉強したり、ときには獣 カ狭いうえに賃貸料は高ぐ、多くの動医が治療をおこなうところを見せても 物を受け入れられないことに悩んでい らったりして、今では簡単な手当ては た。それを聞いた団体は、土地を購入自分でするようになった。さらに専門 し動物たちのために提供することを決的なケアが必要な場合は、ト / 型動物は 意。エレナは団体に敬意を表して、この動物病院に連れて行き、牛や馬など大 新しいサンクチュアリの名前を「プロ型動物の場合は獣医に来てもらう。 ウィ 1 ガンの家」とした。それが現在 ここにはエレナを助けるスタッフが タラゴナにあるこのサンクチュアリだ。 ホランティアが数人いる。彼 「プロヴィーガンの家」は広さヘク女は数週間に一日だけ休みを取り、海 タ 1 ルほど。ここでは今、、フタや牛、岸でひとりだけの時間を過ごす。そう ニワトリ、羊、アヒル、馬、ハト、ウ して日々のさまざまな悩みや葛藤に向 サギ、小鹿、そして大猫など 200 頭 き合ったり、死んでしまった動物に心 以上の動物が、虐待を受けたり、告 門使を寄せたりする。そして、気持ちを落 された過去から逃れ、仲良く暮らしてち着かせ、同時に、さらなるエネルギ ーをかきたてるのた いるたいていの場合、保護すべき動 物を見つけた警察や活動家、ときには このサンクチュアリは、エレナの活 市民などから、この家に連絡が入る。動に賛同してくれる人々や団体の支援 そうするとスタッフが動物を保護するのおかけで成り立っている。それでも ため、大型車で現場に駆けつける。 動物のための食べ物や医療費などにか 毎日 200 頭以上の動物の世話をすかる費用すべては賄えず、借金をして るのは大変だ。エレナは毎日早朝に起 いる状況だ。彼女の今の望みは、その き、朝食も取らずに彼らの健康状態を借金がなくなること。そうすればより チェックして回る。その後も動物の世多くの動物を救えるからだ。 話をしながら、一日中神経を張り巡ら「動物は賢くて、豊かな愛情を持った せて、施設内の物音や鳴き声に耳をす素晴らしい存在。彼らは、人間によっ ます。そこここが動物たちの陽気なて強制的に置かれた状況からひとりで 騒々しさに包まれていれば彼らが元気脱出することはできないんです。だか な証拠だが、妙に静かだと、エレナは らこそ、彼らに献身的に尽くす人間が 異変を察知して飛んで行く してもいいでしよう ? 」と語る。その 0 けがや病気の動物を保護することが 語り口は、今後も自分の生き方を変え 多く、ここでは医療的なケアも欠かせ ないという強い自信と愛情にあふれて しノ 医療の知識が全くなかったエレ ( 翻訳 / 野口みどり )
3 6 歳のセイラム・アブドラ・ムサ ビ。栄養失調のため集中治療室に いる。 2016 年 9 月 11 日 摘も出ている。 苦しむ子どもたち この状況をさらに悪化させかねない イエメンの内戦と、他国の連合軍に のが中央銀行の移転だ。内戦で国外退 よる空爆についてロ、 3 。 1 ヘージで紹介避しているイエメンのハディ大統領は いま、イエメン国内の飢餓が 9 月、中央銀行の本部を、イランの支 層深刻化している。多くの病院が、援を受ける反政府勢組織フーシが占拠 食料不足でやせこけた子どもたちであする北部の首都サメアから、政権側が ふれているのだ。 掌握する南部の港湾都市アデンに移す照 港町フダイダにあるサウラ病院の小 よう指一小したのだ中央銀行を閉鎖す 児科救急病棟では、まさに骨と皮ばか ることで、反政府組織が兵士たちの給 りの幼児たちが身をよじるようにして料にするはずの 1 億ドルを失えば、反 べッドに横たわっている。待合室や廊政府組織にとっては痛手となるだろ 下は、今にも餓死しそうな子どもを抱 う。しかし重大なのは、内戦による経 えた親たちで混雑している。 済崩壊に苦しむ一般市民をさらに厳し サーリム・イッサ ( 6 歳 ) の両足は杖い状況に追い込むことにもなる。 のように細い。傍らで見守る母親は「以 イエメンの輸入関係者たちは、大統 前はこの子にビスケットを食べさせて領の決断は経済を弱体化し、食料の輸 病気になってからは何も食入をいっそう難しくするものだと話す。 事 べようとしない」と話す。 諸外国の外交官や支援組織の職員たち 信旧 看護師によれば、この小児科救急病も、不安定な中央銀行がもたらす一般通 棟に運び込まれたのは炻年 4 月には川 市民への悪影響を懸念する。 5 人だったが、 現在はそれがひと月「紛争当事者が攻撃の道具として中央 所 に 120 人に増えているという 銀行を使おうとしており、最も貧しい 食料不足の原因は、 1 年半以上にわ人々が極限状態からその先へと追いや影 たって続く内戦で政権側を支援するサられる恐れが高まっている」と国際支 文 本 ウジアラビア主導の連合勢力が、イエ援団体オックスフアムのリチャード・ メンの港を事実上封鎖し、食料輸送船スタンフォースは話す。イエメンの経 者 の入港が困難になっていることだ。国済アナリストは「 100 万人以上に給撮 連によると、アラビア半島の最貧国で料が支払われなければ、長期的にはフ あるイエメンの国民 2800 万人のう ーシに打撃となるかもしれないが、影 ち、半数以上が十分な食事を取れずに 響はまっ先に何とかして食卓に食べ物 いる。国際機関などがすぐに介入しなを用意しようとしている普通の人々に 訳 ければ、深刻な飢餓が発生するとの指出るだろう」と警告している
チェルノブイリと福島における小児甲状線かんと事故時年齢との関係 た講座だけど、地元の方々の参加は実なので、炻年 9 月の福島県県民健康調れが凄かったのです。 スクするよう言われているんたよね 査検討委員会では。一「「違って見えて当た 質 6 名。取材はおしどグたけ も真夏の猛暑の中、マスクをするこ 代男性。】。自宅や農地の周囲は除染さ・ " 。。」。」、 ~ ー -- ・で・・ - ・ 講師は 3 名。放射線医学総合研究所り前で、この 2 つを比較してチェルノれています。でも自宅から農地に行く となんててきないんたって ) までの道、林道や山の脇の道がまだま ( 放医研 ) の先生のお話は、いつもどお 。フィリと福島の原発事故の汚染は異な 講座が終わったあと、出席された地 り安全側に大きく傾いた恣意的なものるという説明は恣意的すぎる」と、何 だ汚染されていて線量が高いここを元の方々にインタビュ 1 すると、「これ でした。チェルノブイリと福島の原発人もの先生からクレームがついたので通るときに被曝するのですが、県とし が安心・安全の中身ですよ。あなた、 事故後の小児甲状腺がんのグラフを使す。でも、福島県内ではこのグラフはてどんな考えですか ? これで安心して戻れる ? 俺たちはね、 ってらして。これは、チェルノ、フィリ こうやって現役なのねえー •<W< の方【そういう場合は走り抜被曝前提で戻れって言われてんの」と けてくたさい の汚染は大変だったけど、福島の汚染 県の農業総合センタ 1 のお話は実践 話されました は健康に影響ないよと言いたいがため的なもので、どうやったら農作物に移 ( えええ ! ケンちゃんと顔を見合わ この講座は、原発事故の汚染に抗議 している方々は来られないタイプのも のもので、この日も「この 2 つのグラ行するセシウムを低減できるかというせました ! ) フは形が全然違うでしよう、チェルノ調査結果。効果的なのはカリウム肥料 自宅や農地には長時間滞在しますのでした。だからこそ、どんな考えの 、フィリと福島は異なるんです ! 」と説を撒くこと。土壌中にセシウムがあっ が、道には滞在しません、できるだけ早方々がいらっしやるのか取材したかっ 明されました。だけどこのクラフは、 ても、土壌中のカリウム濃度を上げれ く通過してくださいあと、除染されナ こ。帰還したいけど不安に思っている 縦軸も横軸も調査期間も異なるのね。 は、農作物はセシウムではなくカリウていないところも確かにありますが、 なか、原発事故の汚染は「個人で気を ムを吸収する作用があるのです。でも、待っているだけではなく、草を刈るとつけろ」という説明会で、ガッカリし か自分でできることもしてくたさい 農民連の方々は「農作物に移行するセ て怒って帰った方々がほとんどでした。 でも、私はわりとフェアな説明会だっ シウムが減っても、土中のセシウムは ( それもまた被曝するよね : : : ) 月 変わらない、つまり俺たちは被曝しつ 代男性【私は大々的に農業をやってたのではないかと思います。「原発事 年 6 ばなし ! 」とのこと いるわけではなく、家庭菜園程度です。故の汚染なんか何も問題ないですよ 5 2 日本原子力研究開発機構 ()< <) が、草を刈ったり土埃が舞ったりして☆」みたいな講演会も多いから。放医 町 俣の方のお話は、カラス、ハッジを付けた それを吸い込めば、内部被曝すると思研の話は酷かったけど、リアルな汚染 います。 県方の行動記録を元に、どういう状況で 情報を出し、「気をつけてください」「こ 言田 被曝するかを追ったものなど。同じ農放医研の方【そういう場合は、鼻をか うして農業、生活をしてください」 方 の 作業でも、線量の高い農地のほうが被んでくださいー 話された方もいます。地元福島県の農 研 医曝するとか「被曝を低減するために 業総合センタ 1 と、いわき市出身の ( また顔を見合わせました ! ) る にの職員の方です。 はこの線量の高い部分に対策をすれば す 土壌にセシウムがくっ付いて離れ しいのです。除染をするとか滞在時間 い状況になっており、確かに吸い込 でも現状は「セシウムと共存」、この と プを短くするとかみなさんは今後、セみますが、鼻の粘膜に微量付く程度で言葉に尽きるのだと思います。ふざけ 違 シウムと共存するということを考えてす。できるだけ鼻をかむなりすればよんじゃないよ ! 6 年経っとこんなお 島 言田 いのです。あと、マスクをすることも 生活してください」と締めくくられま かしな状態にみんな慣れちゃうの ? イ した。セシウムと共存 有効です。 生きている方々は、力を貸してくださ さて、一番取材したかった質疑。こ ( 現在ても福島県内の農家の方々はマ 工 チ 【チェルノブイリの第】 ・事故当時 . 0 ~ 第てあったを代て . 事教後 4 を物をてから・に増 この 0 が強は ( による影響 が・かつを 【確物第の第 : ・事当の繙高い新に収がん / ん疑いとされをな物第多い 今後も引き確き、料学的に検討することか第響 , 0 講演 ~
事情がある の真のコストや安全性、再生可能エネ 沿岸漁業を営むある男性は、次のよ ベトナムの決 ルキ 1 の可能性に。っ " ・い。て、。。「国会議員 - た。。。。。ー - 一《に不満をもらす。「 ( 原発建設の ) 話 「原発には経済競争力がない」 ちの関心は高かった。 「勇気ある撤退」 を聞いた当初は、移転をするから家の 増築もだめ、結婚しても世帯を増やす Ⅱ月日、ベトナム国会は、中南部 のもだめ、と言われたその後それは 「電力需要の伸びは、原発計画が提案移住を迫られて : なくなったが、 で予定されていたニントウアン省原発されていた当時の見込みより低下して翻弄された住民 原発によって将来設計 建設計画の白紙撤回を求める決議案を いる。節電技術が進み、 ;--a Z や再 、、、ここよい早くどちらかに決めてほ 可決した。ニントウアン省の原発事業生可能エネルギーなどが竸争力を持ち さて、ニントウアン省第二原発の建しい」「当初は村全体での移転だった のうち、第一原発はロシアが、第二原始めている。 ( ニントウアン省の原発設予定地は、省都のファンランタッ が、最近は村の半分が移転すると聞か 発は日本が受注を予定していた を建設しなくても ) 今後、国内需要は プチャムから北東に約キロに位置すされた。村が分断されるのは気が重い」 まかな ベトナムが今回撤回に踏み切った主十分賄える」と、ベトナム科学技術環るタイアン村にある。ここは、美しい な理由は、原発がもたらす経済性だ 境委員会副委員長のレ・ホン・ティン海と乾燥地独特の不思議な景観に囲ま原発は ふうこうめいび つん 0 一 1 1 年の福島第一原発事故を経て、議員は年川月、れた、風光明媚な村だ。海岸にはアオトイレなきマンション 安全対策の強化などから、原発建設費紙のインタビューで述べた ウミガメの産卵地もあり、周辺一帯は 用は当初見積もられていた 1 兆円から「これはク勇気ある撤退だ」とテイ国立公園になっている。村人たちは、 そもそも、解決不可能な放射性廃棄 2 ・ 8 兆円に上昇した。さらに、原発の ン氏。彼はこう続けている。「これ以上。フドウ、ニンニク、カラシ、ネキなど物の処分はどうするのか筆者は何回 発電コストも、当初見込みから 1 ・ 6 ( 原発建設 ) 計画を進め、さらなる損失の乾燥地農業と沿岸漁業、ヤギや牛、も経済産業省に 、二義的に 倍ほどに上昇した。石汕価格が低下しを被らないうちに早期に計画を中止す鶏などの家畜を飼って暮らしている。 は相手国が決めること」との点ばり たことや、 ( 液化天然ガス ) や太る必要がある」と 実は、原発建設のため、住民は村か それは無責任ではないかと問うと、「日 陽光発電など他の電源の単価が下がる 川月 6 日、原発計画白紙撤回の地な らの移転を迫られることになってい 本の知見を伝えたい」との回答だった。 らしともいえる国際ワークショップ 中、今や、ベトナム電力 ( Z) の社 放射性廃棄物の最終処分をめぐって 長でさえ、「原発には経済竸争力はな が、ベトナムの首都ハノイで開催され 事実上一党独裁のベトナムでは、国は、処分地選定の調査すらめどがたた い」と発言している た。多くのベトナム国会議員や政府関家政策について住民たちが反対意見をオし よ、状況が続き、原発は「トイレなき ベトナムの巨額の対外政府債務も深係者が参加し、南アフリカ、ドイツの言うことは難しい状況だ。タイアン村マンション」状態が続く政府は、「科 刻だ。日本政府は、政府開発援助 (0 専門家が、解決不可能な放射性廃棄物の住民たちも、訪れた筆者にロにした 学的有望地」を示した地図を年内に一小 として、ベトナム電力に累積 6 の処理や原発のライフサイクル・コスのは、原発建設事業に対する反対ではすというが、「問題を理解してもらう 00 0 億円を超える金額を貸し付けてト分析を報告した。筆者からは、い なく、移転に対する不安であった。。フ きっかけを提供するのがねらい」 いる ( 円借款 ) 。さらにベトナム政府も続く福島第一原発事故の被害の実 ドウ畑で農作業をしていた女性は「こ うに過ぎない。、 したいどんな「知見」 は、国際協力銀行や民間銀行からの借態、多くの人々が故郷から離れて苦し こは季候もよく、生活は安定している。 を伝えるつもりなのか 金もある。政府債務はいまや、 い避難生活を続けていること、「原発せつかく耕した農地を失いたくない。 に対する割合でパ 1 セント。これ以 さえなければ」と書き残して自死した 本当は移転したくない」と語ってくれ 上債務を増やすことができないという 酪農家などにについて報告した。原発 37 DAYSJAPAN2017/1
角を切り取る作業は、サイに麻酔 をしてからおこなう。目を覚まし て普通に歩きだすまで 20 分もかか らない。 イを見守るために毎月囲万ューロ ( 約細菌の感染が急速に広がり、€数豆 2400 万円 ) を費やしているという。サイが死んだこれを受け、南アフリ 「こうした費用を賄うためにも、サイカの自然保護に取り組む複数の の角を合法的に販売する必要があるんは「サイは牛ではない。飼育はできな い」とヒュームを非難した。 だ」と、ヒュ 1 ムは主張する ヒュ 1 ムたち南アフリカの畜産農家 異論唱える たちは、サイが絶滅危惧種であり国際 専門家たち 取引が禁止されているにも関わらず、 こういったサイ農家たちの主張に対「牛からは乳を搾り、羊からは毛を刈 る。それなのに、サイを育てて角を取 し、野生動物を守るために活動するイ って何が問題なのか」という思いを抱 キリスの Z O 「ポ 1 ンフリー」の (-) いている。密猟を防ぐことに繋がると O ウイル・トラバースは異を唱える 「かって、象牙の密猟問題をめぐって主張はするものの、彼らが莫大な利益 同じ主張が出されたことがある。つまを期待していることは事実だ 現在、サイを飼育する農家たちは何 り、殺さずにク必要な分だけ採取すれ トンものサイの角を国内の秘密の貯蔵 ば、いだろう、そうすれば密猟もなく なるはずだという主張だ。それによっ庫に保管している。ヒュームは自分が て 2 年、限定的に取引が認められ、ア保管している角を 5 トン程度と見積も に 100 トンの象牙が供給る。これらを販売することで巨額の金 ジアの市場 された。それだけの量があれば需要は銭を得ることができるとすれば、それ 満たされ、密猟は止まるだろうと国際は最短でも円年にスリランカで開かれ 機関は考えたのだ。ところが、結果的るワシントン条約で角の取引が認め には、需要は増加し、密猟も増えた」られた後だ ( 認められればの話だが ) 。 ースや他の専門家たちは、取しかしそれが現実になるかどうか、見 引の合法化は逆に絶滅を招くと考えて通しは未だ立たないままた こうした状況の中、サイを飼育する しるト一フハ 1 スはこ - フも机ける。 「取引を合法にしてしまうと、まとも畜産農家には、破産の危機に脅える者 な科学では証明されていないサイの角も出始めている。その危機が現実にな の治療的効果にクお墨付きツを与えてれば、現在彼らの農場で暮らしている 何千頭ものサイたちの運命も危うくな し土フこし」になる」 多くのサイを限られた面積の農場でる。いずれにしても、サイたちの命が 飼育することで、サイの健康問題も発翻弄される状況に変わりはない。 ( 構成・翻訳 / 田村栄治 ) 生している。ヒュームの農場では年、
DAYS JAPAN からのインフォメーション J A P A N 「辛くなっちゃって、写真をまともに見ることができません」「創刊号か ら読んでいるけれど、もう歳をとったので、血や死んだ人を見る体力 がなくて・・・・・・」。読者の方から、そんな声をいただくことがあります。 そういう声は年々多くなってきているように感じ、それは世界がそれだ け「過激化」しているということでもあるかもしれないし、 DAYS JAPAN を長年読んでくださっている方には、「目をそらしてはいけな い」という私たちの創刊以来のメッセージが重荷になり始めているの かもしれません。私たちは、そういう声を大事にしたいと思っていま す。とはいえ、大手マスコミのように、「被害者のいない戦争」「血の ない戦争」を伝えていくという選択肢を選ぶこともできないでいます。 だから、こ 1 か月は発行人の広河を含めて、 DAYS を変えていくの かいかないのか、社内が揺れに揺れた時期でした。ある人は、「心 あたたまるストーリーを全体の 8 割ぐらいに増やして掲載するようにす ればいいのでは」と言いました。キラキラとした命の営みを讃えること も私たちが考えるジャーナリズムですから、それはいいアイディアで す。リビングで、子どもも含めてみんなで見て、命っていいね、大切 だねと思ってもらえるでしよう。実はこの号は当初、そういう方向に舵 を切り、企画をはじめました。しかし最終的にはやはり、「 DAYS つほ い」というか、一般市民が空爆の犠牲になっている写真群が巻頭に なったのですが・ 並べてみると、どうしてもそっちの方が重要 度、緊急度が高いのではとなってしまったのです。見るのが辛い写 真があるかもしれません。ごめんなさい。 DAYS JAPAN は日本で一番、家庭のリビングに似合わない雑誌 だと思います。 DAYS の誌面は、世界中の絶望や怒りや悲しみや矛 盾で溢れています。私を含めて人が欲しいのは絶望ではなくて希望 ですから、 DAYS はリビングにも食卓にも似合いません。でも、絶望 の中にいる人たちにとっては、その状況を伝えられるだけで希望にな ることがあると思うのです。伝えられたその先で、誰かがこの状況を 変えてくれるかもしれない、幸せが訪れるかもしれないという希望で す。 DAYS は、辛い状況下の人たちゃ辛さの中にいる「声なき声」 にとって 1 点の小さな希望の光になりたいです。その光は多分、届け られた家庭のリビングでは 1 点の闇になるでしよう。「その闇を見て ! 」 と強要することはできませんが、覗きこんだその先を見てくださった 人々が、加害者にならない選択、人の幸せを犠牲にしない選択をす ることを、生活の中で大切にしようと思ってくださったらいいなあと、 今は思っています。だからもうしばらくは、 DAYS はリビングの闇にな る方を覚悟して選ばうと思います。とはいえ、辛い状況を知り「何を していいかわからない」のも心がモヤモヤするものです。だからこそ、 生活の中で犠牲をつくらない選択ができるライフスタイルも今後提案 していく予定です。 見るに厳しい写真については、本当に必要だと思うものだけを、 編集部の中でよくよく吟味して、載せていくことにします。いかがで しようか ? 今回の編集後記は「揺れる編集部便り」のようになって しまいましたが、 DAYS への要望やご意見など、お待ちしています。 2017 年も、どうぞよろしくお願いします。 ( 丸井春 ) 次号 2 月号 ( 1 月 20 日発売 ) 特別対談ニ上智恵 ( 沖縄記録映画標的の島」 ( 仮題 ) 監督 ) x 橋本佳子 ( プロテューサー ) 連載・自分と周りの人を守る方法② ョウ素剤、みんなが持っためには ? ※本号に掲載予告をしていましたヨウ素剤の記事は、次号に掲載いたしま す。ご了承お願いいたします 営みの地球シラサギ 広告募集のお知らせ DAYS JAPAN では広告を随時募集しています。媒体資料を ご用意いたしておりますので、下記までお問い合わせください。 TEL 03-3322-0233 E-mailinf0@daysjapan.net 読者 プレゼント コーナー ネパールのフォーク、スプーン、バターナイフのセットを 2 名様に ! p. 44 「フェアトレード x 選択③」で紹介した動物カトラリーを、なんと抽 選で 2 名様にプレゼントします ! 小鳥とうさぎのヘッドがついたフォーク、ス プーン、バターナイフのセットです。「 DAYS JAPAN の読者の方々にこのカトラリーを使って もらい、ぜひ広めていただきたい」という有限会社ネパリ・バザーロさんのご厚意により、プレ ※抽選結果は商品の発送をもってかえさせていただきます。 DAYS JAPAN 読者プレゼント係 武内ビル 302 〒 156-0043 東京都世田谷区松原 1-37-19 E-maiI : info@daysjapan.net 【お申し込み】 えてお送りください 募の旨と DAYS JAPAN の感想、お名前とご連絡先を添 【応募方法】メールまたはハガキに、プレゼント企画応 【応募締め切り】 2017 年 1 月 20 日 ( 金 ) 援してくださる読者の皆様、ぜひご応募ください 楽しむためのアイテムになること間違いなしです。いつも応 ちが一本一本心をこめて作ったカトラリーは、寒い冬を ゼント企画が実現しました。ネパールのサメ・バイさんた DAYS 国際フォトジャーナリスム大賞 2017 締め切り迫る ! INTERNATIONAL PHOTOJOURNALISM AWARDS 2017 0 測岫 ~ お損巧い 0 DAYS DAYS 大賞 2017 の応募の締め切りが近づいてきました。 毎年、世界の第一線で活躍するフォトジャーナリストたちが応 募してくるこの賞に、ぜひあなたも挑戦してみませんか ? 受賞 された方には賞金 ( 最高 100 万円 ) と賞品が授与され、作品 は DAYS JAPAN の誌面とウェフ。サイトに掲載され、そして 全国でおこわれる写真展で展示されます。あなたの意欲的 な作品をお待ちしています。 【応募締め切り】 2017 年 1 月 15 日 ( 日 ) 【応募方法】ウエプサイトもしくは郵送。詳細は、応募サイト (https:// www.daysj apan. net/taishou/index2. html) でご確認ください 【お問い合わせ】 DAYS JAPAN 企画部 E-maiI : kikaku@daysjapan.net TEL: 03-3322-4150 くこ協賛のお願い > DAYS 大賞は、フォトジャーナリズムの発展とフォトジャーナリストたちへの支援を目的とし て、 2005 年から開催しています。これまで、多くの企業や団体からご協賛いただき、受賞者 への賞金・賞品の授与をしてまいりました。この賞が存続できるのも、ひとえに皆様方のご協 力の賜物です。改めて御礼申し上げます。 今後も DAYS 大賞をより円滑に運営できるよう、新しい企業、団体にもご協賛をお願いし ております。フォトジャーナリストたちの次の取材を支えるために、受賞者への賞金と賞の運 営費をご支援いただけませんか。 【お問い合わせ】 DAYS JAPAN 企画部 E-maiI : kikaku@daysjapan.net TEL: 03-3322-4150 支援金 ( 1 ロ 1 万円 ~ ) 荻野光生様 / 吉田政司様 / 内田潔様 / 宮川哲夫様 / 大関孝子様 / 上川倫子様 / 八木義秋様 / 行正昭枝様 / 森田千寿様 / 辻井武廣様 / 山本忠順様 / 松本栄 次郎様 / 深井綾子様 / 星野美知子様 ※氏名の不掲載をご希望の方は、通信欄にその旨をご記入ください ( 支援金の振り込み用紙は、 p. 48 に挟み込んでありますので、そちらをご使用ください ) 。 ご協力をいただいた方 支援金をお願いします これまでご支援をいただいた方々に、心よりお礼を申しあげます。今後も、支援金を受 け付けております。郵便局で、下記の郵便振替口座に、通信欄に「 DAYS JAPAN 支援金」とご記入の上、お振り込み下さい。金額はいくらからでも受け付けております。 1 万円以上の募金者のお名前は誌面で発表させて 0 、ただきます。匿名またはお名前 を伏せてのご支援も承ります。 郵便振替口座 00180-8-722171 口座名義 DAYS JAPAN
T 0 P ー C S 戦下の中東 大国含む周辺国が軍事介入 サウジなど連合軍がイエメン空爆 命絶たれる市民たち 空爆が一国の内戦を終わらせるとでもいうのか内戦が続くイエメンで、サウジアラビア率いる 有志連合軍か 8 月から空爆を強化し、葬儀場や学校、病院、刑務所、住宅を次々と破壊、多くの市民が殺された。 国際赤十字委員会は「イエメンの市民はこの 1 年半の間、甚大すぎる犠牲を強いられてきた」と非難 日の停戦が合意されたが、戦闘はなお続いているイエメンは元々、食糧の 9 割近くを輸入に依存 連合軍は食糧輸送に不可欠な空港や港湾なども爆撃し、飢餓に拍車がかかっている ( 深刻な飢餓の状況は 5 ヘーシに掲載しています ) 写真 / <C / アフロ Ph0t0byAP 、 Af10 上 : イエメン最大とされる兵器庫を有志連合軍 が空爆し、火災と煙が上がる。サヌア交、イ エメン。 2016 年 1 0 月 1 4 日 右下・有志連合軍の空爆に抗議するため、犠牲 者の血を象徴する赤い塗料で染めた布と服を 身につける少年。サヌア、イエメン。 2016 年 1 1 月 27 日 左下 : 有志連合軍の空爆でアル = ザイティヤの 治安本部内の刑務所が破壊され、殺された治安 職員らの遺体。ホテイダ、イエメン。 2016 年 1 0 月 30 日
皮女よこの めのシェルターを作った。彳 ( 「動物に捧ける生き方 シェルターを「ルーシ 1 の家」と名付 「だれも見向きもしないような動物をけた。ルーシーとは彼女が初めて保護 救うことが、私の信条」と、エレナ・ト した大の名前だそのうち、保護を必 ヴァ ( 翁歳 ) は言う。彼女は 2009 年、要としている動物は大や猫だけではな スペインで最初の「動物サンクチュア ( ということに気づいたエレナは、 2 リ」を立ち上げた。そして、スペイン年後、そこを他の動物たちも保護する の北東部、地中海に面したカタル 1 ニためのサンクチュアリにすると決め ャ州のタラゴナで、多くの動物たちと た。まずは農場や牧場で食肉になるた 暮らしている めに死を待ったり、使役させられたり 動物サンクチュアリとは、主に食肉している動物たちの一部を保護し始め などになる食品動物や家畜、商業動物 た。その後、動物実験のために使われ たちをその状況から救い、彼らに苦している動物や、サ 1 カスで働かされて みなく生きる場所と自由を提供する保 いる動物などへ救出範囲を広げていっ たエレナは、こうした場所にいる動 護区のこと。同時に、動物福祉につい て人々に伝えていく役割も果たす。「畜物たちは通常、病気になったりケガを 産動物の楽園」とも呼ばれ、日本には したりして「商品」価値がなくなった まだないが、 1 9 8 6 年、アメリカ・ り使い物にならなければ「処分」され ニューヨーク州に最初のサンクチュアてしまうことを知り、そこから救いナ 、と思ったとい , フ リが誕生して以降、多くの州や国で「楽 2 012 年、エレナの活動を知った 園」は少しずつ数を増やしている。 もともと動物が好きだったエレナは、 ドイツの基金団体「プロヴィーガン」 不動産会社のグラフィック・デザイナが協力を申し出た。ヴィーカンとは菜 1 をしていた約囲年前から、自分の家食主義者、プロとはそれを支持すると ヴィ 1 ガンは いう意味だ。ちなみに、、 で野良大や野良猫を保護するようにな いわゆるベジタリアンのことだが、 った。保護した動物たちの多くは白血 1 病や免疫不全、感染症などの病気を患の中でもも「とも厳格で、肉、魚介類、 っていた。保護を必要としている動物卵などの動物性食品はもちろん、それ たちはみな、保健所に連れて行かれれらのエキスが入ったものも口にせず、 ば、すぐに殺処分されそうな病気を抱動物実験をした商品や皮革製品などの えていることも知った。 使用を避ける、徹底的に、自分のライ フスタイルから動物の犠牲を排除しょ 2 007 年に彼女は退職し、マドリ うとする人々をいう ードの小さな土地を借りて大や猫のた 皐のフリツ・クズは複数の大からを一トー 第攻撃れ、。歩けなーぐなるほとの傷ー - , ーー ~ を負 ? た。現在はアみリカの 3D デクノ - ロジーを使づて特別に製作 さ町な義足をうけてもらいゾ元気い 、歩き回っている。。 、ブッ、、い
みった・かんな 国際環境 z 0 0 LL 0 u-J Q c 理事 3 ・の東電福島第一原発事故以降、福島や各地の 市民たちとともに、逃避基準ミリシーベルト撤 回、避難の権利確立、子ども・被災者支援法を実 現する活動、脱原発運動などに取り組む。 ( 写真右上から時計回り に ) ニントウアン第ニ原発 の建設予定地近くの海。 魚 ( イカナゴ ) を干す村人 たち。原発建設予定地 近くの塩田 ( 以上 Photo by Kanna MITSUTA 、 2011 年 1 1 月 ) 。 村で長年漁業を営んでき た男性。漁業は村の人々 にとって大事な収入源だ ( 2012 年 1 月 20 日、 Photo by Chau Doan/ Getty ー mages) 。 1 8 ベトナムへの原発輸出は頓挫し、リト アニアでも原発計画が凍結された。ト オールジャパンで 原発売り込みに走った日本 ルコでは政情不安で原発建設どころで 原発産業が望みをたくすのは 1 年 1 月Ⅱ日には、日印原 日本はベトナムへの原発の売り込みインドだ。 6 1 子力協定が締結された。被爆国である 官民が動いてきた。 2006 年に は、日越共同声明で、グエン・タン・ 日本が、核不拡散条約 (z;«e) や包 ズン首相と安倍晋一一一首相が原子力協力括的核実験禁止条約 (0 e) を批 の推進について合意。川年の日越首脳准せず、核兵器を所有するインドへの 会談で、ベトナムがニントウアン第二 原発輸出が可能になる。協定では、核 原発について日本をパートナーに選ぶ物質の濃縮や再処理も認めた。安倍政 こと、日本側からは事前調査の実施、権は、国内でのビジネスが頭打ちとな 低金利で優遇的な融資や技術や人材育っている原発産業の延命のために、核 成などの面で協力をおこなうことが合廃絶の国是も顧みす、原発輸出政策を 意された 進めている状況なのだ。 その後、福島第一原発事故を経て、 いったん原発輸出は止まるかにみえ復興予算を流用 た。しかしⅡ年に月、野田政権下で、 日本原電に巨額の調査費用 ベトナム、ヨルダン、韓国、ロシアと 経産省は、ニントウアン第二原発の の原子力協定が一括承認された。多く 実施可能性調査の名目で総額約億 5 の国民の反対の声を無視しての決定だ 0 0 0 万円もの税金を日本原子力発電 った。さらに第一一次安倍政権になると、 ( 以下、日本原電 ) に流し込んでいた 原発輸出路線にはさらに拍車かかカ まず、 2 年に経済産業省の「低炭素 安倍首相は最初の訪問地にベトナ ムを選び、原子力分野での協力を確認発電産業国際展開調査事業」として約 加億円を日本原電へ。Ⅱ年Ⅱ月に「イ ンフラ・システム輸出促進調査事業の 企業側はといえば、北海道電力から 九州電力までの電力会社と、東芝・日一部調査」という名目で、復興予算の 億円が投じられる形で日本原電に調 立・三菱の 3 メーカ 1 などが出資して 5 「国際原子力開発株式会社」を設立。査委託。競争入札なしの随意契約だっ オ 1 ルジャパンとして売り込む姿勢をた その後に年に月、経産省は日本原電 見せていた とんざ
ロ ジ 真 サウジアラビア オマーン プラビア半島の最貧国、イエメンの飢餓が極限状態になっている。 終わらない内戦による食糧不足に加え、内戦に介入する サウジプラビア主導の連合軍い、イエメンの港を封鎖している。 紛争の傍らで、子どもや身体の弱い者から、息絶えていく。 イエメン 工リトリア ジプチ アラどアー・ ソマリア 工チオビア イ手メンの郎餓